《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?

桐生桜月姫

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続編

8 脳筋令嬢のお出まし

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「うぎゃにゃっ!」

 令嬢らしからぬ図太い悲鳴を上げたティアラローズさまに、にっこりと『怖い』と言われる笑みを浮かべて見せると、途端に彼女は顔を真っ青にしてぷるぷると震え始めた。王侯貴族たるもの、常に表情と感情を制御しろというのは、幼少の頃から親に叩き込まれることだと思うのですが、ティアラローズさまはそれがきっちりと備わっていないようだ。わたくし、ちゃーんとお世話と同時にをしなくてはならないようね。

「あらあら、ティアラローズさま、いかがなさったの?」
「い、いえ、な、何も?」
「そう?顔色が真っ青よ。でも、先生がもうすぐで来てしまうから、保健室には行けないわね。ほらほら、席につきましょう」
「は、はぃ………」

 ふらふらとした足取りのティアラローズさまは、王太子殿下に支えられて席についた。自由席だということだが、ティアラローズさまと王太子殿下は基本同じ行動をとるようにするようだ。ティアラローズさまのお守り係たるわたくしも、王太子殿下が一時でも面倒をみてくださるのなら助かるから文句は言わないが、なんというか、王太子殿下の不服具合には物申したい。

 どんっ、

 背中に強う衝撃が走ってわたくしは一瞬よろけてしまう。不機嫌な思いで後ろを睨みつけると、そこにはわたくしの天敵たる公爵家のご令嬢、、レジーナ・リリーバードがいた。

「あらまあ、ご機嫌よう。レジーナさま。相も変わらず不機嫌な青いお目々がお可愛らしいことで」
「まあ、ありがとう存じますわ、クラウディアさま。あなたも、今日も王族にお尻を振っている女狐なようで何よりですわ。あたくし、そんなに王族の方に媚びを売るなんて上手なこと、できませんもの。尊敬に値いたしますわ」
「あら、お上手ですわね。いつもは猪突猛進な猪のように直線的ですのに」
「なんですってー!!もうこうなったら決闘よ!!さっさと武器を構えなさい!!」

 きいぃー!!と癇癪を起こしたレジーナさまは、わたくしの顔面に手袋を投げつけてきた。まあ、わたくしのお顔に当たる前に魔法で燃やして差し上げたけど。

「なっ、あたくしの手袋になんてことをっ!!クリスティーナちゃん547号っ、あぁ、可哀想に。こんな無惨な灰になってしまうなんてっ!!」

 燃えた手袋の前に膝をついて手袋の灰を見つめたレジーナさまは、きっ!とわたくしを睨みつけてきた。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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