底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第4章

第50話

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第50話

「ふぁーあ、おっさん、腹減ったー。
お、いい匂いしてるな」


シーバス達の為に食事の用意をしていると、グレムが欠伸をしながら起きていつもの調子で腹減ったと呼びかけてきた。


「これはお前の食事じゃないよ。そこにいる来客の物だ。食べたかったら食材用意してやるから、自分で作るかマリエさん達に作って貰いな」


俺は簡単に骨付きの牛魔の肉とオーク肉を焼いた物と、チャーハンを皿に盛り付けてシーバスの所に持って行った。ついでに竃付近には新たに食材を出してあげて置いた。


「あのさ、良かったのかい?
俺達は最後でも良かったんだけど…」

「あー、いいのいいの。気にしない気にしない。
ほら、冷めちゃう前に食べちゃって」


て俺が言う前にガガモとアマは既に口の中にいっぱい肉を頬張っていた。アミは俺が食べてと言うと、ようやく食べ始めたが小さな口で小動物のように小刻みに食べている。
シーバスは小さな声でお礼を言うと、肉にがっつき始めた。

そんなシーバス達を微笑ましく見て、何かを忘れている気がしたが、大した事じゃないだろうと思い、自分も食べて腹一杯になった頃、あちらのグレム達も食事の用意をしだした。

昨日からギクシャクしていたからシーバス達と出会えたのは良かったのかも知れない。


「食べながらでもいいからで良いけど、何でこんな所にシーバス達はいるんだい?」

「えっとだな。この辺りで魔物に襲われて一人を除いて全滅した商人の護衛隊がいたんだ。
それでその亡き護衛隊達の家族からの依頼で、この辺りで全滅した護衛隊の遺体か当時身につけていたと思われる武器か鎧の回収に来たんだ。遺体は無理だと思ったから、せめて武器だけでもって思ってな。多分この辺りのゴブオークかゴブオーガ辺りが持っていると踏んで捜索していて、中々一匹づつで現れてくれなくて逃げ回ってたんだ。一匹づつだったら対処できたんだけどな」

「ふーん、それは大変な依頼だね。
で、それはどんな武器?」

「あ、それについては絵があるから、ちょっと待ってくれ」


シーバスは両手に持ってた肉を口に挟んで、手を自分の服で拭いた後、自身のマジックバックに手を突っ込むと、一枚の羊皮紙を取り出して俺に渡した。俺はそれを受け取り見てみると、見覚えのある剣が描かれていた。

俺は黙ってI.Bに入れている見た事のある武器を地面に並べると、シーバスは口に頬張って食べてた物を盛大に吹き吐き出した。


「え?え?もしかしてアンタが護衛隊を全滅させたのか?」

「まさか、昨日倒したゴブオークとゴブオーガが持っていたんだよ。これで依頼達成だね」

「え?いやでも、これを譲ってくれるのか?」

「え、あー、いいよいいよ。冒険者同士だし困った時は助け合わないとだしね。それに俺にとっても拾い物だし町で売るくらいしかなかったしね」


俺の言葉に感動したのかシーバスは先程、吹いて落ちた肉を拾って食べてたのを中断して、ギトギトの肉の脂まみれの手で俺の手を両手で握って来た。

「ありがとう。本当にありがとうございます。
正直、俺達には無理な依頼だったと諦めていたんだ。これで違約金払わずに済むし、俺達のパーティの評価も落とさずに済む」

「おじさん、あんがとねー」
「あの、ありがとうございます」
「オークロードさんはやっぱり優しい魔物ですね」


シーバスはガガモにまたも拳骨をした後、俺の出した武器を自身のマジックバックに入れ再び俺に向かってお辞儀をした。

「ところで、ミーツさんはどちらに向かうんだい?」

「ああ、隣国だけど、特にどこの町かとかは聞いてないし決めてないんじゃないかな」

「良かったらだけど俺達も一緒に付いて行ってもいいかい?この場所からだと関所まで最低でも二、三日は掛かるだろうけど」

「良いよ。ついでだし、ここで置いて行く訳にはいかないよね。人として。あ、でもシーバス達が盗賊っていうなら話は別になるけどね」

「ははは、こんな女の子なんか連れた盗賊なんて居ないだろ。この子達は俺の妹達でガガモは俺の従兄弟なんだ」

「へー、そうなんだ。確かに女の子を連れた盗賊は見た事ないね。じゃあ、アイツ等が食事の終わったらシーバス達を紹介しに行こっかね」


俺がそう言うと、シーバスは食べかけの食事を再開させて、さっさと食事を終わらせ、まだ食事にありつけてないグレムたちの元に俺と一緒に向かった。

「グレム、この人達も一緒に関所に向かう事になった冒険者のシーバスとアマとアミとガガモだ」

「ふーん、おっさんが良ければ別に良いんじゃねぇの。俺が決める事でもねぇしな。
まぁ、短い間の距離だろうけど、よろしくな。俺はグレムであそこで一番綺麗な女がマリエ、後はその他大勢だ」

「こら!グレム、そりゃあないだろうがよ。
俺達の紹介もしろよ」


グレムの仲間達がグレムに盛大にツッコミを入れたところで、グレムはやれやれといった感じで立ち上がった。

「んじゃ、紹介するぜ。仲間の一、二、三、四だ」
「うおい!なんじゃそりゃあ!おっさ~ん、グレムが酷いんだ。俺達の事をまともに紹介してくれないんだ」

「悪いけど、俺もお前達の名前は知らない。だから俺も一括りでグレムの仲間達って思ってたよ」

「チクショー、おっさんまで俺たちを馬鹿にしやがって」

「あーあ、アイツ等メシも食わずに馬車に引っ込んじまったよ。おっさんも大概ひでぇな」


グレムに言われたくないと思いつつ、シーバス達の方を振り向くとシーバスとアミは気まずそうな表情をしていて、アマとガガモは腹を押さえて大笑いしていた。

「ミーツさん、なんか済まない。俺達の所為で仲たがいさせたみたいになってしまって」

「あー、いいのいいの。シーバスさんだっけ?
アイツ等は今だけ落ち込んで、ちょっとしたら忘れるからさ。な?おっさん」

「いや、俺に言われても知らんけど。付き合いが長いグレムがそう言うならそうかもな。
シーバス、そういう事みたいだから君達は気にしないで良いよ。グレム、食事が終わったら!とっととこんな森が続いた道は抜け出すよ」

「ああ、そうだな。あんな無茶なレベル上げもしたくねぇしな」


グレムはマリエさんの元に行き、竃付近で他の女性達と共に食事をしだした。


「ミーツさん、先程グレム君が言っていた無茶なレベル上げとは、どんなレベル上げをしたのか聞いても良いか?」


グレムを見送って、馬車の馬に水や飼い葉を与える準備をしているとシーバスに無茶なレベル上げについて聞かれた。

「そんな無茶なレベル上げでもないさ。
凄く単純で簡単なレベル上げだよ。俺が魔物の手足を飛ばして動けなくした後にトドメをグレムにさせるといった事を昨日しただけだよ」

「え?そ、その手足を飛ばしてってのは、どうやってだい?俺達を助けてくれたみたいな、あの魔剣でか?」

「あー、やっぱり見られていたか。
まぁ、後で魔物が出たら昨日と同じ事するし、見た方が早いよ。だから後で分かると思うよ。
もし、暇なら馬に水と餌をやるの手伝ってくれないかな?」

「ああ勿論だ。命の恩人な上、関所まで連れて行ってくれるんだ。喜んで手伝わせてもらう。
何でも言ってくれ、何でも手伝うから」


シーバスは自分の仲間達を呼び寄せ、俺から水桶と飼い葉を受け取って馬の世話をしてくれて助かった。そしてグレム達の食事が終わり、後は出発するだけになって、ドーム内にある余った食材はI.Bに入れて、竃やトイレなどは潰して更地にして重たい扉を開けて馬車ごと外に出ると、御者席にいる俺の頭に何かが落ちて来た。

首が折れるかと思いながらも頭に落ちてきた物を手に取ると、ロップだった。ロップが頰を膨らませて睨んでいた。そういえばロップとアッシュにこの場所を守れって言って出て行ったんだっけな。

「えとロップ、ごめんな。すっかり忘れてた。
アッシュもまだ上にいるのか?」

【ううん、アッシュは森に魔物が見えたとか言って森に入っちゃってから戻ってきてない】

「そうか。じゃあそのウチ、進んでいたら合流できるかな?」

ロップは未だに頰を膨らませて怒っているが、俺の頭の上に乗せると、次第にスヤスヤと寝息を立て出して眠った。

ロップが寝たのを確認したら、岩のドームを跡形も無く潰し元の道に戻して馬車を再び発進させた。


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