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続編
30 わたくしの侍女は………
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▫︎◇▫︎
帰宅後、わたくしは今盛大に悩み込んでいた。そう、ライアンとお義母さまへの『いじめ大作戦』の内容についてだ。
「ねえメアリー、何かいい案ないかしら?」
「………言っておきますけれど、クラウディアお嬢さまほどにこの世にいじめを苦手とする人は存在していないかと存じます」
「むうっ、それでもよ!!元王女の頭をキリッと働かせてちゃっちゃといい案出してちょうだい」
わたくしの侍女メアリーこと、元王女、マーガレット・クロスハートが王女だと分かったのは今から4年前の出来事だ。
▫︎◇▫︎
4年前のある日、わたくしは王城に出向いていた。
当時のわたくしは一応王太子殿下の筆頭婚約者候補で、その日は王太子殿下へご挨拶に行かなくてはならなかったのだ。
「ねえメアリー、今日のあなたとっても変よ?どうしたの?」
「いえ、その………。とても、懐かしい気がするのです」
「懐かしい?」
王城に侍女として連れ込んだメアリーは、キョロキョロしながらしきりに首を傾げていた。そして、えいっと言いながら唐突に壁を押したのだ。
がこっ、
嫌な音共に、わたくしは地下室に続く転移門を通じて地下室に転移した。明らかに、今彼女が押した壁の一部は王家のみが知る有事の時専用の隠し通路の脱出ボタンというやつだ。
わたくしの背中に嫌な汗がたらたら流れる。当然の流れだ。というか、何故メアリーが隠し通路の緊急脱出ボタンの位置を知っているのかというのも、ものすごく大きな謎だ。
だが、今はこの空間からの脱出が最優先事項だ。わたくしは、うーんと考え込んでいる諸悪の根源のメアリーを放って、きょろきょろと辺りを見回す。見た感じ見事に脱出経路が分からない。詰みというやつだ。
「メアリー、そのポンコツな頭を働かせてわたくしをお外に出しなさい」
「………分からないんです。お兄さまがいらっしゃれば分かると思うのですが………」
こてんと幼い仕草で首を傾げるメアリーが、わたくしは初めて憎いと思ってしまった。わたくし、ここを無事に出られたとして生きていられるのでしょうか。王家の隠し通路を知って生き残れるとは、到底思えないのだけれど………。見事なまでの万事急須ね。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
帰宅後、わたくしは今盛大に悩み込んでいた。そう、ライアンとお義母さまへの『いじめ大作戦』の内容についてだ。
「ねえメアリー、何かいい案ないかしら?」
「………言っておきますけれど、クラウディアお嬢さまほどにこの世にいじめを苦手とする人は存在していないかと存じます」
「むうっ、それでもよ!!元王女の頭をキリッと働かせてちゃっちゃといい案出してちょうだい」
わたくしの侍女メアリーこと、元王女、マーガレット・クロスハートが王女だと分かったのは今から4年前の出来事だ。
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4年前のある日、わたくしは王城に出向いていた。
当時のわたくしは一応王太子殿下の筆頭婚約者候補で、その日は王太子殿下へご挨拶に行かなくてはならなかったのだ。
「ねえメアリー、今日のあなたとっても変よ?どうしたの?」
「いえ、その………。とても、懐かしい気がするのです」
「懐かしい?」
王城に侍女として連れ込んだメアリーは、キョロキョロしながらしきりに首を傾げていた。そして、えいっと言いながら唐突に壁を押したのだ。
がこっ、
嫌な音共に、わたくしは地下室に続く転移門を通じて地下室に転移した。明らかに、今彼女が押した壁の一部は王家のみが知る有事の時専用の隠し通路の脱出ボタンというやつだ。
わたくしの背中に嫌な汗がたらたら流れる。当然の流れだ。というか、何故メアリーが隠し通路の緊急脱出ボタンの位置を知っているのかというのも、ものすごく大きな謎だ。
だが、今はこの空間からの脱出が最優先事項だ。わたくしは、うーんと考え込んでいる諸悪の根源のメアリーを放って、きょろきょろと辺りを見回す。見た感じ見事に脱出経路が分からない。詰みというやつだ。
「メアリー、そのポンコツな頭を働かせてわたくしをお外に出しなさい」
「………分からないんです。お兄さまがいらっしゃれば分かると思うのですが………」
こてんと幼い仕草で首を傾げるメアリーが、わたくしは初めて憎いと思ってしまった。わたくし、ここを無事に出られたとして生きていられるのでしょうか。王家の隠し通路を知って生き残れるとは、到底思えないのだけれど………。見事なまでの万事急須ね。
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