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総力戦
片桐班、出発の日
しおりを挟む翌朝――
片桐班、榛名班、前田班はそれぞれの持ち場へ移動。
九重班は本部で待機し、危機管理課と一緒に資料室の情報を再度詳しく調べたり、更新の手伝いをする。
いよいよ、「梅」を守る闘いが始まる。
「片桐班、出発します!」
「慎重に、丁寧に警備を。
怪我するなよ」
「心配御無用。では!」
片桐班は颯爽と走って行く。
体力づくりの為、原則車は使わない。
体格の大きな男性捜査官たちは、見るからに強い。
班長である片桐は、柔道の師範である。
武器は持たず、毎回素手で犯人に立ち向かっている。
派遣捜査係ではひとつの班は班長を含め、三人で構成されている。
各々の能力、性別、体格差等を考慮し、課長と本部長で班員を割り振る。
梅乃や銀壱の場合、訳華学校の学生の頃から前田が目をつけていて、本部長に班員にしたいと直談判したという。
「ふぅ、着いた。
よし、ここからは三人分かれて警備だ」
「「はい!」」
片桐班長が班員に指示を出す。
片桐班はそれぞれ三方に分かれ、巡回警備を開始した。
この街はある程度栄えていて土地も広い。
人も多ければ建物も多く、隠れる場所も多いと考えられる。
まずは華墨登録情報を元に、梅の華墨をもつ人々の家を訪ね、注意喚起をする。
「御免ください」
「はい、何の御用でしょうか」
「突然すみません。
私は華罪捜査官 自由警備課の片桐と申します」
「あら、華捜の方ですか…何かございましたか?」
「いえ。実は、華罪組織が次に狙おうとしているのが
梅の華墨なのです。
その家系の方々に注意喚起をしております」
突然の訪問客に、婦人も驚いた様子。
しかし、神妙な面持ちで話す片桐を見て、自分たちにも身の危険が迫っていることを感じたようだった。
片桐は本部から支給された簡易な「警桜笛」を一家にひとつ手渡した。
危険を感じたら一家の誰かがその笛を吹くように、と念を押した。
「不安にさせてしまったと思いますが…
私たちはあなた方を守ります。
また、不審な人物等目撃した時には、
本部へご連絡をお願いいたします」
「分かりました。わざわざありがとうございます。
気をつけます…」
「それでは、失礼いたします」
片桐はこうして一軒一軒まわり、梅の家系の人々を守ることを宣言した。
他の班員も同様に警備をしながら、家をまわった。
誰も犠牲にしたくない、傷つけたくない、そのような確固たる思いが捜査官を奮い立たせた。
街の人々も協力的で、注意喚起は夕方まで掛かったが、この日は何も不審な出来事は起こらなかった。
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