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壱 籠の鳥
三
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「それで? 反省していると示すため、ほんのちょっとの自由時間も、手習いの自己練習時間に充てているの?」
「……そうです。これ以上望に迷惑をかけるわけにはいかないので……」
「真面目だなぁ」
離れの自室で文机に向かい、慣れない筆で必死に文字を書き続けている朔に、笑い含みで問いかけてくるのは天晴だ。
彼は中庭に面した廊下に座り、朔には背を向けた格好で話し続ける。
初めて月照院家へ来た時とは違い、今日は着流しに打掛姿で、髪も結んでいない。
それでよく屋敷内へ入れたものだと、朔は真っ先に訊ねたが、「こっそりと裏口を開けてくれる女性なんて、何人でもいるよ」と微笑まれ、それ以上詳しく訊くことを避けた。
「朔ちゃんも、もう少し大きくなったら教えてあげるね」
「知りたくありません」
「つれないなぁ……」
天晴はパチンパチンと扇を閉じたり開いたりしながら、世間話でもするように、軽い調子で問う。
「ここへ来てからもうすぐ二カ月になるけれど……この離れから出ていないって本当?」
なぜ彼がそれを知っているのかと、朔はどきりとしたが、もう訊ねはしなかった。
どうせ、屋敷で働く女性の誰かから聞いたのだろう。
「本当です」
朔が正直に答えると、天晴は質問を続ける。
「出てはならないって、命じられているの?」
天晴は、誰から、と言及はしなかったが、暗に祖母を指していることは確かだ。
理不尽な命令に従っている自覚は朔にもあるが、それに反駁する力も、立場も、今の朔は持ちあわせていない。
悔しくとも、この家で暮らすため、望のため、今は言いつけに従うしかない。
「……そうです」
朔が俯きながら頷くと、天晴はパチンとひと際大きな音をさせて扇を閉じた。
「よし、じゃあ今からちょっと出かけよう」
「…………え?」
朔は筆を握りしめたまま、思わず顔を跳ね上げて、廊下に座る背中に大きな疑問の声をかけてしまった。
「私の話……ちゃんと聞いてました?」
「もちろん聞いていたよ」
太陽の光を金色の髪に受け、きらきらと輝かせながら、天晴がゆっくりとこちらをふり返る。
「ちょっと行って帰ってくるだけだから、大丈夫……ね?」
煌くような笑顔で朔に笑いかけ、音もたてず立ち上がった天晴は、次の瞬間にはもう部屋の中へ入っている。
「おーい、美空」
彼の呼びかけに応じ、どこからともなく女の子が現れた。朔と同年齢ほどの、恐ろしく目鼻立ちの整った、長い黒髪の少女だ。顔だちは、天晴ととてもよく似ている。
朔には彼女が、何もない場所に突然姿を現わしたようにしか見えず、ごしごしと何度も自分の目を擦ってみる。
「え? ええっ!?」
その様子をはははと笑いながら、天晴は着物の袂から出した白い紙を朔の頭に乗せ、それから少女の頭に乗せた。
すると少女の姿が揺らぎ、次に輪郭をとり戻した時には、朔と瓜二つの容姿になっている。
「ええーっ!」
大きな声を上げて、畳の上で腰を抜かしそうになっている朔の手から、天晴が筆を取り上げた。朔の姿になった少女に握らせる。
「いいかい、美空。俺たちが帰ってくるまで、朔ちゃんのふりをして、この続きを書いておくこと……朔ちゃんと同じように、時々文字を崩したり、間違えたりするのを忘れないように……わかった?」
少女は黙ったままこっくりと頷いて、文机に向かい、手習いの稽古を始めた。
その姿は、朔から見ても自分にしか見えない。
「いったいどういうことですか!? 彼女は??」
大きな声を上げる朔を、天晴は唇に人差し指を当てる格好でしーっと諫めて、軽やかな足取りで部屋を出ていく。
「美空は俺の式神だよ。気にしないで。詳しい説明は道すがら……」
「気にしないでって言われても……気になります!!」
慌てて彼の後を追いながら、朔はもう一つ心にひっかかったことも、ひとまず言葉にしておいた。
「それに……時々文字を崩したり、間違えたりってなんですか!? 私は至って真剣に! 全力で書いてるんです! 間違えてるところがあるなら先に教えてください!」
「おおっ、そうだねぇ」
面白そうに朔をふり返った天晴は、離れを出て中庭へ下り、まだ笑いながらどこかへと向かう。
いくら声を荒げても、それは天晴にはまったく通じないと諦め、朔は足を動かすことに集中した。
月照院家へ来てから二カ月、朔がまだ一度も足を踏み入れたことのない辺りへ、天晴は向かっているようだった。
連れて行かれた先は、厨房で働いている女性たちの通用門らしく、朔はそこを行き来するたくさんの女たちから、ジロジロと冷たい目を向けられた。
朔だとわからないように、天晴が貸してくれた打掛を頭から被り、顔を隠しているのだが、それがいっそう、妬みの視線を集めているような気がしてならない。
打掛越しの視線が、突き刺さるように痛い。
「あの……天晴様、そちらは?」
かけられる嫌疑の声は一つや二つではなく、その度に天晴は、「庭師の又吉だよ」とか、「小坊主の宗男だよ」などと、適当に答えている。
女たちも、彼が正直に答えてくれるとは思っていないらしく、「またそんな……」と呆れたように言って、それ以上追求はしない。
(もう二度と、天晴様に乗せられて一緒に行動したりしない! 今だって、何の説明もなく、勝手に連れ出されてるんだけど……もう今後は、絶対に!)
心に決めながら、朔はひやひやする思いで屋敷を抜け出したのだったが、その決意が果たされることは終ぞなかったし、実行するのがどれほど困難か、すぐに身を以って知ることになった。
屋敷を出て、つづら折りの坂を下りると、朔は天晴と共に乗合馬車に乗った。
向かった先は、華族の屋敷が多く集まる界隈で、そこに用があるのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
「目的の場所へ行く前に、まずは着替えかなと思って……見るからに華族のお嬢様っぽく装ってほしいんだ……」
「…………」
朔は黙って、自分の服装を見直してみた。
薄桃色の花模様の小袖に、山吹色の帯。長い髪は顔の横の一房ずつを頭の後ろで緩く結び、後は背中に垂らしている。
確かに派手な出で立ちではないが、品物はどれも上質で、これまでの朔の生活からすれば、袖を通すのにもためらうほどだ。
「これじゃダメなんですか?」
尋ねた朔に、天晴はぱちりと片目を瞑ってみせた。
「上品でいいとは思うけど、ちょっと前時代的かな」
「はあ……」
あまりよくわからないと気のない返事をする朔を、天晴はとある屋敷へと案内した。
濃い緑の葉をつけた木々が、生垣のようにぐるりと敷地を取り囲み、その奥に白壁の大きな建物が見える、西洋風の邸宅だ。
おそらく複数階建てで、木よりも高い位置に窓やバルコニーが見える。
石製の大きな門柱に、黒い鉄製の門扉が付けられた正門と思しき門を、天晴は臆することなく開け、敷地内へと入っていく。
門番と思われる黒い洋服姿の男性が、門の近くに建てられた小さな建物から出てきて、天晴に向かって恭しげに頭を下げた。
「お帰りなさいませ、お坊ちゃま」
(お坊ちゃま!?)
朔は思わず目を剥いて、緑豊かな庭園を軽やかな足取りで進む天晴の背中を凝視してしまったが、彼はまったく動じたふうはない。
「はいはい、ただいま。だけど……二十歳を越えた大の男を、坊ちゃん呼びはそろそろやめてくれないかな、秋生……いつも言っているけれど」
「これはこれは失礼いたしました、天晴様」
「うん」
珍しく、少し困ったように笑う天晴の後を、朔は驚愕の思いを抱えながら追った。
(天晴様って、こんな大きなお屋敷の坊ちゃまだったの? そういえば、お祖母様にお会いした時、華族だとは言ってたっけ……)
あの時確か、天晴は自分自身を卑下するように、成り上がりだとか、成金という言葉を連発していた。
朔は、前方に見えてきた石造りの白い大きな噴水と、それを囲むように整然と植えられている色とりどりの花々を目にし、その中を、打掛を翻して颯爽と歩く天晴の華やかな姿に、目を細める。
陽の光が部屋の奥まで入ってこない月照院の純和風な日本家屋より、色彩豊かなこの庭にいるほうが、彼らしく自然だと感じた。
「……そうです。これ以上望に迷惑をかけるわけにはいかないので……」
「真面目だなぁ」
離れの自室で文机に向かい、慣れない筆で必死に文字を書き続けている朔に、笑い含みで問いかけてくるのは天晴だ。
彼は中庭に面した廊下に座り、朔には背を向けた格好で話し続ける。
初めて月照院家へ来た時とは違い、今日は着流しに打掛姿で、髪も結んでいない。
それでよく屋敷内へ入れたものだと、朔は真っ先に訊ねたが、「こっそりと裏口を開けてくれる女性なんて、何人でもいるよ」と微笑まれ、それ以上詳しく訊くことを避けた。
「朔ちゃんも、もう少し大きくなったら教えてあげるね」
「知りたくありません」
「つれないなぁ……」
天晴はパチンパチンと扇を閉じたり開いたりしながら、世間話でもするように、軽い調子で問う。
「ここへ来てからもうすぐ二カ月になるけれど……この離れから出ていないって本当?」
なぜ彼がそれを知っているのかと、朔はどきりとしたが、もう訊ねはしなかった。
どうせ、屋敷で働く女性の誰かから聞いたのだろう。
「本当です」
朔が正直に答えると、天晴は質問を続ける。
「出てはならないって、命じられているの?」
天晴は、誰から、と言及はしなかったが、暗に祖母を指していることは確かだ。
理不尽な命令に従っている自覚は朔にもあるが、それに反駁する力も、立場も、今の朔は持ちあわせていない。
悔しくとも、この家で暮らすため、望のため、今は言いつけに従うしかない。
「……そうです」
朔が俯きながら頷くと、天晴はパチンとひと際大きな音をさせて扇を閉じた。
「よし、じゃあ今からちょっと出かけよう」
「…………え?」
朔は筆を握りしめたまま、思わず顔を跳ね上げて、廊下に座る背中に大きな疑問の声をかけてしまった。
「私の話……ちゃんと聞いてました?」
「もちろん聞いていたよ」
太陽の光を金色の髪に受け、きらきらと輝かせながら、天晴がゆっくりとこちらをふり返る。
「ちょっと行って帰ってくるだけだから、大丈夫……ね?」
煌くような笑顔で朔に笑いかけ、音もたてず立ち上がった天晴は、次の瞬間にはもう部屋の中へ入っている。
「おーい、美空」
彼の呼びかけに応じ、どこからともなく女の子が現れた。朔と同年齢ほどの、恐ろしく目鼻立ちの整った、長い黒髪の少女だ。顔だちは、天晴ととてもよく似ている。
朔には彼女が、何もない場所に突然姿を現わしたようにしか見えず、ごしごしと何度も自分の目を擦ってみる。
「え? ええっ!?」
その様子をはははと笑いながら、天晴は着物の袂から出した白い紙を朔の頭に乗せ、それから少女の頭に乗せた。
すると少女の姿が揺らぎ、次に輪郭をとり戻した時には、朔と瓜二つの容姿になっている。
「ええーっ!」
大きな声を上げて、畳の上で腰を抜かしそうになっている朔の手から、天晴が筆を取り上げた。朔の姿になった少女に握らせる。
「いいかい、美空。俺たちが帰ってくるまで、朔ちゃんのふりをして、この続きを書いておくこと……朔ちゃんと同じように、時々文字を崩したり、間違えたりするのを忘れないように……わかった?」
少女は黙ったままこっくりと頷いて、文机に向かい、手習いの稽古を始めた。
その姿は、朔から見ても自分にしか見えない。
「いったいどういうことですか!? 彼女は??」
大きな声を上げる朔を、天晴は唇に人差し指を当てる格好でしーっと諫めて、軽やかな足取りで部屋を出ていく。
「美空は俺の式神だよ。気にしないで。詳しい説明は道すがら……」
「気にしないでって言われても……気になります!!」
慌てて彼の後を追いながら、朔はもう一つ心にひっかかったことも、ひとまず言葉にしておいた。
「それに……時々文字を崩したり、間違えたりってなんですか!? 私は至って真剣に! 全力で書いてるんです! 間違えてるところがあるなら先に教えてください!」
「おおっ、そうだねぇ」
面白そうに朔をふり返った天晴は、離れを出て中庭へ下り、まだ笑いながらどこかへと向かう。
いくら声を荒げても、それは天晴にはまったく通じないと諦め、朔は足を動かすことに集中した。
月照院家へ来てから二カ月、朔がまだ一度も足を踏み入れたことのない辺りへ、天晴は向かっているようだった。
連れて行かれた先は、厨房で働いている女性たちの通用門らしく、朔はそこを行き来するたくさんの女たちから、ジロジロと冷たい目を向けられた。
朔だとわからないように、天晴が貸してくれた打掛を頭から被り、顔を隠しているのだが、それがいっそう、妬みの視線を集めているような気がしてならない。
打掛越しの視線が、突き刺さるように痛い。
「あの……天晴様、そちらは?」
かけられる嫌疑の声は一つや二つではなく、その度に天晴は、「庭師の又吉だよ」とか、「小坊主の宗男だよ」などと、適当に答えている。
女たちも、彼が正直に答えてくれるとは思っていないらしく、「またそんな……」と呆れたように言って、それ以上追求はしない。
(もう二度と、天晴様に乗せられて一緒に行動したりしない! 今だって、何の説明もなく、勝手に連れ出されてるんだけど……もう今後は、絶対に!)
心に決めながら、朔はひやひやする思いで屋敷を抜け出したのだったが、その決意が果たされることは終ぞなかったし、実行するのがどれほど困難か、すぐに身を以って知ることになった。
屋敷を出て、つづら折りの坂を下りると、朔は天晴と共に乗合馬車に乗った。
向かった先は、華族の屋敷が多く集まる界隈で、そこに用があるのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。
「目的の場所へ行く前に、まずは着替えかなと思って……見るからに華族のお嬢様っぽく装ってほしいんだ……」
「…………」
朔は黙って、自分の服装を見直してみた。
薄桃色の花模様の小袖に、山吹色の帯。長い髪は顔の横の一房ずつを頭の後ろで緩く結び、後は背中に垂らしている。
確かに派手な出で立ちではないが、品物はどれも上質で、これまでの朔の生活からすれば、袖を通すのにもためらうほどだ。
「これじゃダメなんですか?」
尋ねた朔に、天晴はぱちりと片目を瞑ってみせた。
「上品でいいとは思うけど、ちょっと前時代的かな」
「はあ……」
あまりよくわからないと気のない返事をする朔を、天晴はとある屋敷へと案内した。
濃い緑の葉をつけた木々が、生垣のようにぐるりと敷地を取り囲み、その奥に白壁の大きな建物が見える、西洋風の邸宅だ。
おそらく複数階建てで、木よりも高い位置に窓やバルコニーが見える。
石製の大きな門柱に、黒い鉄製の門扉が付けられた正門と思しき門を、天晴は臆することなく開け、敷地内へと入っていく。
門番と思われる黒い洋服姿の男性が、門の近くに建てられた小さな建物から出てきて、天晴に向かって恭しげに頭を下げた。
「お帰りなさいませ、お坊ちゃま」
(お坊ちゃま!?)
朔は思わず目を剥いて、緑豊かな庭園を軽やかな足取りで進む天晴の背中を凝視してしまったが、彼はまったく動じたふうはない。
「はいはい、ただいま。だけど……二十歳を越えた大の男を、坊ちゃん呼びはそろそろやめてくれないかな、秋生……いつも言っているけれど」
「これはこれは失礼いたしました、天晴様」
「うん」
珍しく、少し困ったように笑う天晴の後を、朔は驚愕の思いを抱えながら追った。
(天晴様って、こんな大きなお屋敷の坊ちゃまだったの? そういえば、お祖母様にお会いした時、華族だとは言ってたっけ……)
あの時確か、天晴は自分自身を卑下するように、成り上がりだとか、成金という言葉を連発していた。
朔は、前方に見えてきた石造りの白い大きな噴水と、それを囲むように整然と植えられている色とりどりの花々を目にし、その中を、打掛を翻して颯爽と歩く天晴の華やかな姿に、目を細める。
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