40 / 493
40
しおりを挟む
「待って。行くな。」
上体を支える俺の腕は、疲労で震えていた。
怜雄をとっさに呼び留めたが、なんと言葉をかけていいのかわからなかった。
それでもこのまま部屋から出ていってほしくはなかった。
「あのさ。」
俺はうつむいてまともに怜雄の顔を見ることはできないまま、話しかけた。
「最初は確かにお前に流されて始めた関係だけど、俺ちゃんと今はお前が好きだよ。お前なりに俺のこと大切にしてくれてるのが伝わってくるから、俺も好きになったっていうか。だからそんな簡単に他の女とこういうことしたりしない。俺、馬鹿だけど二股とかぜってえ嫌だし。だからあの。」
「機嫌とってきてんじゃねえよ。」
低い、不機嫌そうな怜雄の声が聞こえた。
駄目だ。出て行ってしまう。
そう思ったとき、俺の上に影が落ちた。
顔を上げると、すぐそばに怜雄がいて噛みつくようにキスされた。
「んっ、うんっ。」
俺は大好きなキスがやっともらえて、もっとと怜雄の舌に自分の舌をこすりつけた。
「さっきのじゃお前足りないだろ。今度はもっとトロトロにしてやるよ。」
そう言った怜雄の表情はいたずらをしかけるみたいに笑っていて、俺はそれに安心して首筋にぎゅっとしがみついた。
上体を支える俺の腕は、疲労で震えていた。
怜雄をとっさに呼び留めたが、なんと言葉をかけていいのかわからなかった。
それでもこのまま部屋から出ていってほしくはなかった。
「あのさ。」
俺はうつむいてまともに怜雄の顔を見ることはできないまま、話しかけた。
「最初は確かにお前に流されて始めた関係だけど、俺ちゃんと今はお前が好きだよ。お前なりに俺のこと大切にしてくれてるのが伝わってくるから、俺も好きになったっていうか。だからそんな簡単に他の女とこういうことしたりしない。俺、馬鹿だけど二股とかぜってえ嫌だし。だからあの。」
「機嫌とってきてんじゃねえよ。」
低い、不機嫌そうな怜雄の声が聞こえた。
駄目だ。出て行ってしまう。
そう思ったとき、俺の上に影が落ちた。
顔を上げると、すぐそばに怜雄がいて噛みつくようにキスされた。
「んっ、うんっ。」
俺は大好きなキスがやっともらえて、もっとと怜雄の舌に自分の舌をこすりつけた。
「さっきのじゃお前足りないだろ。今度はもっとトロトロにしてやるよ。」
そう言った怜雄の表情はいたずらをしかけるみたいに笑っていて、俺はそれに安心して首筋にぎゅっとしがみついた。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
2,139
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる