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夜は眠れる訳もなく、お腹が空いたので空也の残して行ったおにぎりを食べた後にお風呂を沸かして入った。その時にグチャグチャに汚れてしまった布団のシーツも洗い、布団はそのまま外に干した。壊れた雨戸を片付けると部屋を箒で掃いて掃除をした。
鬼の世界のルールがなんだか知らないが、由花は腹立たしく思いながら身体を動かしていた。子供を産めば帰れると言うから初めてを空也に捧げたのに、中途半端になってしまった上に昨日のあれは一体何なんだ?そう思う度にむかっ腹が立って、一瞬たりともココには居たくなくて綺麗に掃除をした後は 荷物を持って外に出た。
方角なんて解らないが、少しでも遠くに行きたかった。
多分、空也の匂いが自分について大抵の鬼は手が出せないだろうと考え 襲われる心配はしなかった。しかも発情期に外に出ている鬼も少ない。
由花はひたすら歩いた。
...どれ位歩いただろうか。
勢い良く飛び出して来たものの 疲れて足取りがどんどん重くなって来た。
何処かの家に入って休ませてもらう訳にもいかず、何処かの宿に泊まるにもお金が無かった。
『こうやって生きて行く為に自分の身を差し出すんだろうなぁ』
行き場のない人が雨風をしのげる所に身を置いて、鬼を誘ってお金を稼ぐ...と言う気持ちが少し解った気がした。
山道をひたすら歩いても 一向に開けた場所にも出ないし、登ったり下ったり疲れ果ててしまった。竹筒にはもう水も入ってないし足も痛い。由花は山道をそれて下の川辺に降っていった。
スニーカーと靴下を脱いで足を水に浸けるとひんやりして気持ち良かった。
しばらくバシャバシャと水飛沫を上げて遊んで見たり、足を揉みほぐしてみたりしていたら急に眠気が襲ってきた。
それもそうだろう。一晩中睦みあって寝ずに運動をしていた上に騒動が起こったのだ。疲れていて当たり前だ。
由花は川辺の平らな場所を見つけると背負っていたリュックを枕にして パーカーを上からかけて眠ってしまった。
目が覚めると周りは明るくて、時間の解らない由花は 今が朝なのか昼なのか、ちょっと寝たのか随分寝たのか全く解らなかった。急ぐ用事がある訳でも無いので良いのだが...
由花は起き上がり川で顔を洗うと、また山道に戻り歩いた。しばらく行くと山道がどんどん細くなり降っている。道なりに進むしかなく、出た所は少し大通りの開けた道だった。それでも歩いている鬼は全くいない。右に行こうか左に行こうか迷って、左に進む事にした。
それはある意味正解だったのか...
右に曲がれば元いた場所に戻るだけだったので。
由花は山道をグルリと1周回って元の場所近くに戻っただけだったのだ。
地図がないって不便だよね...。
それを知らない由花は随分歩いたので空也からは相当離れたと思っている。
左に進むと街に出る。
街には空也の屋敷があるなんて思いもしない...必然的に空也に近付いてるとは由花は知らなかった。
人の姿がちらほら見え出したのは 発情期が終わったからなのか...。どんどん人通りが多くなって来て街並みが出て来始めた。
橋を超えるとズラリと並ぶのは屋台。
商店街みたいに店舗じゃないのが不思議だけど、屋台もお祭りみたいで楽しそうだ。
鬼は何かと争い事が多いので すぐに喧嘩じゃ何じゃと建物が壊れる事態が起こる。しかもテリトリーを大事にするがテリトリーを広げようともする困った生き物だ。
何時も何かしら壊されて、多分 鬼の世界では大工さんが1番仕事が多いのではないかと思う位激しい。だから屋台はとても合理的な考えだった。土地も自分の物では無いのでテリトリーを広げようとする争いは避けられる。そして例え壊されたとしても大した被害にはならないからだ。
まだ発情期後半が残っている為か屋台は数店しかいなかったし 由花にはお金が無かったが、見て回るだけでも楽しめた。
屋台が並ぶ道を大通りにそって曲がった時「由!」 誰かに呼ばれた。由花は「はっ!」として振り向くと、そこに立っていたのは四郎だった。
「由、探したよ...」
そう言って四郎は由花に近付いたが「手が付いたか...」と舌打ちして小さな声で言った。
『空也?』由花の体から空也の匂いがする。
「ずっとココにいたの?」
四郎からそう聞かれて首を横に振る。
四郎は少し考えて、「行くよ」と由花の手を引っ張った。
何処に行くと言うのか...
「ちょっと待って、四郎、引っ張らないで」
そう言って見たものの男の力にかなう訳もなく...
由花はまた拉致されて連れて行かれてしまった。
ビョ────ンと飛ぶのはこの種族の特徴なのだろうか...
着地の度にお腹を打つもんだから痛くて堪らない。
『何処に行くんだろう』そう思いながらも痛さと戦っている由花。楽しんでいた街並みが あっという間に見えなくなった。
すると、ある1点から空気が変わった気がした。顔を上げようと必死になるが如何せん揺れが半端なく、しかも少し良い気味で、なおかつ頭に血が登って苦しい...。
下ろして欲しくて手足をバタバタすると、四郎がストップしてくれた。
「ここまで来れば大丈夫だ」
そう言って四郎は由花を肩から下ろした。
由花はヘナヘナと座り込み「水...水...」とうわ言の様にしか言えなかった。
四郎は竹筒を腰から出して由花に水を飲ませてくれたが、勢いが良すぎて大半がこぼれてしまった。
今度は四郎から腕を取られて無理矢理立たされると「歩くよ」と言って歩かされた。
まだ気分が良くなってない由花は必死で「ちょっと待って」と言うが聞いては貰えない。こんな強引な人だったっけ?と由花は思った。引きずられる様にして歩いて行くと竹林の向こうに屋敷が見えた。
四郎は屋敷の中に入っていくと納戸の様な所に由花を押し込んだ。
そして自分も中に入ると扉を閉めてつっかえ棒をする。
由花の方を向くと
「突然居なくなったから心配したよ」と言った。そして
「どうして空也の匂いがついてるの?」
「.....」
「空也と一緒にいたの?」
由花はちょっと考えた後頷いた。
「由を連れ出したのは空也?」
由花はもう1度頷く。四郎は大きくため息をついた。
「ねぇ、発情期前に空也と一緒にいたのは由?」
「......」
由花が何も言わなくても四郎には解った。発情期が来るので四郎は屋敷に戻っていた。その時に空也がいないと荒れている鈴音の相手をしたのは四郎だった。
四郎と空也は母が違うが兄弟だ。ちなみに鈴音も兄妹になる。そして鉄太も兄弟だ。
発情期が来て興奮している鈴音をなだめて、罵られながらもありとあらゆる技を駆使して満足させたつもりだったが、四郎が眠っている隙に居なくなっていた。
それから程なくして空也と共に鈴音が帰って来たので安心していた。
空也と鈴音は部屋からは1度も顔を出していない...
四郎はその後自分のお気に入りの男児と発情期を過ごした。
そう...。四郎は女よりも男が好みだった。現代で言うバイセクシャルと言うやつだ。
由花から返事が無いのが返事だと思った四郎は
「由...空也は...」そう言いかけた時、
「もう空也さんの話はやめて下さい」
由花が静かにそう言ったので四郎もそれ以上は何も言わなかった。
「そう───」
四郎が何かを言おうとした時、扉がガタガタガタと鳴る。
四郎が隙間から外を伺うと「見つかった...」と言ってつっかえ棒を外し扉を開けた。
髪の赤い男が立っていた。
「連れてきたのか?」
男がそう言うと
「まぁ、とりあえず座って話そうよ」
四郎が怒ってる風の赤髪男に諭すようにして話し掛けた。
「家に入れ」
そう言われて、四郎は由花を立たせると手を引っ張り屋敷の中に3人は入って行った。
広い屋敷の中を歩いて行き、只今由花はお抹茶と和菓子を頂いている。
抹茶は苦いものかと思っていたら 案の定苦かった...
しかし、この甘すぎるお菓子が絶妙なハーモニーを醸し出していて、思わず「おかわり!」と言いたい程だった。
今まで由花がいた鬼の部族は火炎族と言って、鬼の中でも火を扱う部族であった。
今いる屋敷の部族は風来族。風を操るのだそうだ。
火と風の部族は相性が良く、戦があれば良く一緒に戦ったりする。
しかし女の問題は別だ。何処の部族も女が足りずに困っているのだ...。
「発情期に間に合わなかったな...しかも空也の匂いがついてる」
「連れ去られたんだ 空也に...空也が囲うとは誤算だったなぁ~」
「それで?なんで空也は手放した?」
「鈴音だろうな...」
「なるほど...」
由花は話を聞きながら、あの鈴音の綺麗な裸体を思い出していた。
「とりあえず、空也の匂いが取れるまではダメだな」
「そうだなぁ~、1番いい方法を思いついたんだけどなぁ~...連れ去られるとは...」
「納戸に入れといて」
そう言った赤髪男は鍵をポンっと四郎に投げた。
由花はびっくりした「!!!」
四郎は由花の腕を掴むとまた引きずる様に元いた場所に連れて来ると由花をその中に押し込め鍵をかけた。
「ちょっ...四郎さん!」
「由、匂いが取れるまでの辛抱だよ。ちょっとだから。我慢してなね」
そう言って去っていってしまった。
真っ暗な狭い納戸の中で、どうしてこんな事になってしまったのか...とため息をつく由花だった。
朝晩に食事が届けられ、それ以外は何もすることが無い由花。
せめて下働きでもさせて貰えれば...と思うが、聞いてもらえなかった。
壁の隙間から外を覗くと丁度竹林が見える。日がな1日その竹林を見て過ごしていた。
あのまま空也が用意してくれた家にいた方が良かったのだろうか...と考えたが、時が巻き戻る訳もなく、それもため息が出た。
発情期が過ぎてすぐに生理が来たので 空也との子供は出来ていなかった事になる。ため息を付く事ばかりだ...。
この世界に居ると時間の感覚がさっぱり解らない。
スマホの充電もとっくに無くなって時間の感覚が解らない。
初めは夜の数を数えていたが、15を過ぎた辺から解らなくなってしまった。
サワサワサワと竹の葉の気持ちの良い音がして、外で足音が聞こえた。
「誰かいるの?」
と足音の人が言った。
『自分の事だろうか...』由花はそう思ったが声を出す代わりに壁を「コンコン」と叩いた。
「危ないから伏せてて」
今度はそう言われて 由花はうつ伏せに伏せた。
バリっと音がしたかと思って振り向いたら壁の板が1枚無くなってて、水色の髪の毛をした美男子がこちらを見ていた。
「かくれんぼしてたの?」
そう言いながら笑った彼の顔には可愛い笑窪が出来て、由花はその男に吸い寄せられる様い見入った。
「おいで」
手を出した男は「怖くないよ」と言ってまた笑窪を見せた。
彼の周りにキラキラと輝きが見えた。
由花が手を伸ばすと「ゆっくりでいいよ」と声を掛けられた。由花はそ~っとその隙間から外に出た。
「誰か!」
男が叫ぶと物音を聞いて外に出て来ていた使用人が前に出て来た。
「孔宇呼んで」
そう言われて使用人は慌てて「はっはい」と走って行った。
直ぐに現れた孔宇は「仁様...」と言って外に降りて膝を着いた。
「孔宇、どういう事?」
「その子は、慎之介からの預かり者でして...」
「ほんと?」
仁は由花の顔を覗き込んで聞いた。
由花はなんと答えて良いか解らず黙っていた。
「慎之介って知ってる?」
また質問されて、それには頷いた。
「慎之介が連れて来たの?」それにも頷いた。
仁は「うーん...。」と唸った後「んじゃ孔宇は要らないね」と言って「俺が貰って行くよ」と言った後由花を見て「行こっか?」って言った。
孔宇は何も言わない。嫌、言えなかった。
風来族の御法度は人身売買。
火炎は力で押して行く部族だが、風来は頭が良い。知恵を使う部族で縦社会のキッチリと統制の取れた部族だ。
由花はその屋敷からすんなり外へ出ると外にいた角の生えた馬の様な動物の背に乗せられ、そこを後にした。
連れて行かれた先はでっかいお城だった。
城に着くまでの間も賑やかな街並みを見る事が出来て由花は始終
「うわぁ~」「凄い」「美味しそう」と言っていた。
「楽しい?」
そう言って馬の速度を緩めてくれた仁に振り向き「ありがとう」と笑った笑顔を見て仁の顔も綻んだ。
途中、餡子を包んで蒸してある『あんまん』を買ってくれた。
火傷をしそうな位熱いあんまんはとても美味しかった。半分にちぎって仁に渡すと「くれるの?」と言って仁が言うので「半分こ」って言うと仁が嬉しそうに笑った。
人が溢れているお城の入口で乗って来た馬を預けて 歩いて城内を行く。
城の広い庭園の片隅にある民家に入ると「しーのー」と呼んだ。
「はいはい」と言いながら現れた女に「お風呂入れてやって~」と告げると「すぐに」と言って女が薪を用意し始めた。
由花も手伝おうと側に行こうとするが「君はこっち」と言って客間に通された。
「名前は?」
「由です」
「本当の名は」
「.....」
「こちらの世界に来たのは何時?」
「.....」
「何人の鬼と目合った?」
「...1人」
「慎之介?」
「空也」
「空也ぁぁぁ???」
そんなにびっくりする事なのだろうか...
「へぇ~」「空也とは良かった?」
そんな事を聞かれても比べる対象がない由花には解らない。
「丸くて苦いヤツ飲まされて、訳が解らなくなって...」
「え?何錠飲んだ?」
「小さいやつを一錠とちょっと大きいやつを一錠飲みました」
「そうか...身体は何ともない?」
「はい。特には...何か悪い物なんですか?」
「うん。飲みすぎると中毒になるヤツ」
それを聞いて由花は青ざめた。
「でも2回位だったら大丈夫...だと思う。何ともないんだよね?」
「はい...」
「もう誰かに飲む様に言われても飲んじゃダメだよ」
「はい...」
「火炎では結構やりたい放題だから中毒者多いんじゃないかな...だから色町も多い」
「え?なんで?」
「人間は発情期が無いからね。何時でも出来るし、アレ飲んじゃうと性欲が高まっちゃって堪らなくなるらしいから...」
『確かに...』由花はそう思った。
「ふぅ~ん...慎之介はちゃんと考えていたんだな」
それがなんで慎之介の話と繋がったんだろう。由花は全く解らなかった。
「風呂に入って綺麗にしておいで」
そう促されて後ろを振り向くと、しのがそこに立っていた。
由花は頷き発情期以来の風呂に入った。
本当にサッパリした。
自分で自分が臭うので堪らなかったのだ。隅々まで洗っていたら長湯になってしまって、途中でしのが「大丈夫ですか?」と声を掛けて来た程だった。
それにしても...酷いと由花は思った。
『薬物を飲ませるだなんて...』由花の中では空也は最悪に成り下がっていた。
四郎も然り!人をアチコチ連れ回して売るなんて...
「はぁ~...気持ちいい~、早く帰りた~い」
そんな事を言いながら背伸びをして、そろそろ上がるか...と立ち上がった。
お風呂から上がると食事の用意が出来ていて仁が「長いね~」って言って笑ってた。
「すみません」と謝った後、仁と一緒にご飯を食べた。
何時もしていた様に縁側に座って空を眺めていた。久しぶりに見る星はやっぱり綺麗で見ていると吸い込まれそうだった。
「星?」
と言われて振り返ると仁が居て、仁も一緒に星を見た。
「私、こっちに来て最悪ですね~」
なんとなく口に出てしまった。
「最悪じゃないよ」
「でも、四郎に会って、売られるところを拉致られて、薬飲まされて空也と過ごしてたら鈴音が来て空也を連れて行って...また四郎に拉致られて、売られて...」
「え?やってる最中に鈴音が来たの?」
大笑いしながら「すげーなそれ」って仁が言った。そして
「由は幸運だよ、もっと壮絶な人生送っている人も居るし、屋根がある所に住めるだけでもラッキーだし、俺の所に来たし」
笑窪を見せながらニッコリ笑う仁の顔を見てキュンっと胸がなった。単純だ。
それから久しぶりに布団で寝た。
朝は大遅刻だった。
「もうお昼だ」って仁が笑うので恥ずかしかった。
由花はしのの後に着いて仕事を貰って始めた。その姿を見て
「由は偉いんだね~」
って仁が言うから「働かざるもの食うべからず!」と言うと目を丸くした後 大笑いしていた。
「俺も怒られるから働こっと」
と言って立ち上がって箒を持った仁に、しのが慌てて「おやめください」って走って近寄ったので「させとけば良いのよ」と言うと仁は大笑いをして しのは青ざめていた。
基本的に仁はこの屋敷から出る事はあまり無く、しのは通いなので夜は二人きりだ。でもそれも由花が慣れてくればしのはお役御免になる訳で...
時々部下らしき人が来ると部屋に篭って仕事をしている仁は、城に来てくれと頼まれても頑なに「嫌だ!」と駄々をこねていた。
ある時、余りにも部下が気の毒になって
「働かざるもの食うべからず!」とまた言ってやった。
そうしたら部下は目が点になり、仁は大笑いをし、
「家の女房殿に言われたら行かない訳にはいかないなぁ~」
と重い腰を上げ大笑いをしながら城に行ってしまった。
それから困った事があると由花に部下が相談しに来るようになった...。
そうやって楽しく過ごしているうちに次の発情期が近づいて来た。
今回は仁と過ごすのだろうか...
鬼の世界のルールがなんだか知らないが、由花は腹立たしく思いながら身体を動かしていた。子供を産めば帰れると言うから初めてを空也に捧げたのに、中途半端になってしまった上に昨日のあれは一体何なんだ?そう思う度にむかっ腹が立って、一瞬たりともココには居たくなくて綺麗に掃除をした後は 荷物を持って外に出た。
方角なんて解らないが、少しでも遠くに行きたかった。
多分、空也の匂いが自分について大抵の鬼は手が出せないだろうと考え 襲われる心配はしなかった。しかも発情期に外に出ている鬼も少ない。
由花はひたすら歩いた。
...どれ位歩いただろうか。
勢い良く飛び出して来たものの 疲れて足取りがどんどん重くなって来た。
何処かの家に入って休ませてもらう訳にもいかず、何処かの宿に泊まるにもお金が無かった。
『こうやって生きて行く為に自分の身を差し出すんだろうなぁ』
行き場のない人が雨風をしのげる所に身を置いて、鬼を誘ってお金を稼ぐ...と言う気持ちが少し解った気がした。
山道をひたすら歩いても 一向に開けた場所にも出ないし、登ったり下ったり疲れ果ててしまった。竹筒にはもう水も入ってないし足も痛い。由花は山道をそれて下の川辺に降っていった。
スニーカーと靴下を脱いで足を水に浸けるとひんやりして気持ち良かった。
しばらくバシャバシャと水飛沫を上げて遊んで見たり、足を揉みほぐしてみたりしていたら急に眠気が襲ってきた。
それもそうだろう。一晩中睦みあって寝ずに運動をしていた上に騒動が起こったのだ。疲れていて当たり前だ。
由花は川辺の平らな場所を見つけると背負っていたリュックを枕にして パーカーを上からかけて眠ってしまった。
目が覚めると周りは明るくて、時間の解らない由花は 今が朝なのか昼なのか、ちょっと寝たのか随分寝たのか全く解らなかった。急ぐ用事がある訳でも無いので良いのだが...
由花は起き上がり川で顔を洗うと、また山道に戻り歩いた。しばらく行くと山道がどんどん細くなり降っている。道なりに進むしかなく、出た所は少し大通りの開けた道だった。それでも歩いている鬼は全くいない。右に行こうか左に行こうか迷って、左に進む事にした。
それはある意味正解だったのか...
右に曲がれば元いた場所に戻るだけだったので。
由花は山道をグルリと1周回って元の場所近くに戻っただけだったのだ。
地図がないって不便だよね...。
それを知らない由花は随分歩いたので空也からは相当離れたと思っている。
左に進むと街に出る。
街には空也の屋敷があるなんて思いもしない...必然的に空也に近付いてるとは由花は知らなかった。
人の姿がちらほら見え出したのは 発情期が終わったからなのか...。どんどん人通りが多くなって来て街並みが出て来始めた。
橋を超えるとズラリと並ぶのは屋台。
商店街みたいに店舗じゃないのが不思議だけど、屋台もお祭りみたいで楽しそうだ。
鬼は何かと争い事が多いので すぐに喧嘩じゃ何じゃと建物が壊れる事態が起こる。しかもテリトリーを大事にするがテリトリーを広げようともする困った生き物だ。
何時も何かしら壊されて、多分 鬼の世界では大工さんが1番仕事が多いのではないかと思う位激しい。だから屋台はとても合理的な考えだった。土地も自分の物では無いのでテリトリーを広げようとする争いは避けられる。そして例え壊されたとしても大した被害にはならないからだ。
まだ発情期後半が残っている為か屋台は数店しかいなかったし 由花にはお金が無かったが、見て回るだけでも楽しめた。
屋台が並ぶ道を大通りにそって曲がった時「由!」 誰かに呼ばれた。由花は「はっ!」として振り向くと、そこに立っていたのは四郎だった。
「由、探したよ...」
そう言って四郎は由花に近付いたが「手が付いたか...」と舌打ちして小さな声で言った。
『空也?』由花の体から空也の匂いがする。
「ずっとココにいたの?」
四郎からそう聞かれて首を横に振る。
四郎は少し考えて、「行くよ」と由花の手を引っ張った。
何処に行くと言うのか...
「ちょっと待って、四郎、引っ張らないで」
そう言って見たものの男の力にかなう訳もなく...
由花はまた拉致されて連れて行かれてしまった。
ビョ────ンと飛ぶのはこの種族の特徴なのだろうか...
着地の度にお腹を打つもんだから痛くて堪らない。
『何処に行くんだろう』そう思いながらも痛さと戦っている由花。楽しんでいた街並みが あっという間に見えなくなった。
すると、ある1点から空気が変わった気がした。顔を上げようと必死になるが如何せん揺れが半端なく、しかも少し良い気味で、なおかつ頭に血が登って苦しい...。
下ろして欲しくて手足をバタバタすると、四郎がストップしてくれた。
「ここまで来れば大丈夫だ」
そう言って四郎は由花を肩から下ろした。
由花はヘナヘナと座り込み「水...水...」とうわ言の様にしか言えなかった。
四郎は竹筒を腰から出して由花に水を飲ませてくれたが、勢いが良すぎて大半がこぼれてしまった。
今度は四郎から腕を取られて無理矢理立たされると「歩くよ」と言って歩かされた。
まだ気分が良くなってない由花は必死で「ちょっと待って」と言うが聞いては貰えない。こんな強引な人だったっけ?と由花は思った。引きずられる様にして歩いて行くと竹林の向こうに屋敷が見えた。
四郎は屋敷の中に入っていくと納戸の様な所に由花を押し込んだ。
そして自分も中に入ると扉を閉めてつっかえ棒をする。
由花の方を向くと
「突然居なくなったから心配したよ」と言った。そして
「どうして空也の匂いがついてるの?」
「.....」
「空也と一緒にいたの?」
由花はちょっと考えた後頷いた。
「由を連れ出したのは空也?」
由花はもう1度頷く。四郎は大きくため息をついた。
「ねぇ、発情期前に空也と一緒にいたのは由?」
「......」
由花が何も言わなくても四郎には解った。発情期が来るので四郎は屋敷に戻っていた。その時に空也がいないと荒れている鈴音の相手をしたのは四郎だった。
四郎と空也は母が違うが兄弟だ。ちなみに鈴音も兄妹になる。そして鉄太も兄弟だ。
発情期が来て興奮している鈴音をなだめて、罵られながらもありとあらゆる技を駆使して満足させたつもりだったが、四郎が眠っている隙に居なくなっていた。
それから程なくして空也と共に鈴音が帰って来たので安心していた。
空也と鈴音は部屋からは1度も顔を出していない...
四郎はその後自分のお気に入りの男児と発情期を過ごした。
そう...。四郎は女よりも男が好みだった。現代で言うバイセクシャルと言うやつだ。
由花から返事が無いのが返事だと思った四郎は
「由...空也は...」そう言いかけた時、
「もう空也さんの話はやめて下さい」
由花が静かにそう言ったので四郎もそれ以上は何も言わなかった。
「そう───」
四郎が何かを言おうとした時、扉がガタガタガタと鳴る。
四郎が隙間から外を伺うと「見つかった...」と言ってつっかえ棒を外し扉を開けた。
髪の赤い男が立っていた。
「連れてきたのか?」
男がそう言うと
「まぁ、とりあえず座って話そうよ」
四郎が怒ってる風の赤髪男に諭すようにして話し掛けた。
「家に入れ」
そう言われて、四郎は由花を立たせると手を引っ張り屋敷の中に3人は入って行った。
広い屋敷の中を歩いて行き、只今由花はお抹茶と和菓子を頂いている。
抹茶は苦いものかと思っていたら 案の定苦かった...
しかし、この甘すぎるお菓子が絶妙なハーモニーを醸し出していて、思わず「おかわり!」と言いたい程だった。
今まで由花がいた鬼の部族は火炎族と言って、鬼の中でも火を扱う部族であった。
今いる屋敷の部族は風来族。風を操るのだそうだ。
火と風の部族は相性が良く、戦があれば良く一緒に戦ったりする。
しかし女の問題は別だ。何処の部族も女が足りずに困っているのだ...。
「発情期に間に合わなかったな...しかも空也の匂いがついてる」
「連れ去られたんだ 空也に...空也が囲うとは誤算だったなぁ~」
「それで?なんで空也は手放した?」
「鈴音だろうな...」
「なるほど...」
由花は話を聞きながら、あの鈴音の綺麗な裸体を思い出していた。
「とりあえず、空也の匂いが取れるまではダメだな」
「そうだなぁ~、1番いい方法を思いついたんだけどなぁ~...連れ去られるとは...」
「納戸に入れといて」
そう言った赤髪男は鍵をポンっと四郎に投げた。
由花はびっくりした「!!!」
四郎は由花の腕を掴むとまた引きずる様に元いた場所に連れて来ると由花をその中に押し込め鍵をかけた。
「ちょっ...四郎さん!」
「由、匂いが取れるまでの辛抱だよ。ちょっとだから。我慢してなね」
そう言って去っていってしまった。
真っ暗な狭い納戸の中で、どうしてこんな事になってしまったのか...とため息をつく由花だった。
朝晩に食事が届けられ、それ以外は何もすることが無い由花。
せめて下働きでもさせて貰えれば...と思うが、聞いてもらえなかった。
壁の隙間から外を覗くと丁度竹林が見える。日がな1日その竹林を見て過ごしていた。
あのまま空也が用意してくれた家にいた方が良かったのだろうか...と考えたが、時が巻き戻る訳もなく、それもため息が出た。
発情期が過ぎてすぐに生理が来たので 空也との子供は出来ていなかった事になる。ため息を付く事ばかりだ...。
この世界に居ると時間の感覚がさっぱり解らない。
スマホの充電もとっくに無くなって時間の感覚が解らない。
初めは夜の数を数えていたが、15を過ぎた辺から解らなくなってしまった。
サワサワサワと竹の葉の気持ちの良い音がして、外で足音が聞こえた。
「誰かいるの?」
と足音の人が言った。
『自分の事だろうか...』由花はそう思ったが声を出す代わりに壁を「コンコン」と叩いた。
「危ないから伏せてて」
今度はそう言われて 由花はうつ伏せに伏せた。
バリっと音がしたかと思って振り向いたら壁の板が1枚無くなってて、水色の髪の毛をした美男子がこちらを見ていた。
「かくれんぼしてたの?」
そう言いながら笑った彼の顔には可愛い笑窪が出来て、由花はその男に吸い寄せられる様い見入った。
「おいで」
手を出した男は「怖くないよ」と言ってまた笑窪を見せた。
彼の周りにキラキラと輝きが見えた。
由花が手を伸ばすと「ゆっくりでいいよ」と声を掛けられた。由花はそ~っとその隙間から外に出た。
「誰か!」
男が叫ぶと物音を聞いて外に出て来ていた使用人が前に出て来た。
「孔宇呼んで」
そう言われて使用人は慌てて「はっはい」と走って行った。
直ぐに現れた孔宇は「仁様...」と言って外に降りて膝を着いた。
「孔宇、どういう事?」
「その子は、慎之介からの預かり者でして...」
「ほんと?」
仁は由花の顔を覗き込んで聞いた。
由花はなんと答えて良いか解らず黙っていた。
「慎之介って知ってる?」
また質問されて、それには頷いた。
「慎之介が連れて来たの?」それにも頷いた。
仁は「うーん...。」と唸った後「んじゃ孔宇は要らないね」と言って「俺が貰って行くよ」と言った後由花を見て「行こっか?」って言った。
孔宇は何も言わない。嫌、言えなかった。
風来族の御法度は人身売買。
火炎は力で押して行く部族だが、風来は頭が良い。知恵を使う部族で縦社会のキッチリと統制の取れた部族だ。
由花はその屋敷からすんなり外へ出ると外にいた角の生えた馬の様な動物の背に乗せられ、そこを後にした。
連れて行かれた先はでっかいお城だった。
城に着くまでの間も賑やかな街並みを見る事が出来て由花は始終
「うわぁ~」「凄い」「美味しそう」と言っていた。
「楽しい?」
そう言って馬の速度を緩めてくれた仁に振り向き「ありがとう」と笑った笑顔を見て仁の顔も綻んだ。
途中、餡子を包んで蒸してある『あんまん』を買ってくれた。
火傷をしそうな位熱いあんまんはとても美味しかった。半分にちぎって仁に渡すと「くれるの?」と言って仁が言うので「半分こ」って言うと仁が嬉しそうに笑った。
人が溢れているお城の入口で乗って来た馬を預けて 歩いて城内を行く。
城の広い庭園の片隅にある民家に入ると「しーのー」と呼んだ。
「はいはい」と言いながら現れた女に「お風呂入れてやって~」と告げると「すぐに」と言って女が薪を用意し始めた。
由花も手伝おうと側に行こうとするが「君はこっち」と言って客間に通された。
「名前は?」
「由です」
「本当の名は」
「.....」
「こちらの世界に来たのは何時?」
「.....」
「何人の鬼と目合った?」
「...1人」
「慎之介?」
「空也」
「空也ぁぁぁ???」
そんなにびっくりする事なのだろうか...
「へぇ~」「空也とは良かった?」
そんな事を聞かれても比べる対象がない由花には解らない。
「丸くて苦いヤツ飲まされて、訳が解らなくなって...」
「え?何錠飲んだ?」
「小さいやつを一錠とちょっと大きいやつを一錠飲みました」
「そうか...身体は何ともない?」
「はい。特には...何か悪い物なんですか?」
「うん。飲みすぎると中毒になるヤツ」
それを聞いて由花は青ざめた。
「でも2回位だったら大丈夫...だと思う。何ともないんだよね?」
「はい...」
「もう誰かに飲む様に言われても飲んじゃダメだよ」
「はい...」
「火炎では結構やりたい放題だから中毒者多いんじゃないかな...だから色町も多い」
「え?なんで?」
「人間は発情期が無いからね。何時でも出来るし、アレ飲んじゃうと性欲が高まっちゃって堪らなくなるらしいから...」
『確かに...』由花はそう思った。
「ふぅ~ん...慎之介はちゃんと考えていたんだな」
それがなんで慎之介の話と繋がったんだろう。由花は全く解らなかった。
「風呂に入って綺麗にしておいで」
そう促されて後ろを振り向くと、しのがそこに立っていた。
由花は頷き発情期以来の風呂に入った。
本当にサッパリした。
自分で自分が臭うので堪らなかったのだ。隅々まで洗っていたら長湯になってしまって、途中でしのが「大丈夫ですか?」と声を掛けて来た程だった。
それにしても...酷いと由花は思った。
『薬物を飲ませるだなんて...』由花の中では空也は最悪に成り下がっていた。
四郎も然り!人をアチコチ連れ回して売るなんて...
「はぁ~...気持ちいい~、早く帰りた~い」
そんな事を言いながら背伸びをして、そろそろ上がるか...と立ち上がった。
お風呂から上がると食事の用意が出来ていて仁が「長いね~」って言って笑ってた。
「すみません」と謝った後、仁と一緒にご飯を食べた。
何時もしていた様に縁側に座って空を眺めていた。久しぶりに見る星はやっぱり綺麗で見ていると吸い込まれそうだった。
「星?」
と言われて振り返ると仁が居て、仁も一緒に星を見た。
「私、こっちに来て最悪ですね~」
なんとなく口に出てしまった。
「最悪じゃないよ」
「でも、四郎に会って、売られるところを拉致られて、薬飲まされて空也と過ごしてたら鈴音が来て空也を連れて行って...また四郎に拉致られて、売られて...」
「え?やってる最中に鈴音が来たの?」
大笑いしながら「すげーなそれ」って仁が言った。そして
「由は幸運だよ、もっと壮絶な人生送っている人も居るし、屋根がある所に住めるだけでもラッキーだし、俺の所に来たし」
笑窪を見せながらニッコリ笑う仁の顔を見てキュンっと胸がなった。単純だ。
それから久しぶりに布団で寝た。
朝は大遅刻だった。
「もうお昼だ」って仁が笑うので恥ずかしかった。
由花はしのの後に着いて仕事を貰って始めた。その姿を見て
「由は偉いんだね~」
って仁が言うから「働かざるもの食うべからず!」と言うと目を丸くした後 大笑いしていた。
「俺も怒られるから働こっと」
と言って立ち上がって箒を持った仁に、しのが慌てて「おやめください」って走って近寄ったので「させとけば良いのよ」と言うと仁は大笑いをして しのは青ざめていた。
基本的に仁はこの屋敷から出る事はあまり無く、しのは通いなので夜は二人きりだ。でもそれも由花が慣れてくればしのはお役御免になる訳で...
時々部下らしき人が来ると部屋に篭って仕事をしている仁は、城に来てくれと頼まれても頑なに「嫌だ!」と駄々をこねていた。
ある時、余りにも部下が気の毒になって
「働かざるもの食うべからず!」とまた言ってやった。
そうしたら部下は目が点になり、仁は大笑いをし、
「家の女房殿に言われたら行かない訳にはいかないなぁ~」
と重い腰を上げ大笑いをしながら城に行ってしまった。
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そうやって楽しく過ごしているうちに次の発情期が近づいて来た。
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