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7つの断章編
第36話
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作戦は、甲羅にあけた小さな穴に針を打ち込み、
それに向かってレイリアの雷を当てるというものだ。
いわゆる避雷針のようなものだ。
「魔力で出来た針くらいしか用意はできんがな。」
ベアトリスが懐疑的な眼差しを向ける。
魔力で出来たものは、本物の金属と比べると、
やはり電気の伝わり方が違うのだろうか?
でも、そんなに調子良く金属性の針なんて転がってはいない。
私は周りを見渡し、針状の物が何かないかと探したが、
当然、都合よくそんなものが落ちているわけはなかった。
しかし、直後、私は、あることに気づいてしまった。
今回、偶然にもあるではないか。
金属で出来た鎖に繋がれたクロスボウが・・・。
クロスボウのボルトは、
敵の首元に突き刺さったまま、
今は甲羅の中に引き込まれている。
このままクロスボウのボルトに繋がれた鎖に雷を放てば、
十分なダメージを与えられるかもしれない。
せっかく、ベアトリスが甲羅に穴を作ってくれたようだが、
今回は、この敵の首元に刺さったクロスボウを利用させてもらうことにした。
「レイリア、あの鎖に雷を放って。」
私は、レイリアへ力を流し込み終えた後に、
クロスボウのボルトに繋がる鎖を指さした。
ベアトリスは私の急な方向転換に驚いた様子だった。
しかし、使い魔にはそのまま攻撃を続けさせた。
敵も、甲羅を攻撃され続けていれば、そこに注意を向け続けるだろう。
そんな中で、本命の攻撃を別の方向から与えれば、
不意を突くことができるかもしれないからだ。
使い魔と甲羅の耐久勝負が続く中、
レイリアが左手に力を集め始めた。
敵は甲羅の中に首を引っ込めたままで、それに気づく気配はない。
そのまま、レイリアの左手がバチバチと音を立てて輝きだした。
今までに見たことがないほどの力の高まりを感じる。
今回は、敵が籠城作戦に出たことで、こちらが十分な時間を用意でき、
いつも以上に力をしっかり溜めることができているようだ。
そして、その今までにないほどの力が
レイリアの左手から放たれ、鎖の中間程に着弾した。
凄まじい轟音と、振動が周囲を包み込む。
雷は鎖を伝って両端に到達し、
鎖の巻き付いていた木製のドラムは燃え上がり、
敵の甲羅の隙間から炎が噴き出した。
甲羅の中の惨状を知らせるかのように、断末魔が響き渡る。
「自分の甲羅の硬さに自信を持ちすぎた末路だな。」
甲羅から吹き出す炎を眺め、憐れみながらベアトリスが呟く。
やがて、力尽きたのか、断末魔が止み、辺りが静まり返ると、
亀型の悪魔の巨体は消え去り、大きな赤黒い球へと変化した。
「これで5つ。」
ベアトリスが、満足そうな顔で赤黒い球に手を触れ力を吸収する。
その時、私は何故ベアトリスがとどまって悪魔を倒そうとしたのかを理解した。
最初から、彼女に、
「悪魔を放置することで他の人に危害が及ぶかもしれない」
などという良心があるとは思っていなかったが、
今の彼女にとっては、断章を手にすることよりも、
更なる力を手に入れることのほうが重要なことなのだ。
力を手にするたびに満ち溢れる彼女の自信を見ていると、
少し前、ディメイアの力を持っていた頃の私のことを思い出す。
ルザーフという、復讐の相手を倒すための力を蓄えることが、
彼女にとって、もはや生き甲斐と言っても過言ではないのかもしれない。
本人からしてみれば、力を手にする度に、
徐々に復讐の現実味を感じ、高揚していくのかもしれないが、
こうして傍から見ていると、危うく、脆い存在に思えてしまう。
復讐を遂げたとして、その後に一体何が待っているのだろうか・・。
彼女の復讐が、私達の世界を救うのであれば、
それを止める理由はない。
ただ、その時は、私には彼女が憐れな存在に思えてならなかった。
それに向かってレイリアの雷を当てるというものだ。
いわゆる避雷針のようなものだ。
「魔力で出来た針くらいしか用意はできんがな。」
ベアトリスが懐疑的な眼差しを向ける。
魔力で出来たものは、本物の金属と比べると、
やはり電気の伝わり方が違うのだろうか?
でも、そんなに調子良く金属性の針なんて転がってはいない。
私は周りを見渡し、針状の物が何かないかと探したが、
当然、都合よくそんなものが落ちているわけはなかった。
しかし、直後、私は、あることに気づいてしまった。
今回、偶然にもあるではないか。
金属で出来た鎖に繋がれたクロスボウが・・・。
クロスボウのボルトは、
敵の首元に突き刺さったまま、
今は甲羅の中に引き込まれている。
このままクロスボウのボルトに繋がれた鎖に雷を放てば、
十分なダメージを与えられるかもしれない。
せっかく、ベアトリスが甲羅に穴を作ってくれたようだが、
今回は、この敵の首元に刺さったクロスボウを利用させてもらうことにした。
「レイリア、あの鎖に雷を放って。」
私は、レイリアへ力を流し込み終えた後に、
クロスボウのボルトに繋がる鎖を指さした。
ベアトリスは私の急な方向転換に驚いた様子だった。
しかし、使い魔にはそのまま攻撃を続けさせた。
敵も、甲羅を攻撃され続けていれば、そこに注意を向け続けるだろう。
そんな中で、本命の攻撃を別の方向から与えれば、
不意を突くことができるかもしれないからだ。
使い魔と甲羅の耐久勝負が続く中、
レイリアが左手に力を集め始めた。
敵は甲羅の中に首を引っ込めたままで、それに気づく気配はない。
そのまま、レイリアの左手がバチバチと音を立てて輝きだした。
今までに見たことがないほどの力の高まりを感じる。
今回は、敵が籠城作戦に出たことで、こちらが十分な時間を用意でき、
いつも以上に力をしっかり溜めることができているようだ。
そして、その今までにないほどの力が
レイリアの左手から放たれ、鎖の中間程に着弾した。
凄まじい轟音と、振動が周囲を包み込む。
雷は鎖を伝って両端に到達し、
鎖の巻き付いていた木製のドラムは燃え上がり、
敵の甲羅の隙間から炎が噴き出した。
甲羅の中の惨状を知らせるかのように、断末魔が響き渡る。
「自分の甲羅の硬さに自信を持ちすぎた末路だな。」
甲羅から吹き出す炎を眺め、憐れみながらベアトリスが呟く。
やがて、力尽きたのか、断末魔が止み、辺りが静まり返ると、
亀型の悪魔の巨体は消え去り、大きな赤黒い球へと変化した。
「これで5つ。」
ベアトリスが、満足そうな顔で赤黒い球に手を触れ力を吸収する。
その時、私は何故ベアトリスがとどまって悪魔を倒そうとしたのかを理解した。
最初から、彼女に、
「悪魔を放置することで他の人に危害が及ぶかもしれない」
などという良心があるとは思っていなかったが、
今の彼女にとっては、断章を手にすることよりも、
更なる力を手に入れることのほうが重要なことなのだ。
力を手にするたびに満ち溢れる彼女の自信を見ていると、
少し前、ディメイアの力を持っていた頃の私のことを思い出す。
ルザーフという、復讐の相手を倒すための力を蓄えることが、
彼女にとって、もはや生き甲斐と言っても過言ではないのかもしれない。
本人からしてみれば、力を手にする度に、
徐々に復讐の現実味を感じ、高揚していくのかもしれないが、
こうして傍から見ていると、危うく、脆い存在に思えてしまう。
復讐を遂げたとして、その後に一体何が待っているのだろうか・・。
彼女の復讐が、私達の世界を救うのであれば、
それを止める理由はない。
ただ、その時は、私には彼女が憐れな存在に思えてならなかった。
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