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91 お勉強会宣言

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 にこっと笑った優奈は、掛け声と共に、心菜のほっぺたをむぎゅぎゅっと引っ張った。

「ふぎゃにゃっ!!ふーにゃにゃん、いにゃい!!」
「あはは!!可愛い!!もっちもちだー!!」
「ふーにゃにゃん!!」

 心菜が殺気のこもった表情に少しだけ低い声を出すと、優奈は慌てて心菜の頬から手を離した。心菜の逆鱗に振り続けていられるほど、優奈の肝は座っていないらしい。心菜は話してもらったほっぺたをさすさすと撫でながら、きっ!!と優奈へと厳しい視線を向ける。

「………中間試験、覚えておくことね。上位ランクに入れるぐらい、みっちりしごいてあげるわ」
「ひえっ、」

 中学3年生の2学期中間試験、優奈のテスト勉強が心菜によって地獄なものになるということが、本格的に決定してしまった瞬間だった。
 まあ、実質のところはこの件がなくても、心菜は優奈のことをしごく気満々だったわけだが。流石に、志望校の入学偏差値に入るレベルにはお勉強に付き合う気だったのだ。というか、お勉強させる気だったのだ。

「あーあ、高梨がやーらかーした」
「ふふふっ、有栖川もお勉強会したい?」
「ひょえっ、」

 お口チャックが1番の逃げ道だと言うことをずっと前に学んでいながら、有栖川は毎度余計なことを言って濃いによる地獄レッスンを受けることとなるのだった。

 中間テスト、それが終われば文化祭がやってくる。

 心菜は行事のたくさん待っている中学生最後の2学期を、文武両道でめいいっぱい楽しもうと決意し、そしてやるからには徹底的にやりきろうと決めた。心菜のクラスは、これから完璧主義者な心菜に引っ張られる。そしてその過程でたくさんの喧嘩やすれ違い、嫌がらせ等が多発する。だがそれでも、クラスメイトたちは皆最後には一致団結し、全ての行事で笑顔の花を満開に咲かせる。
 だが、それをこの心菜が所属する3年2組の生徒たちが知るのはもっともっと先のことのようで、近い未来のことなのだった。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

次は運動会の打ち上げを書いて、そのあと2学期中間テストについてになりますかね。
なんというか、最後の方が書いていて完結っぽくなってしまって作者が、あれ?なぜ?🤔となる羽目となりました。プロットを作ってやっているはずなのにも関わらず、心菜たちは結構予想外の行動してくるんですよね~。心菜ちゃんはこれからも結構自由気ままに行動しちゃう気がします。本当は10万字完結の予定だったのですが、20万字くらいになりそうです💦
以上、作者が気まぐれで書いた蛇足でした!!

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