1 / 160
1 出会い
しおりを挟む
わたくし、クラウディア・ローズバード8歳の前に、唐突に天敵がやってきた。
その天敵は筆舌し難いほどにとっても美しい無表情な子だった。
わたくしとは正反対の冷たい色彩の子だった。
明るい夜空を垂れ流したかのような藍色の髪に、凍てつく氷のような冷たい水色の瞳。
年齢不相応だといつも言われているわたくしからしても、とても不気味な子だった。
「これからよろしくお願いいたします、義姉上」
「…………」
そして、最初の挨拶だけで伝わってくるくらいの年齢にそぐわぬ冷静さと賢さ、そして冷徹さを持っていた。
わたくしは、ローズバード公爵家の1人娘として母親の命と引き換えに生まれてきた。
自分で言うのもなんだが、亡き母そっくりの美しい容姿に、父と同じ薔薇のように鮮やかな真紅の髪に、燃え盛るような少しだけ淡いルビーの瞳。そして、他の子供たちよりも優れた魔力。完璧とはまさに自分のことだと幼い頃から思っていた。否、完璧でないといけないと言い聞かせてきた。
清く正しく美しく、そして優しく、それがわたくしの信念だ。
「よろしくお願いします、クラウディアさま」
「…………」
「く、クラウディアさま?」
「………ディアと呼んでくださいまし、お義母さま」
だけど、だからこそ、この女とこの子供は危険だと心の中のわたくしが叫んでいた。低姿勢な女からも、賢さが滲み出ていたからだ。
盗られる!!
本能が悟って恐怖を覚える。でも、わたくしは真っ直ぐ前を見ないといけない。だってわたくしがこの公爵家の跡を継ぐから。継がないといけないから。
わたくしはにっこりと微笑みを浮かべる。周りの人間がわたくしを年齢不相応だと言う所以たる大人びた表情だ。
「良い子だ、ディア。エミリア、これからお前は公爵家の一員になる。そういう風にかしこまってしまうと、周りに要らぬ詮索をされる可能性がある。出来るだけ対等に接してくれ」
「承知いたしましたわ、旦那さま。そして、これからよろしくお願いします、ディア」
お義母さまは未亡人らしい。早くに夫を亡くした遠縁の伯爵夫人だと聞いている。息子ともども命を狙われ、危険なところをわたくしのお父さまが保護したらしい。お父さまは良い人すぎるのだ。
「えぇ、よろしくお願いいたしますわ」
わたくしはお義母さまと義弟を追い出すために動き出すことを決心した。
そう、物語によく出る意地悪な人間になってやるのだ!
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
最後までお楽しみくださいませ♪
次の更新は9時です。
その天敵は筆舌し難いほどにとっても美しい無表情な子だった。
わたくしとは正反対の冷たい色彩の子だった。
明るい夜空を垂れ流したかのような藍色の髪に、凍てつく氷のような冷たい水色の瞳。
年齢不相応だといつも言われているわたくしからしても、とても不気味な子だった。
「これからよろしくお願いいたします、義姉上」
「…………」
そして、最初の挨拶だけで伝わってくるくらいの年齢にそぐわぬ冷静さと賢さ、そして冷徹さを持っていた。
わたくしは、ローズバード公爵家の1人娘として母親の命と引き換えに生まれてきた。
自分で言うのもなんだが、亡き母そっくりの美しい容姿に、父と同じ薔薇のように鮮やかな真紅の髪に、燃え盛るような少しだけ淡いルビーの瞳。そして、他の子供たちよりも優れた魔力。完璧とはまさに自分のことだと幼い頃から思っていた。否、完璧でないといけないと言い聞かせてきた。
清く正しく美しく、そして優しく、それがわたくしの信念だ。
「よろしくお願いします、クラウディアさま」
「…………」
「く、クラウディアさま?」
「………ディアと呼んでくださいまし、お義母さま」
だけど、だからこそ、この女とこの子供は危険だと心の中のわたくしが叫んでいた。低姿勢な女からも、賢さが滲み出ていたからだ。
盗られる!!
本能が悟って恐怖を覚える。でも、わたくしは真っ直ぐ前を見ないといけない。だってわたくしがこの公爵家の跡を継ぐから。継がないといけないから。
わたくしはにっこりと微笑みを浮かべる。周りの人間がわたくしを年齢不相応だと言う所以たる大人びた表情だ。
「良い子だ、ディア。エミリア、これからお前は公爵家の一員になる。そういう風にかしこまってしまうと、周りに要らぬ詮索をされる可能性がある。出来るだけ対等に接してくれ」
「承知いたしましたわ、旦那さま。そして、これからよろしくお願いします、ディア」
お義母さまは未亡人らしい。早くに夫を亡くした遠縁の伯爵夫人だと聞いている。息子ともども命を狙われ、危険なところをわたくしのお父さまが保護したらしい。お父さまは良い人すぎるのだ。
「えぇ、よろしくお願いいたしますわ」
わたくしはお義母さまと義弟を追い出すために動き出すことを決心した。
そう、物語によく出る意地悪な人間になってやるのだ!
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
最後までお楽しみくださいませ♪
次の更新は9時です。
181
あなたにおすすめの小説
【電子書籍化・1月末削除予定】余命一カ月の魔法使いは我儘に生きる
大森 樹
恋愛
【本編完結、番外編追加しています】
多くの方にお読みいただき感謝申し上げます。
感想たくさんいただき感謝致します。全て大切に読ませていただいております。
残念ですが、この度電子書籍化に伴い規約に基づき2026年1月末削除予定です。
よろしくお願いいたします。
-----------------------------------------------------------
大魔法使いエルヴィは、最大の敵である魔女を倒した。
「お前は死の恐怖に怯えながら、この一カ月無様に生きるといい」
死に際に魔女から呪いをかけられたエルヴィは、自分の余命が一カ月しかないことを知る。
国王陛下から命を賭して魔女討伐をした褒美に『どんな我儘でも叶える』と言われたが……エルヴィのお願いはとんでもないことだった!?
「ユリウス・ラハティ様と恋人になりたいです!」
エルヴィは二十歳近く年上の騎士団長ユリウスにまさかの公開告白をしたが、彼は亡き妻を想い独身を貫いていた。しかし、王命により二人は強制的に一緒に暮らすことになって……
常識が通じない真っ直ぐな魔法使いエルヴィ×常識的で大人な騎士団長のユリウスの期間限定(?)のラブストーリーです。
※どんな形であれハッピーエンドになります。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】財務大臣が『経済の話だけ』と毎日訪ねてきます。婚約破棄後、前世の経営知識で辺境を改革したら、こんな溺愛が始まりました
チャビューヘ
恋愛
三度目の婚約破棄で、ようやく自由を手に入れた。
王太子から「冷酷で心がない」と糾弾され、大広間で婚約を破棄されたエリナ。しかし彼女は泣かない。なぜなら、これは三度目のループだから。前世は過労死した41歳の経営コンサル。一周目は泣き崩れ、二周目は慌てふためいた。でも三周目の今回は違う。「ありがとうございます、殿下。これで自由になれます」──優雅に微笑み、誰も予想しない行動に出る。
エリナが選んだのは、誰も欲しがらない辺境の荒れ地。人口わずか4500人、干ばつで荒廃した最悪の土地を、金貨100枚で買い取った。貴族たちは嘲笑う。「追放された令嬢が、荒れ地で野垂れ死にするだけだ」と。
だが、彼らは知らない。エリナが前世で培った、経営コンサルタントとしての圧倒的な知識を。三圃式農業、ブランド戦略、人材採用術、物流システム──現代日本の経営ノウハウを、中世ファンタジー世界で全力展開。わずか半年で領地は緑に変わり、住民たちは希望を取り戻す。一年後には人口は倍増、財政は奇跡の黒字化。「辺境の奇跡」として王国中で噂になり始めた。
そして現れたのが、王国一の冷徹さで知られる財務大臣、カイル・ヴェルナー。氷のような視線、容赦ない数字の追及。貴族たちが震え上がる彼が、なぜか月に一度の「定期視察」を提案してくる。そして月一が週一になり、やがて──「経済政策の話がしたいだけです」という言い訳とともに、毎日のように訪ねてくるようになった。
夜遅くまで経済理論を語り合い、気づけば星空の下で二人きり。「あなたは、何者なんだ」と問う彼の瞳には、もはや氷の冷たさはない。部下たちは囁く。「閣下、またフェルゼン領ですか」。本人は「重要案件だ」と言い張るが、その頬は微かに赤い。
一方、エリナを捨てた元婚約者の王太子リオンは、彼女の成功を知って後悔に苛まれる。「俺は…取り返しのつかないことを」。かつてエリナを馬鹿にした貴族たちも掌を返し、継母は「戻ってきて」と懇願する。だがエリナは冷静に微笑むだけ。「もう、過去のことです」。ざまあみろ、ではなく──もっと前を向いている。
知的で戦略的な領地経営。冷徹な財務大臣の不器用な溺愛。そして、自分を捨てた者たちへの圧倒的な「ざまぁ」。三周目だからこそ完璧に描ける、逆転と成功の物語。
経済政策で国を変え、本物の愛を見つける──これは、消去法で選ばれただけの婚約者が、自らの知恵と努力で勝ち取った、最高の人生逆転ストーリー。
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる