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「……先程も言ったように私は貴方に私自身のことを話す義理は持ち合わせていないわ。これ以上詮索するようなら失礼させていただくわ。」
少女は尋問される側でありながらこう堂々と言い放ち、真っ直ぐと妖狐を見据えた。お人形のように美しくスラリとした少女が真っ直ぐと見つめる姿は妙に迫力があった。
「っ!?」
妖狐は少女に予想外の反応を取られて不覚にも目を見開いてしまった。
「……何か言いたいことはあるかしら。ないのならさっさと願いを叶えてちょうだい。何度も言うけれど私も暇ではないの。」
少女は妖狐への興味が失せたと言わんばかりに腕を組んで気怠そうな人形めいた表情を作った。完璧に出来上がった作られた表情をトレースしたかのような美しい表情だ。
「我の名は揺尾、知を司る妖狐……いや妖怪だ。
全ての物事を知ることが我の望みであり存在意義だ。だから今の我にはそなたを知ることが今の最大の望みなのだ。どう考えてもそなたは不思議なニンゲンだろう?」
妖狐は、否、揺尾はじーっと少女を見ながら生真面目に答えた。
(この我が名を名乗り、我について語ってやったんだ。これであやつは我に名乗るほかあるまい。)
揺尾は自身満々な表情で少女を見据えた。
「……何が言いたいの?」
当然ながら少女には揺尾の意図が届かなかったようだ。
少女は不可思議な生き物や人種を見たかのような怪訝な視線で揺尾を見据えて呆れたような声音を発した。
「? 我が名を名乗ったのだからそなたも名乗るのが礼儀ではないのか?」
揺尾は不思議そうに小首を傾げて少女を見据えた。
「……名を名乗れと、あなたはそう私に言いたのかしら?」
少女は無表情で揺尾に尋ねた。
「? あぁ、我はずっとそう言っている。」
揺尾はさも当然だと言わんばかりに頷いた。
「……私にはあなたに名乗る義理はないわ。」
「……、そうか。だが、この『あやかし書堂』に入店した時点でそなたには選ぶ権利など元から存在しない。せっかく無理矢理言わされたと思わずに済むように選択肢を与えてやったのにな、残念だよニンゲン。」
ツンとした澄まし顔で言い切った少女に、揺尾は余裕の微笑みを浮かべて少女に対して挨拶をするかの如くとんでもない事を言った。
*******************
読んでいただきありがとうございます♪♪♪
やっと、やっと妖狐のお名前である『揺尾』を発表出来ました!!
少女のお名前も決まっているので早く出したくてうずうずしている作者であります!
少女は尋問される側でありながらこう堂々と言い放ち、真っ直ぐと妖狐を見据えた。お人形のように美しくスラリとした少女が真っ直ぐと見つめる姿は妙に迫力があった。
「っ!?」
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「……何か言いたいことはあるかしら。ないのならさっさと願いを叶えてちょうだい。何度も言うけれど私も暇ではないの。」
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「我の名は揺尾、知を司る妖狐……いや妖怪だ。
全ての物事を知ることが我の望みであり存在意義だ。だから今の我にはそなたを知ることが今の最大の望みなのだ。どう考えてもそなたは不思議なニンゲンだろう?」
妖狐は、否、揺尾はじーっと少女を見ながら生真面目に答えた。
(この我が名を名乗り、我について語ってやったんだ。これであやつは我に名乗るほかあるまい。)
揺尾は自身満々な表情で少女を見据えた。
「……何が言いたいの?」
当然ながら少女には揺尾の意図が届かなかったようだ。
少女は不可思議な生き物や人種を見たかのような怪訝な視線で揺尾を見据えて呆れたような声音を発した。
「? 我が名を名乗ったのだからそなたも名乗るのが礼儀ではないのか?」
揺尾は不思議そうに小首を傾げて少女を見据えた。
「……名を名乗れと、あなたはそう私に言いたのかしら?」
少女は無表情で揺尾に尋ねた。
「? あぁ、我はずっとそう言っている。」
揺尾はさも当然だと言わんばかりに頷いた。
「……私にはあなたに名乗る義理はないわ。」
「……、そうか。だが、この『あやかし書堂』に入店した時点でそなたには選ぶ権利など元から存在しない。せっかく無理矢理言わされたと思わずに済むように選択肢を与えてやったのにな、残念だよニンゲン。」
ツンとした澄まし顔で言い切った少女に、揺尾は余裕の微笑みを浮かべて少女に対して挨拶をするかの如くとんでもない事を言った。
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