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 * * *

 饅頭を堪能した壮太は、どうやってタクローの目を盗んで、袋のなかから必要なものを取りだそうかと考える。

(そのまえに、なにがいるのかがわからないな)

 タクローとヨロシクやるために、いったいなにが必要なのか。

 壮太は、男同士がどうやってヤるのかを知らなかった。尻を使うというのは、わかる。具体的にどうすればいいのか、というのはわからない。

(女の場合は、濡れたら準備ができたってことなんだよな)

 エロ漫画で得た知識を引き出して、壮太は考える。男の尻は濡れたりしない。濡らすためのものが必要だ。

(ローションか)

 きわどいプレイをしているエロ漫画で、よく目にするアイテムを壮太は思い浮かべた。

 お尻でのプレイが描かれている、エロ漫画を読んだことがある。ローションで濡らして、道具を入れていた。なにか、まるいものが連なっているバイブみたいなものだった。あとは、ふつうのバイブを入れている場合もあった。そして、いたいけな巨乳美女が、本来の受け入れ場所と尻の両方に、悪いヤツらのナニを突っ込まれて、あられもない声を上げていた。

 思い出した壮太の股間が、ズキンと痛む。かなり興奮している自分に苦笑して、壮太はタクローを見た。両手で湯呑を持ち上げて、茶をすすっていたタクローがニッコリする。かわいく見えた壮太の股間が、ヤッちまおうぜと壮太の理性をそそのかした。

「タクローは、俺の願いをかなえるために来た、サンタクロースなんだよな」

 慎重に言葉を選んで話しかけると、タクローは「そうだ」と答える。

「壮太の魂の叫びをかなえるために、私はここにやってきたんだよ」

「それなら、俺の望むことなら、なんだってしてもいいんだよな」

 ヒクッとタクローの頬がこわばるのを、壮太は見逃さなかった。

「まだ、ふかふかの胸であったまるのに、満足できていないんだけど」

「続きが、したいのか」

 うん、と子どもみたいに壮太がコックリすると、タクローはこめかみを掻いて吐息をこぼし、やれやれと腰を上げてベッドに移動した。

「あんまり、変なことはしないようにね」

「変なことって、なんだよ」

「それは……うん、まあ、いいか」

 言葉を濁して目をそらしたタクローに、壮太は胸と股間をうずかせた。

(ぜったい、俺の意図をわかってて言っているよな)

 ほんとうにイヤなら、自分からベッドには行かないはずだ。壮太は立ち上がり、なんでも取り出せる袋に手を伸ばした。

「あっ、それは」

 タクローが腰を浮かせる。壮太は気にせず、袋のなかに手を入れた。スウッと手のひらになにかが触れて、手を出すと特大サイズのビニールシートが出てきた。

「なんだこれ」

 こんなもの、必要ない。ポイッと投げてまた手を入れて、次に取り出せたものはローションだった。しかもたっぷり大容量。洗剤のボトルほどもあるそれを見て、壮太はビニールシートの使い道に思い至った。

 ニイッと壮太がタクローに歯を見せると、タクローは真っ赤になった。顔に手をあててうつむいたタクローは、壮太がなにを望んでいるのか、わかっているらしい。

 壮太はワクワクした。

 恥ずかしがってはいるが、タクローは拒絶しない。なにせ壮太は盛大に、エロいことをしたいと神様に願ったのだから。そしてタクローは、その願いをかなえるために、やってきたのだから。

「壮太」

 片手を顔にあてたまま、タクローが上目遣いをする。壮太は片手にローション、片手に袋を持って、ベッドに近づいた。

「私は、見ての通りの男だよ」

 不安をにじませるタクローに、大丈夫だよと壮太は笑いかけた。

「わかっているけどさ。ふかふかの胸を触っていたら、そんなのどうでもよくなったっていうか、興奮したっていうか……タクローは、そのために来たんだよな? 俺、そういうお願い、したもんな」

 壮太が念を押すと、タクローは「うっ」と喉を閉められたような声を出して、深くて重い息を吐いた。

「さあさあ、覚悟を決めて、エロ漫画みたいなことをしよう」

 明るい声で壮太が誘うと、タクローは耳まで赤くしながらビニールシートを広げてベッドにかぶせ、あおむけに横たわった。好きにしてくれと言いたげな態度に、壮太は口角を持ち上げる。

「それじゃあ、まずは」

 どうしようかと考えて、壮太は下着ごとズボンを脱いだ。上だけ着ているのも間が抜けているなと思い、素っ裸になる。さあてとローションのキャップを開けて、まずはここだとタクローの胸に液を垂らした。

 ビクンとタクローがちいさく震える。

「冷たい? すぐに熱くなるって。たぶん、だけど」

 エロ漫画でよく見るセリフを口にして、壮太はウキウキしながらタクローの腹にまたがった。壮太の息子は準備万端、いつでもどうぞ状態だ。

「自分で胸を寄せて、俺のを挟んで? ついでにしゃぶってくれると、最高なんだけど」

 ニコニコしながらお願いすると、タクローは真っ赤になりながら胸筋を寄せ上げて、谷間を深くした。壮太はそこに息子を入れる。

「うおっ、ヤベェッ!」

 ふんわり包まれた息子が、ギュンッと熱を上げてよろこぶ。頭の奥が快感にジンワリと痺れて、壮太はうっとりした。

「ああ、いいなぁ、これ」

 挟まれただけでこんなに気持ちがいいのだから、擦ったら最高に決まっている。タクローの肩を掴んで、壮太はさっそく腰を振った。

 ぬるぬると滑るローションが、ふたりの体温と摩擦の熱であたたまっていく。ほどよい圧迫と擦れる刺激に、壮太は恍惚に目を細めて雄っぱいズリを堪能した。

「はぁ……っ、すっごい……気持ちいい」

 自分の手でするよりも、はるかに心地いい。やっぱ人肌は最高だと思っているうちに、壮太はあっさり絶頂を迎えた。

「うっ」

 漏らした精が、タクローの顔にかかる。瞳をつややかにうるませたタクローの、上気した顔を自分の精が汚したという状況と、自分よりもはるかに体格のいい男を好きにしている興奮に、壮太の嗜虐心がくすぐられた。

 愉悦の笑みをひらめかせた壮太は、タクローの顔にかかった自分の精を指で集めて、タクローの唇に寄せた。意図を察したタクローは眉根を寄せつつも、おずおずと舌を伸ばして壮太の指をしゃぶった。

 ゾクゾクと、壮太の背骨が薄暗い官能に満たされる。

 喜々としてされるより、とまどいながらも羞恥を抑えて従われるほうが、征服欲をかきたてられて気持ちが昂る。

 壮太は指をタクローの口に突っ込んで、グチャグチャとかきまわした。

「んっふ……ぅ、ううっ」

 うめきながらも指に吸いつくタクローに、壮太は獣欲まみれの息を漏らす。

「色っぽいなぁ、タクロー」

「ううっ」

 彼の口から指を抜いた壮太は、タクローの胸に手をあてた。ローションでぬるぬるになった雄っぱいを揉み、乳首をつまむ。強く挟んでも、ローションのせいで乳首はツルンと指から逃げる。それでもしつこく追いかけていると、タクローの喉から淫らな声が漏れた。

「んっ、ぅう……っ、ふ……ん、ぅ」

「タクロー、乳首が感じるんだ?」

「そ、んな……ことは」

「正直に言えばいいのに」

「んぁっ」

 つまんでひねれば、タクローの腰が浮いた。乗っている壮太はバランスを崩して背後に手を置く。タクローの脚の間に入った腕が、彼の股間を擦った。

「ひっ、ぁ」

 壮太の手首に当たったタクローの股間は、ギンギンになっていた。壮太は後ろ手でタクローを握り、もう片手で乳首をつまんだ。

「ふ、ぁ……あ、あ」

「パイズリさせられて、興奮したんだ? タクローって、そういう趣味があるんだな」

「違……っ、これは、そうじゃなくて」

「なくて? なに」

「ううっ」

 口をつぐんで顔をそむけたタクローを、壮太はかわいいと思う。気持ちに股間が呼応して、壮太はまた元気になった。

(こっから、どうしようかなぁ)

 しゃぶってもらいたいところだが、もっとタクローをいじっていたい。考えた末に、壮太はいいことを思いついた。

 タクローから下りて、袋に手を入れて引き出す。壮太の手には、ちいさな玉が連なった道具が握られていた。それを見て、タクローがギクリと身をこわばらせる。

「なにに使うか、知っているみたいだな」

「いや、知らない」

「じゃあなんで、引きつった顔してんだよ。素直になれって」

 うりうりと道具をタクローの頬に押しつけて、壮太はニヤニヤした。しばらくうなったタクローは、道具の使い方を知っていると白状した。

「それなら、ふさわしい恰好になってくれよ」

 うなずいたタクローが、うつぶせになって尻を突き出す。濡れた瞳で見つめられ、壮太はすぐにでも自分の息子をタクローの尻に突っ込んで、無茶苦茶にしたくなった。

(いやいや、さすがにそれはひどすぎる)

 道具を使うのも大差ないように思えるが、欲望に目がくらんでしまった上に、エロ漫画で読んだ状況を参考にしているせいで、考え方がちょっとズレてしまった壮太は気がつかなかった。

 いきりたつ息子をなだめて、壮太はタクローの尻の前に座った。

「まずは、濡らさなきゃいけないんだよな。なあ、タクロー。ちょっと自分で尻を開いてくれよ。俺、両手ふさがっちゃうからさ」

 ダメ元で頼んでみたら、タクローは自分の尻を両手で左右に開いた。ティーバックの紐が尻の谷に食い込んでいる。壮太はそれをクイッと引っ張った。

「うぁっ」

 パンツに股間を圧迫されたタクローが、鼻にかかった悲鳴を上げた。ゴクリと喉を鳴らして、壮太はローションをタクローの尻の谷に流した。たっぷりと垂らして、谷にあるすぼまりの奥にローションを塗りつけようと指を入れると、キュウッとすがりつかれた。

「ふはっ、ぁ……ぁん、ぅ、うう」

 指を動かすと、タクローがなやましい声を上げた。

 キュウキュウと吸いついてくる感覚がいじらしく思えた壮太は、ニコニコしながらタクローの尻奥をまさぐった。痛くしては申し訳ないと、ローションを追加しながら慎重にほぐしていく。

 溢れるほどに注がれたローションが、収縮する内壁と指の動きにかき混ぜられて、淫靡な音を立てた。

(はぁ……ここに突っ込んだら、相当気持ちがいいだろうなぁ)

 想像しながら、壮太は指でタクローの尻を味わった。ここに道具を入れるなんて、もったいない気がしたが、せっかく取り出したものを使わないのもなぁ……と、電動アナルビーズを押し込む。

「ぅ、ふぅ……んっ、は、ぁ……あっ、ああ……く、ぅう」

 玉を呑み込むタクローが、ちいさくうめいた。声を抑えるタクローの姿に、壮太の股間は爆発寸前にまで高まった。埋め終えた壮太は、ひと仕事終えたとばかりに息をつき、スイッチを入れた。ブ、ブ、と電子音がして、尻から出ている部分が震える。奥ではどうなっているのか、壮太には知る由もないが、きっとうねって内壁を刺激していることだろう。タクローがシーツを握って、ビクンビクンと震えているのだから。

「タクロー。どう?」

 前にまわって、壮太はタクローの顔をのぞいた。タクローは目を閉じて歯を食いしばり、小刻みに震えながら快楽に堪えている。抑えきれない嬌声が、タクローの鼻や喉からこぼれ出ていた。

(か、かわいい)

 キュウンと胸を絞られた壮太は、ニヤニヤしながらタクローの顎に手をあてて顔を持ち上げた。

「タクローばっかり気持ちよくなってないでさ。俺のことも気持ちよくしてよ」

 ほら、とタクローの頬を、壮太は息子でぺちぺち叩いた。道具に尻を刺激され、ちいさく震えるタクローが口を開いて壮太の息子を舌に載せる。ぬらりとした感触に、壮太は「おおうっ」と背筋を伸ばした。

「んっ、ふ……んむっ……ぅ……ん、ぅうっ、ふ、ぅ」

 壮太の腰を掴んでしゃぶるタクローの口から、自分の息子がはみ出している。淫靡な状況を見下ろして、壮太は感動した。

 まさかこんな光景を、目にする日が来ようとは!

 クリスマス万歳と胸中で両手を上げて、壮太は快感を噛みしめた。なんてすばらしいプレゼントなんだろう。性別は違えど、ムチムチのナイスバディなエロ衣装の、料理も掃除もうまい相手であることは確かだ。下手に中性的な美青年を与えられるより、こっちのほうが振り切れているぶん、気持ちの踏ん切りもつきやすい。

(こうなったら、たっぷりとたのしんでやる!)

 心に決めた壮太は、タクローの頭をガシリと掴むと彼の口内を思うさま蹂躙した。

「んぐっ、ぅ……ぅぶ、んぐっ、む、はふ……ぅうんっ、ううっ」

 縦横無尽に動く壮太に、タクローは必死に食らいついてくる。そのいじらしさに、壮太の理性は崩壊した。欲望のままにタクローの口腔を突いて、精を吹き出す。

「ぅくっ」

「ぉぐっ、んっ、くふ……ぅ、ん、んんっ、ん……ぅ、ふ、ぅう」

 目じりに涙を浮かべて、タクローは壮太の精を呑み込むと、筒内のものまで吸い出した。けなげな姿に、壮太は愛おしさを募らせながら、自分よりもガタイのいい男を、どうしてかわいくていじらしいと感じているのかと首をひねった。

(きっと、あれだ。でかい犬とかヒグマとか、ああいうのをかわいいって思うのとおなじようなもんだ)

 女子がプロレスラーを、かわいいと言っていたことがある。きっとそういうたぐいのものだと、壮太は納得した。

 タクローは、かわいい。

 うんっと自分にうなずいた壮太は、タクローの髪を撫でた。長い黒髪はさらさらと気持ちいい。髪をほどきたくなって、壮太はトナカイの角に指をかけた。

「あっ、それは」

 タクローがあわてて壮太の手を止める。

「ん?」

「私は、クリスマスのサンタクロースだから」

「サンタなら、その衣装だけで充分だろう? これは、トナカイの角なんだから」

「トナカイも含めての、サンタクロースなんだ」

 だから取らないで欲しい。タクローの目がそう言っている。壮太は惜しみつつも、わかったと指を離した。ほっとしたタクローが顔を上げて、ビクンと震えて突っ伏した。

「どうし……ああ」

 タクローの尻から、電動アナルビーズの持ち手がのぞいている。すっかり忘れていたと、壮太はタクローの背後にまわって、それを一気に引き抜いた。

「んぁああっ……は、ぁあ……ふぅ」

 仰け反ったタクローの股間が濡れているのは、ローションのせいだけだろうか。独特の匂いを感じて、壮太はタクローの尻を撫でた。

「なあ、タクロー。おまえさ、道具に尻をヤられてイッた?」

 直接的な問いに、タクローは答えなかった。頭を抱えてシーツに突っ伏している。

「なあ、タクローってば。タクロー」

 ぺしぺしと尻を叩いても、タクローは返事をしない。壮太はムウッと唇を尖らせて、なあなあと言いながらタクローの横に寝転がり、腕の隙間からタクローの顔を見ようとした。

「答えろよ。なあ、タクロー」

 腕の間に手を入れて、外そうとしてもビクともしない。自分よりもずっと太い筋肉でおおわれた腕を、そう簡単に外せるはずもないかと壮太は考え、タクローの乳首に手を伸ばした。

「な、タクロー」

「ふっ、んぅ」

 クリクリと乳首をいじれば、タクローの腕の力がゆるむ。壮太はウリウリとタクローをいじりながら、顔を隠している腕を引っ張った。

「ほらほら、タクロー」

「んぁ、あっ、ぅ……んんっ、は、ぅうんっ」

 抑えられた嬌声に壮太の股間に力がみなぎる。息を荒くして、壮太はタクローの耳に唇を近づけた。

「顔、見せろよ」

 ビクンとおおきく震えたタクローが、そろそろと顔を壮太に向ける。涙目で真っ赤になり、唇をへの字に曲げたタクローの表情に、壮太はときめいた。

(くっそ、かわいいな!)

 胸中で叫んだ壮太に、タクローはへにゃりと表情を崩して、ふたたび顔を隠した。

「あっ。なんでまた、顔を隠すんだよ」

 ペしぺしと壮太が背中を叩くと、切れ切れに嗚咽が聞こえた。

「えっ、なんで? なんで泣くんだよ」

 オロオロと、壮太はタクローの背中を撫でた。

「道具を入れられたの、イヤだったのか? まあ、でもそうだよな……うん、ああ、それとも、あれか。やっぱこんなこと、したくなかったとか」

 フルフルとタクローは首を振る。それじゃあ、なんだよと壮太は困って、タクローの背中を撫でながら、顔を見ようと腕の隙間に鼻を近づけた。

「なあ、タクロー。どうして泣いてんだよ。イヤだったんなら、もうやめるからさ」

 股間は元気にそそり立っているが、無理強いはしたくない。壮太は心からタクローを心配し、欲望のままに行動した自分を反省していた。それが声音ににじみ出て、タクローに伝わる。

「わ、私……私は」

 むせび泣くタクローの背を撫でながら、壮太はどうすればいいのか考えた。袋に手を入れて、なにか道具を取り出せばいいのかもしれない。けれど壮太は泣いているタクローから、離れたくなかった。

 かける言葉を見つけられない壮太は無言で、ちいさく震えるタクローの広くておおきなたくましい背中を撫で続けた。
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