2 / 7
壱 籠の鳥
一
しおりを挟む
外国や国内の遠地から、多くの人や物資を運んで来た巨大な商船が、ずらりと船首を並べる国内屈指の港。それを遥か下方に見下ろす丘に、巨大な屋敷がある。
つづら折りの坂道を上った先に、延々と連なる白い土塀。丘の上全体を覆うようなその塀の内側が全て、一つの邸宅の敷地だというのだから圧巻の広さだ。
古くからの土地の名士で、血筋を遡れば皇家にも繋がる名家――月照院。
由緒正しいその家の表玄関だという、黒々とした瓦を葺いた巨大な楼門の前で、朔はぽかんと大きな口を開け、頭上を見上げていた。
「おっきい……」
思わず漏れた真正直な感想に、天晴が扇で口元を隠して「くくく」と笑う。
「おっきいよねぇ」
彼の隣に立つ光流は、眉を顰めて、朔をふり返った。
「馬鹿みたいに口を開けるな。しっかり閉じていろ。お前もだ、天晴……行くぞ」
門の向こうから案内のために出てきた男性の後を追い、光流は望を促し、大きな門を潜って屋敷の敷地内へ踏みこんでいく。
朔もすかさずその後を追おうとすると、天晴にそっと扇を目の前にかざされ、動きを止められた。
「ごめんね、朔ちゃんはここからは入れないんだ……こっち」
そのまま誘導された先は、巨大な門のすぐ隣にある、通用門らしき小さな潜り戸だった。
「俺もここからだから、大目に見て……行った先でもいろいろと嫌なことがあるかもしれないから……先に謝っとく。ごめんね」
「嫌なこと?」
朔は首を傾げたが、天晴は答える気がないらしい。
通用門の内側にいた女性に、にこやかに話しかける。
「お嬢様も一緒にお連れしました……いいですよね?」
「…………」
怒ったような表情の女性は、天晴の笑顔にもその渋面を崩さず、返事さえしない。
朔を睨むように見て、踵を返して去っていく。
「…………?」
何か不快にさせるようなところでもあっただろうかと、朔は思わず自分の姿を見回した。
この町へ来るまでの間に、泊まった宿屋で念入りに風呂にも入ったし、光流が準備してくれた、これまで着たこともない上等な着物に着替えた。
長い髪も綺麗に梳って背中で結わえているし、つい先日までのひどい有様とは別人のようだ。
それでもやはりどこかがおかしいのだろうかと、腕を上げてみたり、首を捻って背中を見てみようとしたり、必死な朔の頭を天晴が軽く叩く。
「どこもおかしくないよ、可愛いよ」
「――――!」
初めて会った時からずっと、天晴は軽口ばかり叩いているので、朔はからかわれたのだと思い、キッと睨むように彼の顔を見上げた。
しかし天晴はまったく笑っておらず、いっそいつもより真剣な顔で、歩き去る女性の背中を真っ直ぐに見つめている。
「ただ、ここは……ううん、これから君が生きていく世界は……そういうところなんだ。ごめんね」
先ほどから謝ってばかりの彼は、いつもの着流しに打掛という格好ではなく、紋の入った黒い羽織りに縞模様の袴を穿いている。
普段は垂らしている肩までの髪も、きっちりと結わえており、そのためなのか、印象がかなり違う。
朔には視線を向けず、小さな通用門を潜って歩き始めたその背中を、朔も慌てて追ったが、陽の光を集めたかのような天晴の金色の髪が、今日はさらさらと揺れないことに少し寂しさを感じていた。
別々の門を潜って敷地内へ入ったものの、望と光流とも目指す先は同じで、朔と天晴はすぐに彼らと合流した。
(望……!)
朔の姿を見つけて、嬉しそうに笑う望を見る朔こそ、心から安堵している。
望も光流も、天晴と同じように羽織と袴姿だが、胸に描かれた紋は三人とも異なる。
(家紋……なのかな……?)
望の胸に描かれているのが、双子が身につけている守り袋や、光流に見せてもらった印籠に描かれていた細い三日月なので、おそらくそうなのだろうと予想する。
光流は連なる星、天晴は太陽を模した紋なのが、初めて会った夜の二人の姿を彷彿とさせ、印象的だった。
手入れの行き届いた広い庭を抜け、歴史を感じさせる古い日本家屋へ到着すると、朔はまた天晴と二人で、朔と光流が入った正面玄関とは別の入り口まで歩かされる。
(いったい、どうしてだろう?)
長い廊下をいくつも曲がり、邸のもっとも奥にある、広い中庭に面した部屋へ通された時も、望は部屋に敷き詰められた畳の中央へ案内され、朔は部屋へ入る前の廊下に座るようにと指示された。
望を背後から見守ることが出来るので、朔は特に不満もないが、望より少し下がった位置に座る光流は、申し訳なさそうに頭を下げる。
光流の座る位置と、朔より更に後ろで控えている天晴の座る位置の差も、朔には理由がよくわからない。
謎なことばかりだと首を捻っていると、部屋の右奥の襖が開き、着物姿の女性が入ってきた。
上品な色あいの小紋の着物に銀地の帯を締め、帯留めには大きな瑪瑙の珠が連なる。白いもののほうが多い髪を丸髷に結い髻には銀の櫛を挿している。
女性はいかにも気難しそうな厳めしい顔で、上座に腰を下ろしたが、部屋の中ほどで平伏している望の姿を見ると、くしゃっと表情を歪ませた。
「満夜……!」
目頭を押さえて俯いてしまったので、部屋の隅に控えていた老女が中腰のままにじり寄る。
手渡された手巾で溢れる涙を拭いながら、女性は震える声で望に命じる。
「もっと近くに来て、顔をよく見せておくれ」
望は自分の斜め後ろに控えている光流をふり返り、彼がかすかに頷くのを確認してから、中腰で女性の近くへと移動した。
「なんとまあ……生き写しな……」
「ようございました! ほんにようございましたね、奥さま!」
二人の老女は手を取りあって喜んでいる。
望がとても歓迎されている様子を見て、朔もほっとしていた。
(よかった……これからここで生きていける)
しかし、女性たちは熱心に望の生い立ちやこれまでの生活について、光流や望本人に訊ねているが、いつまで経っても朔の話題には移らない。
部屋の外の廊下に控えているとはいえ、障子は開いたままであり、姿も見えているはずなのに、視線さえも向けられない。
「それで、双子のお嬢様についてなのですが……」
頃合いをみて光流が切り出してくれたが、その瞬間に、女性は鎮座していた座布団からすっくと立ち上がった。
「大切な跡取りを見つけ出し、ここまで連れてきてくださったこと、深く感謝いたします、久遠寺様……後日また改めて、ご本家のほうへお礼に伺います。内々に取り決めしたいこともございますので、本日はこれで……」
帰れという意味あいのことを言い渡され、光流はいったん口を噤んだが、代わりに朔の後方から明朗な声が響いた。
「見えてはいらっしゃるのでしょう? こちらもそのご令息と同じ、大切なご子息の血を継いだ、れっきとした月照院のお嬢様ですよ?」
「天晴!」
光流の叫びに、女性の声が重なる。
「無礼者!」
その眼差しは強く、自分の横を通り過ぎて後ろの天晴を睨んでいるはずなのに、朔もびくりと肩を震わせてしまった。
背を向けているので天晴がどういう顔をしているのかは確認できないが、声だけ聴いているといつもの飄々とした調子で、罵りにも怯まず話し続ける。
「そう仰られると思ったので、成り上がりな上に異国の地が混じった成金華族は、こうして廊下に控えております……しかし私と違って彼女は、確かにこの月照院の血を引くご令嬢です。違いますか?」
女性が天晴へ向けていた目を朔に移し、それからすぐ目の前にいる望と何度か見比べた。
男女の双子であるのに二人が瓜二つの顔をしていることは、近所の者たちを驚かせるほどだ。
「……………」
女性も同じように感じたらしく、悔しそうに唇を噛み、脇に控えていた老女へ命じる。
「離れに部屋を準備なさい。そこで、所作や行儀作法を正し、芸事を習い、様になるようなら月照院の娘として扱います。それまでは、遠縁の娘が行儀見習いに来ているということで……」
「はい」
さっと部屋を出ていく老女に続き、女性自身も退室しながら、声音を優しくして望に語りかける。
「望さんも、明日から勉学の先生がいらっしゃいますから、よく励まれてください」
「はい」
望の返事に少し表情を和らげて、女性は部屋を出て行った。
朔には言葉をかけるどころか、視線を向けることさえなかった。
つづら折りの坂道を上った先に、延々と連なる白い土塀。丘の上全体を覆うようなその塀の内側が全て、一つの邸宅の敷地だというのだから圧巻の広さだ。
古くからの土地の名士で、血筋を遡れば皇家にも繋がる名家――月照院。
由緒正しいその家の表玄関だという、黒々とした瓦を葺いた巨大な楼門の前で、朔はぽかんと大きな口を開け、頭上を見上げていた。
「おっきい……」
思わず漏れた真正直な感想に、天晴が扇で口元を隠して「くくく」と笑う。
「おっきいよねぇ」
彼の隣に立つ光流は、眉を顰めて、朔をふり返った。
「馬鹿みたいに口を開けるな。しっかり閉じていろ。お前もだ、天晴……行くぞ」
門の向こうから案内のために出てきた男性の後を追い、光流は望を促し、大きな門を潜って屋敷の敷地内へ踏みこんでいく。
朔もすかさずその後を追おうとすると、天晴にそっと扇を目の前にかざされ、動きを止められた。
「ごめんね、朔ちゃんはここからは入れないんだ……こっち」
そのまま誘導された先は、巨大な門のすぐ隣にある、通用門らしき小さな潜り戸だった。
「俺もここからだから、大目に見て……行った先でもいろいろと嫌なことがあるかもしれないから……先に謝っとく。ごめんね」
「嫌なこと?」
朔は首を傾げたが、天晴は答える気がないらしい。
通用門の内側にいた女性に、にこやかに話しかける。
「お嬢様も一緒にお連れしました……いいですよね?」
「…………」
怒ったような表情の女性は、天晴の笑顔にもその渋面を崩さず、返事さえしない。
朔を睨むように見て、踵を返して去っていく。
「…………?」
何か不快にさせるようなところでもあっただろうかと、朔は思わず自分の姿を見回した。
この町へ来るまでの間に、泊まった宿屋で念入りに風呂にも入ったし、光流が準備してくれた、これまで着たこともない上等な着物に着替えた。
長い髪も綺麗に梳って背中で結わえているし、つい先日までのひどい有様とは別人のようだ。
それでもやはりどこかがおかしいのだろうかと、腕を上げてみたり、首を捻って背中を見てみようとしたり、必死な朔の頭を天晴が軽く叩く。
「どこもおかしくないよ、可愛いよ」
「――――!」
初めて会った時からずっと、天晴は軽口ばかり叩いているので、朔はからかわれたのだと思い、キッと睨むように彼の顔を見上げた。
しかし天晴はまったく笑っておらず、いっそいつもより真剣な顔で、歩き去る女性の背中を真っ直ぐに見つめている。
「ただ、ここは……ううん、これから君が生きていく世界は……そういうところなんだ。ごめんね」
先ほどから謝ってばかりの彼は、いつもの着流しに打掛という格好ではなく、紋の入った黒い羽織りに縞模様の袴を穿いている。
普段は垂らしている肩までの髪も、きっちりと結わえており、そのためなのか、印象がかなり違う。
朔には視線を向けず、小さな通用門を潜って歩き始めたその背中を、朔も慌てて追ったが、陽の光を集めたかのような天晴の金色の髪が、今日はさらさらと揺れないことに少し寂しさを感じていた。
別々の門を潜って敷地内へ入ったものの、望と光流とも目指す先は同じで、朔と天晴はすぐに彼らと合流した。
(望……!)
朔の姿を見つけて、嬉しそうに笑う望を見る朔こそ、心から安堵している。
望も光流も、天晴と同じように羽織と袴姿だが、胸に描かれた紋は三人とも異なる。
(家紋……なのかな……?)
望の胸に描かれているのが、双子が身につけている守り袋や、光流に見せてもらった印籠に描かれていた細い三日月なので、おそらくそうなのだろうと予想する。
光流は連なる星、天晴は太陽を模した紋なのが、初めて会った夜の二人の姿を彷彿とさせ、印象的だった。
手入れの行き届いた広い庭を抜け、歴史を感じさせる古い日本家屋へ到着すると、朔はまた天晴と二人で、朔と光流が入った正面玄関とは別の入り口まで歩かされる。
(いったい、どうしてだろう?)
長い廊下をいくつも曲がり、邸のもっとも奥にある、広い中庭に面した部屋へ通された時も、望は部屋に敷き詰められた畳の中央へ案内され、朔は部屋へ入る前の廊下に座るようにと指示された。
望を背後から見守ることが出来るので、朔は特に不満もないが、望より少し下がった位置に座る光流は、申し訳なさそうに頭を下げる。
光流の座る位置と、朔より更に後ろで控えている天晴の座る位置の差も、朔には理由がよくわからない。
謎なことばかりだと首を捻っていると、部屋の右奥の襖が開き、着物姿の女性が入ってきた。
上品な色あいの小紋の着物に銀地の帯を締め、帯留めには大きな瑪瑙の珠が連なる。白いもののほうが多い髪を丸髷に結い髻には銀の櫛を挿している。
女性はいかにも気難しそうな厳めしい顔で、上座に腰を下ろしたが、部屋の中ほどで平伏している望の姿を見ると、くしゃっと表情を歪ませた。
「満夜……!」
目頭を押さえて俯いてしまったので、部屋の隅に控えていた老女が中腰のままにじり寄る。
手渡された手巾で溢れる涙を拭いながら、女性は震える声で望に命じる。
「もっと近くに来て、顔をよく見せておくれ」
望は自分の斜め後ろに控えている光流をふり返り、彼がかすかに頷くのを確認してから、中腰で女性の近くへと移動した。
「なんとまあ……生き写しな……」
「ようございました! ほんにようございましたね、奥さま!」
二人の老女は手を取りあって喜んでいる。
望がとても歓迎されている様子を見て、朔もほっとしていた。
(よかった……これからここで生きていける)
しかし、女性たちは熱心に望の生い立ちやこれまでの生活について、光流や望本人に訊ねているが、いつまで経っても朔の話題には移らない。
部屋の外の廊下に控えているとはいえ、障子は開いたままであり、姿も見えているはずなのに、視線さえも向けられない。
「それで、双子のお嬢様についてなのですが……」
頃合いをみて光流が切り出してくれたが、その瞬間に、女性は鎮座していた座布団からすっくと立ち上がった。
「大切な跡取りを見つけ出し、ここまで連れてきてくださったこと、深く感謝いたします、久遠寺様……後日また改めて、ご本家のほうへお礼に伺います。内々に取り決めしたいこともございますので、本日はこれで……」
帰れという意味あいのことを言い渡され、光流はいったん口を噤んだが、代わりに朔の後方から明朗な声が響いた。
「見えてはいらっしゃるのでしょう? こちらもそのご令息と同じ、大切なご子息の血を継いだ、れっきとした月照院のお嬢様ですよ?」
「天晴!」
光流の叫びに、女性の声が重なる。
「無礼者!」
その眼差しは強く、自分の横を通り過ぎて後ろの天晴を睨んでいるはずなのに、朔もびくりと肩を震わせてしまった。
背を向けているので天晴がどういう顔をしているのかは確認できないが、声だけ聴いているといつもの飄々とした調子で、罵りにも怯まず話し続ける。
「そう仰られると思ったので、成り上がりな上に異国の地が混じった成金華族は、こうして廊下に控えております……しかし私と違って彼女は、確かにこの月照院の血を引くご令嬢です。違いますか?」
女性が天晴へ向けていた目を朔に移し、それからすぐ目の前にいる望と何度か見比べた。
男女の双子であるのに二人が瓜二つの顔をしていることは、近所の者たちを驚かせるほどだ。
「……………」
女性も同じように感じたらしく、悔しそうに唇を噛み、脇に控えていた老女へ命じる。
「離れに部屋を準備なさい。そこで、所作や行儀作法を正し、芸事を習い、様になるようなら月照院の娘として扱います。それまでは、遠縁の娘が行儀見習いに来ているということで……」
「はい」
さっと部屋を出ていく老女に続き、女性自身も退室しながら、声音を優しくして望に語りかける。
「望さんも、明日から勉学の先生がいらっしゃいますから、よく励まれてください」
「はい」
望の返事に少し表情を和らげて、女性は部屋を出て行った。
朔には言葉をかけるどころか、視線を向けることさえなかった。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
王太子殿下との思い出は、泡雪のように消えていく
木風
キャラ文芸
王太子殿下の生誕を祝う夜会。
侯爵令嬢にとって、それは一生に一度の夢。
震える手で差し出された御手を取り、ほんの数分だけ踊った奇跡。
二度目に誘われたとき、心は淡い期待に揺れる。
けれど、その瞳は一度も自分を映さなかった。
殿下の視線の先にいるのは誰よりも美しい、公爵令嬢。
「ご一緒いただき感謝します。この後も楽しんで」
優しくも残酷なその言葉に、胸の奥で夢が泡雪のように消えていくのを感じた。
※本作は「小説家になろう」「アルファポリス」「エブリスタ」にて同時掲載しております。
表紙イラストは、雪乃さんに描いていただきました。
※イラストは描き下ろし作品です。無断転載・無断使用・AI学習等は一切禁止しております。
©︎泡雪 / 木風 雪乃
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
悪徳公主と冷徹皇帝陛下の後宮薬膳茶
菱沼あゆ
キャラ文芸
冷徹非道と噂の皇帝陛下のもとに、これまた悪しき評判しかない異国の王女、琳玲がやってきた。
琳玲は皇后の位は与えられたが、離宮に閉じ込められる。
それぞれの思惑がある離宮の女官や侍女たちは、怪しい薬草で皇帝陛下たちを翻弄する琳玲を観察――。
悪徳公主と冷徹皇帝陛下と女官たちの日々は今日も騒がしい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【書籍化】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化決定しました。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。
しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。
よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう!
誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は?
全十話。一日2回更新 完結済
コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる