ココに入ったらタダのケダモノ

まめ太郎

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「じゃあ私は? 私のことはどうでもいい子じゃないでしょ? 」
「もちろん」
 夏川が頷く。
 リサはほっとしたように微笑んだ。
「私ずっとリョウのことが好きだった。私ならリョウと仲良くずっと一緒に楽しく暮らせると思わない? 」
 夏川がため息をつく。

「俺はリサのこと何度も妹としか思えないと言ってきたと思うけど」
 リサは小さな子供のように地団駄を踏んだ。
「そんなの納得できないわ。今の私をちゃんと見てよ。リョウ好みの綺麗な大人の女性になったでしょ? 」
「綺麗になったとは思うよ。でも俺は」
「お願いよ。リョウにルーシーみたいな女性の恋人ができたなら私だって諦めがついた。でもそんな冴えないおじさんを恋人だって言われても」
「リサ」
 夏川がリサを睨みつける。
「だって本当のことでしょ」
 リサが不貞腐れた口調で呟く。

「リサが帝の良さに気付けないなら、それはしかたない。でも帝は俺の大切な恋人で、これからだって別れるつもりはない。だから俺の眼の前で彼を否定するようなことを言うのはやめてくれ」
 朝霧の肩に回った夏川の手に力が込められる。
 朝霧は泣き出しそうな気分で、夏川の横顔を見つめた。

「なんでよ。私はずっとリョウのために努力して、可愛くなって、頑張ってきたのに。なんでその人なの? 納得できないよ。私の方が全然リョウと釣り合ってる」
 リサの叫びに夏川が眉間の皺を深める。

「そこまで言うならこっちもはっきり言うけど。俺がお前と付き合えない最大の理由はね。お前じゃ俺が勃たないからだ」
「えっ」
 リサが呆けたように口を開ける。

「リサも知ってるだろ? 俺は頼まれれば誰とでも寝た。でもお前とルーシーだけはダメだ。頭の中で、家族と認識しているから、そういう気持ちにはなれないんだ」
「分からないじゃない。試してみようよ」
 リサが必死の形相で、大袈裟に手を振る。
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