哀しい愛

まめ太郎

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 手首を強く掴まれ、床に押し倒された。
「小糸」
「嫌か?」
 小糸が珍しく焦ったように俺のシャツのボタンを外しながら問う。
「嫌じゃないよ。でもするならベットがいい」
 そう言うと小糸は俺の体を軽々と横抱きにし、ベットに降ろした。
 カーテンが開いているせいで薄暗闇の中、俺は真上の小糸に向かって両手を伸ばした。
「ベットでするの、初めてだから嬉しい」
 そう言うと小糸が己の唇を噛み、俺の首元に顔を伏せた。俺は微動だにしない小糸を不思議に思い問いかけた。
「小糸?」
「貴雄」
 小糸に初めて名前を呼ばれ、俺の胸が震える。
「そう呼んでもいいか?」
 小糸が俺の顔を間近で見つめ言う。
「もちろん。俺も正臣って呼んでもいい?」
「ああ」
 小糸の顔がゆっくり近づいてくる。
「貴雄」
 名を呼ばれた瞬間、俺達の唇は重なった。
 
 正臣の首に片手を回し引き寄せ、唇を押し付けた。俺がこんな大胆なことをするのは初めてだった。
 正臣はそんな俺の頬を宥める様に親指で撫でながら、俺の舌を噛み、唾液を啜った。
 俺の上半身を裸にした正臣がキスをしながら、俺の乳輪を人差し指でそっと撫でまわし始める。
「ふっ…ん」
 甘い息が鼻から漏れた。
 正臣がキスを止め、俺の乳首にしゃぶりつく。
 丁寧に唾液を塗した後、カリッと強めに胸の尖りを噛まれ、俺の腰が浮く。
「だっ、だめっ。それ」
「何で?」
 正臣はもう一方にも噛みつき、歯で嬲り始める。
「あっ、あっ、あっっ。それだけでイッちゃいそうだからぁ」
 正臣は俺のジーンズの前を手早く寛げると、下着に手を突っ込み、屹立を握った。
「ひんっ」
 突然訪れた強い刺激に、俺の腰がぶるりと震える。
「ああ、すげえ。胸だけでこんなびしょびしょにしたのか?」
 正臣は意地悪く笑うと、俺の屹立をわざと音を立てて扱き始めた。
「やっ、イク、もうあっ。あんっ。あんっ、やっ」
 ヌチヌチという水音に鼓膜から犯されているようだった。
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