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83(暴力描写有)
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俺の中に、埋まっていた努さんの楔がずるりと抜けた。
努さんが性器からゴムを外し、荒い息を吐く。
「まじたまんねえ。生でやったらまずいかな」
「生はやめとけよ。病気になるぞ」
床に座り、壁にもたれ、煙草を吸いながら野間さんが言う。
努さんが舌打ちをすると、俺の面前に性器をつきつけた。
「おら。お前のせいで汚れたんだから、綺麗にしろ」
俺が首を振ると、口を開けるまで何度も頬を張られた。
終いには鼻をつままれ、息苦しさのあまり口を開くと青臭いゴムの匂いのモノを突っ込まれた。
「鬼畜だねえ。なあ、海はやんねえの?」
「あー。俺男とか無理だから」
「もったいねえな。そこらの遊んでる女なんかよりよっぽど締まりがいいのに」
野間さんが床に煙草を押し付け、火を消す。
辺りに木の焦げた匂いが漂った。
俺が無理やりフェラさせられているのを、少し離れた場所で葛見さんが観察するように見ていた。
「歯、立てたら殺すからな」
腰を激しく出し入れしながら、努さんが言う。
もうこんな苦しいことが続くなら、いっそ殺されてしまった方が楽なんじゃないか。
俺が奥歯に力をこめようとした時、階段を上がる足音が聞こえた。
「これ…どういうことだよ?」
呆然とした真司さんの声が聞こえた。
俺の頭を掴み、むちくちゃに揺さぶっていた努さんが手を離したせいで、俺は蹲るように崩れ落ちた。
「海。どういうことかって聞いてんだよっ」
吠えるように真司さんが言う。
壁にもたれていた海が、ゆっくり真司さんに近づく。
「おーおー。怖いなあ」
海が真司さんの肩に肘をつく。
「どういうことって、これ全部お前のためにやったんだぜ」
「何言って…」
「だって、真司言ってたろ。春のことうざいって」
「あれは、そういう意味じゃ…」
「もうやめてっ」
これ以上、二人の話を聞きたくなくて、俺はかすれた声で叫んだ。
「もう……いいから」
俺はきしむ体で、服を集めると、汚れた体に身に着けた。
痛みに顔を歪ませる俺に、真司さんが近づく。
「春」
真司さんの伸ばされた手を俺はとっさに避けた。
「触らないで」
俺はきっぱりと言い、何とか一人で着替えを終えた。
ゆっくり立ち上がり、足を引きづりながら階段を目指す。
「春…」
そんな俺に真司さんが呼びかける。
「真司さん俺馬鹿だけど、ここまでしなくたって、嫌いだって言ってくれたら分かったのに。そんなに迷惑だったなんて…ずっと気付かなかった」
俺は振り返らずに言った。
「春」
「さようなら」
俺はそのまま階段を降りて、駅に向かった。
努さんが性器からゴムを外し、荒い息を吐く。
「まじたまんねえ。生でやったらまずいかな」
「生はやめとけよ。病気になるぞ」
床に座り、壁にもたれ、煙草を吸いながら野間さんが言う。
努さんが舌打ちをすると、俺の面前に性器をつきつけた。
「おら。お前のせいで汚れたんだから、綺麗にしろ」
俺が首を振ると、口を開けるまで何度も頬を張られた。
終いには鼻をつままれ、息苦しさのあまり口を開くと青臭いゴムの匂いのモノを突っ込まれた。
「鬼畜だねえ。なあ、海はやんねえの?」
「あー。俺男とか無理だから」
「もったいねえな。そこらの遊んでる女なんかよりよっぽど締まりがいいのに」
野間さんが床に煙草を押し付け、火を消す。
辺りに木の焦げた匂いが漂った。
俺が無理やりフェラさせられているのを、少し離れた場所で葛見さんが観察するように見ていた。
「歯、立てたら殺すからな」
腰を激しく出し入れしながら、努さんが言う。
もうこんな苦しいことが続くなら、いっそ殺されてしまった方が楽なんじゃないか。
俺が奥歯に力をこめようとした時、階段を上がる足音が聞こえた。
「これ…どういうことだよ?」
呆然とした真司さんの声が聞こえた。
俺の頭を掴み、むちくちゃに揺さぶっていた努さんが手を離したせいで、俺は蹲るように崩れ落ちた。
「海。どういうことかって聞いてんだよっ」
吠えるように真司さんが言う。
壁にもたれていた海が、ゆっくり真司さんに近づく。
「おーおー。怖いなあ」
海が真司さんの肩に肘をつく。
「どういうことって、これ全部お前のためにやったんだぜ」
「何言って…」
「だって、真司言ってたろ。春のことうざいって」
「あれは、そういう意味じゃ…」
「もうやめてっ」
これ以上、二人の話を聞きたくなくて、俺はかすれた声で叫んだ。
「もう……いいから」
俺はきしむ体で、服を集めると、汚れた体に身に着けた。
痛みに顔を歪ませる俺に、真司さんが近づく。
「春」
真司さんの伸ばされた手を俺はとっさに避けた。
「触らないで」
俺はきっぱりと言い、何とか一人で着替えを終えた。
ゆっくり立ち上がり、足を引きづりながら階段を目指す。
「春…」
そんな俺に真司さんが呼びかける。
「真司さん俺馬鹿だけど、ここまでしなくたって、嫌いだって言ってくれたら分かったのに。そんなに迷惑だったなんて…ずっと気付かなかった」
俺は振り返らずに言った。
「春」
「さようなら」
俺はそのまま階段を降りて、駅に向かった。
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