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ツリーの、ヤドリギに並ばないのか。
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「恭平」
譲は顔を上げ、恭平の瞳を見つめた。
「あのさ」
言いかけて、やめる。すごく照れくさくて、恥ずかしくて、けれど絶対にしたいと思いながら、ちらりとクリスマスツリーに目を向けた。
「ああ」
すぐに、恭平が譲の言わんとしていることを察する。えへへと譲が頬を掻けば、一歩離れた恭平がツリーと譲を見比べた。
「譲。この連休の予定は、どうなってんだ」
「えっ? えぇと」
この連休は、恋人のいるバイトは全滅シフトで。だから譲はフルでシフトに入っている。
「ぜんぶ、バイト。ああでも、連休明けは休み」
大学も冬休みに入っている。丸一日、空いている。
「ふうん」
腕を組み、片手を顎に添えて少し考えた恭平が、譲の腕を取って出口に進み始めた。
「えっ」
ツリーの、ヤドリギに並ばないのか。
驚きと落胆を同時に浮かべながら、譲は恭平の後に続く。
やはり、ヤドリギの下でのキスなんて、夢のまた夢だったのだろうか。想いが通じたことに浮かれて、調子に乗りすぎてしまったのかもしれない。
恭平はまだ、迷っているのかもしれない。男の俺と付き合うことを。もしかして、晴彦との関係を、まだ疑っているんじゃないだろうか。
「あのさ」
駅まで戻り切符を買う恭平に声をかければ、切符を突き出された。反射的に譲が受け取れば、恭平はさっさと改札をくぐってしまう。仕方なく、譲はその後を追った。
ホームに立ち、電車を待ち、乗り込んでも恭平は何かを考えているような顔をしていて、譲は話しかけることが出来なかった。
そのまま最寄り駅に到着すれば、譲の手を恭平が握り先導するように歩いて行く。手を引かれるまま、譲は少し低い位置にある恭平の頭を眺めた。長いウィッグが揺れるのを、ぼんやりと見つめている間に、譲の家の前に連れて行かれる。くるりと振り向いた恭平が、イタズラを思いついた時の顔をした。
「連休明けのオマエの休み。丸一日、開けておけ」
「えっ」
「迎えに来るから。家でイイコにして待ってろよ」
ぐい、と恭平が腕を引き、かがんだ譲にキスをした。ふふんと得意げに鼻を鳴らした恭平は少し照れているようで、譲は彼を抱きしめようと腕を伸ばした。それをするりと恭平がかわす。ふわりと長いウィッグとスカートが翻った。
「じゃあな。おやすみ! あ、晴彦って奴と会う時は、油断すんなよ。次に妙なモン付けられたら、タダじゃおかねぇからな」
大きく手を振り駆け去る恭平が、ワクワクとしているように見えて、譲は首をかしげた。
何を、思いついたんだろう。
なんとなく見上げた空に、月がしらじらと輝いていた。それをしばらく見つめ、恭平が走り去った道の先に目を向けてから、鍵を取り出す。
――迎えに来るから。家でイイコにして待ってろよ。
イタズラっぽい恭平の声に胸をくすぐられて、譲は微笑みながら家へ入った。
譲は顔を上げ、恭平の瞳を見つめた。
「あのさ」
言いかけて、やめる。すごく照れくさくて、恥ずかしくて、けれど絶対にしたいと思いながら、ちらりとクリスマスツリーに目を向けた。
「ああ」
すぐに、恭平が譲の言わんとしていることを察する。えへへと譲が頬を掻けば、一歩離れた恭平がツリーと譲を見比べた。
「譲。この連休の予定は、どうなってんだ」
「えっ? えぇと」
この連休は、恋人のいるバイトは全滅シフトで。だから譲はフルでシフトに入っている。
「ぜんぶ、バイト。ああでも、連休明けは休み」
大学も冬休みに入っている。丸一日、空いている。
「ふうん」
腕を組み、片手を顎に添えて少し考えた恭平が、譲の腕を取って出口に進み始めた。
「えっ」
ツリーの、ヤドリギに並ばないのか。
驚きと落胆を同時に浮かべながら、譲は恭平の後に続く。
やはり、ヤドリギの下でのキスなんて、夢のまた夢だったのだろうか。想いが通じたことに浮かれて、調子に乗りすぎてしまったのかもしれない。
恭平はまだ、迷っているのかもしれない。男の俺と付き合うことを。もしかして、晴彦との関係を、まだ疑っているんじゃないだろうか。
「あのさ」
駅まで戻り切符を買う恭平に声をかければ、切符を突き出された。反射的に譲が受け取れば、恭平はさっさと改札をくぐってしまう。仕方なく、譲はその後を追った。
ホームに立ち、電車を待ち、乗り込んでも恭平は何かを考えているような顔をしていて、譲は話しかけることが出来なかった。
そのまま最寄り駅に到着すれば、譲の手を恭平が握り先導するように歩いて行く。手を引かれるまま、譲は少し低い位置にある恭平の頭を眺めた。長いウィッグが揺れるのを、ぼんやりと見つめている間に、譲の家の前に連れて行かれる。くるりと振り向いた恭平が、イタズラを思いついた時の顔をした。
「連休明けのオマエの休み。丸一日、開けておけ」
「えっ」
「迎えに来るから。家でイイコにして待ってろよ」
ぐい、と恭平が腕を引き、かがんだ譲にキスをした。ふふんと得意げに鼻を鳴らした恭平は少し照れているようで、譲は彼を抱きしめようと腕を伸ばした。それをするりと恭平がかわす。ふわりと長いウィッグとスカートが翻った。
「じゃあな。おやすみ! あ、晴彦って奴と会う時は、油断すんなよ。次に妙なモン付けられたら、タダじゃおかねぇからな」
大きく手を振り駆け去る恭平が、ワクワクとしているように見えて、譲は首をかしげた。
何を、思いついたんだろう。
なんとなく見上げた空に、月がしらじらと輝いていた。それをしばらく見つめ、恭平が走り去った道の先に目を向けてから、鍵を取り出す。
――迎えに来るから。家でイイコにして待ってろよ。
イタズラっぽい恭平の声に胸をくすぐられて、譲は微笑みながら家へ入った。
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※作者Twitter【https://twitter.com/tiyo_arimura_】
※マシュマロ【https://bit.ly/3QSv9o7】
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