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彼に出会う前の彼の話7
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結局高校三年間で、勝には一度も彼女ができなかった。
センはいたような気もするが、秘密主義なのか教えてくれない。
大学は偶然三人とも同じところに決まり、合格発表の日、俺は初めてセンがやくざの息子であるという事実を知った。
「まあ、跡は継がないけど」
あっけらかんとセンは言った。
勝も気にした様子もなく、俺たちの友情は大学でも変わりなく続いた。
大学でも勝は合コンに行き続け、俺達もそれに付き合わされる日々だった。
そんなとき、同じゼミの女子に告白された。
前から感じのいい子だとは思っていたし、いい加減中学の時のことも忘れたかったので俺はその告白を受け入れた。
勝もセンも喜んでくれたが、結局彼女との付き合いは三か月ももたなかった。
喫茶店に入った時、注文を悩む彼女にイライラして「いい加減、さっさと決めろよ。それくらい」ときつい口調で言ったら泣かれ、その場で振られた。
それからしばらくして別の女の子から告白され付き合い始めたが、買い物に付き合ってと言われ「これとこれどっちが似合う~?」と聞かれたので正直に「どちらも似合わない」と言ったら、これもまたすぐ振られた。
どうやら俺は恋愛にむいていないようだとセンと勝に相談したら、爆笑されて終わった。
大学は勉強するために入ったんだ。別に彼女なんか必要ない。大体女って面倒くさすぎるんだよ。
俺はそれからどんな女の子に告白されても全て断るようになった。
就職活動中、父親のうちの会社に入ってほしいという願いも蹴り飛ばし、俺はいち早く証券会社に内定を決めていた。もっと大手も狙えたが、人に使われるのが嫌いな俺は、さっさと出世してあわよくば社長になれそうな規模の会社を選んだ。
センはいたような気もするが、秘密主義なのか教えてくれない。
大学は偶然三人とも同じところに決まり、合格発表の日、俺は初めてセンがやくざの息子であるという事実を知った。
「まあ、跡は継がないけど」
あっけらかんとセンは言った。
勝も気にした様子もなく、俺たちの友情は大学でも変わりなく続いた。
大学でも勝は合コンに行き続け、俺達もそれに付き合わされる日々だった。
そんなとき、同じゼミの女子に告白された。
前から感じのいい子だとは思っていたし、いい加減中学の時のことも忘れたかったので俺はその告白を受け入れた。
勝もセンも喜んでくれたが、結局彼女との付き合いは三か月ももたなかった。
喫茶店に入った時、注文を悩む彼女にイライラして「いい加減、さっさと決めろよ。それくらい」ときつい口調で言ったら泣かれ、その場で振られた。
それからしばらくして別の女の子から告白され付き合い始めたが、買い物に付き合ってと言われ「これとこれどっちが似合う~?」と聞かれたので正直に「どちらも似合わない」と言ったら、これもまたすぐ振られた。
どうやら俺は恋愛にむいていないようだとセンと勝に相談したら、爆笑されて終わった。
大学は勉強するために入ったんだ。別に彼女なんか必要ない。大体女って面倒くさすぎるんだよ。
俺はそれからどんな女の子に告白されても全て断るようになった。
就職活動中、父親のうちの会社に入ってほしいという願いも蹴り飛ばし、俺はいち早く証券会社に内定を決めていた。もっと大手も狙えたが、人に使われるのが嫌いな俺は、さっさと出世してあわよくば社長になれそうな規模の会社を選んだ。
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