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2章 邪月の都ルナ
36.メイド
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俺は膝を床に付いて絶望していたが、そのまま傭兵に船の甲板にあげられる。
久々に船内から出ると眩しくて、腕で日差しから守っていると、ムキムキ貴族が甲板に上がってくる。
ムキムキ貴族が甲板に上がると、俺はムキムキ貴族に担がれて馬車に放り込まれる。
「イッテ!?」
俺はつい叫びつつも席に座る、ムキムキ貴族が馬車に入ると、馬車の扉は閉じて進みだす。
少し周りを見ると、中々良い材質を使っている馬車だと一目でわかった。
しばらく馬車で進んでいると、一つの屋敷が見え始める。
その屋敷はグレートブリテン島にあるカントリー・ハウスに似ていた。
俺とムキムキ貴族が馬車を下りると、羊執事と猫耳メイドさんが迎え入れる。
「「おかえりなさいませ、旦那様」」
「うむ、帰って来たぞ」
ムキムキ貴族が片手を振りながら答える、それにしてもご主人様ってやっぱりこの貴族かなり階級が高いのか?
そう思っていると羊執事と猫耳メイドさんの後ろから、一人の女性とガスマスクをつけた青年がやって来る。
女性の姿は、白銀のロングで、柔和な垂れ目に翠玉のように淡い緑の瞳で、中肉中背だがリーベットは先生並みに立派なものを持っている女性だ。
ガスマスクの青年は、白銀のオールバックで、怒っているように見えるくらいつり目に炎のように紅いルビーの瞳で、ドイツ軍服の上にトレンチコートを羽織って体格は少し細めの青年だ。
ガスマスクの青年はムキムキ貴族と少し話し合っていた。
「父さん、奴隷を買うなんて一体どうしたんだ? まさか……」
「そうだ、内緒で済まない……」
「すまないって……そんなので済ませると――!」
ガスマスクの青年が叫ぼうとすると白銀の女性が止める。
「ガロンにカイン、喧嘩はそこまでにしましょうよ?」
「母さん……でも――」
「ココで喧嘩したら新しく着たこの子が怯えてしまうわ」
「ウゥ……分かったよ」
白銀の女性がそう言うと、ガスマスクの青年は少しうめいて口を閉じる。
白銀の女性は俺に近づいてくる、俺は少し首を傾げて質問する。
「えっと何かついているのでしょうか……?」
「フフ……!」
そう言うと白銀の女性は俺の肩を掴むと、一気に胸元に引き寄せる。
「フグゥ!?」
目の前に映るのは絹のようにすべすべとした肌に、モチやグミを合わせた柔らかさに、心臓がロケットエンジンのように早くなって顔が赤くなる。
ガスマスクの青年が呆れながら白銀の女性に注意する。
「母さん、この子が顔を赤くして震えているから離してあげなよ」
「アラアラ、分かったわ」
白銀の女性はそう言うと、掴んでいる手を放して開放する。俺は解放されて息を整えようと目を閉じて深呼吸する。
少しだけ落ち着くと羊執事が頭を下げて謝る。
「いきなりの事で申し訳ありません。奥様は可愛いものが大好きなため時々このような事を……」
「いいえ、気にしておりません」
俺は社会人として頭を下げて謙遜する。
あれ? そう言えば可愛いってどういう事だ?
なんて思っていると猫耳メイドさんが会話に入る。
「ココで立ち話もなんですし中に入ったらどうでしょうか?」
「うむ、それもそうだな。シャロン、この子の部屋まで連れて行きなさい」
「分かりました、旦那様。こちらについて来て下さい」
シャロンと呼ばれた猫耳メイドさんは案内し始める。
中に入ると言葉を無くす、なんといえばいいか分からないが、かなり荘厳としていて庶民である俺からすれば、最低でも軽く五億超えそうだ。
そう思いながらシャロンさんが止まって応接間らしき部屋に手を向ける。
「ココがあなたの部屋です、ここで睡眠や読書は好きにしてもいいですがちゃんと労働時間を終えてから休憩してください」
「わ、分かりました」
俺はそう言って部屋の中に入る、中は二人用のソファーと丸い机にシングルベッドやタンスが置いてある。
ココが俺の部屋だな、なぜか前すんでいた孤児院や宿に比べるとかなり広く感じてしまう。
ムキムキ貴族と白銀の女性とガスマスクの青年は別の場所待っている。
シャロンさんと羊執事もといフォルトさんは説明する。
まずこの土地は邪月の都ルナと呼ばれる国で、ここに住む住民は様々な人種がいて美術の都と呼ばれている。
俺を買ったムキムキ貴族は純吸血鬼のヴァレンタ一族である、ガロンと呼ばれる男性とユミルと呼ばれる女性が屋敷を管理している。
俺は使用人として住む事になって、ちなみにガスマスクの青年はカロンと呼ばれる青年で、どうやら魔力量が王族級でかなりの実戦に強くて盗賊を簡単に倒せるくらい実力を持っている。
カロン様にも妹がいるが今日は会うために衣服を渡される、カーテンに隠れながら服に着替える。
服に着替えたのは良いけど……なんでメイド服!? しかもエプロンドレスの!
多分シャロンさんは俺の事を女性だと誤解したのだろう、それに奥様に抱きつかれたのもそれだろうな。
しかし文句を言っても相手に不快な気分を負わせてしまうためここは黙っておこう。
着替え終えると、シャロンさんとフォルトさんと共にカイン様の妹様の所まで向かう。
久々に船内から出ると眩しくて、腕で日差しから守っていると、ムキムキ貴族が甲板に上がってくる。
ムキムキ貴族が甲板に上がると、俺はムキムキ貴族に担がれて馬車に放り込まれる。
「イッテ!?」
俺はつい叫びつつも席に座る、ムキムキ貴族が馬車に入ると、馬車の扉は閉じて進みだす。
少し周りを見ると、中々良い材質を使っている馬車だと一目でわかった。
しばらく馬車で進んでいると、一つの屋敷が見え始める。
その屋敷はグレートブリテン島にあるカントリー・ハウスに似ていた。
俺とムキムキ貴族が馬車を下りると、羊執事と猫耳メイドさんが迎え入れる。
「「おかえりなさいませ、旦那様」」
「うむ、帰って来たぞ」
ムキムキ貴族が片手を振りながら答える、それにしてもご主人様ってやっぱりこの貴族かなり階級が高いのか?
そう思っていると羊執事と猫耳メイドさんの後ろから、一人の女性とガスマスクをつけた青年がやって来る。
女性の姿は、白銀のロングで、柔和な垂れ目に翠玉のように淡い緑の瞳で、中肉中背だがリーベットは先生並みに立派なものを持っている女性だ。
ガスマスクの青年は、白銀のオールバックで、怒っているように見えるくらいつり目に炎のように紅いルビーの瞳で、ドイツ軍服の上にトレンチコートを羽織って体格は少し細めの青年だ。
ガスマスクの青年はムキムキ貴族と少し話し合っていた。
「父さん、奴隷を買うなんて一体どうしたんだ? まさか……」
「そうだ、内緒で済まない……」
「すまないって……そんなので済ませると――!」
ガスマスクの青年が叫ぼうとすると白銀の女性が止める。
「ガロンにカイン、喧嘩はそこまでにしましょうよ?」
「母さん……でも――」
「ココで喧嘩したら新しく着たこの子が怯えてしまうわ」
「ウゥ……分かったよ」
白銀の女性がそう言うと、ガスマスクの青年は少しうめいて口を閉じる。
白銀の女性は俺に近づいてくる、俺は少し首を傾げて質問する。
「えっと何かついているのでしょうか……?」
「フフ……!」
そう言うと白銀の女性は俺の肩を掴むと、一気に胸元に引き寄せる。
「フグゥ!?」
目の前に映るのは絹のようにすべすべとした肌に、モチやグミを合わせた柔らかさに、心臓がロケットエンジンのように早くなって顔が赤くなる。
ガスマスクの青年が呆れながら白銀の女性に注意する。
「母さん、この子が顔を赤くして震えているから離してあげなよ」
「アラアラ、分かったわ」
白銀の女性はそう言うと、掴んでいる手を放して開放する。俺は解放されて息を整えようと目を閉じて深呼吸する。
少しだけ落ち着くと羊執事が頭を下げて謝る。
「いきなりの事で申し訳ありません。奥様は可愛いものが大好きなため時々このような事を……」
「いいえ、気にしておりません」
俺は社会人として頭を下げて謙遜する。
あれ? そう言えば可愛いってどういう事だ?
なんて思っていると猫耳メイドさんが会話に入る。
「ココで立ち話もなんですし中に入ったらどうでしょうか?」
「うむ、それもそうだな。シャロン、この子の部屋まで連れて行きなさい」
「分かりました、旦那様。こちらについて来て下さい」
シャロンと呼ばれた猫耳メイドさんは案内し始める。
中に入ると言葉を無くす、なんといえばいいか分からないが、かなり荘厳としていて庶民である俺からすれば、最低でも軽く五億超えそうだ。
そう思いながらシャロンさんが止まって応接間らしき部屋に手を向ける。
「ココがあなたの部屋です、ここで睡眠や読書は好きにしてもいいですがちゃんと労働時間を終えてから休憩してください」
「わ、分かりました」
俺はそう言って部屋の中に入る、中は二人用のソファーと丸い机にシングルベッドやタンスが置いてある。
ココが俺の部屋だな、なぜか前すんでいた孤児院や宿に比べるとかなり広く感じてしまう。
ムキムキ貴族と白銀の女性とガスマスクの青年は別の場所待っている。
シャロンさんと羊執事もといフォルトさんは説明する。
まずこの土地は邪月の都ルナと呼ばれる国で、ここに住む住民は様々な人種がいて美術の都と呼ばれている。
俺を買ったムキムキ貴族は純吸血鬼のヴァレンタ一族である、ガロンと呼ばれる男性とユミルと呼ばれる女性が屋敷を管理している。
俺は使用人として住む事になって、ちなみにガスマスクの青年はカロンと呼ばれる青年で、どうやら魔力量が王族級でかなりの実戦に強くて盗賊を簡単に倒せるくらい実力を持っている。
カロン様にも妹がいるが今日は会うために衣服を渡される、カーテンに隠れながら服に着替える。
服に着替えたのは良いけど……なんでメイド服!? しかもエプロンドレスの!
多分シャロンさんは俺の事を女性だと誤解したのだろう、それに奥様に抱きつかれたのもそれだろうな。
しかし文句を言っても相手に不快な気分を負わせてしまうためここは黙っておこう。
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