底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第3章

第16話

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第16話

「ミーツさん、マジで凄いな!」

俺が巨大な蠍を倒してI.Bに収納した所まで、遠くで見ていたガメニが近寄って来て、俺をまるで英雄でも見るかの様に、キラキラした目で見つめて来た。

「お前さっき、オッサンって言ったろ?
でも、咄嗟の事だったけど助かったよ」

 俺は刀を収めて、槍を片手に持ちながらガメニに近付いた。

「だろ?咄嗟に出ちまったんだよ。なるべく言わない様にするから悪かったよ、ミーツさん」

「まぁ、良いけど俺も助かったし。
ビッグなんとかって巨大な魔物はこの先にも出るのか?」

「あぁ、滅多に出会わないけど出るぜ。
前にビッグゴールドスコーピオンが現れた時は冒険者達が、10人犠牲になったんだぜ」

「そうなのか?倒した事ないのか?」

「無いな、オレがこのダンジョンに来た時はまだ冒険者の数は30人程いたんだぜ」

「マジか?ガメニ以外に寝ていた冒険者の数は5人しかいなかったぞ?
 その冒険者たちも冤罪で捕まったのか?
あ、冤罪ってのはな、濡れ衣つまり、やってもいない罪を負わせられる事を言うんだ」

「それが、さっきミーツさんが言ってた冤罪ってやつなのか。オレの聞いた話だと、此処に連れて来られる前に、全てここのギルドマスターと話しをしている人が連れて来られているみたいだぜ」


 成る程な、それならレイン様の事で王様に会わなきゃいけないな。
でもって、レイン様のレリーフだけじゃ、王様に会うのは弱いから、このダンジョンをクリアして王にこのダンジョンボスを献上しなくては、ガメニ達をも解放させるのは難しそうだ。


「ガメニ、何が何でもこのダンジョンをクリアするぞ!そうでないと、お前達も解放させるのは難しくなりそうだからな。
この、えっと何だっけ?ビッグなんとかみたいな巨大化した魔物は後どういった奴がいる?」

「ビッグゴールドスコーピオンか?
さっきレッドモスと戦ったろ?アイツも巨大化した奴が襲いかかってくるぜ」

「この二階層にか?」

「いや、そんなの聞いた事ないな。 他の階層で運が悪ければ出会うぜ」

「成る程、じゃあこの先も出会う可能性は高いって事だな。俺の運は低いからな、それにこの蠍はもう出てこないんだろ?」

「多分な。倒した事ないからなんとも言えないけどな」

ガメニとゆっくりと話していると、広場の中央に位置する場所で、地面から砂を掻き分けながら今倒した魔物が現れた。

ゲームかよ!って思う程早く、ゲーム用語で言えばリポップっていうのか?
てっきり、この階層の中ボスか階層ボス的な魔物だと思っていたのに、何か裏切られた気分だ。

巨大蠍はまだ俺達の事を気が付いてないみたいだから、ガメニに指示して、ゆっくりと後退して蠍に見えない場所に移動した。

「おい、ガメニ、あの広場を通らないルートで下に降りる階段はあるのか?」

小声でガメニに話しかけると、ガメニも小声で答えてくれて、あるにはあるけど凄く遠回りになるらしい。

それなら、もう無理して倒さないで先程みたいに凍らせて先に進むか!

「ガメニ、俺がさっきみたいにアイツを凍らせるから、その隙に地下に降りるぞ」

 そう言って、広場が見える位置まで戻ると蠍は居なくなっていた。
 アレ?居ないな、これなら素早く壁際に張り付きながらだと通れるか?

 広場を見ていると、俺の肩をトントンとガメニが叩いている。
 考えてるのに鬱陶しいな!って思って振り返ると、ガメニは泣きそうな顔で歯をガチガチしながら、何も言わずに上を指差した。

すると、壁の上には巨大な蠍が壁の上の部分を器用に動き、俺達をジッと見ていた。

「ヤバイ!走れ!」

俺はガメニに言ったが、ガメニは震えて動けないでいた。俺はガメニの手を引っ張り広場に出ると、巨大蠍は広場中央部に大ジャンプして戻って来た。

 あの巨体で大ジャンプって反則だろう!
 俺は咄嗟にガメニを広場の壁際に押して、先程と同じく蠍の胴体に飛び乗り、一番危険な尻尾を切り落として、次は鋏って所で鋏の部分が急に伸びて、俺を挟もうとした。

 間一髪で避けられる事が出来たから良かったものの、先程の蠍とは少し違うようだ。
 とりあえずの所、蠍から飛び降りて対峙していると、先程切った尻尾が再生しだした。

 そして、レッドモス同様に赤く変色しだした。
 俺はこのまま全身が赤く染まれば危険だと判断して、-40度の冷凍の想像魔法を当てると、効いてないのか、冷気が水滴に変わっていった。

さっきと違い過ぎて、ヤバイと感じつつ見ていると、その水滴も蠍の胴体に着く頃には蒸発してしまっているのか?蠍が見えなくなるくらい蒸気が広場いっぱいに立ち込もった。

 このまま見えないんじゃ、本当に危ないと感じた俺は、突風の想像魔法で蒸気を飛ばして、蠍の現在の状況を見ると、赤く変色しだしていたのも、全体が真っ赤に染まって俺の危険信号が鳴っている。

 俺はガメニに目線だけ向けて、先に行けと合図を出した。
 ガメニはそれに気づいて、ゆっくりと壁際を歩きながら蠍の横を通過しようとした瞬間、蠍がガメニに鋏を向けた。

 ガメニは壁際で固まってしまっている為、俺は動いてガメニと蠍の間に立ち塞がり、今一度冷凍の想像魔法を使い、蒸気を広場に作った。

 ガメニも蠍も見えないけど、これでガメニが移動してくれる事を祈って、蠍と戦う事にしたが、どう戦おうか?
 蠍が居た場所は把握しているから、尻尾がある辺りに移動して、刀を振ると『ガキン』と音がして尻尾を切れないでいた。

切れないと分かったら、とりあえずは後ろに下がって距離を取っていると、蒸気が晴れだして蠍が俺と対峙しているのが分かった。

ガメニはちゃんと逃げたかを確認すると、股間を漏らして、まだあの場所にいた。

「ガメニー!何やってんだよ!
折角、蒸気を作って隙を作ったのに何で移動してないんだよー」

そう俺が叫ぶと、ハッとしたガメニが走って蠍が壁の上に付いても攻撃出来そうにない通路に入って行った。

 横目で見てガメニの心配は無いと安心したが、コイツはどうするかを考え中だが、どうするかな。思いっきり考えられる冷気を当てるか?
それとも、逆に火を当ててみるか?

ものは試しで、直径5mの炎の大玉を作り、蠍に向かって飛ばして当てて見ると、炎が吸収されて蠍が倍近く大きく膨れ上がった。

目の前の蠍に、すかさず同じ炎の大玉を10個程作って当てて行った。

・・・・・

9個目の炎を当てると、大きさは広場一杯の俺の立ち位置も危うくなるくらいの大きさになってしまったが、蠍も動きが鈍く、鋏を動かそうと思っても、大きくなり過ぎて自分の関節に引っかかっていた。

最後の10個目の炎の大玉を当てると、当てた瞬間、蠍の身体が内部で沸騰しているかのようにブクブクと水泡が出来出した。

 何かおかしいと思った俺はガメニが入った細い通路に向かって入った。
 その瞬間『パーン』と風船が割れるような音と共に蠍が弾け飛んで、蠍の肉塊と炎がこの階層全体に降り注いだのでは無いだろうかと思うくらい、広範囲にひろがった。

 俺達のいる細い路地にも炎が降り注いだから、俺は想像魔法で簡単なドームを壁で作って防いだ。
 小さく空気穴としてと、辺りが分かる様に穴を開けていたから、炎が降り終わるのをジッと待っている状況だ。

 しばらく待っていると、炎も肉塊も降り終わりを迎えて、辺りが静かになった。
 壁の一部を大きく開けて、広場の方に向かうと広場の中央に位置する場所に、一本の剣が地面に突き刺さっていた。

 俺はその剣を手に取り、地面から引き抜くと引き抜いた瞬間、地鳴りが聞こえ剣身が綺麗に真っ赤に染まった剣が出てきた。
 剣の大きさはロングソードより少し大きめの両手剣といった感じだ。
グレートソードかバスタードソードに近いかも知れない。

 刀身を触ってみようと指を近づけると、触ってもないのに熱さが分かる。
 鞘が無い為、とりあえずの所はI.Bに入れて置こう。

しばらく、またリポップしてくるか様子を見る事にしたが、現れる気配がない為、ガメニと地下三階に移動する事にした。

まだ、地下二階なのに先は長いな。




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