底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂

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第6章

第23話

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 早朝、宿の庭でヤスドルと手合わせをしていた時だった。アマとアミに姐さんまでもが、早朝から宿を出て行く姿が目に入って、ほぼ毎日何処に行っているのだろうかと気になり、尾行をしてみることにした。
 ヤスドルに彼女らが何処に行っているか聞いてみても、首を傾げるだけで興味がないようだったため、彼には自主練をしてくれと言って、彼女らの尾行を開始するも、宿の敷地を出て直ぐに消えた。

 まるで、俺が転移する時みたいに突然消えたものの、よく転移する俺だからこそ分かる転移痕のような物が残って見える。
 その転移痕を触ってみると、行き先の情報が頭に入って来たことで、すぐさま俺も彼女らを追いかけるように転移魔法を使って転移した。

 転移先は空に浮かぶ陸地だった。
 雲に手が届きそうになるくらいの陸地であるから、恐らくとても高い所か、宙に浮いているかのどちらかだろう。陸地は四畳ほどの狭さで、半透明の階段が上に伸びているのを見ていたら、彼女らが階段を駆け上がっている姿が目に入った。
 階段はどれほど長く続いているのか、彼女たちに気付かれないように駆け上がって尾行していたら、更にずっと上空の方に巨大な浮遊する陸地が見える。

 この階段はあの浮遊する陸地に続いているのだろうと推測できるものの、階段で行けばかなり時間が掛かるだろうにと思いながらも、駆け上がって行く彼女らと距離を取っていると、またも彼女たちは途中で消えた。

 今度は彼女たちを直ぐには追いかけずに、転移先の情報だけを読み取って記憶して置いたら、更に上空に浮かぶ浮遊大陸の何処かに転移したのが分かった。
 俺はとりあえず見える階段で何処に辿り着くか行ってみようと、自身の体力を想像魔法で回復させつつ階段を登り切ったら、浮遊大陸の下地である土に手が付いた。
 その瞬間、俺の身体が光って何百人もの行列の最後尾に転移した。

「お、あんたも講師枠狙いか?どの教科の講師を狙うんだ?」
「えと、これってなんの列なんですかね。
俺の仲間たちの跡を追ってみたら此処に着いちゃったんですよね」

 俺の前に並んでいる男がそう聞いてきたが、俺には何がなんだか分からずに首を傾げるも、あきらかに俺より年齢が上の男になるべく丁寧な口調で返した。

「はあ?あんた、学園の講師枠狙いで来たんじゃなかったのか。じゃあ、挑戦の紹介状も持ってないんだな。だったら、あんたは並び損になるぜ。あんたみたいな紹介状がないヤツは、向こうの用務員枠用の列か、学園生くらいしかなれないんだ。でも用務員枠は、余程の実力者くらいしかなれねえって聞くからよ。
せいぜい頑張んな!ハッハッハ」

 そう高笑いする彼だが、わざわざ教えてくれたことに感謝して礼をしたあと、彼のいう学園というワードが気になって、此処がどのような場所なのか、教えてもらった用務員の列というのに並んでみる。
 既に並んでいる者たちの顔ぶれは、屈強な戦士風や質素なローブを身に纏ってはいるが強そうな魔法使いなど、俺みたいな近所を散歩するかのような普段着で来ている者など一人も居ないことで、この用務員枠と呼ばれる列ではかなり俺は目立っているようだ。

 少々気まずいなか並んでいたところ、数十分に一度に数十人の人たちが消え、まとめて試験でもしているのだろうと思いつつも、この並んでいる暇な時間をどう潰そうかと通信機をイジリ遊びだすと、俺の背後に並んでいた男が俺の背中を蹴り上げた。

「おい、おっさん!記念で受けるだけなら帰れ!俺は生活が掛かっているんだ。お前みたいな見窄らしいおっさんが用務員になれるわけがないんだからよ、さっさと帰れや」
「痛たたたた。あーあ、背中に足跡の土が付いちゃったよ。何も蹴らなくても良かったんじゃないか?確かに俺は別に用務員になりたくてこの列に並んでいる訳じゃないけどさ。
 でも此処がどのような所を知るために並んでいたんだよ。まあ、俺が無知なだけかも知れないけど、キミが此処について知っているなら教えてくれよ」

 急に背中を蹴られたことに一瞬腹が立つも、冷静を保ちつつ背後で青筋を額に浮かべている彼にそう聞いた。

「知らねえなら勉強して戻れや」
「ふーん、知らないのか。知らないのにキミも並んでいるんだ。見た目は強そうだけど、キミも無知なんだねフフフ」

 そう馬鹿にするように笑って挑発したら、案の定逆上した彼は背中に背負っている大剣を手に構えた。

「そうやって俺を斬るつもりで構えているのなら、戦って殺されても文句ないんだよね?」
「あったりめえだ!テメエみたいなクソ親父がこの冒険者ランクSSランクのリボォデ様に勝てると思うなよ!逆に殺してやらあ」

 そう彼が言葉を発した瞬間に剣は振り落とされた。俺と同じような暇を持て余した周りの人達はヤレヤレー、行けーと彼を応援しているなか、振り落とされる剣をギリギリの所で避け、振り落ちる剣を眺めていたら、大した耐久性がなさそうな剣だったため、彼の剣を数回殴ってバラバラに割ってから彼の腕や足を素早く殴ってから頭を掴まえて地面に叩き付けた。

 他の人たちや彼には俺の動きが見えてなかったようで、一瞬の出来事であったかのように騒めく、彼は卑怯者と苦しそうな顔で睨み付けるも、先に構えてもいない無抵抗な相手に斬りかかってきたキミの方が卑怯なんじゃないか?と言うも、既に腕や足の骨が折れている彼に言葉以外の抵抗が出来ない状況に涙を流す。
 流石にこれ以上は俺が悪者になりそうだから、彼の頭から手を離して立ち上がると、彼の友人だろうか、彼に駆け寄って回復薬を飲ませて俺を睨む。

「なにも、ここまでしなくてもよかったんじゃないか!」
「いやいや、おかしいって、先に彼が俺の背中を蹴って、しかもいきなり剣を振り下ろしたんだ。逆に殺されてもおかしくないよね?」
「コイツはアンタみたいな記念で受けるようなヤツが大嫌いなんだ!卑怯なスキルを使って痛めつけやがって!」

 彼の仲間たちも話が通じないことにため息が出る。ここは無視するのが一番だと判断して、次手を出したら殺すとの意味合いで無言で彼らを軽く殺気によって一睨みして列に再び並ぶ、睨まれた彼らは俺と目を合わすことが出来なくて俯いたが、ボソボソと微妙に聴こえる声量で夜道に気を付けろよボケがと聴こえた。

 もう彼らに関わるまいと思って、進む列を進んでいたら、俺と前の人の間にストライプ柄のシャツを着た男が割って入ってきた。
 ただの割り込みではなく、俺に向き合ってニコニコと笑っているところ、俺に用があって来たのだと分かった。

「あの、何か俺に用ですか?」
「はい。先程の戦闘を拝見させていただきました。とても素晴らしい戦いでした。貴方のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?私はこの学園で働く戦闘部門の総責任者のデフォルメと申します」

 彼の丁寧な口調に思わず、ミーツと名乗りそうになるも、今仮面を着けてないことに気付いてミツルギと名乗って頭を下げたら、服の中に入れていたギルド証が出てしまって、彼は低ランクかと人を見下すような顔をした。
 周りの人達も低ランクがなんでこんな所に?とクスクス笑っている。

「先程中々良い戦いをしたから、直ぐに来たのにてっきり高ランクのギルド証を持っているかと思ったら、まさかの低ランクとは、余程便利なスキルを持っているんですね」
「低ランクといっても、Bランクだからそこそこじゃないかな」
「いいや、此処で働く者たちは最低でも冒険者のSランクだぞ。奇跡を狙って入ろうとする下賤な輩はヤツは許せない。俺の権限で、今すぐ講師も用務員も採用不可にしてやる」

 俺の冒険者がBランクだと分かった途端、彼の丁寧な口調や態度が急変して、彼の権限で不採用だと言い放った。彼の言葉に周り人達も、低ランクじゃ当たり前だと笑いだす。
 俺は別に用務員になりたくて並んだわけじゃなかったが、そう低ランクを馬鹿にする彼らにある程度抑えた威圧を掛けて睨んでから、姐さんたちが転移したであろう場所に転移した。
 転移する直前、俺に睨まれた人たちは笑っていた表情が引き攣って怯えていたのが見えて、この程度で俺を馬鹿にしていたのかと失笑した。

 転移先は何処かの街のようで、通信機でこの場所が表示されるか扱ったところ、俺がいるマーカーが表示されてなく、今いる場所が地図に現れない。だが、今いる場所の名前は出て自由学園都市と書いてあった。 
 此処は地図にも表示されない学園であることは理解したものの、なんでこんな所に姐さんだけではなく、アマとアミもいるのだろうと考えるも結論は出ないことで、とりあえずの所、街の中を散策してみることにした。

 街の雰囲気は活気があって、所々に魔道具屋と書かれた大きな看板を掲げて店が連なっている。それぞれの店の中は同じようなローブを着ている者たちが買い物をしている中、少々浮いている俺は皆んなから見られていると感じる。

 店に入って商品を手に取って見ると、触らないで下さいと注意を受けた。他の客たちは普通に手に取って見ていたから手に取ったのだが、どうやら俺の格好を見て盗まれると思ったのだろう。もしくは、この都市にいる為の資格がいるのかもしれない。

 店の中の人全てにジロジロ見られているのに耐えきれなく店を後にしても、道を歩く人や空を飛んでいる人にまで見られているのが気になって、仮面を被った状態のミーツになろうと人目のない所を探すも、何処に行っても人目があり、空から常に監視されているのに我慢ができずに宿に転移しようとしたその時、声を掛けられた。

「ミーツさん…では無かった。仮面を外している時はミツルギさんでしたね。こんな所でどうされたのですか?」

 声の主はレインだった。

「助かった。もう宿に戻ろうと思っていた所だったよ。なんだか、この街の全ての人に監視されているみたいなんだよ」
「ふふ、ミー、ミツルギさんでもそんなこと気にするんですね。この都市にはどのように来られたんですか?正規のルートで来られたわけでは無さそうですね」

 彼は俺が正規のルートで来てないことを見抜いて、どうやってこの都市に来たのかを聞かれ、正直にほぼ毎日何処かに行く仲間たちを追って来たことを告げた。

「アーハッハッハ、それではダメですよ。外から来る大人はきちんと、とある場所で試験を受けて更に、この都市に入れるだけの資格を取らないとですよ。
 私のような皇族でも資格は取ってます。
 ミー、ミツルギさんも学生になられるのでしたら、この都市内でも資格は取れますので、お時間がお有りでしたらご案内致しますが、どうされますか?」
「時間ならいくらでもあるけど、レインは良いのかい?」
「もちろん、私も用事があって都市に来てますので、そちらを優先させていただきますが、すぐに終わりますので付いてきてもらえると、ご案内ができます」

 そう言う彼に付いて行くことに決めた。
 それからは、彼の用事というのに付き合って、さまざまな店に立ち寄っては先程とは違い、彼と共にいる俺を普通の客として接してくるのに、資格がある者と居ればこれだけ違うのかと思いつつも、彼の用事を近くで見ながら付き合って行く。
 彼の用事とは主に買い物だが、店であれこれ商品について聞いては買い付けし、皇宮か別の何処かの施設に届けさせるといった内容だ。
 その他の用事については、路地裏にある怪しい店では俺は店の中に入れなかったものの、短時間で出て来て共に資格が取れるというところに向かった。









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