溺愛攻めを怒らせた

冬田シロクマ 

文字の大きさ
99 / 132
シーズン2

甘いと診断結果

しおりを挟む
「なにか…他に不安がらせるようなことしたかな?」

ハルに見つめられて、電気で痺れているみたいに身体が動かない。
ほほえむハルに、いつもと違うものを感じた。
まるで「逃げないよね…?」と言われているようだった。

「違う、そうじゃなくて」

焦ったように言う。
ロンの瞳はせわしなく動いた。

「うん?どういうこと?」

優しい声と表情。
ニッコリ笑うハルに、圧を感じた。

「…………うんざり、しただろ。」 

ほんとは言いたくなかった。
ぼくを見ている目が離れない。
ハルは、ぼくがなにを言ってるのかわかっていないようだった。

「かあさん…あの人の鬼電には」

目も見ずに言った。
ぼくは、ハルにこれ以上このことに突っかからないで欲しい気持ちが増した。

「だから…」

面倒くさくなったと思って…

言葉が続かない。
暗い表情でうつむくロン。

「…全然」

ハルは目の前のカップに口をつける。
窓の外に視線を移して言った。
明らかにハルをまとう空気がゆるむ。 

「なに、それでおれがロンと別れるとでも思ったの?」

「ははっ」と笑うハル。 

「甘いねぇ。ロンは」

ハルは、白い湯気が出ているラテを口にした。
……


愛情不足

それも深刻な…

診断するとそう言われた。
自分ではわからない。

僕は、周りの人間よりも親から愛されている、と感じる。

自分が不安定になるのはたまにで、なにかに依存してなきゃ生きていけないなんてことはない。

精神科医の本の中で、愛情飢餓の人の例としてあげられるのは、いつもアル中や性行為など、なにかに溺れている人たちだった。

自分は全然違う。

子どもだったとき『おかあさん、ぼくのこと好き?』と聞いてみたことがある。
大好きだと言われた、当たり前だと。

「ほんとう?」

昔から疑り深かった。
子どもの頃のぼくは、不安そうに聞いた。

「当たり前でしょ」

そう笑う母。
……
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

少年探偵は恥部を徹底的に調べあげられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

処理中です...