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「ぃひっ、あぁあぁああ――――!」
受け入れるべき場所では無いというのに、そこは宗也を飲み込み、求めていたように絡み付いて形と熱を意識に伝えてくる。ごぷりと大量の蜜が媚肉から洩れて褥を濡らした。
「はぁ、ふ……伊佐――――俺は、俺であるために、誰かの代わりとして俺を見ぬ相手が欲しい」
「ぁ……は――――私は、ぁ、宗也を……誰かの代わりになど…………ぁう」
私の言葉を遮るように、宗也が腰を揺する。
「伊佐は、幸正を慕っているのだろう――このように濡らすのは、幸正が欲しいからだろう…………俺を、幸正の代わりとしてではないか」
「――が、ぅ……は、ぁ――宗也は、ぁ、ああ……幸正とは、ぁ、違う」
代わりとして見ているわけではない。代わりとして見るにしても、何もかもが違いすぎている。あふれんばかりの命を纏う、みっしりとした逞しい肌をした幸正と、この世に存在しているのかすら危ういほどに生気の無い、手にすれば儚く消えてしまいそうな宗也。それを、どう代わりとして見ろというのか。――けれど、宗也は見も知らぬものの身代わりとして、ずっと生きてきた。いくら私が訴えたとしても、信用が出来ないのかもしれない。
ふいに、胸に悲しさと虚しさが湧き興り、涙となってあふれ出た。これはきっと、いくら言葉を尽くしても通じないことだ。時間をかけて、実感として肌身に感じさせなければ、宗也は納得をしないだろう。
「宗也――」
首を捩り、腕を伸ばし、背後の宗也を抱きしめようとしてみるも、ただその髪に、頬に触れるだけでかなわない。悲しいまでに頑なな宗也を見た気がして、そうさせてしまった要因が――知らなかったこととはいえ父様と私であることが、胸をかきむしった。
「宗也……」
「だから、伊佐――――俺は、俺が代わりとならずとも良いことを、思いついた」
耳朶に、宗也の息が触れる。
「何か間違いがあってはならぬように、閨の折には人が控えて耳をそばだてることになっている。――その役を、俺はある男にするように命じた」
それは、この情事を誰かが耳をそばだてて聞いているということなのか。命じたとは、いったい誰に――――。
胸の中での私の疑問が聞こえたように、宗也が襖の外へ声をかけた。
「入るがいい」
決して大きくは無いのに、凛と響く声が夜気に放たれる。音も無く開いた襖の向こうにいたのは、険しい顔をした――今にも宗也を掴み殺しそうな目で睨み付けている、幸正だった。
受け入れるべき場所では無いというのに、そこは宗也を飲み込み、求めていたように絡み付いて形と熱を意識に伝えてくる。ごぷりと大量の蜜が媚肉から洩れて褥を濡らした。
「はぁ、ふ……伊佐――――俺は、俺であるために、誰かの代わりとして俺を見ぬ相手が欲しい」
「ぁ……は――――私は、ぁ、宗也を……誰かの代わりになど…………ぁう」
私の言葉を遮るように、宗也が腰を揺する。
「伊佐は、幸正を慕っているのだろう――このように濡らすのは、幸正が欲しいからだろう…………俺を、幸正の代わりとしてではないか」
「――が、ぅ……は、ぁ――宗也は、ぁ、ああ……幸正とは、ぁ、違う」
代わりとして見ているわけではない。代わりとして見るにしても、何もかもが違いすぎている。あふれんばかりの命を纏う、みっしりとした逞しい肌をした幸正と、この世に存在しているのかすら危ういほどに生気の無い、手にすれば儚く消えてしまいそうな宗也。それを、どう代わりとして見ろというのか。――けれど、宗也は見も知らぬものの身代わりとして、ずっと生きてきた。いくら私が訴えたとしても、信用が出来ないのかもしれない。
ふいに、胸に悲しさと虚しさが湧き興り、涙となってあふれ出た。これはきっと、いくら言葉を尽くしても通じないことだ。時間をかけて、実感として肌身に感じさせなければ、宗也は納得をしないだろう。
「宗也――」
首を捩り、腕を伸ばし、背後の宗也を抱きしめようとしてみるも、ただその髪に、頬に触れるだけでかなわない。悲しいまでに頑なな宗也を見た気がして、そうさせてしまった要因が――知らなかったこととはいえ父様と私であることが、胸をかきむしった。
「宗也……」
「だから、伊佐――――俺は、俺が代わりとならずとも良いことを、思いついた」
耳朶に、宗也の息が触れる。
「何か間違いがあってはならぬように、閨の折には人が控えて耳をそばだてることになっている。――その役を、俺はある男にするように命じた」
それは、この情事を誰かが耳をそばだてて聞いているということなのか。命じたとは、いったい誰に――――。
胸の中での私の疑問が聞こえたように、宗也が襖の外へ声をかけた。
「入るがいい」
決して大きくは無いのに、凛と響く声が夜気に放たれる。音も無く開いた襖の向こうにいたのは、険しい顔をした――今にも宗也を掴み殺しそうな目で睨み付けている、幸正だった。
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