小さな別れは、淡く儚い恋を呼ぶ

桐生桜月姫

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128 心菜は楽しむために歩き出す

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▫︎◇▫︎

「はあー。………思い出すと、これ以上ないほどに、ものすっごくムカつくね。私、私と立花は悪くないと思う」
「………先生に聞かれたらやばいぞ。まあ、………そういう俺も同感だけど」
「でしょう?だって、監督のしようもなかったのだもの」

 心菜と立花の注意や言い聞かせたことを聞かずに、心菜たち2人が休みなのをいいことに勝手にやってはいけないこと行った奴らが悪いというのは正真正銘の事実だ。けれど、そんなことが通用しないことは重々承知なため、心菜たちは結果的に頭を下げまくって、これでもかというほどにところ構わず色々なところで謝り続けた。腰が痛くなったのは、言うまでもない。

「まあ、それもこれも嫌なことは全て忘れて、中学校生活最後の文化祭を全力で楽しもうぜ!!俺らはあいつらの後始末をやったっていう理由だけで、当番全外しだし」
「………それもそうね」

 とんっと椅子から立ち上がって手を差し出してきた立花の手を取って、心菜は緩慢な仕草で立ち上がった。ここ数日また疲れることをやらされてしまったせいで、心菜の体調は絶賛最悪状態中なのだ。けれど、中学校生活最後の文化祭にどうしても参加したかった心菜は、そんな体調不良をそこそこ上手に隠して学校に登校し、文化祭に参加していた。

「1番手に係が当たっているゆーなちゃんたちとの合流まで、一緒に回ろっか」
「おう」

 手を繋ぐという恋人同士のような距離感。けれど、友人以上恋人未満の関係を持ち続けている2人は、お上りさんと化してしまっている、わくわく心菜の手首を羽目を外さない程度にご機嫌な立花が掴んでいるという、本人たちは全く気がついていなくとも、傍目から見ればとても歪な関係で中学校生活最後の波乱いっぱいの文化祭を、ゆっくりとした仕草で回り始めた。

「おっ、また夫婦が一緒に歩いてるぞ」
「………まあ、ほっとこうぜ。こういうのは、見てるから悲しくなるんだ」
「そうだな。あぁー!!リア充爆発しろおおおぉぉぉぉ!!」

 こんな声が上がっているということにも一切気が付かずに。

▫︎◇▫︎

********************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

るんるん🎶
学祭!青春!!
もっとイチャコラ書きたいです!!

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