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第一章 決起
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落ち着かなさげに部屋を見回しつつ、うろうろと歩きまわる袁燕を、玄晶が手招く。
「見知らぬ家に連れてこられた、犬か猫のようだな。袁燕は、こういう宿ははじめてなのか」
「俺っち、宿に入るどころか、なんかの店に入るのもはじめてなんだよ」
はずかしそうに笑う袁燕に、玄晶は言葉を受け止めるようにうなずいた。
「そうか。袁燕がいままで、どんなふうに過ごしてきたのかを聞きたいな」
勧められたイスに納まった袁燕が、ちらりと烏有を見る。烏有は気まずそうに目を泳がせて玄晶を見た。烏有の視線を受けた玄晶は、ふわりと笑う。
「私は烏有の文にあったものが、どういう所から生まれたのかを、知りたいだけだよ」
「烏有の文って、府を造りたいっていうやつだよな」
袁燕に問われ、玄晶は首肯した。
「それじゃあ、アンタは調査のために派遣されたのか?」
「当たらずとも遠からず、というところだな。私は烏有と兄弟同然に育った、いわば彼の兄のようなものだ。だから、烏有がいま、どうしているのかを見にきたというわけだ」
「へぇ。兄弟同然……。ああ、じゃあアンタが烏有の言っていた、中枢の知り合いかぁ。文をもらって、直に返事をしにきたんだな。楽士ってのは、官僚を呼びつけられるほど、すげぇんだな」
袁燕の素直な感心に、玄晶はあいまいな笑みを浮かべた。烏有は、袁燕がすこしも盗み聞きできていなかったと知れて、安堵する。
「袁燕は、甘い物を好むかな」
玄晶がさり気なく、卓の上の菓子を勧めた。
「好きだぞ。キビの甘いのなんて、大好きだ。けど、菓子なんて、はじめて食うよ」
玄晶が用意した茶菓に、袁燕は嬉々として手を伸ばす。
「なるほど。袁燕は菓子を買えるような身分ではないのだな」
「兄さんは、食べたことがあるみたいだけどさ。もらったものを土産にしようとしたら、怒られたって」
「袁燕」
烏有が鋭く名を呼べば、袁燕はキョトンとした。
「なんだよ。コイツは烏有の兄ぃなんだろ? だったら、言ってもいいじゃないか」
「そうだ。私は烏有の兄同然だからな。なんでも、隠さずに話をしてくれ。でなければ、府を造る手助けをしようにも、できなくなってしまうからな」
すっかり玄晶を信用してしまっている袁燕に、烏有は苦い顔になる。それを玄晶は楽しげに見た。
「烏有からの手紙には、府とするための国を造るつもりである、と書いてあった。通常は民が豪族となり、国を興した後に、神の領地の証を求め、申皇に府の許可を乞うて領主をいただくものだ。袁燕はそれを、知っているのか」
「なんか、そんなようなことを烏有から聞いたよ。な、烏有」
焼菓子の粉を口の回りにくっつけた袁燕に、烏有は軽くうなずいた。
「それを踏まえて、府を造ろうと提案をしているんだよ。玄晶、僕は本気だ。持てるすべてを賭けて、国を興す」
「それは、烏有が領主となる、という認識でいいのかな。それとも、ほかに領主となれる資格のある人物が、いるとでも?」
玄晶はやわらかな笑みを崩さずに、瞳だけを鋭くした。白刃を鼻先につきつけられたかのように、烏有は全身に緊張をみなぎらせる。袁燕が不思議そうに口を開いた。
「資格? 領主に資格なんて、いるのか」
「ほかの府の領主らと、話し合いをしたり、中枢の政治の情勢を理解したりできなければ、困るからな」
玄晶の説明に、なるほどなぁと袁燕は得心した。
「勉強ができねぇと、だめってことだな」
「まあ、そういうことだ」
「そんなら、兄さんか烏有が領主になればいいや」
「袁燕の兄さん、というのは?」
「豪族の屋敷で働いていたんだ。そんときに、いろいろと勉強が必要で、頭がいいんだ。いつか役人になるんだって言ってたぐらいなんだぜ」
得意げな袁燕に、玄晶が目じりをとろかせる。
「国を興す中心は、袁燕の兄さんと烏有なのかな」
「ううん。蕪雑兄ぃが俺達の頭目で、兄さんは蕪雑兄ぃに助けてもらったんだよ」
「袁燕、それ以上は……」
「烏有。袁燕の話を遮るんじゃない。どうせ聞かなければならない話だ。まさか、下手なごまかしを交えて、文を書くにまで至った経緯を、説明するつもりでいるんじゃないだろうな」
凄みのあるおだやかな声に、烏有が口をつぐむ。袁燕は困ったように、烏有と玄晶を見比べた。
「えっと、俺っち……その、言っちゃあ、まずかったのかな。玄晶は、烏有の兄ぃなんだろ? だったら、俺っちたちの味方だよな」
「そうだ、袁燕。烏有がこれほど肩入れをする相手に、私がひどいことなどするはずがない。烏有は私の弟も同然なのだからな」
ほのかな迷いを見せつつも、袁燕は兄の剛袁が豪族の娘に懸想され、それを拒んだがために入牢させられたと説明した。烏有が剛袁から聞いた話とは、すこし違っているが、おおむね間違ってはいない。当事者とそうでない者との相違だろう。剛袁が蕪雑のもとへと身を寄せるに至った経緯は聞いたが、袁燕もどうして共にあるのかを聞いていなかった烏有は、黙って話に耳をかたむけた。
「それで、兄さんがここを出て行くときに、俺っちも連れていってもらったんだ。俺っちは身が軽いし足が速いから、あっちとこっちの連絡係になれるもん」
「なるほど。それで、袁燕は誰かに命じられて、烏有の様子を探っていたのか」
さりげなく水をむけた玄晶の言葉に、烏有は冷たい手で肝を撫でられた気がした。どうして袁燕が書茶室の扉の前で耳を澄ましていたのか。玄晶との再会にばかり気を取られて、考えてもみなかった。
袁燕は玄晶の問いの中にある、冷ややかなものに気づかない様子で、焼菓子に手を伸ばしながら答えた。
「ううん。俺っちが気になったからついてきたんだ。いちばんに烏有から、返事の文のことを聞きたかったし、山ん中に残っていたって、ひまだからさ」
「どうして」
「だって、村を造るってので、土地のこととかの話になったら、俺っち、てんでわからないもん。どんな場所なのか、見には行ったけどさぁ。土の具合とかなんだとか、そういうのは、よく知ってる連中が決めたほうがいいだろう。かといって、ぜんぜん別のことをすんのも、つまんねぇし。だから、烏有を追いかけてきたんだよ」
「どうして、共に行こうと烏有に言わなかったのかな」
「こっそりのほうが、ワクワクするだろ」
「なるほど。袁燕は、ちょっとした冒険気分だったのか」
「まあ、そんなとこだな」
焼菓子を食べ尽くした袁燕が、満足げに茶を飲む姿に、烏有は安堵を浮かべた。横目でそれを確認した玄晶が、軽く手を打ち合わせる。
「さて。菓子もなくなったことだし、袁燕のこともわかったから、このへんで茶会はお開きにしよう」
「え。これって、茶会だったのか?」
「玄晶、僕の話はまだ、はじまってもいないよ」
ふたりを等分に見た玄晶は、呼び鈴を鳴らした。すぐに玄晶の配下の者が現れる。
「すまないが、この子に渡す土産として、焼菓子をいくつか包んでくれないか」
命じた玄晶は、袁燕の肩に手を乗せて、目の高さを合わせた。
「袁燕。これから私は、烏有と打合せをする。そう、山の仲間に伝えてくれないか。府を造るというのは、とても大変なことだからな。きっと、勉強をしていたという君の兄さんなら、それがどんなに難しいかを、わかっているだろう。私のことは、調査も兼ねてやってきた、烏有の親しい人だと説明をしてくれればいい。話は長くなるだろうから、烏有は明日か明後日までは、そちらに戻れない。……頼めるな」
「そんなぐらい、お安い御用だ。しっかり伝えておくから、烏有のこと、よろしくな」
「ああ。もちろんだ」
菓子の包みを手に、袁燕は宿から去った。室内にふたりとなると、玄晶は有無を言わさぬ威厳を持って、烏有に向き合った。
「さあ、烏有。いや、鶴楽。これまでの話と、これからの話をしようか」
烏有は硬い表情で、それに応じた。
「見知らぬ家に連れてこられた、犬か猫のようだな。袁燕は、こういう宿ははじめてなのか」
「俺っち、宿に入るどころか、なんかの店に入るのもはじめてなんだよ」
はずかしそうに笑う袁燕に、玄晶は言葉を受け止めるようにうなずいた。
「そうか。袁燕がいままで、どんなふうに過ごしてきたのかを聞きたいな」
勧められたイスに納まった袁燕が、ちらりと烏有を見る。烏有は気まずそうに目を泳がせて玄晶を見た。烏有の視線を受けた玄晶は、ふわりと笑う。
「私は烏有の文にあったものが、どういう所から生まれたのかを、知りたいだけだよ」
「烏有の文って、府を造りたいっていうやつだよな」
袁燕に問われ、玄晶は首肯した。
「それじゃあ、アンタは調査のために派遣されたのか?」
「当たらずとも遠からず、というところだな。私は烏有と兄弟同然に育った、いわば彼の兄のようなものだ。だから、烏有がいま、どうしているのかを見にきたというわけだ」
「へぇ。兄弟同然……。ああ、じゃあアンタが烏有の言っていた、中枢の知り合いかぁ。文をもらって、直に返事をしにきたんだな。楽士ってのは、官僚を呼びつけられるほど、すげぇんだな」
袁燕の素直な感心に、玄晶はあいまいな笑みを浮かべた。烏有は、袁燕がすこしも盗み聞きできていなかったと知れて、安堵する。
「袁燕は、甘い物を好むかな」
玄晶がさり気なく、卓の上の菓子を勧めた。
「好きだぞ。キビの甘いのなんて、大好きだ。けど、菓子なんて、はじめて食うよ」
玄晶が用意した茶菓に、袁燕は嬉々として手を伸ばす。
「なるほど。袁燕は菓子を買えるような身分ではないのだな」
「兄さんは、食べたことがあるみたいだけどさ。もらったものを土産にしようとしたら、怒られたって」
「袁燕」
烏有が鋭く名を呼べば、袁燕はキョトンとした。
「なんだよ。コイツは烏有の兄ぃなんだろ? だったら、言ってもいいじゃないか」
「そうだ。私は烏有の兄同然だからな。なんでも、隠さずに話をしてくれ。でなければ、府を造る手助けをしようにも、できなくなってしまうからな」
すっかり玄晶を信用してしまっている袁燕に、烏有は苦い顔になる。それを玄晶は楽しげに見た。
「烏有からの手紙には、府とするための国を造るつもりである、と書いてあった。通常は民が豪族となり、国を興した後に、神の領地の証を求め、申皇に府の許可を乞うて領主をいただくものだ。袁燕はそれを、知っているのか」
「なんか、そんなようなことを烏有から聞いたよ。な、烏有」
焼菓子の粉を口の回りにくっつけた袁燕に、烏有は軽くうなずいた。
「それを踏まえて、府を造ろうと提案をしているんだよ。玄晶、僕は本気だ。持てるすべてを賭けて、国を興す」
「それは、烏有が領主となる、という認識でいいのかな。それとも、ほかに領主となれる資格のある人物が、いるとでも?」
玄晶はやわらかな笑みを崩さずに、瞳だけを鋭くした。白刃を鼻先につきつけられたかのように、烏有は全身に緊張をみなぎらせる。袁燕が不思議そうに口を開いた。
「資格? 領主に資格なんて、いるのか」
「ほかの府の領主らと、話し合いをしたり、中枢の政治の情勢を理解したりできなければ、困るからな」
玄晶の説明に、なるほどなぁと袁燕は得心した。
「勉強ができねぇと、だめってことだな」
「まあ、そういうことだ」
「そんなら、兄さんか烏有が領主になればいいや」
「袁燕の兄さん、というのは?」
「豪族の屋敷で働いていたんだ。そんときに、いろいろと勉強が必要で、頭がいいんだ。いつか役人になるんだって言ってたぐらいなんだぜ」
得意げな袁燕に、玄晶が目じりをとろかせる。
「国を興す中心は、袁燕の兄さんと烏有なのかな」
「ううん。蕪雑兄ぃが俺達の頭目で、兄さんは蕪雑兄ぃに助けてもらったんだよ」
「袁燕、それ以上は……」
「烏有。袁燕の話を遮るんじゃない。どうせ聞かなければならない話だ。まさか、下手なごまかしを交えて、文を書くにまで至った経緯を、説明するつもりでいるんじゃないだろうな」
凄みのあるおだやかな声に、烏有が口をつぐむ。袁燕は困ったように、烏有と玄晶を見比べた。
「えっと、俺っち……その、言っちゃあ、まずかったのかな。玄晶は、烏有の兄ぃなんだろ? だったら、俺っちたちの味方だよな」
「そうだ、袁燕。烏有がこれほど肩入れをする相手に、私がひどいことなどするはずがない。烏有は私の弟も同然なのだからな」
ほのかな迷いを見せつつも、袁燕は兄の剛袁が豪族の娘に懸想され、それを拒んだがために入牢させられたと説明した。烏有が剛袁から聞いた話とは、すこし違っているが、おおむね間違ってはいない。当事者とそうでない者との相違だろう。剛袁が蕪雑のもとへと身を寄せるに至った経緯は聞いたが、袁燕もどうして共にあるのかを聞いていなかった烏有は、黙って話に耳をかたむけた。
「それで、兄さんがここを出て行くときに、俺っちも連れていってもらったんだ。俺っちは身が軽いし足が速いから、あっちとこっちの連絡係になれるもん」
「なるほど。それで、袁燕は誰かに命じられて、烏有の様子を探っていたのか」
さりげなく水をむけた玄晶の言葉に、烏有は冷たい手で肝を撫でられた気がした。どうして袁燕が書茶室の扉の前で耳を澄ましていたのか。玄晶との再会にばかり気を取られて、考えてもみなかった。
袁燕は玄晶の問いの中にある、冷ややかなものに気づかない様子で、焼菓子に手を伸ばしながら答えた。
「ううん。俺っちが気になったからついてきたんだ。いちばんに烏有から、返事の文のことを聞きたかったし、山ん中に残っていたって、ひまだからさ」
「どうして」
「だって、村を造るってので、土地のこととかの話になったら、俺っち、てんでわからないもん。どんな場所なのか、見には行ったけどさぁ。土の具合とかなんだとか、そういうのは、よく知ってる連中が決めたほうがいいだろう。かといって、ぜんぜん別のことをすんのも、つまんねぇし。だから、烏有を追いかけてきたんだよ」
「どうして、共に行こうと烏有に言わなかったのかな」
「こっそりのほうが、ワクワクするだろ」
「なるほど。袁燕は、ちょっとした冒険気分だったのか」
「まあ、そんなとこだな」
焼菓子を食べ尽くした袁燕が、満足げに茶を飲む姿に、烏有は安堵を浮かべた。横目でそれを確認した玄晶が、軽く手を打ち合わせる。
「さて。菓子もなくなったことだし、袁燕のこともわかったから、このへんで茶会はお開きにしよう」
「え。これって、茶会だったのか?」
「玄晶、僕の話はまだ、はじまってもいないよ」
ふたりを等分に見た玄晶は、呼び鈴を鳴らした。すぐに玄晶の配下の者が現れる。
「すまないが、この子に渡す土産として、焼菓子をいくつか包んでくれないか」
命じた玄晶は、袁燕の肩に手を乗せて、目の高さを合わせた。
「袁燕。これから私は、烏有と打合せをする。そう、山の仲間に伝えてくれないか。府を造るというのは、とても大変なことだからな。きっと、勉強をしていたという君の兄さんなら、それがどんなに難しいかを、わかっているだろう。私のことは、調査も兼ねてやってきた、烏有の親しい人だと説明をしてくれればいい。話は長くなるだろうから、烏有は明日か明後日までは、そちらに戻れない。……頼めるな」
「そんなぐらい、お安い御用だ。しっかり伝えておくから、烏有のこと、よろしくな」
「ああ。もちろんだ」
菓子の包みを手に、袁燕は宿から去った。室内にふたりとなると、玄晶は有無を言わさぬ威厳を持って、烏有に向き合った。
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