2 / 160
2 いじめ開始!
わたくしは初日早々いじめっ子を発揮することにした。
思い立ったが吉日、お母さまと義弟に割り当てられた部屋にとある品物を持って訪れた。
なんとわたくしは、お母さまにわたくしの大の苦手な干し葡萄をたっくさん差し上げたの。ついでに、心底気に入らない危険な義弟たるライアンにもね。
「まあ!干し葡萄!!ありがとうございます、ディア!!」
「………………」
なのに!お母さまもライアンもとっても嬉しそうな顔をしているし、ライアンに至ってはきらきらとした目によって、無表情がちょっとだけ崩れてしまっている。
「………どういたしましてですわ。お茶をお楽しみくださいませ」
メイドにお茶を淹れるように指示すると、わたくしはピンク色の可愛らしい自室へと戻った。
「………どうしてなのっ、」
「ふふふっ、」
「メアリー」
わたくしの侍女が、わたくしの隣でお茶を淹れながら楽しそうに笑った。
「だから言ったでしょう?干し葡萄は嫌がらせにならないって。ま、お嬢さまに嫌がらせは無理ですよ。さっさと諦めて仲良くなさってはどうです?」
「嫌よ。わたくしは、………1番なんだから」
メアリーは悲しそうに笑った。彼女は元々お母さまの侍女だった。お母さまが死んだ後、ずっとわたくしの面倒を見ていた彼女は、わたくしの思っていることなんてお見通しなのだ。
でも、わたくしは1番でなくてはならない。お母さまを殺してしまったのだから。わたくしにはお母さまが死んでしまった分まで強くなくてはいけないのだから。
「メアリー、虫を用意しておいて。ちょっと前に見た大きな黒いヤツよ」
「断言します。それも失敗します」
「嘘よっ!だって貴族はみんな虫が嫌いだものっ!!ちゃっちゃと用意して!」
「はいはい」
メアリーはお菓子をわたくしの前に置くと、スタスタと室外に去っていった。これで計画は完璧だ。虫が手に入り次第、お義母さまとライアンにあの黒くておっきな虫をくっつけるのだ。
そしたら、嫌がって逃げてくれるだろう。偽りのお義母さまに情を抱かないで済む。わたくしにはお母さまは要らないのだ。
ーーーだってわたくしは母親殺しの疫病神だから。
わたくしは冷たくなった紅茶で喉を潤した。美味しいはずの最高級の紅茶は鉛のようにぬめりとしていて重たかった。
「………………美味しくない………」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
次の更新は15時です。
思い立ったが吉日、お母さまと義弟に割り当てられた部屋にとある品物を持って訪れた。
なんとわたくしは、お母さまにわたくしの大の苦手な干し葡萄をたっくさん差し上げたの。ついでに、心底気に入らない危険な義弟たるライアンにもね。
「まあ!干し葡萄!!ありがとうございます、ディア!!」
「………………」
なのに!お母さまもライアンもとっても嬉しそうな顔をしているし、ライアンに至ってはきらきらとした目によって、無表情がちょっとだけ崩れてしまっている。
「………どういたしましてですわ。お茶をお楽しみくださいませ」
メイドにお茶を淹れるように指示すると、わたくしはピンク色の可愛らしい自室へと戻った。
「………どうしてなのっ、」
「ふふふっ、」
「メアリー」
わたくしの侍女が、わたくしの隣でお茶を淹れながら楽しそうに笑った。
「だから言ったでしょう?干し葡萄は嫌がらせにならないって。ま、お嬢さまに嫌がらせは無理ですよ。さっさと諦めて仲良くなさってはどうです?」
「嫌よ。わたくしは、………1番なんだから」
メアリーは悲しそうに笑った。彼女は元々お母さまの侍女だった。お母さまが死んだ後、ずっとわたくしの面倒を見ていた彼女は、わたくしの思っていることなんてお見通しなのだ。
でも、わたくしは1番でなくてはならない。お母さまを殺してしまったのだから。わたくしにはお母さまが死んでしまった分まで強くなくてはいけないのだから。
「メアリー、虫を用意しておいて。ちょっと前に見た大きな黒いヤツよ」
「断言します。それも失敗します」
「嘘よっ!だって貴族はみんな虫が嫌いだものっ!!ちゃっちゃと用意して!」
「はいはい」
メアリーはお菓子をわたくしの前に置くと、スタスタと室外に去っていった。これで計画は完璧だ。虫が手に入り次第、お義母さまとライアンにあの黒くておっきな虫をくっつけるのだ。
そしたら、嫌がって逃げてくれるだろう。偽りのお義母さまに情を抱かないで済む。わたくしにはお母さまは要らないのだ。
ーーーだってわたくしは母親殺しの疫病神だから。
わたくしは冷たくなった紅茶で喉を潤した。美味しいはずの最高級の紅茶は鉛のようにぬめりとしていて重たかった。
「………………美味しくない………」
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
次の更新は15時です。
あなたにおすすめの小説
幼馴染みが描いた悪役令嬢ものの世界に「メイド」として転生したので、6年後の断罪イベントをどうにか回避したい
ゆずまめ鯉
恋愛
通勤途中、猫好きではないのに轢かれそうな黒猫をうっかり助けてしまい、死んでしまった主人公──水縞あいり(26)
鳥の囀りで目を覚ますとそこは天国……ではなく知らない天井だった。
狭い個室にはメイド服がかかっている。
とりあえず着替えて備えつけの鏡を見ると、そこには十代前半くらいの子どもの姿があった。
「この顔……どこか見覚えが……」
幼馴染みで漫画家、ミツルギサイチ(御剣才知)が描く、人気漫画「悪役令嬢が断罪されるまで」の登場人物だということに気がつく。
名前はミレア・ホルダー(本名はミレア・ウィン・ティルベリー)
没落貴族の令嬢で、現在、仕えているフランドル侯爵によって領地と洋館を奪われ、復讐のために、フランドル侯爵の長女イザベラが悪役令嬢になるのを止めず、むしろ後押しして見事断罪されてしまうキャラだった。
原作は未完だが、相談を受けていたのでどういう結末を迎えるのか知っている。
「二期アニメもまだ見てないし、どうせ転生するなら村人Aとかヒロインの母親がよかった……!!」
幼馴染みの描く世界に転生してしまった水縞あいり=ミレアが、フランドル侯爵家で断罪回避するべく、イザベラをどうにかお淑やかな女性になるように導いている途中。
病弱で原作だと生死不明になる、イザベラの腹違いの兄エミールに、協力してもらっているうちに求愛されていることに気づいてしまい──。
エミール・ディ・フランドル(20)×ミレア・ウィン・ティルベリー(18)
全30話の予定で現在、執筆中です。2月下旬に完結予定です。
タイトルや内容が変更になる場合もあります。ご了承ください。
婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~
白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」
枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。
土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。
「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」
あなた誰!?
やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!
虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。
王宮の万能メイド、偏屈魔術師を餌付けする
葉山あおい
恋愛
王宮で働く勤続八年のメイド、エレナ・フォスター。仕事は完璧だが愛想がない彼女は、いつしか「鉄の女」と呼ばれ恐れられていた。
そんな彼女に下された辞令は、王宮の敷地内にありながら「魔窟」と呼ばれる『北の塔』の専属メイドになること。そこの主である宮廷魔術師団長・シルヴィス・クローデルは、稀代の天才ながら極度の人嫌い&生活能力ゼロの偏屈男だった!
ゴミ屋敷と化した塔をピカピカに掃除し、栄養失調寸前の彼に絶品の手料理を振る舞うエレナ。黄金色のオムレツ、とろける煮込みハンバーグ、特製カツサンド……。美味しいご飯で餌付けされた魔術師様は、次第にエレナへの独占欲を露わにし始めて――?
意地悪な聖女や侯爵夫人のいびりも、完璧なスキルで華麗に返り討ち。平民出身のメイドが、身分差を乗り越えて幸せな花嫁になるまでの、美味しくて甘いシンデレラストーリー。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
王子好きすぎ拗らせ転生悪役令嬢は、王子の溺愛に気づかない
エヌ
恋愛
私の前世の記憶によると、どうやら私は悪役令嬢ポジションにいるらしい
最後はもしかしたら全財産を失ってどこかに飛ばされるかもしれない。
でも大好きな王子には、幸せになってほしいと思う。