底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第4章

第9話

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第9話

「それで先程の氷と光は何だったんです?」

シオン達が離れて行って商人が説明を求めてきたが、何て説明したらいいものか悩むところだが、凶悪な魔物が出現して逃げられない様に氷で囲んだ事にしておくか。

それとも正直に仲間と手合わせをしていたと言うべきか、悩む所だけど正直言えば今度は姐さんだけじゃなく、シオンにも〆られるだろうし、魔物って事にしておこう。


「いや~、暗闇の中、魔物が現れたんですよ。全く見えないですし、馬車の馬を食べられると困りますし、逃げられない様に氷で囲ったんですよ」

「では、その魔物はどうしたんですか?
倒されたんですよね?
後、魔法はどの様な魔法を使えるんですか?」


しまった!魔物設定だったら魔物を出さないといけないんだ。
I.Bの中に手頃な魔物は何かあったかな。
思い出すと、魔犬を持っているのを思い出して適当に数体取り出した。


「この辺りに出ない魔物ですね。
この魔物が現れたのですか?」


この辺りに居ない魔物だったのか。
素直に手合わせしたって事にしておけば良かったかも、でも今更後には引けないし、このまま押し切ろう。


「そうなんですか?
この辺りでは出ない魔物なんですね。
じゃあ、この辺りの生態系が変わったんじゃないですかね」

「わかりました。もう夜も遅いですし、そういう事にしておきましょう。
生態系?という初めて聞く言葉も気になりますが後日聞くとします」


商人は夜も遅いって事で欠伸をしながら自分の馬車に戻って行ってくれた上に、使える魔法も有耶無耶で終わった。

俺も寝ようかと思ったが馬車内は姐さんが大の字で寝ていて占領しているし、御者席はソルトが座っていてロップがソルトの膝の上で寝てるしで、俺の寝るスペースがない状況で、少し考えたのち誰にも怪しまれないで寝られる様に四方に岩を出して囲い、岩に囲まれた状況で畳を2畳分出して寝る事にした。

翌日、話し声が聞こえ目を覚まし岩から這い出ると、冒険者四人が居てその中の一人と目が合った。


「あー、団長の仲間の人かー」

「ども、おはようございます。
どうされたんですか?」

「いや、起きてから仲間と水場を探していたら昨日まで無かった岩があったんで仲間と相談していたんだよ」


俺の出した岩は一つ辺り、3m程の大きさの物で、そんな大きさの岩はこの辺りには無く、冒険者の中の一人が岩を見つけて、仲間を呼び相談し合っていたようだ。

でも俺が岩の中から出て来たもんだから、驚いていたって事か。
まあ、これについては正直に言っても問題ないだろう。

「この岩は魔法で出して、魔物に襲われない様に岩で囲って寝ていたんだよ。
因みに昨夜の氷についてだけど、シオンは何て言ってた?」

「団長は魔物と戦って出したって言ってたよ。
アンタは特殊な魔法が使えるから、アンタと仲間以外には他言無用だと聞いた」

「シオンはそこまで言ったのか、因みに特殊な魔法はどんな魔法か聞いた?」

「それは聞いてないが、アンタが出す魔法については一々聞くなと言われた」


成る程、説明しなくても良くなったのは、有り難いけどシオンも面倒になったんだな。


「じゃあ、俺達は水場を探しに戻るよ」

「あ、水場ならちょっと待って」

そう言って冒険者達は離れて行こうとしたが、俺は呼び止めた。

「なんだい?」

「探すと時間かかるし、俺が特殊な魔法で出してやるよ。ただしシオンには内緒な?」


それだけ言うと早速、岩の上から降りて水を出しても問題ない場所に移動して、直径2mの四角い水の塊を宙に浮かせて出してあげると、冒険者達全員が目玉が飛び出るんじゃないだろうかというくらい目を見開いていて驚いた表情をしている。

いつまでもこのままでは、商人やシオンに見つかると面倒な事になりそうだから早めに取って欲しいのだけど。

今のままでは元に戻るのは、いつになるか分からないため、勝手に冒険者達の腰に付けている皮の水筒らしき物に手を伸ばした時に、全員が我にかえって腰の水筒を外して宙に浮いている水に水筒を沈めた。


「団長に聞いていたけど、本当にあり得ない程特殊な魔法だな。
こんな事は聞いても教えてくれないんだろうけど、差し支えがなければ教えてくれ、どのくらいの魔力があるんだ?」


リーダー格の冒険者が魔力について質問してきたが、今の魔力を知っているのは姐さんだけでシオンにも、まだ見せてないのによく知りもしない冒険者達に言える訳がない。


「それは言えない、今のところ仲間の一人にしかステータスを見せてないし、シオンにも教えてないから」

「そ、そうだよな。悪かった」

冒険者は謝ってくれて、水筒を一杯にした後、まだまだある水に手持ちの水を汲める袋に水を汲み、後は直接口を付けて飲み、それでもまだまだある水に冒険者の一人が服を脱ぎ出した。

まさかと思ったが、やっぱり全裸になって手ぬぐい片手に水の中に飛び込んで、顔だけ表に出して身体を水の中で洗い出した。

どのくらい水浴びしてないか分からないが、相当な日数浴びてないのが分かるくらい、宙に浮いた水が灰色から黒に染まっていく。

水の中に入った冒険者は、最後に表に出ていた顔を黒く濁った水中に潜ってサッパリした顔で出てきた。

そんな姿を見た他の冒険者達も服を脱ぎ出して、黒く濁った水に入ろうとした所で俺は水を地面に落とした。

俺の出した物で俺の目の前で、黒く濁った水に入られるのは気が引けたから、新たに3つの水の塊を出してやろうと思ったけど、素っ裸の冒険者達に恨めしい目で俺を見つめている。


「そんなに恨めしい目で見ないでくれよ。
あんな黒く濁った水に入られると、俺の気持ちが悪いから新たに出してやるから」


そう言いながら、先程の水の塊を新たに3つ出してやると、全裸の冒険者達は勢いよく水の塊に飛び込んだ。

先程のサッパリした冒険者にはM.Bから取り出したタオルを渡すと、タオルを触ってばかりで、いつまでも体を拭こうとしなかったから、何してるのだろうと首を傾げて見ていると、タオルを返しにきた。

「こんな上品な物使えないよ。
かなり高かったんじゃないのか?
水浴びをさせてくれた上に、こんな上等な物を使ったんじゃ恩を返せないよ。
体なら服を着れば自然に乾くさ」


成る程、元騎士とは思えない言動だけど、理解した。上品な物だと思って突き返されてしまったけど、突き返したタオルを名残惜しそうに見つめている。


「いや、恩なんて感じないでいいよ。
タオルも沢山あるし使ってやってくれ。
ただし、何度も言うけどシオンと商人には内緒な?
後、そのタオルは返さなくていいからな」


俺はそう言いながらタオルを渡すと、嬉しそうにタオルを使いだした所で、背後に視線を感じて振り向けば、残りの冒険者達が俺と体を拭いている冒険者を見つめていた。

面倒だと思いながら、同じ様にタオルを渡すと先程と同じやり取りがあったものの、冒険者達はタオルを受け取り嬉しそうに仲間と喋りながら体を拭きだした。

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