底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第5章

第27話

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第27話

「おっはよー!おじさん」
「シロヤマ姉様とミーツさん、ありがとうございます」

 今回の急激なレベルアップによって倒れたメンバーで、朝になって真っ先に元気になったのはアマとアミだ。 レベルアップに対する異常は問題ないようで、身体は正常に動いていて元気に挨拶ができるようになっている。
 その次に起きたのは士郎で最後にシーバスが元気な姿を見せた。


「ミーツくんミーツくん、士郎くんはレベルアップに出る熱があまり出なかったけどなんでだろう」
「多分僕は二回目だから軽症だったんでしょうね。僕は前にミーツさんの地獄のレベリングの経験がありますけど、今回のはトドメを刺すだけだったから楽だったな」
「同情するぜ、士郎はミーツさんのことで前にも同じようなことで辛い目にあったんだな」


 シロヤマは士郎だけ軽症だったのが気掛かりで、何で軽症だったかを聞いてきたが、俺が答える前に士郎自身が答え、シーバスが彼に同情したことで病み上がりだが彼の額にデコピンをして弾き飛ばした。


「ミーツさん!なんで今攻撃した?
俺は何もやってねえじゃねえか!」

 レベルアップしたからか、デコピンを食らってもすぐに態勢を整えて指を差しながら、デコピンに対する文句を言ってきた。


「俺の前で同情するぜとか失礼なことを言うからだよ。それにレベルが上がって痛みは大したことなかっただろ?」
「そりゃそうだけどよ。理不尽に感じるのは俺だけか?」
「シーバスさんだけじゃないですよ。ミーツさんの前ではあまり失礼なことは言わない方が身のためです。だからといって、恐縮していても多分、先程受けたデコピンが来ますよ」
「ああ、そうだったそうだった。そういえば士郎も地獄のとか言ってたから同じ罰を受けないとね」

 士郎にも同じように罰を与えようと士郎がいる所をみると、既に士郎は逃げて遠くの方で構えていた。 追いかけてデコピンしてもいいが、そこまでやる必要がないため、遠くにいる士郎に今回は許すけど次回は追いかけてもやるからなーっと言い、今回のレベルアップで、どのくらい動けるようになったかの確認をそれぞれの動きをシロヤマが見て、なんとかこの階層は突破出来そうだと言った。

 朝から昨晩食べられなかったと言うカレーを想像魔法で振る舞い、この階層を無事突破して、どの恐竜にも勝つという意味も込めてカツカレーにして出したら、特にカレー大好きのヤスドルと、初めて食べるアマがカレーを気に入って、カレーのおかわりをヤスドルと競って負けて、動けないまま仰向けで悔しそうにしているなか、彼は気にせずにおかわりを続けて食べ続けている。


「ヤスドル!いつまで食べてんの!
昨日も食べたんだからミーツくんも、もう出さないの!そろそろ出発しないと、あっという間に昼になっちゃうよ」

 いつまでも食べ続けるヤスドルを、シロヤマが叱って食事を止めた。確かに彼女の言う通り、いつまでも食べてそうな雰囲気だった。


「うー、おじさん苦しいよぉ」
「もう、アマは食べすぎるんだよ!こんなところで動けないでどうするの!兄様に背負ってもらう?」
「馬鹿が、食い過ぎくらいでこんな場所で背負えるかよ。街みたいな安全な場所じゃねえんだぞ!
動いてりゃそのうち、腹ん中も消化されて動けるだろうよ」

 シーバスはそう言い放ち穴倉から出て行こうとしたとき、穴倉の入口に張っていたシールドに鼻と額をぶつけて痛たと言いながら蹲った。

「ちくしょう!またミーツさんの仕業かよ!」
「いや、またってなんだよ。そりゃあ、シーバスたちを看病しているときにまた大蛇に入られたら困るし、それなりに対処はするよ」
「そ、そうか、悪かった。ミーツさんがまた俺に対して嫌がらせをしたのかと思ってしまったんだ」
「嫌がらせって失礼だな。本当に嫌がらせをしようと思ったら、この岩山から降りる直前に背後から押して落とすくらいのことをしたり、シーバスの食事だけ超激辛にしたり、魔物との戦いにシーバスだけ置いてったりをするよ」


 シーバスが俺が頻繁に嫌がらせをしている風に言うものだから、嫌がらせについて今思ったことを口にしたら、彼は顔面蒼白になって「俺が悪かった許してくれ済まなかった」と謝り倒してきた。

「分かったならいいけど、俺はそうそう嫌がらせはしないよ。悪戯ならたまにするけどね」
「その悪戯が俺にとっては嫌がらせなんだがな」

 彼はボソリと聴こえないように言ったつもりなんだろうが、俺にはしっかりと聴こえてしまったものの、彼の元に行ってデコピンでもしようものなら、岩山から落としてしまう。
 ここは聴いてないふりをしたら、彼も聴かれたかもと思ったのだろうか、チラリと俺を見てホッとして、解いたシールドの出入口を解かれたかどうかの確認後に降りて行った。


「さ、じゃあ、俺たちも行こうかね。アマはしばらくの間、俺が肩車して運ぶよ。背負ったら腹が圧迫されて吐いちゃうかもだしね」
「流石おじさん!うちのリーダーは優しいね」
「あの、あの、ミーツさん。兄様の言う通りアマは甘やかさない方が良いですよ?」


 今度はアミがアマを甘やかすなと言ってきたものの、俺の肩車から直ぐに降りたくなるようにするから平気だよと、彼女に耳打ちしたら一瞬で顔が真っ赤になってあわあわと言い出した。
 どうしたんだろうと思いつつも、アマを肩車して岩山から地面に真っ直ぐに降り立つと、既にシーバスは降りて待っていた。

「お、早いね」
「おう!レベルが随分と上がったからな。
こんな岩山くらい簡単に降りられるぜ。って、結局アマを甘やかしてんのか」
「ぶー、兄ちゃんが厳しいだけだよ。その点、おじさんはリーダーなのに優しいから好きだよ」
「シーバス、それについては大丈夫だよ。まあ、説明しなくても見てれば分かるよ」


 アマはなんのこと?と聞いてきたが、すぐに分かるからと話をはぐらかして、岩山から降りてくるメンバーたちを上を見上げて見ていたら、アミと士郎は軽快なステップで岩山の出っ張りに足を乗せて降りてきており、ヤスドルは俺と同じように真っ直ぐに地面に降り立ち、シロヤマは自身の魔法でフワフワとゆっくり地面に降り立った。

「さ、これからが本当のパーティとしての戦闘訓練とダンジョン攻略だ!」

 息切れ一つしてないアミと士郎が降りたのを確認したのち、俺がそう言うと、皆んな、片手を挙げてオー!っと言って、先頭を歩く俺に付いて行く形で森の中に入った。

 森の中では昨日大量に倒した恐竜が木の陰から警戒して見ているのが分かるくらい、チラチラ見ては俺の移動先に先回りしているところ、隙あらば襲い掛かろうと思っているのだろう。


「おじさん、大丈夫だよね?あの魔物たち先回りしているけど…」
「まあ大丈夫だろうね。でも、ちょっと牽制しようかね」
「ミーツさん、俺はいつでも戦えるぜ」

 肩車しているアマが先回りしている恐竜が気になっていて、俺の直ぐ後ろを歩くシーバスも臨戦態勢な状態なため、遠目で見てくる恐竜に歩いて近寄ったら、近寄ったぶん一定の距離を保って離れられた。

 それならば急に全力で走って、恐竜との距離を一気に詰めた。 急に目の前に現れたように感じたのだろう恐竜が、怯んで仲間たちに掛け声を掛けているうち、剣で頭部を一突きして絶命させ、近くにいる仲間の恐竜たちも見える範囲で次々と絶命させていき、ある程度の見える範囲の恐竜を倒してしまってから、倒した恐竜をI.Bに収納しつつパーティに戻っていたら、頭上のアマが具合悪いと言い出して、頭から嘔吐されてしまい、視界が茶色に染まってツーンとした臭いが鼻についた。

「うぷ、あははごめ~ん。おじさんの頭汚れちゃったね」

 彼女は謝ってはいるものの、反省の色は無いのに腹が立って、彼女を肩車したまま森を抜けようと走ったら、頭上からそんな早く走ったらゲロが掛かっちゃうと、自分のことしか考えてない言葉が聴こえた。
 森を抜けると昨日いた暴食竜の群れのところに出たが、そこに居たのは捕獲した暴食竜よりも一回り大きな暴食竜だった。

 一瞬、ギガ暴食竜かとも思ったものの、ギガ暴食竜みたいに鼻先に刃がないことから、ギガ暴食竜ではないことが直ぐに分かった。
 もしかしたら、昨日捕獲したのは暴食竜のメスで、現在目の前にいるのはオスなのかも知れない。どのオスも怒り立っているようで、あちこちでオス同士が殺し合いをしている。

「おじさん、まさかここを通るの?」
「そのまさかだよ。てか、通るだけじゃなくて倒すんだよ」

 昨日レベリングのために捕獲した暴食竜を散々倒したのに、彼女は怖いのだろうか、声が震えている。 だが、それは俺の勘違いで肩車していた彼女は、俺から降りて追い付いたメンバーたちと共に、一匹だけ群れから逸れた暴食竜狩りを始め出したものの、戦っているのを他の暴食竜に見つかって囲まれてしまって、ヤスドルとシロヤマ以外のメンバーたちは脚をガクガクとさせて震え上がってしまっている。

「おじさ~ん、た、助けて~」
「馬鹿!そんな大声出したら奴らを刺激させちまうだろ!」

 アマが震えた声で助けを求めてきたが、側にいるシーバスに大声を出すなと怒られているものの、彼も同じくらい声が大きく、周りの暴食竜が彼の声と共に動き出したその時、俺が動く前に暴食竜の鋭い爪が透明な壁に当たって攻撃を防いだ。

「ふう、危ない危ない。ギリギリ間に合ったよ。
もう!シーバスの方が声が大きいんだからね!
ミーツくん、ボクのシールド魔法はあまり耐久がないから、さっさとやっつけちゃって!」

 シロヤマが杖を両手で横に持って構え、攻撃を防いだのは、シロヤマによるシールド魔法を使って防いでくれた。 だが、それも耐久性が芳しくないようで、シーバスを怒鳴りつつ、俺に暴食竜を倒してと声を張り上げる。
 シールド魔法で暴食竜の攻撃を防いでいるものの、辛そうに早くと催促する言葉が出たことで、早く倒さなければ彼女が持たないと思い、俺に見向きもしない暴食竜たちを炎熱剣で絶命させていく。

「炎熱剣、なんか攻撃力が上がってないか?」
【お前さん、今更かよ。あの力の源から出たことで、とんでもない力を手に入れたぜ。俺様のことは次からは焦熱剣(しょうねつけん)と呼べや!】


 炎熱剣の振る時の軽さや、斬れ味がとんでもなく鋭いことから、疑問に思ったことを暴食竜を倒しながら炎熱剣に語りかけたら、炎熱剣はあの炎の中に入ったことによって焦熱剣になったらしく、次からは焦熱剣と呼べやと荒々しい返事が返ってきた。

【オラオラオラ!お前さんよぉ、俺様にもっとトカゲ共を斬らせろー!】

 焦熱剣は興奮しているのか、暴食竜をもっと斬らせろと言い出し、言われるがままに焦熱剣を振って暴食竜を斬り殺していき、最後の一匹が逃げ出した。

【チッ、トカゲ風情が一丁前に恐怖を感じやがるのか、お前さん、俺様にMPを流し込んで逃げるトカゲに俺様を向けろ!】

 焦熱剣に言われたことそのまま、剣にMPを流し込んで逃げる暴食竜に剣を向けると、焦熱剣から直線的な光が発射され、暴食竜の頭部を貫いて絶命させた。まさにレーザービームだ。


【ふふふ、あーはっはっは!俺様の力を見たか!
クソトカゲ共が!】
「凄いね。それに、今回はよく喋るね」
【ふん、お前さんのお陰で随分とパワーアップしたからな。いつか必ずアレを手に入れて見せてやる】
「アレってあの炎のことかい?」
【ああ、そうだ。いつか俺様が全てを手に入れてやる。そうしたらお前さんも、今よりももっと強くなれるぜ】

 焦熱剣はあの岩山の炎を全て取り込めなかったのが心残りのようで、いつか必ず手に入れるぜと言っているが、いつかまたここまで来なければならないのかと思うと、余程の理由がない限りは来ないようにしようと思った。



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