ハズレスキル「クリーン」が実は超レアスキルの複合スキルでスキルカンストから無双する

第1章 アルテ

ソロ冒険者資格試験

　アルテがソロ冒険者資格試験を受ける為に冒険者ギルドへ午前中にやってきた。

　アルテが受付で手続きを済ませると、ギルドの地下3階にある闘技場へ案内された。

　アルテが闘技場で準備運動をしていると、ギルドの受付にいた女性職員さんが男女4人を連れてきた。

　アルテはその中の1人で銀髪長身の男を見つめていた。

その男はアルテの視線に気付くと、アルテに対して

「今日は採点官として来た。もちろん俺のことは知ってるだろうが自己紹介しておく。この冒険者ギルドのギルドマスター、クラウドだ。宜しくな。」

と話し掛けてきた。

アルテは緊張からカチカチに身体が固くなりながら

【あのクラウドさんが目の前にいる】

と思い、なおも見つめていた。

　事実目の前にいるギルドマスターのクラウドはこの冒険者ギルドのギルドマスターであり、大陸に13個ある冒険者ギルドの一つを任せられている。
　また、冒険者の武の頂点である八大騎士の一人
　　　　　"神槍　クラウド"
として有名であった。

　アルテは槍を使ったことはなかったが、クランにいる時に同じクランの槍遣いがクラウドから指導を受けていたところを何度か見たことがあった。

そして、その凄さに圧倒されていた。

アルテがしばらくボーっとしていると、女性職員が

「アルテさん、今から試験を始めますが準備はいいですか？」

と聞いてきたので

「はい」

と答えると試験の説明をしてくれた。

　ソロ冒険者試験の内容は大きく分けて３つ。
1つ目の課題は、体力・筋力テスト。闘技場の外周(一週1キロ)を10周してから、腕や脚の筋力を計測していく。

2つ目の課題は、最大能力値の計測。
自らの特技であったり、長所を計測する。
攻撃力に自信があるなら壊れにくい人形に打撃や剣戟を入れて測定する。スピードに自信があるなら、ピーキーマウス(スピード特化)を何体狩れるかで計測といった具合だ。

3つ目の課題は、模擬戦。
女性職員が連れてきた残りの3人から1人を選び模擬線をする。もちろん殺してはいけない。あくまで、試験なので、殺せばその場で直ぐに捕まる。場合によっては処刑されてしまう。

連れてきた3人はそれぞれ魔法系、武器系、格闘系というようにタイプが異なるので、それぞれ自分に見合った戦い方ができる相手を選択し、模擬線を実施する。

それらが全て終わった後に受験者の能力測定を測定専用のオーブで計測し、総合力で判断されて合否を決める。

　アルテは1つ目の課題は長年のポーターとしての活動もあり、まずまずの成績を取武器った。

　2つ目の課題は長所という長所がなかったので、耐久力を計測した。

　3つ目は武器術の相手との模擬戦を選択した。相手はBランクパーティーの冒険者で、武器は剣だった。

　アルテは自らの武器である剣を構えて、3つ目の課題に挑戦した。

　相手のBランク冒険者は細剣を片手で正眼に構え、アルテは下段に構えて接近した。

　アルテの剣術は拙く、その全てを流され、防御されていた。アルテはこのままでは勝てないと思い、自らの道を切り開く為に、徹底的に、執拗に相手の細剣に対して何度も何度も剣戟を繰り返した。

　そのまま模擬戦が10分ほど経過したところ、アルテの持つ剣に大きくヒビが入り、次の一撃に耐えれるかどうかというところまできた。

そしてアルテはその剣を使って最後の攻撃をしたところ、相手は体勢を崩し、剣が折れ、折れた剣の握りの部分で相手の剣の抦をはね上げてそのまま左拳を相手の腹部に殴りかかった。

しかしそのアルテの拳をBランク冒険者は剣を握っていない方の手で掴み、そのままアルテの身体を引き込んでアルテを投げ飛ばした。

そしてそこで模擬戦が終了した。

アルテは一つもいいところがないまま、最後の計測を開始した。