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江田元子
(臆病者なんだ、私)
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料理は素朴で、だからこそとてもおいしい。シンプルな味つけが好みな元子の舌にはぴったりの料理だが、青年の存在が気になって心の底から堪能できない。
(ううん……だけど、それが彼の仕事なんだし)
がまんするしかないかと箸を動かし、すべてを食べ終えて食後のお茶を飲み終えると、これでひとりになれるとホッとした。
青年が食器を片づける。それを見送り、残された急須から湯呑に茶を注いでいると葛餅が運ばれてきた。きな粉のまぶされたそれは黒い器に盛られていて、見た目はとてもそっけない。だからこそ透き通った葛餅の美しさときな粉の輝きが引き立っていた。
(こういうの、地味って言われちゃうんだろうな)
けれど元子は飾り気のない、だからこそ自信にあふれている感じが好きだ。匙を手にして、ふと目の端に青年が去らずにいるのに気がついた。
「あの」
ご飯のお替りをよそう必要もなくなったのだし、どうして青年が部屋に残っているのだろう。できればひとりでゆったりと、庭をながめつつ味わいたい。
「なにか」
「いえ、その……おいしいかったです。お料理」
「ありがとうございます」
(また、仕事だって言われるかもしれないし)
不快になられたら嫌だしなと、元子は言うのをやめにした。
「なにかありましたら、遠慮なくおっしゃってください」
胸中のつぶやきが聞こえたのではと、元子は焦った。
「いえ、なにもないです。すごく充実してます。来てよかったです」
「そうですか。よろしければ、葛餅のおかわりもできますので、遠慮なく申しつけてくださいませ」
「あ、はい」
(そのために残っているのかな)
客ひとり、あるいは一組に店員がひとり世話役としてつくシステムなのか。それならしかたがないと、元子は青年を気にしつつ葛餅を口に運んで庭に目を向ける。
(おいしいし、景色もすごくいいし……落ち着けそうなんだけど)
青年の存在が気になって、のんびりした気分になれない。
「お客様」
「はい」
「思うところあれば、どんなことでもおっしゃってください」
「ええと、とってもおいしいですし、景色もいいし、いいお店ですね」
目を伏せて青年が首を振る。上品な仕草の中に落胆が見えて、元子はドキリとした。
(なにか、気に入らないことでもしちゃったかな)
不安になっていると、青年が静かにつぶやく。
「本心をお聞かせください」
「え」
「なにも言われず不快を堪えられ、それがもとで離れていかれるのはなによりの痛手となりますので」
「ええと」
「どうぞ、ご遠慮なく」
「いえ、本当にすごく居心地がよくて――」
愛想笑いを浮かべて否定しかけた元子の声が、青年の視線に止められる。透き通った目はどんな嘘でも見抜きそうな鋭い光をたたえていた。ゴクリと元子の喉が鳴る。
「言われなければ、なにもわかりませんので」
丁寧な口調が、元子には怒鳴られるよりも迫力のあるものに聞こえた。
「内側だけでなにか思われておられても、こちらはどうにもできかねます」
はっきりと言われた元子は胸をつかれた。
(たしかに、そうだわ。お店にとったら、よくなかったって思われて、再来店されなかったり、悪い感想を広められたりするほうが困るよね)
そこで元子はおずおずと「ひとりにしてほしいです」と言ってみた。青年はにっこりとして深くうなずき、それではと腰を上げる。
「なにか入用のことがありましたら、遠慮なくお呼びください。どうぞ、ごゆっくり」
「はい。ありがとうございます」
頭を下げた青年に、元子も会釈を返して見送る。障子が閉まると息を吐き、肩の力を抜いた。
「言われないとわからない……かぁ」
たしかにそうだと青年の言葉を噛みしめる。するとなぜか後輩たちの姿が脳裏に浮かんだ。
(私のことを知らないから、勝手に解釈してあんなふうに言っているんだ)
そしてそう思われてもしかたがないと、元子は自分でそれらしい結論を見つけて勝手に納得した――はずが、モヤモヤは残ったままだ。
(納得しきれていないから、だから)
いままで「違う」と思っても、否定をせずに自分を説得できる原因を考え見つけて気持ちを治めていた。誤解だと思っても、そうさせてしまった自分が悪いとあきらめていた。
(でも、本当にそれでよかったのかな)
言わなければわからない。
口の中でつぶやいて、元子は庭に目を向けた。こういう店が好きだって、友人の誰かに言ったことはない。だから誰も元子の好みは知らない。わかってくれないと言いたいわけではなくて、わかってもらえないだろうなと伝える前からあきらめていた。彼女たちが誘ってくれる店は華やかだったり、かわいらしかったり、西洋風なモダンな雰囲気の場所ばかりだったから。
そういう店は嫌いではないが、そんな店を好む彼女たちはきっと、自分の趣味を理解してくれないだろう。そう元子は決めつけて、己の好みをなるべく主張しないように気をつけていた。
(なんで私、そんなふうにしているんだろ)
嫌われたくないからだと、すぐに答えは見つかった。不快な顔を見たくない。相手を不快にさせるのが怖い。だったら自分が一歩引いていればいいだけだ。ずっとそうして生きてきた。
(そっか。だから、八方美人って言われたのか)
後輩たちはよく見ていると自嘲する。誰にでもいい顔をしていたい。嫌われたくない。いい人だと思われていたい。残業を受けるのだって、とくに用事がないからだけでなく、嫌な顔をされるのが怖いからだ。
(臆病者なんだ、私)
葛餅を口に運ぶ。そっと心に寄り添う甘さがやさしくて、目の奥がじわりと熱くなった。
「おいしい」
つぶやくと、ポロリと涙のしずくが頬を伝った。どうして泣いているのかわからないまま、元子はしずしずと涙をこぼしながら葛餅を味わい、庭をながめた。
「なんか、さみしいな」
そんなふうに誰かの顔色をうかがってばかりいて、自分の気持ちを置き去りにしていたのだと気がついた。だから置き去りにされた心が涙となって、存在を主張している。
唇についたきな粉を舐めとり、お茶をすすった元子は手を合わせた。
「ごちそうさまでした」
漆黒の器に感謝を込めて頭を下げる。するとグラリと意識が揺らいだ。
「え」
ぐわんぐわんと頭が揺れて、眠りに落ちる寸前のように体が浮かぶ。目を開けていられなくなって、瞼を閉じるとどこかへ落ちていく感覚に見舞われた。
「う」
ちいさくうめいた元子は頭を振った。すると鼓膜を雑踏にたたかれる。
「え――あれ?」
周囲を見回した元子は首をかしげ、そうだ会社から逃げるように退勤したんだったと思い出した。
(後輩たちの陰口がかなしくて、そんなんじゃないって思いながら飛び出して、ちょっと腹立たしくもあって、それで……それで)
誰かにそれを聞いてほしいと思ったんだ。
結論と同時にスマートフォンを取り出した元子は、メッセージアプリを起動するためタップしかけた指を止めた。
(迷惑かな? でも、連絡してみないとわからないよね)
よしっと気合を入れて“仕事、終わった?”とメッセージを打ち込んで送信する。不安と期待をない交ぜにして画面を見ていると、ピコッと返信が現れた。
“終わったよ。どしたん?”
返信に安堵してから、次のメッセージをドキドキしながら打ち込んだ。
“ちょっと嫌なことあって、聞いてほしいんだよね”
(断られたらどうしよう。――ううん。断られて当然だよね。だって、愚痴につき合わせるために呼び出すとか、嫌がられるよね)
ギュッとスマートフォンを握りしめた元子の目が、返事を読んで大きく開く。
“珍しいね。いーよ! どっかで晩御飯しよ。いまどこ?”
「――っ!」
元子の全身によろこびが駆け巡る。うれしさに震える指先で現在地を連絡すると、友人の提案で待ち合わせ場所が決まった。
(すごく……うれしい)
後輩の話なんて、どうでもよくなっていた。急な誘いを――しかも愚痴を聞いてほしいという、ワガママとも取れる理由の誘いを友人が軽く受け入れてくれた。それがどうしようもなく元子の心を温かくしている。
言われなければわからない。
誰かの声が元子の頭の中で響いた。
(ほんとに、そうだ)
連絡をしてみなければ、こういう誘いに友人が乗ってくれることもあるなんて知らないままだった。それがわかっただけでも充分すぎるほどの収穫で、元子の足取りが軽くなる。
(そういえば待ち合わせ場所の近くに、ちょっとレトロな和食のお店があったっけ)
そこに行ってみたいと言ってみようか。
嫌な顔をされたらどうしよう。
だったら別の店に行けばいいだけだ。
言うだけ言ってみればいい。なぜなら“言わなければわからない”から。
そんなことを考えながら、待ち合わせ場所に向かう元子の背筋はまっすぐに伸びていた。足取りはどことなくウキウキとはずみ、顔はしっかりと自信ありげに上がっている。
(ううん……だけど、それが彼の仕事なんだし)
がまんするしかないかと箸を動かし、すべてを食べ終えて食後のお茶を飲み終えると、これでひとりになれるとホッとした。
青年が食器を片づける。それを見送り、残された急須から湯呑に茶を注いでいると葛餅が運ばれてきた。きな粉のまぶされたそれは黒い器に盛られていて、見た目はとてもそっけない。だからこそ透き通った葛餅の美しさときな粉の輝きが引き立っていた。
(こういうの、地味って言われちゃうんだろうな)
けれど元子は飾り気のない、だからこそ自信にあふれている感じが好きだ。匙を手にして、ふと目の端に青年が去らずにいるのに気がついた。
「あの」
ご飯のお替りをよそう必要もなくなったのだし、どうして青年が部屋に残っているのだろう。できればひとりでゆったりと、庭をながめつつ味わいたい。
「なにか」
「いえ、その……おいしいかったです。お料理」
「ありがとうございます」
(また、仕事だって言われるかもしれないし)
不快になられたら嫌だしなと、元子は言うのをやめにした。
「なにかありましたら、遠慮なくおっしゃってください」
胸中のつぶやきが聞こえたのではと、元子は焦った。
「いえ、なにもないです。すごく充実してます。来てよかったです」
「そうですか。よろしければ、葛餅のおかわりもできますので、遠慮なく申しつけてくださいませ」
「あ、はい」
(そのために残っているのかな)
客ひとり、あるいは一組に店員がひとり世話役としてつくシステムなのか。それならしかたがないと、元子は青年を気にしつつ葛餅を口に運んで庭に目を向ける。
(おいしいし、景色もすごくいいし……落ち着けそうなんだけど)
青年の存在が気になって、のんびりした気分になれない。
「お客様」
「はい」
「思うところあれば、どんなことでもおっしゃってください」
「ええと、とってもおいしいですし、景色もいいし、いいお店ですね」
目を伏せて青年が首を振る。上品な仕草の中に落胆が見えて、元子はドキリとした。
(なにか、気に入らないことでもしちゃったかな)
不安になっていると、青年が静かにつぶやく。
「本心をお聞かせください」
「え」
「なにも言われず不快を堪えられ、それがもとで離れていかれるのはなによりの痛手となりますので」
「ええと」
「どうぞ、ご遠慮なく」
「いえ、本当にすごく居心地がよくて――」
愛想笑いを浮かべて否定しかけた元子の声が、青年の視線に止められる。透き通った目はどんな嘘でも見抜きそうな鋭い光をたたえていた。ゴクリと元子の喉が鳴る。
「言われなければ、なにもわかりませんので」
丁寧な口調が、元子には怒鳴られるよりも迫力のあるものに聞こえた。
「内側だけでなにか思われておられても、こちらはどうにもできかねます」
はっきりと言われた元子は胸をつかれた。
(たしかに、そうだわ。お店にとったら、よくなかったって思われて、再来店されなかったり、悪い感想を広められたりするほうが困るよね)
そこで元子はおずおずと「ひとりにしてほしいです」と言ってみた。青年はにっこりとして深くうなずき、それではと腰を上げる。
「なにか入用のことがありましたら、遠慮なくお呼びください。どうぞ、ごゆっくり」
「はい。ありがとうございます」
頭を下げた青年に、元子も会釈を返して見送る。障子が閉まると息を吐き、肩の力を抜いた。
「言われないとわからない……かぁ」
たしかにそうだと青年の言葉を噛みしめる。するとなぜか後輩たちの姿が脳裏に浮かんだ。
(私のことを知らないから、勝手に解釈してあんなふうに言っているんだ)
そしてそう思われてもしかたがないと、元子は自分でそれらしい結論を見つけて勝手に納得した――はずが、モヤモヤは残ったままだ。
(納得しきれていないから、だから)
いままで「違う」と思っても、否定をせずに自分を説得できる原因を考え見つけて気持ちを治めていた。誤解だと思っても、そうさせてしまった自分が悪いとあきらめていた。
(でも、本当にそれでよかったのかな)
言わなければわからない。
口の中でつぶやいて、元子は庭に目を向けた。こういう店が好きだって、友人の誰かに言ったことはない。だから誰も元子の好みは知らない。わかってくれないと言いたいわけではなくて、わかってもらえないだろうなと伝える前からあきらめていた。彼女たちが誘ってくれる店は華やかだったり、かわいらしかったり、西洋風なモダンな雰囲気の場所ばかりだったから。
そういう店は嫌いではないが、そんな店を好む彼女たちはきっと、自分の趣味を理解してくれないだろう。そう元子は決めつけて、己の好みをなるべく主張しないように気をつけていた。
(なんで私、そんなふうにしているんだろ)
嫌われたくないからだと、すぐに答えは見つかった。不快な顔を見たくない。相手を不快にさせるのが怖い。だったら自分が一歩引いていればいいだけだ。ずっとそうして生きてきた。
(そっか。だから、八方美人って言われたのか)
後輩たちはよく見ていると自嘲する。誰にでもいい顔をしていたい。嫌われたくない。いい人だと思われていたい。残業を受けるのだって、とくに用事がないからだけでなく、嫌な顔をされるのが怖いからだ。
(臆病者なんだ、私)
葛餅を口に運ぶ。そっと心に寄り添う甘さがやさしくて、目の奥がじわりと熱くなった。
「おいしい」
つぶやくと、ポロリと涙のしずくが頬を伝った。どうして泣いているのかわからないまま、元子はしずしずと涙をこぼしながら葛餅を味わい、庭をながめた。
「なんか、さみしいな」
そんなふうに誰かの顔色をうかがってばかりいて、自分の気持ちを置き去りにしていたのだと気がついた。だから置き去りにされた心が涙となって、存在を主張している。
唇についたきな粉を舐めとり、お茶をすすった元子は手を合わせた。
「ごちそうさまでした」
漆黒の器に感謝を込めて頭を下げる。するとグラリと意識が揺らいだ。
「え」
ぐわんぐわんと頭が揺れて、眠りに落ちる寸前のように体が浮かぶ。目を開けていられなくなって、瞼を閉じるとどこかへ落ちていく感覚に見舞われた。
「う」
ちいさくうめいた元子は頭を振った。すると鼓膜を雑踏にたたかれる。
「え――あれ?」
周囲を見回した元子は首をかしげ、そうだ会社から逃げるように退勤したんだったと思い出した。
(後輩たちの陰口がかなしくて、そんなんじゃないって思いながら飛び出して、ちょっと腹立たしくもあって、それで……それで)
誰かにそれを聞いてほしいと思ったんだ。
結論と同時にスマートフォンを取り出した元子は、メッセージアプリを起動するためタップしかけた指を止めた。
(迷惑かな? でも、連絡してみないとわからないよね)
よしっと気合を入れて“仕事、終わった?”とメッセージを打ち込んで送信する。不安と期待をない交ぜにして画面を見ていると、ピコッと返信が現れた。
“終わったよ。どしたん?”
返信に安堵してから、次のメッセージをドキドキしながら打ち込んだ。
“ちょっと嫌なことあって、聞いてほしいんだよね”
(断られたらどうしよう。――ううん。断られて当然だよね。だって、愚痴につき合わせるために呼び出すとか、嫌がられるよね)
ギュッとスマートフォンを握りしめた元子の目が、返事を読んで大きく開く。
“珍しいね。いーよ! どっかで晩御飯しよ。いまどこ?”
「――っ!」
元子の全身によろこびが駆け巡る。うれしさに震える指先で現在地を連絡すると、友人の提案で待ち合わせ場所が決まった。
(すごく……うれしい)
後輩の話なんて、どうでもよくなっていた。急な誘いを――しかも愚痴を聞いてほしいという、ワガママとも取れる理由の誘いを友人が軽く受け入れてくれた。それがどうしようもなく元子の心を温かくしている。
言われなければわからない。
誰かの声が元子の頭の中で響いた。
(ほんとに、そうだ)
連絡をしてみなければ、こういう誘いに友人が乗ってくれることもあるなんて知らないままだった。それがわかっただけでも充分すぎるほどの収穫で、元子の足取りが軽くなる。
(そういえば待ち合わせ場所の近くに、ちょっとレトロな和食のお店があったっけ)
そこに行ってみたいと言ってみようか。
嫌な顔をされたらどうしよう。
だったら別の店に行けばいいだけだ。
言うだけ言ってみればいい。なぜなら“言わなければわからない”から。
そんなことを考えながら、待ち合わせ場所に向かう元子の背筋はまっすぐに伸びていた。足取りはどことなくウキウキとはずみ、顔はしっかりと自信ありげに上がっている。
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