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第6章

第7話

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「だっはっはっは!あれ見ろよ。
 あんな変態どこに隠れてたんだ」
「やだ、こんな明るい時間から嫌な物見ちゃった」
「でもあのおっさん、ギルド証持ってるぜ。ここら辺であんなやつ見たことあるか?」
「今時ギルド証なんて誰でも持ってんだろうがよ」
「あら、美味しそう」

 地下では獣人しか居なかったから、ギルド本部の獣人しかいない区画だと思っていたら、地下から出たところで沢山の人間がいて、俺を指差して笑っている者や、汚い物でも見てしまったかのように顔を背ける者に怪しい目で見てくる者とさまざまな目で見られているなか、俺のところとはまた違うざわめきが別箇所でも起こっていた。

 ざわめきは階段の方から来ており、階段のところから青色の全身鎧の騎士がガシャガシャと、鉄の音を立てて駆け降りる音が聞こえてきたと思えば沢山の騎士が二列に分かれて走り、俺を囲んだところで立ち止まった。

「な、なんなんだ。お前はとんでもない犯罪者か!」
「き、きっとそうだ!そうに違いない!」


 鉃枷を嵌めて更に俺の身体を縄で縛って歩いていた狼の獣人は俺と同じように驚き、そう言葉にして俺を床に押さえつけたところで、騎士たちが並ぶ通路に水色のカーペットが敷かれて一人の見覚えのある青年が階段の方から降りてくると、騎士たちは腰に付けた剣を中央に構え、俺を押さえ付けていた獣人たちも、俺から離れて土下座をしてブルブルと震え出した。

「すみません、ミーツさん。正式な手続きをしてたら迎えにくるのが遅くなってしまいました。先にこれを羽織って下さい」

 やはりレインだった。彼はすぐ後ろに控えている従者に手を向けると、従者は何も言わずにもふもふの温かそうなコートを差し出し、それを彼は受け取って俺の身体に自ら掛けてくれた。

「あ、あの、なんで俺が…あ、いや、すみません。いつ、私がヤマトに入国したのが分かったのでしょう?」
「ふふ、それは後で話しましょう。
 それと、言葉遣いはいつもお仲間さんたちと話しているみたいに話して大丈夫ですよ。
 ささ、ご一緒に城に参りましょう」
「ありがとうございます。でもレイン様に普段の話し方で話しかけると、周りの人達に怒られそうなので今のままで話しかけます。それでですねレイン様、先に仲間たちに私が生きてることを伝えたいのですが…」
「それは心配ありませんよ。すでにお仲間さんたちはミーツさんのご無事なのを確認しております。話し方については徐々にといきましょう。あ、この方は私にとって、とても大切な方です。連れて行ってもよろしいでしょうか?
一応、手続きは済ませてます。確認ならギルドマスターにして下さい」
「は、は、はははははいいいいい!どどどどうぞ!いくらでも連れて行ってもらえて結構ですぅ!」

 彼は俺の背中に手を回して連れて行こうとしながら狼の獣人にそう告げると、土下座したまま獣人はどもりながらそう言った。
 もう一人の獣人は無言で、ひたすらガタガタと震えているだけだった。

「私が黙って連れて行っても誰も文句は言えないでしょうが、念のためです。ささ、参りましょうか」

 彼は俺の背中に手を回し、従者にあとのことは任せると言ったあと、何もないところにもう片方の手を置いてテレポーテーションと一言そう言ったら視界が一瞬で変わり、煌びやかでいかにもな貴族の部屋といった感じの部屋に転移した。

「ここからは徒歩になりますが、ミーツさんなら、いずれ魔法でどの部屋でも転移してくれても構いませんよ。それと、ミーツさんならご自身の鉃枷は外せますでしょう。
ですので、外してもらって大丈夫ですよ」

 彼の言葉に先程装着された鉃枷と身体に巻き付いている縄を力を入れて壊してI.Bに収納した。
 彼は部屋を出て俺の手を握りながら通路の両脇に並ぶ扉の一つに手を掛けて開いた。
 開けた扉の中はとても広い部屋で、部屋の中央には玉座風の椅子がポツンとあるだけの、なんとも殺風景な部屋だ。
 彼はこちらでお待ち下さいと言ったのち、部屋の隅に歩いて行って姿が消えた。

「ふむ、ヌシがレインにとって大切な客人か」
「うわっ、ビックリした。え、誰ですか?」

 背後から耳元に声を掛けられて驚き、振り向くと濃い青色の髪と銀色に輝く白髪が混ざった初老の男性が穏やかな表情で立っており、どことなくレインに似ている。
 間違いなく身内だろうが、つい誰だと言ってしまったことに後悔した。

「ふはははは、ワシにそのように話す者がこの城でおるのか。なんとも新鮮だ」
「お祖父様、どうしてこの場に?」
「ふむ、なに珍しく客人を城に招き入れた音が聞こえてな。興味が出たのだよ」

 消えたレインは姿を現し、男性に向かってお祖父様と言ったことで、俺の予想は当たった。

「あ、ミーツさん、こちらは私の祖父です。
 ミーツさんをこちらに連れてきた説明ですが、父の前で説明をしようと思ってましたけど、祖父が先にミーツさんに興味湧いちゃったみたいで来てしまいましたから、父が来る前に簡単に私たち皇族の話をしていましょう。 
 ミーツさん、私たち一族は皆全てではありませんが、ミーツさんと同じような神スキル、又は神魔法を所有しております。祖父も神の耳といわれるスキルを持ってまして、どのような遠くの音や話し声をも聞くことができるというものです。
 時には心の中の声すらも聞くことができるのだそうですが、意識的に聞こうとしなければ聞けないそうです。
 父も神の手を所有しており、手で触れずとも手を翳しただけで、人を殺めたり、どんな瀕死の状態でも元の健康な身体に戻すことができ、三日以内でしたら死んだ人をも生き返らすことができるというスキルを所有しております」

 突然彼は身内のスキルについて話だし、神スキルとなる聞いた事がない単語を発した。

「えと、神スキルとはいったい何なんでしょう? それに、皇族だけにそのような神のスキルがあるのは何故ですか?それを俺にと、いや私に聞かせる意味も分かりません」

 転移者といえど、一冒険者である俺に突然そんな話をしだす意味も意図が分からず、そう尋ねると彼はニコリと笑い、手を突き出してそのまま黙って聴いて下さいと言い、続きを話し出す。


「神スキルとは、その名の通り神が持つスキルのことで、この神に愛された大地である大陸を作ったといわれる神の代理人となる者、この国の創立者、つまり私どもの先祖ですね。
 そのご先祖様がその全てを神に託されたスキルです。その神のスキルをご先祖様は、なんで託されたかの伝承は伝えられてませんが、ご先祖様は子や親友など、信頼している者たちに神に託された神スキルを分け与え、家族以外は時が来るまでの間は世界各地に散らばるよう命じました。
 何故そのようなことを命じたかと言いましたところ、詳しいくは知らされてませんが、神スキルの全てを受け入れられる神の器というのが関係しているそうです。
 その神の器に関しては、時がくれば分かるとの御先祖様の言葉です。
私たち皇族はその言葉を信じ、この大地で技術やスキルを使って代々ご先祖様の命令を従って神の器となるモノをこれまで捜したりしてましたが、最近になってその器に関して分かったことがあるんです。
 ですが、今は教えることができません。
 そして、ここからがミーツさんに本当に伝えたいことなのですが。
 ミーツさんは今もお強いですけど、今よりももっと強くなって下さい。これは大想像魔法の使い手であれば、強くなる必要があるみたいなのです。
 強くなって、近いうちに世界を滅ぼそうとしてます邪悪な者、つまり邪神に立ち向かって欲しいと思っているんです。
 その時がくれば、ミーツさん貴方一人だけに戦わせることはしません、出来る限りの支援や共に戦わせてもらいます。
 私が彼の国で初めてミーツさんを見て想像魔法がスキル覧にあるのを見て驚き、是非ともミーツさんをこのヤマトに連れて行きたいと思ったのです。理由としては、これについてもまた今度お話します。現段階ではお話しできないというだけです」


 彼の話を聴いてあの時、俺のことが気に入って誘っているのだと思っていたのだが、実際はそうではなく、想像魔法のスキルを持っていただけだから国に連れて行きたかったのだと知り、苦笑いしながら一言、分かりました。とだけ言ったら彼は慌てて言葉を付け加えだした。

「あ、ミーツさんに好意を持っていますのは、あの晩から変わりませんからね。私はあまり人を好きになることがないですが、ミーツさんは特別です。 想像魔法の使い手でなくとも、ミーツさんのことがとても気に入ってます。謂わばミーツさんのファン一号とでも思って頂けたら幸いです。ファンに加え、もっと親密になりたいと思ってます」
「え、ファンって…」

 彼が突然ファン一号と言って驚いていると、羽織っているコートの裾を下から引っ張られている感覚があり、引っ張られている方を振り向くと、ゼロが俺を見上げてそこにいた。

「マスター、マスターを監視していた者はこの方のようです」
「え、監視って、あの小蝿のやつ?てかゼロはいつからそこに居たんだ」
「最初からです。私が透明化のスキルを使用し、マスターの側に付いていたのですが、彼には存在を知られていたようです」

 そういえばと、彼が転移魔法を唱える前に何もない所に手を置いていたのを思い出した。

「その通りです。私はミーツさんにヤマト行きについて断られたあと、彼の国でやることをやったあとすぐさま自国に戻り、ミーツさんの行動についての魔導具を作ってもらい、現在まで勝手ですが、ミーツさんのこれまでの全てではありませんけど見させていただきました。
 ついでに言いますと、ミーツさんが罠の階層で落とし穴に落ちたのも、落ちるように指示したのは私です。理由としては、そこの全ての魔導人形の元となる彼を見つけて、連れてきて欲しかったからです。私の予想通り、ミーツさんの不思議な力に導かれて、彼を見つけて連れて来てくれたことに感謝と謝罪をします」

 あの時の落とし穴に落ちるように指示したのは自分だと言う彼の言葉には驚いた。
 あれは人が指示したからって発動するものではないだろうにと思って、流石にそれは無理がありますよと言って、監視についても神のスキルの最上位である想像魔法があるから仕方ないのかも知れない俺のことを考えると、勝手にしだした監視も仕方ないことだと思う。
 しかし、この世界に来て俺の今までの行動を思い出し、色々あった出来事全部を見られていたのかと思うと恥ずかしくて顔が熱くなる。 
 ゼロを連れてきたことに対する感謝と謝罪もされたものの、どうしてゼロが必要だったのだろうかと質問しようとしたら、俺を今まで見ていたこともあって、突然レインは俺の冒険談を語り出す。

「ミーツさんがゴブリンの群れと壮絶な戦いを繰り広げたことや、ダンジョンの単独踏破、それに孤児たちの為の街づくりとか、大変に楽しませてもらいました。最初のゴブリンの群れの時と腐人の時は流石に焦りましたけどね」

 本当に全てを見ていたようで恥ずかしくなるも、続けて町づくりのあとの出来事も話しだす彼の頭を俺と同年代くらいのアロハシャツを着た男性が軽く叩いた。

「レインよ、いつまで話すのだ。ミーツ殿が困っているであろうが」
「あ、父上。ミーツさん、紹介します。こちらが私の父でこのヤマト国の現皇帝陛下です。父上もミーツさんのファンなんですよ」
「これ、レインよ。こんなところで立ち話をするものではないだろう。ミーツ殿ならば娘たちも会いたかろう」
「ふむ、いつもキャッキャッと騒がしい声の原因がこの男というわけか。想像魔法の使い手の冒険話となればワシも話が聞きたいぞ。そうなれば、先にワシの母上の所に行かねばな」

 レインの祖父の母親ってことは、彼にとって曾祖母ってことになるのだが、結構な歳だろうと思って、親子三代にわたって楽しそうに話している中に割って入るのは気が引けるものの、恐る恐る手を挙げたらレインにどうしたんですか?と聞かれた。

「あの~、レイン様の曾祖母ですよね。
曾祖母ならそれなりのお歳のはずですし、行くなら早めに伺った方がいいと思うのですが」
「ははははは、ワシの母上は歳こそはそれなりの歳だが、見た目も中身も若いぞ。
 下手にババア扱いでもすれば怖いぞお。
 何せ、大昔に魔王の一人を単独で倒したほどのお転婆だったってのを聞いておる。母上のことだ、今ワシらの会話も聴いておるのかも知れんぞ」
「た、確かに婆上を年寄り扱いしたら拳骨された記憶があるな。婆上なら、私たちが普段から観ておったミーツ殿のことも把握していても不思議ではないな」

 そう話す彼の祖父と父親に、レインの曾祖母とはいったい、どのような方なのだろうかと、彼らの話を黙って聴いていたら、部屋中に響くような声が聴こえてきた。

「いつになったらわたくしの元にくるのかしら?この愚息に愚孫は、無駄話をしてないで早くお客様をご案内致しなさい」

 何処から聴こえて来てるか分からないまま、辺りを見回すも誰も居なく、今の声を聞いていたであろうレインの祖父と父親はガタガタと震え出し、二人同時に俺の手を握ってレインに、早く紹介せねば!っと言うと、頷いたレインは俺の身体に手を触れながら魔力をお借りしますと言って、テレポーテーションと唱えると、視界が変わって、目の前に二十代半ばくらいの長い髪で銀髪の女性が長いソファに座って微笑んでこちらを見つめていた。

「この愚息に愚孫はようやく来ましたね。レイン、早くそちらの方を紹介して下さい」

 女性に話しかけられた彼は、すぐさま父親の手を叩いて、俺の横に立って背中に手を回して紹介をする。

「この方が神スキル最上位の神魔法である想像魔法の使い手のミーツさんです。早く曾祖母、いえ、お婆姉さまに紹介したかったのですが、少々遅くなって申し訳ございません」
「よいのですよ。話は全て聴いてましたから。
ミーツさん、うちの愚息たちが失礼いたしました。私はレインの曾祖母であります小雨(こさめ)と申します以後よろしくお願い致しますね。立ち話しもなんですし、ミーツさんはこちらにお座り下さい」

 やはりこの若い女性が彼の曾祖母だったのかと思うと正直驚いた。
 曾祖母は立ち上がって小雨と名乗り、自身の座っていたソファの隣に俺を座らせようと、棒立ちの俺の手を引っ張って強制的に座らせた。

「そちらのミーツさんのお付き魔導人形はミーツさんの隣ね。それでレインは一人掛けのソファにお座りなさい。愚息と愚孫は立ってなさい」

 俺が座った横にゼロも座り、立ったままだったレインは座っていいと言われてすぐさま、一人掛けのソファに座り、彼の祖父と父親はガチガチに固まったまま立っている。

「あの、小雨様」
「ミーツさん、わたくしのことは小雨と呼び捨てにして下さいますか?わたくし達はいずれは家族になるのですから」
「お婆姉さま!まだミーツさんには、そのことについて話してはいません」
「あらあら、そうなのですね。それなら今話してしまいましょう。ミーツさん、わたくしたちの一族の誰かとご結婚して皇族の一員になって下さいませ。 神のスキルの最上位である、想像魔法の使い手様でしたら、次の皇帝はミーツさんにお願いしたいのですよ」

 彼女は突然、俺の手を両手で握って次の皇帝にと俺を指名するも、王としての教育も知識もない俺が冗談じゃないと思い、すぐさま断ろうとしたら、レインは立ち上がって俺の元に近寄り、俺の手を握っている彼女の手を叩いて俺の手を自身の元に引き寄せた。

「お婆姉さま、叩いて申し訳ございません。ですが、ミーツさんはこの世界に来る前はただの一般市民だったらしいのです。
 皇帝どころか、王としての知識も教育もされてない彼に、神スキルの最上である想像魔法を持っているという理由だけで、皇帝にするっていのは早計ではないでしょうか。 
 それに、私たち皇族の一員に加えるというのもミーツさんの意見を聞いてからでも良いと思うのですが、私個人の意見としてはミーツさんと家族か親戚になるのは賛成です。
 何でしたら、婚約者のいません私がミーツさんをもらます」

 俺の代わりに彼が彼女の提案を断り、先程まで穏やで微笑んでいた彼女の表情が固まる。
 明らかに空気が冷やかになって凍り付いた。
 最後に彼はサラッと自然に変なことを言った。

「あなた、わたくしの考えを否定するのかしら?次の皇帝にそんなになりたいのかしら」
「いえ、私は皇帝には左程なりたいと思ってません。しかし、ミーツさんの表情を見る限りでは、なってもいいという感じに受け取れません」

俺のことで揉める彼らに耐え切れず、俺は握られている手を振り解いて手を挙げた。

「ここは一つ、私からもよろしいでしょうか。
私は想像魔法というチート魔法。
あ、神魔法でしたね。
 それを持っているだけで、私個人では普通の一冒険者で一般市民のつもりでいます。
 今回ヤマト入りして、レイン様に助けてもらってすぐさま、こちらに連れて来られ神スキルや皇族の一員にと初めて聞く内容ばかりです。
 ですのでここは、一旦保留という形で、私にも考える時間をいただきたいのです。
 もし今すぐに決めろというのなら、この話は断らせていただきます。
 それでこの国からも退出を命じるのであれば、残念ですが出て行きます」

 俺のことで身内が険悪ムードになっていたところで、自身の思っていることを正直に言うと、レインと小雨は慌ててミーツさんが出て行く必要なんてないですと、俺を二人して落ち着いて下さいと言いながら、小雨に手を引っ張られて再び座らさせられた。

「ミーツさん申し訳ございませんでした。
 私はミーツさんに嫌われたくありません。
 ですので、ミーツさんの意思を尊重したいと思います」
「そうですね。わたくしも少々取り乱しましたわ。先にわたくしことをミーツさんに知って貰う必要があるのに、わたくしも先走ったことをお詫びします」

 二人して立ち上がって深々と頭を下げて謝るのを見て、慌てて俺も立ち上がった。

「いやいやいや、お二人がそんなに謝る必要なんてないですよ!お二人とも頭を上げて下さい。ただ、自分の思っていることを伝えられないまま、流れに身を任せるのが嫌だっただけなんですから」
「わたくしも皇族という偉い立場に少々傲慢になっていまして、わたくしの発する言葉は、誰もが絶対聞くという気持ちでいたようです。
 レイン、とりあえずは家族皆にミーツさんをご紹介しましょう。
 それと、皆に紹介する前にミーツさんにはちゃんとした服を着てもらいなさい。
 先程お立ちになったとき、マントの中の下半身がチラリと見えて驚きました」

 普段から薄着はもちろんのこと裸になる機会が多いからか、裸にマントを羽織っているだけの自分に違和感は感じてなかったために、彼女の言葉にハッとして、急に恥ずかしくなってしまうものの、見られたのなら今更隠しても仕方ないと思いつつも、股間が完全に隠れるようにマントで覆い隠した。

「ふふふ、私は偶に見えていたミーツさんの身体を見るのも好きですよ。確かに妹や母上たちに紹介する前に、下着と服は着た方がよさそうですね。それでは私がコーディネートしますから衣装部屋に転移しましょう。
 それと、ミーツさんが見つけてくれました魔導人形のゼロですが、歴史的に貴重な個体で調べたいので、預からせていただいてもよろしいでしょうか」
「解体されるようなことがなければいいと思いますけど、ゼロはいいか?」
「マスターのご命令となれば従いますが、解体されるようなことがあった場合は、正式に名前を貰ってませんので全力で抵抗させてもらいます」

 レインは微笑みながら、俺の身体がチラチラ見えていた様子が好きだと追加して言い、ゼロと俺の手を繋いで衣装部屋前へテレポーテーションと唱えた。
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