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第3章
第45話
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第45話
王都から出てしばらく馬車に揺られながら、進んでいると急に思い出した。
「あ、冒険者達に黄金を渡すの忘れていた。
姐さんとシオン悪いけど、ちょっと王都に行ってくるね」
それだけ言い残して、瞬間転移で王都に戻り、ギルド前に行くと「キュイーーン」と声?音が聞こえ上を向くとロップが降って来て俺の顔面にダイブしてきた。
あ、コイツの事も忘れていたな。
どこにいたんだ?辺りを見渡すとギルドの建物の上からロイスが飛び蹴りをしてきたが、見えない壁にぶつかって壁に張り付いたカエルみたいになってしまっている。
いつの間にか付いて来ていたソルトがやってくれたみたいだ。
「ソルト、悪いがしばらく姿を消していてくれ」
「了解致しました」
ソルトは姿を消したのを確認して、地面に落ちて来たロイスを見ると、涙目で顔を押さえて俺を睨んできたが、何で睨まれるんだ?全く心辺りがない!
「ボクを置いて行こうとしたでしょ!」
あー、そういう事か。
「ロイスには次のギルマスが決まる迄、この王都に居て貰おうと思ったんだよ」
「え?そうなの?ボクを置いて行こうとした訳じゃないの?でもボクがギルマスか~、ガラじゃないんだけどなぁ」
たった今思い出した事を言ってみると、思いの外、アッサリと受け入れニヤニヤしだした。
「次のギルマスが決まる迄だよ。
もし、この王都のギルマスになれば妹さんとも暮らせるから良いじゃないか」
「そ、それもそうだけど、昔の仲間に会いに行く目的がなぁ。それに何でボクがギルマスになれると思うの?」
もう面倒になってきたな。
「それなら、ギルマスになって時間に余裕が出来たら俺が連れて行ってやるよ。
その頃には、俺も流石に大和に着いているだろうからな。ギルマスになれるかどうかは、この国の王に俺がロイスにさせてやってくれと言ってあるからさ」
王が約束を破らなければだけどな。
「そんな事キミにできるの?」
「ああ、出来るよ。
最近覚えたスキルでだけどな。
その時が来たら迎えに行くよ。俺が忘れてなければだけどな?」
「何なんだよ、それー!」
あ、コイツが仮のギルマスになるなら、今回の冒険者の被害者達に黄金を配って貰えれば早いかも知れないな。
「なぁ、物は相談なんだけどな?
今回この王都での冒険者達の話は知ってるか?知っていたらどこまで知っている?」
「冒険者?何の事?確かにこの王都では冒険者の数が少ないけど、何かあったの?」
ヤバイ、こいつ何も知らないみたいだ。
それでもギルマスの肩書きは伊達じゃない筈だ。だから俺の名前を言ってきた冒険者に黄金を渡して貰おう。
「じゃあ、ロイスに頼み事があるんだけどいいかな?いいよな?
俺の名前を出した冒険者か、城に居た冒険者に俺がダンジョンで貯めた黄金を渡してくれよ。黄金はギルドの倉庫にでも出してやるからさ」
「え、うん、何か分からないけど分かった」
「じゃあ、ギルドの倉庫に行こうか、何処にあるんだ?」
「え、ボク知らないよ?」
は?知らないだと、ならば知ってそうな人ではルイスさんが知ってそうだから、ギルドに入る事にした。
中に入ると、まだ冒険者が解放されたばかりだからなのか未だにガラーンと閑古鳥状態だ。
受付に行き、ルイスさんを呼んで貰うと直ぐに来てくれた。
「あら、ミーツさん、姉さんと一緒にどうされたんですか?」
「詳しくは言えないけど、近いうちに城から解放された冒険者達でギルドは一杯になる筈なんだ。
その冒険者達に支援として、俺が黄金を渡したいけど俺には時間があまり無い上に、この国を出ようと思っているんだ。
だから、その役目はルイスさんとロイスに任せたいと思っているんだ。
やって貰えるかな?勿論報酬は俺の持ってる黄金から取っても良いからさ」
「なんだか良く分からないですけど、良いですよ。どれくらいあるんですか?」
「ロイス、あの国でのギルドの訓練場の広さを憶えているか?
あの広さが一杯になるくらいの黄金を持ってると考えてくれ」
「え?あの広さ一杯って、どれだけ持っているんだよ」
「え、姉さん、ミーツさんが持ってる黄金ってどれくらいあるのか分かるの?」
「滅茶苦茶沢山あるよ!
多分小さな国なら買えちゃうくらいあるよ」
そうなのかな?自覚なかったが、それだけの価値があるのか。
「とりあえず、ルイス。
一番広い倉庫に案内してよ」
ロイスがルイスさんに案内を頼むと、未だによく分かってないルイスさんは、とりあえずと言いながら歩いて行く事にしたようだ。
しばらく歩いて行くと外壁側に建っているトイレか?と思うほど物置小屋みたいな所に着いた。でも普通の小屋と違って扉がない。
そんな扉がない小屋にルイスさんは近づき、小屋に手を付いて、ギルド証とは少し違うカードを小屋に近づけると、小屋の扉が出現して扉が開いたが中が全く見えない。
こんな小さな物置小屋で、扉が開いたのに中が見えないってどうなっているんだ?
そう思っているとルイスさんは中に入って次にロイスが入り、俺は外で戸惑っていると、中から声をかけられてしまった。
「ミーツ、何してんだよ。
早く入りなよ。扉が閉まっちゃうだろ」
ロイスに言われ中に入ると、とても広い所にでた。広さだけで言えば、訓練場まではいかなくても、恐らくあそこの、半分近くの広さはあるのではないだろうか。
それでも棚を作ったりして工夫して、色々な物が置けるようにしてあった。
平面的な広さは大体分かったが、天井はどうだろうと、上を見上げると20m位か?
多分それくらいだろうが、まぁまぁな高さだ。
そして、俺が辺りをキョロキョロと見渡していると、ルイスさんとロイスは奥の方で俺の方を向いて待ってくれていた。
「ミーツ、早くおいでよー」
ロイスに言われ、ルイスさんとロイスの間に瞬間転移した。
「な、あそこからどうやって来たんだよ」
「ダンジョンに入ってレベルがかなり上がったからな。超スピードで来たんだよ」
「それにしては全く見えなかったけどなぁ」
流石にロイスに超スピードで来たと言っても、信用してくれないか。
でもルイスさんは「流石ミーツさんですね」と言って感心してくれている。
「ここになら、出して良いですよ」
そうルイスさんは黄金を出しても良い場所を指差した。
その場所は床に穴が空いている所で広さは20m程で、階段も何もない所をみると地下って訳でもなさそうだ。
「この場所はどれくらいの深さなんですか?」
底が見えないが降りても大丈夫なのかな?
一応聞いておこう。
「この下は、今見える天井の高さくらいの深さはあると思います」
ほほう、なら穴に入れれ天井まで積み上げれば40mは確保できるという事か。
「もう、直ぐに入れても大丈夫ですか?」
「大丈夫ですが、ミーツさんの肩に掛けてあるマジックバックに、大量の黄金が入っているのですか?」
大量の黄金を持ってると言えば、そう思われるよなぁ。
でも気にせずに、穴に向かって小さい黄金であるスカラベから、ガチャカシャと穴に入れて行った。
スカラベだけで穴が埋まり続けたが、正直スカラベだけで天井まで届きそうだが、他にも出す事にした。
大量の黄金がスカラベしかないと思われたら、何か嫌だからだ。
ソルトに貰った財宝とゴールドスコーピオンや他の魔物の黄金を混ぜつつ、天井まで積み上げた所で、初めてルイスさんとロイスに振り返れば、二人とも呆然とした顔で黄金を見上げている。
「ミーツ、キミはこんなに持っていたんだね」
「こんなに…」
ルイスさんは言葉にならない様で、ただひたすらに積み上げた黄金を見上げていた。
「まだまだ結構あるけど、置き場所ないしこんなもんだろ。冒険者に与えてくれな?
ギルマスのロイス」
「う、うん、頑張ってみるよ」
これで、ようやく此処でやる事が終わったかな? 後はしばらく日を置いてダンジョンの様子を見にでも行くか。
シルビアと王妃の罰が、どの程度かを見てみる必要があるからだ。
生温い罰だったらダンジョンの難易度を上げて、更に俺も罰に介入して厳しくしないといけないからな。
ルイスさんとロイスに一言いって、王都を出よう。俺が出て行ったのに門を通らずに此処に居るのがバレたら面倒な事になるだろうからな。
「ルイスさん、俺の用は済んだから王都を出ようと思うんだけど、この倉庫からはどうやって外に出たら良いんだい?」
入って来た扉は既に無くなっていて、外に出る手段が見当たらない為にルイスさんに聞いた。面倒な手段なら瞬間転移で行く所だが、どうだろうか。
「そ、そうですね。
では、こちらにどうぞ」
俺が扉の出現を聞くと、ルイスさんは何もない壁を触りだして扉を出現させて、ルイスさんは、そのまま扉を開けて先に出て行った。
俺はルイスさんに続いてロイスの次に、扉に入ると外に出る事が出来て、今出てきた扉を振り返ると扉はしばらく、その場にあったが、見つめているとスーッと消えてしまった。
「じゃあ、ロイスにルイスさん此処でお別れだ」
「ミーツさん、お元気で」
「またね。何か知らないけど大和に着いて、スキルで迎えに来られるならちゃんと来てよね」
「憶えてたらな。後、寄り道するかもだから、お前がギルマス解任になったら自力で来た方が早いかもよ」
俺はそう言うと、二人に手を挙げて足早に二人から隠れるように路地に入り転移した。
転移したのは良いが、道の真ん中で何も無い場所にポツンと俺は立っている。
「ソルト、付いてきて居るか?姐さん達がどっちの方向に行ったか分かるか?」
「回答、勿論付いて来ています。馬車にマーク付けてましたので追跡できます」
「じゃあ、空飛ぶから案内を頼む。
姿を現してくれ」
俺がそう言うと姿を現したソルトは、俺の上半身の服から、ほつれてる糸を伸ばして俺から一歩分離れて立っていた。
成る程、だから瞬間転移しても付いて来られたのか。
姿を現したソルトの腹に腕を入れて脇に挟む形で抱えて、空を飛ぶとソルトが指差す方向に飛んだ。
ソルトの指差す方向に進んでいると、ソルトが唐突に口を開き話しだした。
「あの、ミーツ様、私も飛ぶ事が出来ますがこのままで、良いのでしょうか?」
「そうだったのか?なら次からは自分で飛んでくれよ」
ソルトとそういったやり取りをしていると、馬車が見えて来たが、馬車は幌を被っている為行商人の可能性もあるから、馬車より先回りして降り立った。
すると、馬車の御者していたのは姐さんで俺の前に止まってくれた。
「ミーツちゃん、用事は終わったのかしら?」
「あぁ、終わったよ。後は偶に向こうのダンジョンに行ってコアに魔力の補充と様子を見に行くついでに、あの王が王妃とシルビアに罰を与えているかを見に行くくらいだよ」
「そうなのね、分かったわ。
ソルトちゃんもご苦労様」
「ダンク姉様、ありがとうございます」
こうして、ようやく忘れていた事をやり遂げて、この国を出る事が出来ると考えて馬車に乗り込むと、目の端の方で見に覚えのある魔物が目に入った。
俺の頭に乗っているロップも気付いている様で、俺の頭をペシペシと前脚で叩いている。
「分かっているよ。ロップ」
俺達が見ているのは、ロップと出会うきっかけになったあの狼だった。
「ミーツちゃん、アレは下手に近づかない方がいいわよ?」
「え?何でだい?レベルも随分と上がったし今度は倒せると思うけど?」
「ミーツちゃん、あれはね。
『ドレインラックウルフ』っていう魔物で対象者の運を一時的に奪って自分の物にする魔物よ。別名『幸運狼』って呼ばれているわ。だから遠くから攻撃するのがオススメよ」
成る程、だから幸運の象徴と言われている、ウイングラビットのロップが襲われていたのか。
でも、俺の新しいスキルの瞬間転移によって行けば倒せるんじゃないか?
俺の頭に乗せてるロップをソルトに手渡して、瞬間転移でドレインラックウルフの元に転移した。
ドレインラックウルフは驚いていたが、一瞬で俺の拳が頭に到達して頭を飛ばした。
ドレインラックウルフは、あの時と同様に三匹居て、後の二匹を攻撃しようとした瞬間、足を滑らせて前のめりで倒れかけたが、手を地面に出したら、手を出した所に魔物か?糞が落ちてて思いっきり糞に手を突っ込み、更に糞の下の地面まで泥濘んでて腕が肩辺りまで沈んだ。
「ミーツ様、危ない!」
ドレインラックウルフが俺に噛み付こうとした瞬間、ソルトがシールドを馬車から張ってくれて噛み付こうとしたドレインラックウルフの頭が木っ端微塵に吹き飛んだ。
それを見たもう一匹は尻尾を腹に丸めて逃げて行った。
なんとも格好のつかないが、なんとか倒す事も出来、ようやく心残りがなくなり、馬車に戻ってこの国を出る事にした。
次はどんな所だろうか?
良い場所である事を願いながら、汚れを落として馬車に揺られる事になる。
。。。。。。。。。。。。
第3章、完
王都から出てしばらく馬車に揺られながら、進んでいると急に思い出した。
「あ、冒険者達に黄金を渡すの忘れていた。
姐さんとシオン悪いけど、ちょっと王都に行ってくるね」
それだけ言い残して、瞬間転移で王都に戻り、ギルド前に行くと「キュイーーン」と声?音が聞こえ上を向くとロップが降って来て俺の顔面にダイブしてきた。
あ、コイツの事も忘れていたな。
どこにいたんだ?辺りを見渡すとギルドの建物の上からロイスが飛び蹴りをしてきたが、見えない壁にぶつかって壁に張り付いたカエルみたいになってしまっている。
いつの間にか付いて来ていたソルトがやってくれたみたいだ。
「ソルト、悪いがしばらく姿を消していてくれ」
「了解致しました」
ソルトは姿を消したのを確認して、地面に落ちて来たロイスを見ると、涙目で顔を押さえて俺を睨んできたが、何で睨まれるんだ?全く心辺りがない!
「ボクを置いて行こうとしたでしょ!」
あー、そういう事か。
「ロイスには次のギルマスが決まる迄、この王都に居て貰おうと思ったんだよ」
「え?そうなの?ボクを置いて行こうとした訳じゃないの?でもボクがギルマスか~、ガラじゃないんだけどなぁ」
たった今思い出した事を言ってみると、思いの外、アッサリと受け入れニヤニヤしだした。
「次のギルマスが決まる迄だよ。
もし、この王都のギルマスになれば妹さんとも暮らせるから良いじゃないか」
「そ、それもそうだけど、昔の仲間に会いに行く目的がなぁ。それに何でボクがギルマスになれると思うの?」
もう面倒になってきたな。
「それなら、ギルマスになって時間に余裕が出来たら俺が連れて行ってやるよ。
その頃には、俺も流石に大和に着いているだろうからな。ギルマスになれるかどうかは、この国の王に俺がロイスにさせてやってくれと言ってあるからさ」
王が約束を破らなければだけどな。
「そんな事キミにできるの?」
「ああ、出来るよ。
最近覚えたスキルでだけどな。
その時が来たら迎えに行くよ。俺が忘れてなければだけどな?」
「何なんだよ、それー!」
あ、コイツが仮のギルマスになるなら、今回の冒険者の被害者達に黄金を配って貰えれば早いかも知れないな。
「なぁ、物は相談なんだけどな?
今回この王都での冒険者達の話は知ってるか?知っていたらどこまで知っている?」
「冒険者?何の事?確かにこの王都では冒険者の数が少ないけど、何かあったの?」
ヤバイ、こいつ何も知らないみたいだ。
それでもギルマスの肩書きは伊達じゃない筈だ。だから俺の名前を言ってきた冒険者に黄金を渡して貰おう。
「じゃあ、ロイスに頼み事があるんだけどいいかな?いいよな?
俺の名前を出した冒険者か、城に居た冒険者に俺がダンジョンで貯めた黄金を渡してくれよ。黄金はギルドの倉庫にでも出してやるからさ」
「え、うん、何か分からないけど分かった」
「じゃあ、ギルドの倉庫に行こうか、何処にあるんだ?」
「え、ボク知らないよ?」
は?知らないだと、ならば知ってそうな人ではルイスさんが知ってそうだから、ギルドに入る事にした。
中に入ると、まだ冒険者が解放されたばかりだからなのか未だにガラーンと閑古鳥状態だ。
受付に行き、ルイスさんを呼んで貰うと直ぐに来てくれた。
「あら、ミーツさん、姉さんと一緒にどうされたんですか?」
「詳しくは言えないけど、近いうちに城から解放された冒険者達でギルドは一杯になる筈なんだ。
その冒険者達に支援として、俺が黄金を渡したいけど俺には時間があまり無い上に、この国を出ようと思っているんだ。
だから、その役目はルイスさんとロイスに任せたいと思っているんだ。
やって貰えるかな?勿論報酬は俺の持ってる黄金から取っても良いからさ」
「なんだか良く分からないですけど、良いですよ。どれくらいあるんですか?」
「ロイス、あの国でのギルドの訓練場の広さを憶えているか?
あの広さが一杯になるくらいの黄金を持ってると考えてくれ」
「え?あの広さ一杯って、どれだけ持っているんだよ」
「え、姉さん、ミーツさんが持ってる黄金ってどれくらいあるのか分かるの?」
「滅茶苦茶沢山あるよ!
多分小さな国なら買えちゃうくらいあるよ」
そうなのかな?自覚なかったが、それだけの価値があるのか。
「とりあえず、ルイス。
一番広い倉庫に案内してよ」
ロイスがルイスさんに案内を頼むと、未だによく分かってないルイスさんは、とりあえずと言いながら歩いて行く事にしたようだ。
しばらく歩いて行くと外壁側に建っているトイレか?と思うほど物置小屋みたいな所に着いた。でも普通の小屋と違って扉がない。
そんな扉がない小屋にルイスさんは近づき、小屋に手を付いて、ギルド証とは少し違うカードを小屋に近づけると、小屋の扉が出現して扉が開いたが中が全く見えない。
こんな小さな物置小屋で、扉が開いたのに中が見えないってどうなっているんだ?
そう思っているとルイスさんは中に入って次にロイスが入り、俺は外で戸惑っていると、中から声をかけられてしまった。
「ミーツ、何してんだよ。
早く入りなよ。扉が閉まっちゃうだろ」
ロイスに言われ中に入ると、とても広い所にでた。広さだけで言えば、訓練場まではいかなくても、恐らくあそこの、半分近くの広さはあるのではないだろうか。
それでも棚を作ったりして工夫して、色々な物が置けるようにしてあった。
平面的な広さは大体分かったが、天井はどうだろうと、上を見上げると20m位か?
多分それくらいだろうが、まぁまぁな高さだ。
そして、俺が辺りをキョロキョロと見渡していると、ルイスさんとロイスは奥の方で俺の方を向いて待ってくれていた。
「ミーツ、早くおいでよー」
ロイスに言われ、ルイスさんとロイスの間に瞬間転移した。
「な、あそこからどうやって来たんだよ」
「ダンジョンに入ってレベルがかなり上がったからな。超スピードで来たんだよ」
「それにしては全く見えなかったけどなぁ」
流石にロイスに超スピードで来たと言っても、信用してくれないか。
でもルイスさんは「流石ミーツさんですね」と言って感心してくれている。
「ここになら、出して良いですよ」
そうルイスさんは黄金を出しても良い場所を指差した。
その場所は床に穴が空いている所で広さは20m程で、階段も何もない所をみると地下って訳でもなさそうだ。
「この場所はどれくらいの深さなんですか?」
底が見えないが降りても大丈夫なのかな?
一応聞いておこう。
「この下は、今見える天井の高さくらいの深さはあると思います」
ほほう、なら穴に入れれ天井まで積み上げれば40mは確保できるという事か。
「もう、直ぐに入れても大丈夫ですか?」
「大丈夫ですが、ミーツさんの肩に掛けてあるマジックバックに、大量の黄金が入っているのですか?」
大量の黄金を持ってると言えば、そう思われるよなぁ。
でも気にせずに、穴に向かって小さい黄金であるスカラベから、ガチャカシャと穴に入れて行った。
スカラベだけで穴が埋まり続けたが、正直スカラベだけで天井まで届きそうだが、他にも出す事にした。
大量の黄金がスカラベしかないと思われたら、何か嫌だからだ。
ソルトに貰った財宝とゴールドスコーピオンや他の魔物の黄金を混ぜつつ、天井まで積み上げた所で、初めてルイスさんとロイスに振り返れば、二人とも呆然とした顔で黄金を見上げている。
「ミーツ、キミはこんなに持っていたんだね」
「こんなに…」
ルイスさんは言葉にならない様で、ただひたすらに積み上げた黄金を見上げていた。
「まだまだ結構あるけど、置き場所ないしこんなもんだろ。冒険者に与えてくれな?
ギルマスのロイス」
「う、うん、頑張ってみるよ」
これで、ようやく此処でやる事が終わったかな? 後はしばらく日を置いてダンジョンの様子を見にでも行くか。
シルビアと王妃の罰が、どの程度かを見てみる必要があるからだ。
生温い罰だったらダンジョンの難易度を上げて、更に俺も罰に介入して厳しくしないといけないからな。
ルイスさんとロイスに一言いって、王都を出よう。俺が出て行ったのに門を通らずに此処に居るのがバレたら面倒な事になるだろうからな。
「ルイスさん、俺の用は済んだから王都を出ようと思うんだけど、この倉庫からはどうやって外に出たら良いんだい?」
入って来た扉は既に無くなっていて、外に出る手段が見当たらない為にルイスさんに聞いた。面倒な手段なら瞬間転移で行く所だが、どうだろうか。
「そ、そうですね。
では、こちらにどうぞ」
俺が扉の出現を聞くと、ルイスさんは何もない壁を触りだして扉を出現させて、ルイスさんは、そのまま扉を開けて先に出て行った。
俺はルイスさんに続いてロイスの次に、扉に入ると外に出る事が出来て、今出てきた扉を振り返ると扉はしばらく、その場にあったが、見つめているとスーッと消えてしまった。
「じゃあ、ロイスにルイスさん此処でお別れだ」
「ミーツさん、お元気で」
「またね。何か知らないけど大和に着いて、スキルで迎えに来られるならちゃんと来てよね」
「憶えてたらな。後、寄り道するかもだから、お前がギルマス解任になったら自力で来た方が早いかもよ」
俺はそう言うと、二人に手を挙げて足早に二人から隠れるように路地に入り転移した。
転移したのは良いが、道の真ん中で何も無い場所にポツンと俺は立っている。
「ソルト、付いてきて居るか?姐さん達がどっちの方向に行ったか分かるか?」
「回答、勿論付いて来ています。馬車にマーク付けてましたので追跡できます」
「じゃあ、空飛ぶから案内を頼む。
姿を現してくれ」
俺がそう言うと姿を現したソルトは、俺の上半身の服から、ほつれてる糸を伸ばして俺から一歩分離れて立っていた。
成る程、だから瞬間転移しても付いて来られたのか。
姿を現したソルトの腹に腕を入れて脇に挟む形で抱えて、空を飛ぶとソルトが指差す方向に飛んだ。
ソルトの指差す方向に進んでいると、ソルトが唐突に口を開き話しだした。
「あの、ミーツ様、私も飛ぶ事が出来ますがこのままで、良いのでしょうか?」
「そうだったのか?なら次からは自分で飛んでくれよ」
ソルトとそういったやり取りをしていると、馬車が見えて来たが、馬車は幌を被っている為行商人の可能性もあるから、馬車より先回りして降り立った。
すると、馬車の御者していたのは姐さんで俺の前に止まってくれた。
「ミーツちゃん、用事は終わったのかしら?」
「あぁ、終わったよ。後は偶に向こうのダンジョンに行ってコアに魔力の補充と様子を見に行くついでに、あの王が王妃とシルビアに罰を与えているかを見に行くくらいだよ」
「そうなのね、分かったわ。
ソルトちゃんもご苦労様」
「ダンク姉様、ありがとうございます」
こうして、ようやく忘れていた事をやり遂げて、この国を出る事が出来ると考えて馬車に乗り込むと、目の端の方で見に覚えのある魔物が目に入った。
俺の頭に乗っているロップも気付いている様で、俺の頭をペシペシと前脚で叩いている。
「分かっているよ。ロップ」
俺達が見ているのは、ロップと出会うきっかけになったあの狼だった。
「ミーツちゃん、アレは下手に近づかない方がいいわよ?」
「え?何でだい?レベルも随分と上がったし今度は倒せると思うけど?」
「ミーツちゃん、あれはね。
『ドレインラックウルフ』っていう魔物で対象者の運を一時的に奪って自分の物にする魔物よ。別名『幸運狼』って呼ばれているわ。だから遠くから攻撃するのがオススメよ」
成る程、だから幸運の象徴と言われている、ウイングラビットのロップが襲われていたのか。
でも、俺の新しいスキルの瞬間転移によって行けば倒せるんじゃないか?
俺の頭に乗せてるロップをソルトに手渡して、瞬間転移でドレインラックウルフの元に転移した。
ドレインラックウルフは驚いていたが、一瞬で俺の拳が頭に到達して頭を飛ばした。
ドレインラックウルフは、あの時と同様に三匹居て、後の二匹を攻撃しようとした瞬間、足を滑らせて前のめりで倒れかけたが、手を地面に出したら、手を出した所に魔物か?糞が落ちてて思いっきり糞に手を突っ込み、更に糞の下の地面まで泥濘んでて腕が肩辺りまで沈んだ。
「ミーツ様、危ない!」
ドレインラックウルフが俺に噛み付こうとした瞬間、ソルトがシールドを馬車から張ってくれて噛み付こうとしたドレインラックウルフの頭が木っ端微塵に吹き飛んだ。
それを見たもう一匹は尻尾を腹に丸めて逃げて行った。
なんとも格好のつかないが、なんとか倒す事も出来、ようやく心残りがなくなり、馬車に戻ってこの国を出る事にした。
次はどんな所だろうか?
良い場所である事を願いながら、汚れを落として馬車に揺られる事になる。
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第3章、完
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