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17.湊くんのおうち
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「おい、早く入れって」
「え、でも、」
「お姫様抱っこされたいか?」
「おじゃましますっ!!」
湊くんの家に入るだけで私は一苦労だった。
だって、いくら勉強会という名目があるにしても男の人の家に上がるなんて初めてだから…!
結局湊くんに脅されて普通に家に上がることになったけど。
「二階上がっとけ、階段上がってすぐの部屋だ」
「う、うんっ」
キョロキョロと辺りを見回しながら二階に上がっていく。
白と黒を基調として作られたおうちはとてもオシャレで、いつもオシャレな湊くんの家らしいなあと感心してしまった。
ちなみに湊くんのお父さんとお母さんは共働きだからおうちにあまりいないらしい。
二階に上がるとすぐ手前にドアが開いている部屋を見つけ、おそらくここだろう踏んでと少し部屋の中を覗きこんでみる。
「すごいぃ…」
全体的に黒の家具でまとまっている部屋はまるでモデルルームみたいだ。
余計な小物が一切なくて、全然生活感がない。
本当にこの部屋で毎日過ごしているのかと疑問に思うくらいだ。
「お前…何やってんだよ」
「ご、ごめん」
「ほら入れ」
「おじゃまします…」
部屋に入ってすぐ、あることに気付いて顔に血液が集まってくる。
この部屋、湊くんに抱きしめられたときにいつも香ってくるにおいがする…!
思わず後ずさると湊くんにぶつかった。
ギギギと顔を後ろにやると、ニヤニヤしている湊くんと目が合う。
「一旦、退出しても、いいですか…」
「だーめ」
「ひぎゃっ」
後ろから抱きしめられて悲鳴を上げた。
湊くんのにおいがするってだけでクラクラしてるのに、抱きしめられたら心臓がもたない…!
「なあ、なんで顔真っ赤にしてんの」
「え、これは、ちがっ」
「言わないと一生このままだけど」
「…………この部屋、湊くんのに、においがする、から、ひゃあっ!」
さらに顔が熱くなるのを感じながら理由を説明すると、いきなり床に押し倒された。
カーペットが引いてあったから痛くなかったけど、問題はそんなことじゃなくて、馬乗りになっている湊くんだ。
湊くんは目を細めてこちらに近づいてくる。
これはまずいのでは?
「みみみなとくん、まってっ」
「あ?あんだけ煽っといて今更待てはないだろ」
「あ、あおって…?ひいぃっ近いっ!!」
「おら手ぇどけろ」
「はいストップー」
涙目になって自分の口を両手で覆い防戦していると、湊くんの後ろから救世主の声が聞こえてきた。
湊くんはチッと舌打ちをして私から離れてくれた。
急いで制服の乱れを直す。
「お前…いっつも無断で家入ってくんなよ」
「いいじゃん僕と湊の仲だもんっ。それに、先に到着したのが唯ちゃんじゃなくて僕で良かったねえ」
「…まあ、そうだけど」
湊くんの顔が少し青ざめている。
あんなところ唯に見られたら最後、この家に救急車と警察を呼ぶことになるだろう。
そんなことを考えて一人震えていたらチャイムの音が鳴った。
「噂をすればだねえ」
「大地出てきてくれ」
「よっぽど唯ちゃんが苦手なんだねえ。死にたくなければ大人しく待ってるようにねえ」
「わーってるよ」
八神くんが出ていったのを見届けて、湊くんはこちらに振り向かないまま口を開いた。
「…アイツらのこと、気にすんなよ」
「?」
「花音たち、…あのギャルのことだよ。極力お前には近づかせないようにするから」
「あ…うん、ありが、とう」
湊くんも気にしてくれてたんだ。
そう思うとまた顔が熱くなってくる。
でも、私はあの子たちから湊くんとの日常を奪ったことになる。
…私なんかが湊くんと一緒にいて本当に良いのかな。
気を抜くとネガティブなことばかり考えてしまう。
せっかく湊くんと唯が私や八神くんのために提案してくれた勉強会だから集中しなきゃいけないのに。
「あーーーーーーっ!!」
「!?」
「古典の教科書学校に忘れたあ…」
「…アンタ、本当に赤点回避する気あるの?」
「あるよお!…唯ちゃん、教科書見せてくださいっ!」
「…ハァ」
相変わらずハイテンションの八神くんと、心底嫌そうな顔をして八神くんを睨みつけている唯が部屋に入ってきて空気がガラリと変わった。
「夏菜は教科書忘れてねえだろうな」
「うん、だいじょ…あっ」
「…おい」
「ごごごごめんなさいっ!!…数Bの教科書貸してください…」
「…ハァ」
結局私も八神くんと同じミスをして湊くんから呆れられてしまった…
「え、でも、」
「お姫様抱っこされたいか?」
「おじゃましますっ!!」
湊くんの家に入るだけで私は一苦労だった。
だって、いくら勉強会という名目があるにしても男の人の家に上がるなんて初めてだから…!
結局湊くんに脅されて普通に家に上がることになったけど。
「二階上がっとけ、階段上がってすぐの部屋だ」
「う、うんっ」
キョロキョロと辺りを見回しながら二階に上がっていく。
白と黒を基調として作られたおうちはとてもオシャレで、いつもオシャレな湊くんの家らしいなあと感心してしまった。
ちなみに湊くんのお父さんとお母さんは共働きだからおうちにあまりいないらしい。
二階に上がるとすぐ手前にドアが開いている部屋を見つけ、おそらくここだろう踏んでと少し部屋の中を覗きこんでみる。
「すごいぃ…」
全体的に黒の家具でまとまっている部屋はまるでモデルルームみたいだ。
余計な小物が一切なくて、全然生活感がない。
本当にこの部屋で毎日過ごしているのかと疑問に思うくらいだ。
「お前…何やってんだよ」
「ご、ごめん」
「ほら入れ」
「おじゃまします…」
部屋に入ってすぐ、あることに気付いて顔に血液が集まってくる。
この部屋、湊くんに抱きしめられたときにいつも香ってくるにおいがする…!
思わず後ずさると湊くんにぶつかった。
ギギギと顔を後ろにやると、ニヤニヤしている湊くんと目が合う。
「一旦、退出しても、いいですか…」
「だーめ」
「ひぎゃっ」
後ろから抱きしめられて悲鳴を上げた。
湊くんのにおいがするってだけでクラクラしてるのに、抱きしめられたら心臓がもたない…!
「なあ、なんで顔真っ赤にしてんの」
「え、これは、ちがっ」
「言わないと一生このままだけど」
「…………この部屋、湊くんのに、においがする、から、ひゃあっ!」
さらに顔が熱くなるのを感じながら理由を説明すると、いきなり床に押し倒された。
カーペットが引いてあったから痛くなかったけど、問題はそんなことじゃなくて、馬乗りになっている湊くんだ。
湊くんは目を細めてこちらに近づいてくる。
これはまずいのでは?
「みみみなとくん、まってっ」
「あ?あんだけ煽っといて今更待てはないだろ」
「あ、あおって…?ひいぃっ近いっ!!」
「おら手ぇどけろ」
「はいストップー」
涙目になって自分の口を両手で覆い防戦していると、湊くんの後ろから救世主の声が聞こえてきた。
湊くんはチッと舌打ちをして私から離れてくれた。
急いで制服の乱れを直す。
「お前…いっつも無断で家入ってくんなよ」
「いいじゃん僕と湊の仲だもんっ。それに、先に到着したのが唯ちゃんじゃなくて僕で良かったねえ」
「…まあ、そうだけど」
湊くんの顔が少し青ざめている。
あんなところ唯に見られたら最後、この家に救急車と警察を呼ぶことになるだろう。
そんなことを考えて一人震えていたらチャイムの音が鳴った。
「噂をすればだねえ」
「大地出てきてくれ」
「よっぽど唯ちゃんが苦手なんだねえ。死にたくなければ大人しく待ってるようにねえ」
「わーってるよ」
八神くんが出ていったのを見届けて、湊くんはこちらに振り向かないまま口を開いた。
「…アイツらのこと、気にすんなよ」
「?」
「花音たち、…あのギャルのことだよ。極力お前には近づかせないようにするから」
「あ…うん、ありが、とう」
湊くんも気にしてくれてたんだ。
そう思うとまた顔が熱くなってくる。
でも、私はあの子たちから湊くんとの日常を奪ったことになる。
…私なんかが湊くんと一緒にいて本当に良いのかな。
気を抜くとネガティブなことばかり考えてしまう。
せっかく湊くんと唯が私や八神くんのために提案してくれた勉強会だから集中しなきゃいけないのに。
「あーーーーーーっ!!」
「!?」
「古典の教科書学校に忘れたあ…」
「…アンタ、本当に赤点回避する気あるの?」
「あるよお!…唯ちゃん、教科書見せてくださいっ!」
「…ハァ」
相変わらずハイテンションの八神くんと、心底嫌そうな顔をして八神くんを睨みつけている唯が部屋に入ってきて空気がガラリと変わった。
「夏菜は教科書忘れてねえだろうな」
「うん、だいじょ…あっ」
「…おい」
「ごごごごめんなさいっ!!…数Bの教科書貸してください…」
「…ハァ」
結局私も八神くんと同じミスをして湊くんから呆れられてしまった…
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