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初恋は運命の人…?
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あの人攫い達はもう見えない所まで走り去ったみたいだ。
それより助けてくれたこの方は凄く美人だな…。
纏っている衣はどれも一級品の最高値の物ばかり、この手入れの行き届いた艶のある黒い長髪から推察しても、この方は豪商人の家の子だとか名士の家の子だとか、高い身分の家柄の人に違いない。
「あの、助けてくれてありがとうございます。その、お召し物が汚れたりしていませんか?」
僕がそう言うと目の前の美しい青年は一層美しい神々しさまで感じられるような微笑みをたたえてこう言う
「ああ、こんなの気にしなくていい。」
「綺麗…」
あまりの青年の美しさに頭の中が空白になり、その言葉だけが出てきた。
するとその声は青年に聞こえていたらしく、青年は一瞬ぽかんとした顔をした後、豪快に笑いだした。
「そんなに真っ直ぐな瞳で褒められたのはいつぶりだろう笑 君こそ、人間の男にしては可愛らしい顔つきじゃないか?笑」
青年は恐らくだが自分と同じか、1、2歳下。なのにまるで年下を相手にするような口ぶり。でもそんなことが至極どうでもよくなるくらいに青年から褒められた事が内心嬉しくて堪らない。
「なんで僕ちょっとドキドキしてんの…?!」
「へぇ、君、私の事が好きなのか?笑」
自分的には彼には聞こえないように最小限の音量で呟いたはずが、彼は相当耳がいいのがしっかり聞こえていたらしくニヤニヤしながら顔を覗き込んでくる。
「ッッ////」
図星過ぎて繕う暇もなく全体温が顔に集中してしまう。我ながら蒸発しそうなほど顔があつい。
「ははっ笑 こんな可愛らしい君には私の正体を教えてあげよう。リェンチェ。」
「それっ、僕の名前…」
自分の名前は彼に教えた覚えがない。
なのに何故さっき…
「私は君が生まれ、そして名を付けられるその瞬間を天から見ていた。君は私の信徒の中でも最年少で、最も愛らしかったからね。私の祀られている社に供えてくれた白詰草は今でも大事にしているよ。」
その時ハッとした。実家の近くに武神であり、神界の皇太子であるシユを祀ってある小さな社があったことを思い出した。その頃からシユという神様が大好きで、その社にも拾った綺麗な紅葉の葉だったり、四葉の白詰草を供物台に置いた覚えがある。
「愛らしい坊やもここまで成長したか… リェンチェ、私は神界の皇太子であるシユだ。」
ああそうだ。シユと言えばその美しい瞳だけで世に蔓延る魑魅魍魎を成仏させ、万物を救いに導くと言う。まさにその通りだ。実際、この目で彼を見ている今、自分の中の邪の物が全て洗い流される様な感じがする。
「それは、本当ですか??」
普通なら目の前にいる人間が自らが神だと言ってもどんな虚言癖だ としか思わないだろうが、青年のあまりの神々しさを前に強く否定もできない。
「神は嘘をつかない」
青年はそう言うと、どこからともなく現れたこれまた値の張りそうな扇子をパタパタと扇ぐ。
「すごい…本当だ…」
僕が目の前の光景に感動して固まっていると、美しい青年、シユが扇子をぴしゃりと閉じ、僕の耳元で囁いた。
「リェンチェが私を本気で愛しているのは何年も見てきたから知っている。ところで私も君が愛おしいと感じる。」
「へっ…////?!」
僕は突然の言葉に持っていた書物を落としてしまう。
シユは扇子をくるくるとするだけでその書物達がふわふわと浮き、次第に僕の手に収まった。
「そこで、リェンチェ。君は私の妃になってみる気はないか?」
僕はこの日、初恋の人にプロボーズをされてしまった。
それより助けてくれたこの方は凄く美人だな…。
纏っている衣はどれも一級品の最高値の物ばかり、この手入れの行き届いた艶のある黒い長髪から推察しても、この方は豪商人の家の子だとか名士の家の子だとか、高い身分の家柄の人に違いない。
「あの、助けてくれてありがとうございます。その、お召し物が汚れたりしていませんか?」
僕がそう言うと目の前の美しい青年は一層美しい神々しさまで感じられるような微笑みをたたえてこう言う
「ああ、こんなの気にしなくていい。」
「綺麗…」
あまりの青年の美しさに頭の中が空白になり、その言葉だけが出てきた。
するとその声は青年に聞こえていたらしく、青年は一瞬ぽかんとした顔をした後、豪快に笑いだした。
「そんなに真っ直ぐな瞳で褒められたのはいつぶりだろう笑 君こそ、人間の男にしては可愛らしい顔つきじゃないか?笑」
青年は恐らくだが自分と同じか、1、2歳下。なのにまるで年下を相手にするような口ぶり。でもそんなことが至極どうでもよくなるくらいに青年から褒められた事が内心嬉しくて堪らない。
「なんで僕ちょっとドキドキしてんの…?!」
「へぇ、君、私の事が好きなのか?笑」
自分的には彼には聞こえないように最小限の音量で呟いたはずが、彼は相当耳がいいのがしっかり聞こえていたらしくニヤニヤしながら顔を覗き込んでくる。
「ッッ////」
図星過ぎて繕う暇もなく全体温が顔に集中してしまう。我ながら蒸発しそうなほど顔があつい。
「ははっ笑 こんな可愛らしい君には私の正体を教えてあげよう。リェンチェ。」
「それっ、僕の名前…」
自分の名前は彼に教えた覚えがない。
なのに何故さっき…
「私は君が生まれ、そして名を付けられるその瞬間を天から見ていた。君は私の信徒の中でも最年少で、最も愛らしかったからね。私の祀られている社に供えてくれた白詰草は今でも大事にしているよ。」
その時ハッとした。実家の近くに武神であり、神界の皇太子であるシユを祀ってある小さな社があったことを思い出した。その頃からシユという神様が大好きで、その社にも拾った綺麗な紅葉の葉だったり、四葉の白詰草を供物台に置いた覚えがある。
「愛らしい坊やもここまで成長したか… リェンチェ、私は神界の皇太子であるシユだ。」
ああそうだ。シユと言えばその美しい瞳だけで世に蔓延る魑魅魍魎を成仏させ、万物を救いに導くと言う。まさにその通りだ。実際、この目で彼を見ている今、自分の中の邪の物が全て洗い流される様な感じがする。
「それは、本当ですか??」
普通なら目の前にいる人間が自らが神だと言ってもどんな虚言癖だ としか思わないだろうが、青年のあまりの神々しさを前に強く否定もできない。
「神は嘘をつかない」
青年はそう言うと、どこからともなく現れたこれまた値の張りそうな扇子をパタパタと扇ぐ。
「すごい…本当だ…」
僕が目の前の光景に感動して固まっていると、美しい青年、シユが扇子をぴしゃりと閉じ、僕の耳元で囁いた。
「リェンチェが私を本気で愛しているのは何年も見てきたから知っている。ところで私も君が愛おしいと感じる。」
「へっ…////?!」
僕は突然の言葉に持っていた書物を落としてしまう。
シユは扇子をくるくるとするだけでその書物達がふわふわと浮き、次第に僕の手に収まった。
「そこで、リェンチェ。君は私の妃になってみる気はないか?」
僕はこの日、初恋の人にプロボーズをされてしまった。
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