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結局行く当てもない俺は、いつものカフェにまい戻ってきてしまった。
まだ中で、真司さんとキミがしてたらどうしよう。
あれから何時間も経っているし、そんなことありえないのだけれど、その頃の俺はそっちの知識をほとんど持ち合わせていなかった。
恐る恐る扉を開くと、中には先ほどと同じく、努さん、葛見さん、野間さんのメンバープラス海がいた。
「おお、春」
海が俺に笑いかける。
俺も微笑み返し、カウンターに座る海の隣に腰かけた。
「…キミと真司さんは?」
「キミは授業で使う布、買いに行くって。真司は職場から呼び出されて仕事」
俺は海の言葉に内心ほっとしていた。
今二人に会っても一体どんな顔をすればいいのか分からなかった。
「そう言えばマスターいないね」
俺の問いに海が答える。
「ああ、マスターの娘が体調悪いらしくて、店の鍵閉め、俺が頼まれてんの」
海が俺の前に、銀色の鍵をぶらつかせる。
「そっか」
海と話している間も、野間さんが俺に絡みつく様な視線を送ってくる。
正直海が居なければ、ここに座らなかっただろう。
「そうだ。春。ビール飲んでみないか?」
海がにやりと笑って言う。
「えっ、でも俺未成年だし…」
「大丈夫だって。俺なんて中学から飲んでたぜ」
海はそう言うと、店にある大きな冷蔵庫からビール瓶を一本取り出し、栓抜きで蓋を開けてしまう。
「ほら。これ高いやつだから残すなよ」
そう言われて手渡され、面白がっているような努さんたちの視線にさらされながら、俺は一口ビールを飲んだ。
「まずい」
「あはは。まあ、最初はな。でも飲んでるうちにだんだん美味く感じるようになる」
そう言われて、俺は少しづつ飲んでいくが、一向に美味しいとは思わなかった。
苦労して全部飲み干すと、海が拍手した。
「おお、偉い」
努さん達も同じように拍手する。
「ねえ、春君。この店って屋根裏部屋あるの知ってた?」
唐突に葛見さんが言う。
「えっ、そうなんですか?初めて知りました」
「良かったら、ちょっと覗いてみない?」
「でも、勝手に入ったら…」
「大丈夫だって。別に立ち入り禁止ってわけじゃないし」
そう海に言われて、俺は立ち上がった。
初めて飲むアルコールに体がびっくりしているようで、足元がかすかにふらついた。
まだ中で、真司さんとキミがしてたらどうしよう。
あれから何時間も経っているし、そんなことありえないのだけれど、その頃の俺はそっちの知識をほとんど持ち合わせていなかった。
恐る恐る扉を開くと、中には先ほどと同じく、努さん、葛見さん、野間さんのメンバープラス海がいた。
「おお、春」
海が俺に笑いかける。
俺も微笑み返し、カウンターに座る海の隣に腰かけた。
「…キミと真司さんは?」
「キミは授業で使う布、買いに行くって。真司は職場から呼び出されて仕事」
俺は海の言葉に内心ほっとしていた。
今二人に会っても一体どんな顔をすればいいのか分からなかった。
「そう言えばマスターいないね」
俺の問いに海が答える。
「ああ、マスターの娘が体調悪いらしくて、店の鍵閉め、俺が頼まれてんの」
海が俺の前に、銀色の鍵をぶらつかせる。
「そっか」
海と話している間も、野間さんが俺に絡みつく様な視線を送ってくる。
正直海が居なければ、ここに座らなかっただろう。
「そうだ。春。ビール飲んでみないか?」
海がにやりと笑って言う。
「えっ、でも俺未成年だし…」
「大丈夫だって。俺なんて中学から飲んでたぜ」
海はそう言うと、店にある大きな冷蔵庫からビール瓶を一本取り出し、栓抜きで蓋を開けてしまう。
「ほら。これ高いやつだから残すなよ」
そう言われて手渡され、面白がっているような努さんたちの視線にさらされながら、俺は一口ビールを飲んだ。
「まずい」
「あはは。まあ、最初はな。でも飲んでるうちにだんだん美味く感じるようになる」
そう言われて、俺は少しづつ飲んでいくが、一向に美味しいとは思わなかった。
苦労して全部飲み干すと、海が拍手した。
「おお、偉い」
努さん達も同じように拍手する。
「ねえ、春君。この店って屋根裏部屋あるの知ってた?」
唐突に葛見さんが言う。
「えっ、そうなんですか?初めて知りました」
「良かったら、ちょっと覗いてみない?」
「でも、勝手に入ったら…」
「大丈夫だって。別に立ち入り禁止ってわけじゃないし」
そう海に言われて、俺は立ち上がった。
初めて飲むアルコールに体がびっくりしているようで、足元がかすかにふらついた。
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