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2章 邪月の都ルナ
49.区別の質問
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邪月の都ルナの港区から船で出発して二週間経つ。
俺達は神龍帝国シンに住む商人会会長が、回転式拳銃〈ニューナンブM60〉と突撃銃〈M4カービン〉の開発者を呼び求めている。
その開発者はもちろん俺だ。何で俺が使っていた銃にシンにあるのは、俺が奴隷にされた時に売られたんだろう。
この世界の銃は魔法に頼り過ぎて、小銃で例えるなら日本の火縄銃、または西部劇のウィンチェスターライフルだ。
そもそも商人会は、別の国の交易や冒険者たちの旅をサポートする組織だ。その組織を立ち上げたのは一人の応竜人が国の交易を収めた。
もちろん多忙だから大半は別のものに任せているけど、密売や違法売買を防ぐ法を定める。
それにはシンの歴史に関わっているが、それはかなり長いから別の日にしておこう。
さてと、俺は今その現会長様が来るまで待っている。
実はシンについて少しだけ情報を集めた、この国にとどまっている商人によると、どうやら他の商人が関係ない人を俺だと言って連れている。
だが会長の質問を答えらず、関係ない子は孤児院に入れられて、逆に嘘をついた商人は牢屋にぶち込まれてしまうと聞いた。
にしてもたかが嘘ついただけで牢屋にぶち込まれるなんて、もはやヤバイ以外何も思えないな。
まさかとは思うが、俺の事を神様だと信じているだろうな。って、なんて我ながらかなりぶっ飛んでいる事を言っているな、アッハッハッハ!
何て楽観的に思っていると、扉が開ける音がして少し身だしなみを整えて、扉の方に向けると客室に入ってきたのは中華風の美女だ。
その姿はベビーブルーのロング、目つきはつり目であり瞳は深みがある紫紺、身長は一六十センチぐらいだろう。スタイルについては豊満だが、胸は小さすぎず大きすぎず、彫刻のようにバランスが整えられて、もし髪色が黒だったら和風美女だろう。
商人会の会長だから知的な印象がある、だがまさかの人に近い上に美女なんで驚きだ。てっきりトカゲの姿だろうと思っていた。
そう思っていると水髪美女が挨拶をする。
「皆様はじめまして、わたくしはアリオン・ミルフィオリと申します。さっそくですがアレス様を連れてきたと聞きましたが……どなたですか?」
アリオンと名乗った美女は、俺の名前を言いながらカイン様に問い詰める。
その視線は獲物が狙う瞳になっていて、詰められてない俺も少しだけ緊張してしまう。だけど
しかしカイン様は至近距離に問い詰められても、冷静に俺に指さして言う。
「会長殿が望んでいる人は、うちの妹の隣にいるぞ」
「ふむ……」
アリオンはそう呟くと、俺の方を向いて近づいて顔を近づける。
「それで? あなたがアレス様ならどうして行方不明になったか教えてくださる?」
俺は少しキョドルが、今まで起きた事をすべて話す。
するとアリオンは怪訝そうに見る。マァ、それもそうだよな。偽冒険者に捕まって奴隷にされたとか、その後は旦那様に代われて生き延びた~なんていきなり信じられないよな。
なんて思っているとアリオンは噂で聞いた質問を言う、俺はその質問を答える。
「さっそく質問ですが、呼びかけに書かれた銃の種類と名前を言いなさい」
「回転式拳銃〈ニューナンブM60〉と突撃銃〈M4カービン〉です」
「正解です、種類と名前を知っているのは予測しております、次はこの二丁の材料と開発方法は?」
「魔鉄鉛《メティス》でそれぞれのパーツで分けて組み立てます」
「正解です……なら回転式拳銃の装填方法を答えなさい」
「回転弾倉に弾丸を装填して、撃鉄を下ろして引き金を引く、ですよね?」
「……正解です」
よしっ! アリオンは気付いていないが、俺が製作者だから答えれるし、そもそも軍オタやシューティングゲーマーならお茶の子さいさいだ。
そう思っているとアリオンは机の上に〈ニューナンブM60〉と〈M4カービン〉を置いて最後の質問をする。
「最後の質問ですわ。先ほど置いた〈ニューナンブM60〉と〈M4カービン〉を観察して不良点を詳しく言いなさい。不良点を当てたら認めます」
「分かりました」
答えながらさっそく観察して不良点を探す。
▲▽▲▽▲▽
アリオンは執事服を着た青年に対し、ほくそ笑んでいた。
(フフ……こんなこともあろうかと鍛冶屋に偽物を作るようにしておいて正解でしたわ!)
机の上に置いたのは形を真似ただけ偽物で、先ほどの質問を調べてきた時の保険として考えたが、まさかここまで効果があるとは思いもしなかった。
この青年も絶対慌てるはず……。アリオンはそう思いながら見て、青年はテキパキと観察してから質問する。
さぁ、一体どんな反応をするだろう……。しかしアリオンの考えとは真逆の質問をする。
「あの? 失礼かもしれませんがこれ偽物ですよ?」
「……ほぇ?」
アリオンは青年が言った事を理解できずに変な声を出す、しかし青年は観察した銃の不良点を彼女に伝える。
「回転弾倉の取り外し部分がくっ付いていますし、引き金が弾倉に引っかかって全然使い物になりませんよ? もしかして偽物を渡されたかもしれませんよ?」
「ッ――」
あまりの的確っぷりにアリオンは感嘆のあまりに声を失っていた。
アリオンは驚きに声を出せずにいた、だが声を震わせて青年に聞く。
「も、もしかしてアレス様ですか……?」
「エッ? そうですが?」
青年はそう答える、するとアリオンが大粒の涙を流して叫ぶ。
「アレス様ー!」
アリオンは叫びながらアレスに抱きつく、レノンやカインはもちろん、当の本人であるアレスも驚いて叫ぶ。
「「エェェェ!?」」
そして叫び声が屋敷中に響く。
俺達は神龍帝国シンに住む商人会会長が、回転式拳銃〈ニューナンブM60〉と突撃銃〈M4カービン〉の開発者を呼び求めている。
その開発者はもちろん俺だ。何で俺が使っていた銃にシンにあるのは、俺が奴隷にされた時に売られたんだろう。
この世界の銃は魔法に頼り過ぎて、小銃で例えるなら日本の火縄銃、または西部劇のウィンチェスターライフルだ。
そもそも商人会は、別の国の交易や冒険者たちの旅をサポートする組織だ。その組織を立ち上げたのは一人の応竜人が国の交易を収めた。
もちろん多忙だから大半は別のものに任せているけど、密売や違法売買を防ぐ法を定める。
それにはシンの歴史に関わっているが、それはかなり長いから別の日にしておこう。
さてと、俺は今その現会長様が来るまで待っている。
実はシンについて少しだけ情報を集めた、この国にとどまっている商人によると、どうやら他の商人が関係ない人を俺だと言って連れている。
だが会長の質問を答えらず、関係ない子は孤児院に入れられて、逆に嘘をついた商人は牢屋にぶち込まれてしまうと聞いた。
にしてもたかが嘘ついただけで牢屋にぶち込まれるなんて、もはやヤバイ以外何も思えないな。
まさかとは思うが、俺の事を神様だと信じているだろうな。って、なんて我ながらかなりぶっ飛んでいる事を言っているな、アッハッハッハ!
何て楽観的に思っていると、扉が開ける音がして少し身だしなみを整えて、扉の方に向けると客室に入ってきたのは中華風の美女だ。
その姿はベビーブルーのロング、目つきはつり目であり瞳は深みがある紫紺、身長は一六十センチぐらいだろう。スタイルについては豊満だが、胸は小さすぎず大きすぎず、彫刻のようにバランスが整えられて、もし髪色が黒だったら和風美女だろう。
商人会の会長だから知的な印象がある、だがまさかの人に近い上に美女なんで驚きだ。てっきりトカゲの姿だろうと思っていた。
そう思っていると水髪美女が挨拶をする。
「皆様はじめまして、わたくしはアリオン・ミルフィオリと申します。さっそくですがアレス様を連れてきたと聞きましたが……どなたですか?」
アリオンと名乗った美女は、俺の名前を言いながらカイン様に問い詰める。
その視線は獲物が狙う瞳になっていて、詰められてない俺も少しだけ緊張してしまう。だけど
しかしカイン様は至近距離に問い詰められても、冷静に俺に指さして言う。
「会長殿が望んでいる人は、うちの妹の隣にいるぞ」
「ふむ……」
アリオンはそう呟くと、俺の方を向いて近づいて顔を近づける。
「それで? あなたがアレス様ならどうして行方不明になったか教えてくださる?」
俺は少しキョドルが、今まで起きた事をすべて話す。
するとアリオンは怪訝そうに見る。マァ、それもそうだよな。偽冒険者に捕まって奴隷にされたとか、その後は旦那様に代われて生き延びた~なんていきなり信じられないよな。
なんて思っているとアリオンは噂で聞いた質問を言う、俺はその質問を答える。
「さっそく質問ですが、呼びかけに書かれた銃の種類と名前を言いなさい」
「回転式拳銃〈ニューナンブM60〉と突撃銃〈M4カービン〉です」
「正解です、種類と名前を知っているのは予測しております、次はこの二丁の材料と開発方法は?」
「魔鉄鉛《メティス》でそれぞれのパーツで分けて組み立てます」
「正解です……なら回転式拳銃の装填方法を答えなさい」
「回転弾倉に弾丸を装填して、撃鉄を下ろして引き金を引く、ですよね?」
「……正解です」
よしっ! アリオンは気付いていないが、俺が製作者だから答えれるし、そもそも軍オタやシューティングゲーマーならお茶の子さいさいだ。
そう思っているとアリオンは机の上に〈ニューナンブM60〉と〈M4カービン〉を置いて最後の質問をする。
「最後の質問ですわ。先ほど置いた〈ニューナンブM60〉と〈M4カービン〉を観察して不良点を詳しく言いなさい。不良点を当てたら認めます」
「分かりました」
答えながらさっそく観察して不良点を探す。
▲▽▲▽▲▽
アリオンは執事服を着た青年に対し、ほくそ笑んでいた。
(フフ……こんなこともあろうかと鍛冶屋に偽物を作るようにしておいて正解でしたわ!)
机の上に置いたのは形を真似ただけ偽物で、先ほどの質問を調べてきた時の保険として考えたが、まさかここまで効果があるとは思いもしなかった。
この青年も絶対慌てるはず……。アリオンはそう思いながら見て、青年はテキパキと観察してから質問する。
さぁ、一体どんな反応をするだろう……。しかしアリオンの考えとは真逆の質問をする。
「あの? 失礼かもしれませんがこれ偽物ですよ?」
「……ほぇ?」
アリオンは青年が言った事を理解できずに変な声を出す、しかし青年は観察した銃の不良点を彼女に伝える。
「回転弾倉の取り外し部分がくっ付いていますし、引き金が弾倉に引っかかって全然使い物になりませんよ? もしかして偽物を渡されたかもしれませんよ?」
「ッ――」
あまりの的確っぷりにアリオンは感嘆のあまりに声を失っていた。
アリオンは驚きに声を出せずにいた、だが声を震わせて青年に聞く。
「も、もしかしてアレス様ですか……?」
「エッ? そうですが?」
青年はそう答える、するとアリオンが大粒の涙を流して叫ぶ。
「アレス様ー!」
アリオンは叫びながらアレスに抱きつく、レノンやカインはもちろん、当の本人であるアレスも驚いて叫ぶ。
「「エェェェ!?」」
そして叫び声が屋敷中に響く。
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