ローザタニア王国物語

月城美伶

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Jardin secret ~秘密の花園~

第14話

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 華やかなワルツの音楽が終わり、皆お辞儀をしてにこやかにご挨拶をされておりました。フランツ王子もシャルロット様にニコニコとお辞儀をしてお二人は和やかにダンスを終了されました。

「…フランツ、ダンス上達していたじゃない!」
「えへへ~!あの後ママに特訓してもらったんだぁ!やっぱり男たるものワルツくらい出来ないと駄目だって怒られちゃったんだぁ!」
「まぁ…そうなの?」
「これできちんとエスコート出来たかな、僕…」
「えぇ、とても紳士的で素敵だったわ」
「えへへ~!シャルロットちゃんに褒められると嬉しいなっ!あ、僕喉乾いちゃった…」
「ちょっと休憩しましょう」

フランツ王子がスッと手を差しだし、シャルロット様をエスコートしてダンスフロアから抜け出しました。そして近くに居たボーイからドリンクをもらうと二人は奥にあるソファーの方へと向かって行きました。

「ふぅっ!踊った後のオレンジジュースは最高だねっ!!」
フランツ王子はぷはーっと言わんばかりに満面の笑みでグラスの中のジュースを一気に飲み干しました。
「やだフランツ…お酒じゃないんだから!」
「だって…もう今日本当に緊張したんだよ!上手く踊れるかどうか心配だったんだから!」
「まぁ!」
「少しでもシャルロットちゃんに僕の良いところを見てもらいたくて…僕一生懸命頑張ったんだ!」
「ありがとうフランツ」
「…ねぇシャルロットちゃん、僕ねもうすぐ寄宿学校ケンニッジエールに入るんだ」
寄宿学校ケンニッジエールに…?凄いじゃない!あそこは限られた人しか入れない凄い学校だって聞いているわ!」

ニコニコと天真爛漫な笑顔で微笑んでいたフランツ王子は、いつもより真剣なお顔で少し落ち着いた声のトーンで話しはじめました。シャルロット様はそんな真剣な面持ちで話されるフランツ王子に少し驚かれましたが、シャルロット様もいつもよりきちんと向き直ってフランツ王子の言葉に耳を傾けておりました。

「えへへ~!僕入学試験頑張ったんだよ!凄いでしょ!!…うん、そこでこのナルキッスの国の為にきちんと勉強して立派な王様になるんだ!でも夏休みと冬休みの2週間ずつくらいしか家に帰ってこられないし…とても大変だってマリアが言ってた」
「そうね、お兄様たちも全然お家に帰って来られなかったわ」
「だからね、前よりシャルロットちゃんに会える機会が減ってしまうんだ。僕、それが本当に寂しくて…」
「フランツ…」
「シャルロットちゃん…僕は本当にまだ子供だから…たくさんワガママばかり言ったり空気読まなかったりしてたくさんシャルロットちゃんを困らせているよね。ごめんね…」
「そんなこと…ない…わけでもないけれど…」
「正直だね、シャルロットちゃん。でも僕そう言うところが大好きなんだ」
「フランツ…」
「パパはおじいちゃま同士の約束を果たすべく僕たちを結婚させようとしているけれど、僕は…本当に心の底からシャルロットちゃんのことが好きなんだ」
「…」
「まだ僕たち子供だし愛だとか恋だとかそういうことよく分かんないけれど…僕はシャルロットちゃんとこれから先も笑い合いながら楽しく一緒に居られたらいいなぁって思っているよ」
「フランツ…」
「だからシャルロットちゃんにもそう思ってもらえるように、僕寄宿学校ケンニッジエールで一生懸命勉強してウィリアムお兄様みたいな素敵な男性になって…シャルロットちゃんに好きになってもらいたいんだ!」
「ありがとうフランツ…。まだ先のことなんて誰にも分からないけれど…いつか私たちきちんと向き合える日が来るかもしれないわね。いつか…お互いもう少し大人になればきっと何かが分かるかも知れないわ」
「うん、そうだね!でも僕がシャルロットちゃんを好きな気持ちは多分変わらないよ!」
「まぁ!それも分からないわ!もしかしたら私なんかよりもっと素敵な人がフランツの前に現れることだてあるわ!」
「あはは~!どうだろうね!でも未来は誰にも分からないから、ないとも言えないよね!」

お二人は顔を見合わせて楽しそうに笑い出しました。
ザワザワとたくさんの人の話し声や笑い声が飛び交うパーティー会場の中でお二人の軽やかな笑い声はその雑踏に掻き消されておりましたが、それでもお二人の間にはいつになく楽しそうな空気が流れていたのでした。
辺りがだいぶビロードのようなネイビーの闇に染まりつつあると、軽快なワルツの音楽の演奏が終わりどこからか少しゆっくりとした曲調のワルツが替わりに流れ始めました。
多くのカップルが手を取りダンスフロアへとゆっくりと出てきて身体を寄せ合いワルツを組んでおりました。

「もう少し…一緒に踊ってくれる?」

フランツ王子がシャルロット様の前に跪きスッと手を差し出されました。緊張しているのかプルプルと震えるその手を見たシャルロット様はニコッと微笑まれて手を取られました。

「私ゆっくりなワルツ苦手なんだけど、きちんとエスコートしてくれる?」
「最善を尽くすよ!」

パッと嬉しそうに満面の笑みでフランツ王子が答えると、二人は駆け出してダンスフロアへと出て行かれました。周りは自分たちよりも大きな大人ばかりでしたが、フランツ王子はピンッと背筋を伸ばしてまずシャルロット様に一礼して手を取られました。シャルロット様もフランツ王子の負担にならない程度に寄り添い、お二人はいつもより優雅にワルツステップを踏んでおりました。

「まぁ…あのお二人、今日はいつもの子供っぽい雰囲気とは違って何だかいい雰囲気ね」
「ホント!何だか今日はとてもフランツ様が立派に見えるわ…!」

周りの大人たちはいつもとはちょっと違う二人の雰囲気を見て口々に感想を言い合っておりました。
遠くの主賓席からその様子を見ていたジョージ陛下とマリー皇后もそんなお二人を見てお互い顔を見合わせて頷いておりました。
優雅なワルツが奏でられ続けられておりましたがここで少し曲調が変わり出すと、周りの大人たちはお互いの手を離し一つずれて隣の人と手を取り何事も無かった他の様に組んで踊り始めました。

「プリンセス、パートナーチェンジですわ!曲調が変わったらお隣に一つズレるんですのよ」
「そうなの?」

隣に居た女性にそう告げられて、シャルロット様はフランツ王子の手を離してお隣の男性の元へとやって来ました。口髭を携えたロマンスグレーの髪の穏やかそうな紳士の男性はスッとシャルロット様にお辞儀をされると優しくシャルロット様の手を取り、まるでおじいちゃんが孫にダンスを教えるようにゆっくりと踊り始められました。シャルロット様も優しくリードされてリラックスされたのでしょうか。先程より優雅なワルツステップでワルツを楽しんで踊られております。
そしてしばらく踊ったかと思うと、また曲調が変わって今度は若い青年とペアになりました。シャルロット様が相手と分かって緊張されているのか、お顔を少し赤らめぎこちない動きでワルツステップを踏んでおります。そんな青年を見てシャルロット様はプッと吹きだして笑い出すと青年もつられて笑い出し、お二人はぎこちないながらも楽しくワルツの音色に沿って踊っておりました。
そしてまた曲調が変わると、シャルロット様はスッと強引に手を引っ張られました。

「きゃ…っ!」
「これはこれは…ローザタニアのプリンセスのシャルロット姫じゃないですか~っ!どうぞ私と一緒に踊りましょうっ!!」

中年の狐のようなお顔をした、ジョージ陛下やフランツ王子とはまた違った感じのドギツイ派手なジャケットを着た男性が次のパートナーの男性を除けて割り込んで入ってきてシャルロット様を強く抱きしめて踊り始めました。

「な…無礼よ!」
「え~?音楽で何も聞こえませんなぁっ!!」

怒りだしたシャルロット様の訴えも無視して男性はシャルロット様との距離を近づけてきます。嫌がるシャルロット様はその男から離れようと身体を捩ったりしますが、意外と屈強なその男の力を跳ね除けることは出来ませんでした。男の唇がどさくさに紛れてシャルロット様に近づきそうになったその時―――…

「失礼っ!」

聞き覚えのあるお声が近くで聞こえてきたかと思うと、グイッとシャルロット様は力強くでもどこか優しく手を引かれてその男の腕の中から脱出しておりました。

「な…何だお前はっ!」
「ムッシュー…女性は繊細な花と同じく優しく触れてあげないと…強引でガサツな男は嫌われますよ」

シルバーがかったアイスグリーンに繊細なゴールドのレースの模様と細やかなビジューの飾りが施されたジャケットに同系色のベストとパンツ、ベルベット調の深いエメラルドグリーンのタイと同じリボンで髪を結っているカルロ伯爵がシャルロット様を優しく抱き寄せて男から助け出されました。
男は周りからの白い目を感じたのか、バツ悪そうにチ…っと舌打ちをして人ごみに紛れてどこかへと行ってしまいました。カルロ伯爵はジッとその男の後姿が見えなくなるまで睨み続けておりましたが、すぐにシャルロット様の方へと向きなおりました。

「お怪我はありませんでしたか、シャルロット様」
「助けていただいてありがとうカルロ様」
「いえ、私は順番を守らなかったあの男が許せなかっただけです。次は私の番だったので」
「まぁ…!」
「…では改めて踊っていただけますか?」
「もちろん、喜んで!」

カルロ伯爵はスッと手を出されてお辞儀をします。シャルロット様はその手を取ってカルロ伯爵の目を見てにっこりと微笑まれました。そしてそのままカルロ伯爵は自然にシャルロット様の背中に手を添えて優しくリードしてワルツを踊り始めます。
甘いヴァイオリンの調べが奏でるワルツに乗って二人はゆっくりと踊り続けます。一生懸命ワルツステップの足元を見て確認しているのを優しく見守るように見つめているカルロ伯爵の視線に気づき、ふとシャルロット様はお顔を上げると伯爵はニコッと微笑み返されました。
微かに金色に光る瞳に目を奪われ、シャルロット様は目を離す事が出来ずにそのままカルロ伯爵を見つめたまま、握られている手をキュッと強く握り返しました。
カルロ伯爵はフッと不敵に微笑まれるとその手を口元に持って行きキスをしました。そして大きな瞳を逸らすことなく自分を見つめているシャルロット様を愛おしそうに抱き寄せたのでした。
甘くてどこか重厚な香りのするカルロ伯爵の香水の香りのする胸の中でシャルロット様は頬を少し赤く染めてゆっくりとワルツを踊られております。

「…ねぇあのお二人何だかとてもいい雰囲気じゃない?」
「本当ね。何だかシャルロット様も今までとは違ってとてもしっとりされているわね」
「まるで本物の恋人同士が踊っているみたいね」
「でもあの男性…どちらの貴族の方かしら…。あまりお見かけしない方だけれど」
「さぁ?でもなかなかいい男だわ。次踊ってくださらないかしら」

周りにいた人たちは、二人だけの甘い世界の中にいらっしゃるカルロ伯爵とシャルロット様を見てひそひそと話しはじめました。
クルクルと皆周りはじめて大きく場所の移動を繰り返し、入れ替わり立ち代りダンスフロアにカップルが舞い込んできました。カルロ伯爵とシャルロット様のカップルもダンスフロアの真ん中あたりに流れ込みそこで何組かのカップルと一緒にゆったりと踊っております。中にはウィリアム様やヴィンセントの姿もあり、皆一時の戯れを楽しんでおりました。
しばらくすると曲調が変わりカルロ伯爵はニコッと微笑みシャルロット様と離れました。ふとシャルロットが振り返ると、真っ白い制服姿の男性の姿がそこにありました。

「ヴィー…」
「…お手を…姫様」

鋭い水晶のようなアメジストの瞳でシャルロット様を見つめてヴィンセントはスッと手を差しだしました。シャルロット様は穴が開くんじゃないかと思われるほどの視線で見つめてくるヴィンセントからプイッとお顔を逸らし、少し躊躇っておりましたがヴィンセントから差しだされたその手を取って近づきヴィンセントの腕に手を回しました。
罰が悪くてあまりヴィンセントの顔を見たくないのか、シャルロット様は顔を背けたままヴィンセントの胸に伏し目がちにお顔を寄せております。爽やかな石鹸の香りと少し甘くて大人の雰囲気を持つ麝香を合わせたヴィンセントオリジナルの香水の香りと、煙草の匂いが少し入り混じったどこか落ち着く香りに満たされてシャルロット様はヴィンセントに身体を任せておりました。
ヴィンセントはいっさい自分の方を向くことなく、躊躇いがちに静かに伏せられた長い睫とキラキラしたパウダーに彩られた目元や赤く艶やかな愛らしい唇をジッと頭上から見つめておりました。
動くたびに甘い軽やかなバラの香りがするシャルロット様の御髪の香りがヴィンセントの顔の前に広がります。ヴィンセントはただ重ね合わせているだけのシャルロット様の手をしっかりと握り直します。
驚いて顔を見上げたシャルロット様と目が合うとヴィンセントはそのままただ無言でシャルロット様を見つめ返します。流れるような優雅なワルツのメロディーに揺れながら二人は見合っておりました。
そして音楽はいつの間にか鳴りやみ終わりを迎えました。ヴィンセントはスッと静かにお辞儀をすると足早にその場から離れて行き雑踏の中へと消えていきました。

「あ…」
「シャルロット様…?どうかされましたか?」
「カルロ様…」

ヴィンセントに何か話しかけようとしていたシャルロット様のすぐ近くに再びカルロ伯爵が寄って来られスッと手を取られてニコッと微笑まれましたが、少し寂しそうにされているシャルロット様をご覧になって心配そうにお顔を覗きこまれます。

「あちらで…少し休憩でもいかがですか?」
「あ…そうね。でも…ゴメンなさい、ちょっと失礼させてもらうわ」
「…そうですか」
「ごめんなさいカルロ様…」

シャルロット様はドレスを翻してダンスフロアの喧噪を離れて行きました。声を掛けてくる男性陣の声など聞こえていないかのようにその間を縫って出て行き、人気の少ない上の階のテラスへと辿り着きました。

「人酔いしたのかしら…何だか気分が悪いわ…」

シャルロット様はテラスの手摺になだれ込むように突っ伏しシャルロット様は外の新鮮な空気を吸い込みました。そして下のフロアでまだまだ華やかに盛り上がっているパーティをぼんやりと見ておりました。
夜の10時を回ったくらいでしょうか、主役のフランツ王子はもうすでに退席されておりましたが、招待客の大人たちは皆グラスを片手に談笑し合ったり他愛もない話で盛り上がったり、また男女仲良く密着して睦み合ったり…と大いに盛り上がっております。

「主役も帰ったパーティーの何が楽しいのかしら…。よく分からないわ…」

ふぅ…と溜息をついてシャルロット様は下のフロアで盛り上がっている大人たちをシラケた目で見ております。ふと奥のカーテンがかかった小さいお部屋の方からため息交じりの甘い声の笑い声が聞こえてきて、そちらの方に何気なくお顔を向けました。
一瞬フワッと風が通り抜け、薄いジョーゼットののカーテンが揺れて舞い上がります。そこには見覚えのある白い制服姿の男性と紫色のドレスを着た女性が奥にあるソファーに腰掛けて密そうに語り合っておりました。

「ヴィー…?」

シャルロット様は思わず声を出してしまい、バタバタと揺れるカーテンの隙間から見えるその姿から目が離せなくなっているかのように見つめております。ヴィンセントは柔らかい銀の絹糸のような髪を片方に寄せ、隣に座っている女性と何やら話しておりました。
そして懐から煙草を取出して流れるように火をつけ吸い始め一服すると、隣に座っている女性はヴィンセントの口から煙草をスッと取り妖艶な笑みを携えた自分の口へと持って行きその煙草を吸い始めました。ヴィンセントは笑いながらその女性の口から煙草を奪い返しまた一服すると、女性はヴィンセントの胸に寄り添いました。ヴィンセントの指が女性の髪を撫で、上目使いになった女性は甘えたしぐさで見上げます。
何やら女性が話しかけるとヴィンセントはフッと笑い、女性の顎をクイッと持ち上げそのままゆっくりと唇を重ねました。女性は気分が乗って来たのかそのままその豊満な身体をヴィンセントに寄せ付け、ヴィンセントの膝の上に跨り覆いかぶさりました。
カーテンがまた大きな風に乗ってバタバタと大きく揺れました。
どこからか来る視線に気が付いたのか、女性の顔が少し離れた瞬間ヴィンセントはふと顔を上げました。
数十メートルは離れていたとは思いますが、戸惑いと驚きが交差して困惑した表情で真っ直ぐこちらを見ているシャルロット様の姿を見てヴィンセントは少し驚きましたが、甘えてくる女性に話しかけられてヴィンセントはスッとシャルロット様から視線を外して女性の方を見つめ、顔に垂れかかる女性の髪を指に絡め取り自分の方に寄せると女性を抱き寄せて口づけを交わしました。
シャルロット様は居てもたっても居られず、その場を逃げるように静かに走って去ってしまいました。

・・・・・・・・

 「ねぇ…どうかされましたの…?」

女性は火照った顔で艶めかしくヴィンセントに問いかけます。ほんの一瞬無機質の冷たい瞳でぼんやりとその女性のお顔を見つめておりましたが、そんなことを見せる間もなくヴィンセントは女性の頬に手を置きフッと微笑みかけます。

「いえ…別に」
「心ここにあらずって感じよ?ねぇ…他に気になる人でもいたの?」
「まさか…。今目の前にいる貴女だけしか見えていませんよ」
「そぉ?ねぇ…じゃあもっと私だけしか見ないようにしてあげる…。ねぇもっと…キスしよ?」
「キスだけでいいんですか?」
「ふふふ…」

女性はゆっくりと覆いかぶさってくるヴィンセントを抱き寄せました。ヴィンセントはチラッとカーテンの方を見ましたがそこにはもうシャルロット様のお姿はなく、ただ薄いジョーゼットのカーテンだけがユラユラと揺れながら下がっておりました。
女性は猫なで声のような甘い囁きでヴィンセントを誘います。
ヴィンセントは制服の詰襟をスッと緩めてふぅ…と溜息のような息を吐き、妖しく微笑みながら寝そべっている女性に再びキスをしました。女性は大歓迎と言わんばかりにヴィンセントを抱きしめ、そのまま二人は抱き合ったままソファーに沈み込んでいきました。
少し欠けた月明かりと瞬く星の仄かな明かりの中、女性の甘いため息と少し荒い呼吸が静かに響きます。しかし階下のパーティーの喧騒にその声は掻き消されていくのでした―――…。
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