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50 宮島到着
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▫︎◇▫︎
「はわわっ、鹿さんいっぱい!!」
しばらくして、動けるようになった心菜は宮島にてとてもはしゃいでいた。厳島神社への参拝への道のりで出会うたくさんの鹿に、テンションが上がりまくり、ふらふらと歩いていこうとしては、立花と優奈、そして有栖川に手や服を掴まれて列に戻るということを繰り返している。
「あぁーあぁー、動物好きの久遠をここに連れてきちゃやっぱりやばすぎんだろ」
「おいおい、かと言って置いてけねーだろ、有栖川」
疲れ切った口調の立花と有栖川を無視し、心菜と優奈は思い思いに動物を観察する。
「まあそうだけど………、もう1匹、動物好きが浮き足立ってんのに、どうすんだよ、この現状」
「どうにもなんねぇな」
諦めたような声に、優奈はクスッと笑って一応心菜が遠くに行かないように気を配る。迷子にならない範囲なら、多少順路を離れても構わないというのが、優奈の考えなようだ。
「ふふふっ、可愛い、可愛すぎるっ!!」
「そうだね。可愛い………」
「ねー」
テンションが高い心菜を、優奈は思い思いに愛でる。
「こら、久遠。そろそろいくぞ。高梨ももう時間だって分かってんだろ」
「「うぐっ、」」
あからさまに心菜と優奈はイヤそうな顔をするが、集団行動を学ぶ修学旅行に相応しい行動を取ることこそが大事だと分かっている心菜は、優奈の手を引いて男子組がいる方へと向かう。
「門川、あんまり話してないけれど、楽しんでる?」
「ん?あぁ、楽しんでいますよ。この鹿がどこから来たのか気になっただけで………」
「………それはご先祖さまに聞いてください」
勉強熱心で謎を解くのが大好きな門川に、心菜は苦笑して答えのない問いに答える。
(って、いうか、門川のせいで私も気になってきちゃった)
心菜はむうっと一瞬口元をすぼませたあと、厳島神社に向かって歩き出した。幸い、優奈とずっと手を繋いでいたこともあって、途中で遭難するという事態には陥らなかった。妙に安心して到着してすぐに気が抜けてしまった心菜を、男子組がからかって、神さまの御前で優奈が『メスゴリラ』のあだ名に相応しい行いをしてしまったのは、また別のお話だ。
(もう、私はからかわれ慣れているから、このくらいなら大丈夫なのに………)
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「はわわっ、鹿さんいっぱい!!」
しばらくして、動けるようになった心菜は宮島にてとてもはしゃいでいた。厳島神社への参拝への道のりで出会うたくさんの鹿に、テンションが上がりまくり、ふらふらと歩いていこうとしては、立花と優奈、そして有栖川に手や服を掴まれて列に戻るということを繰り返している。
「あぁーあぁー、動物好きの久遠をここに連れてきちゃやっぱりやばすぎんだろ」
「おいおい、かと言って置いてけねーだろ、有栖川」
疲れ切った口調の立花と有栖川を無視し、心菜と優奈は思い思いに動物を観察する。
「まあそうだけど………、もう1匹、動物好きが浮き足立ってんのに、どうすんだよ、この現状」
「どうにもなんねぇな」
諦めたような声に、優奈はクスッと笑って一応心菜が遠くに行かないように気を配る。迷子にならない範囲なら、多少順路を離れても構わないというのが、優奈の考えなようだ。
「ふふふっ、可愛い、可愛すぎるっ!!」
「そうだね。可愛い………」
「ねー」
テンションが高い心菜を、優奈は思い思いに愛でる。
「こら、久遠。そろそろいくぞ。高梨ももう時間だって分かってんだろ」
「「うぐっ、」」
あからさまに心菜と優奈はイヤそうな顔をするが、集団行動を学ぶ修学旅行に相応しい行動を取ることこそが大事だと分かっている心菜は、優奈の手を引いて男子組がいる方へと向かう。
「門川、あんまり話してないけれど、楽しんでる?」
「ん?あぁ、楽しんでいますよ。この鹿がどこから来たのか気になっただけで………」
「………それはご先祖さまに聞いてください」
勉強熱心で謎を解くのが大好きな門川に、心菜は苦笑して答えのない問いに答える。
(って、いうか、門川のせいで私も気になってきちゃった)
心菜はむうっと一瞬口元をすぼませたあと、厳島神社に向かって歩き出した。幸い、優奈とずっと手を繋いでいたこともあって、途中で遭難するという事態には陥らなかった。妙に安心して到着してすぐに気が抜けてしまった心菜を、男子組がからかって、神さまの御前で優奈が『メスゴリラ』のあだ名に相応しい行いをしてしまったのは、また別のお話だ。
(もう、私はからかわれ慣れているから、このくらいなら大丈夫なのに………)
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