《完》男前な男装皇女は小動物な悪役令息をお望みです

桐生桜月姫

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36 皇女の計算違い

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「え………?」

 セレスティアは皇帝の突飛な発言に目を見開いた。そして、意地の悪い笑みを浮かべた皇帝を見て、自分がはめられたことに気がついた。

(父上は元々この茶番に付き合う気はなかった。わたしの皇位継承権をさっさとアリスよりも上にして、それを周知させる気だったんだ)
「せ、セレス」

 セレスティアはミシェルに名前を呼ばれたことにも気が付かずに、ぐるぐると思考を回転させた。

(父上はアリスを悲劇の皇女に仕立てて爵位を与える気だろう。だが、それであの子が満足するはずなんて絶対にない。それどころか、皇帝反逆で断頭台行きが関の山だ。なら、あの子のためにも日の当たる場所に放っておくよりも、日の当たらない場所で監視しておく方が………………)
「なんだ、聞こえなかったのか、セレスティア。今この瞬間から、お前が皇太子だ。しっかりと励め」
「んなっ!?お、お父様!?」
「なんだアリスティア」

 皇帝の言葉に、セレスティアは唇を噛み締めた。自分の嫌な想像が的中する可能性が高まったからだ。このままでは、彼女はガイセルによって滑稽なダンスを掌の上で踊らされ続けてしまう。

(助けなくては、助けなくては助けなくては助けなくては助けなくては助けなくては助けなくては助けなくては………)

 まとめようとすればするほど思考というのもはまとまりがなくなり、霧散してしまうということを、セレスティアは人生で初めて体験した。
 失いたくないと、本人がどんなに絶望する結末となったとしても命だけは助けたいと、そう願った相手の人生がかかっているのが、セレスティアの焦りを加速させる。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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