《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?

桐生桜月姫

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8 朝食

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 わたくしとライアンがお義母さまのお部屋に到着すると、お義母さまのお部屋はある意味大変なことになっていた。そう、わたくしの注文通り豪勢なご飯でいっぱいになってしまっていたのだ。
 1時間30分でよくここまでしてくれたものだ。厨房にちゃんとお礼に行かねばいけないわね。高級店のお菓子なんかが嬉しいかしら?最近料理長の娘さんが食べてみたいって駄々をこねたって言っていたからね。
 わたくしが思考を巡らせていると、隣から唾を飲み込む音がした。年齢不相応に小さい、わたくしのちょうど1ヶ月後に生まれたという義弟からだ。

「こ、これが朝食………!!」
「ーーーそんなにお腹が空いていたの?」

 ライアンはわたくしの質問に答えることなく、ふらふらと夢見心地のような紅潮した表情で、食事の席についた。よくよく見ると、お義母さまも目がきらきらとしている。虐げられてきたという噂は聞いていたが、ここまでだとは思ってもみなかった。

「………メアリー、明日から胃に優しく、栄養価の高い食材を取り寄せるようにセバスに伝えておいて」

 わたくしはふと思ったことを口にした。すると、今まで食事をきらきらとした目で見つめていた親子が、唐突にこちらを向いた。お義母さまは穏やかな嬉しそうな表情、ライアンは変な生き物を見るかのようなびっくりした表情だ。彼はわたくしをなんだと思っているのだろうか。

「食事にしましょう。冷めてしまっては不味くなりますわ」

 わたくしがそう言って席に着くと、お義母さまが未だに固まっているライアンに向けて咳払いをした。ライアンはびくりと身体を揺らし、食事の方に居心地悪く視線を向けた。彼は本当にわたくしのことをなんと思っていたのやら。

「あ、あの、ディア」
「お義母さまがご挨拶くださいまし」
「え?」
「早く。言ったでしょう?冷めると食事が不味くなると」

 わたくしはパン派だし、中でもバターたっぷりの香ばしいクロワッサンしか朝食に食べないから関係ないが、お義母さまやライアンに用意されているお皿はほかほかのお肉や揚げ物を筆頭とした温かい食べ物だ。断然あったかいうちに食べた方が美味しいに決まっている。

「ほら、さっさとしてくださいまし」
「い、いただきます」
「いただきますわ」
「………いただきます」

 それぞれの食事に手をつけたわたくしたちに、使用人たちは困ったような微笑みを浮かべていた。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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