上 下
8 / 42

8 眠れる獅子は目覚めた

しおりを挟む
「みーちゃん、流石にこれはやりすぎじゃないかな?」
「そんなことないわよ。これくらいしなくちゃ、王族が侮辱されるのは異常事態だってことを愚か者たちに知らしめられないわ。ふふふっ、それにね、わたくし怒っているの。だからね、例え泣いて喚いたって許してあげない」
「あぁー、あぁー、なんてことだ。誰がこの、眠れる獅子を起こすなんて暴挙をしてしまったんだ………」

 額を抑えてうずくまった王太子ルイボスに、ミルフィーユはニコニコと笑った。今までは侯爵夫人の言う通りに大人しくしおらしく、美しいご令嬢を演じていたが、もうその必要はない。よって、ミルフィーユは暴走し放題なのだ。

「みーちゃん、………こんな時だけど、僕の小さい頃からの夢を叶えていい?」

 うずくまったまま顔を覗かせて真っ赤な顔で頼んできたルイボスに、ミルフィーユはキョトンと首を傾げた。なぜ絶対王政を引いているこの国で、王族が他人に許可を取るのだろうか。
 ミルフィーユは必死になって頭を回転させて、1つの答えへと行き着いた。

「? ………あ、そう言うことね!いいわよ!!」
(貴族への罵倒をやってみたかっただなんて、品性方向なルー君らしくないけれど、たまには暴れてもいいと思うのよね!!これでちょっとでも、ルー君のストレスが減ったらいいのだけれど………)
「!? いいの!?本当に!?」

 きらきらとした髪を揺らして、爛々と顔を輝かせるルイボスに、ミルフィーユはこくんと優しい表情で頷いた。

「えぇ」
(無能はちゃーんと心をバッキバキに折って、ゴミ箱に捨てておかないといけないしね)

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

窓側の指定席

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:2,087pt お気に入り:13

行き倒れイケメン拾いました

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:24

二番煎じな俺を殴りたいんだが、手を貸してくれ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:482pt お気に入り:0

ポイズンしか使えない俺が単身魔族の国に乗り込む話

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:319pt お気に入り:8

妖精のいたずら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,137pt お気に入り:393

アンバー・カレッジ奇譚

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:142pt お気に入り:0

【完結】人生2回目の少女は、年上騎士団長から逃げられない

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,363pt お気に入り:1,133

男女比崩壊世界で逆ハーレムを

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:589pt お気に入り:348

1人の男と魔女3人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:369pt お気に入り:1

処理中です...