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第一章・美麺を制する者、世界を制す
自由を謳歌する為に必要なもの
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俺は野菜品評会のあと、すぐさま馬車で軍の基地に向かった。
ガタゴトと揺れる馬車の中で、俺はティブルシオの革新的な考えについて思索していた………。
「しかしだな…」
「はい」
俺の話に耳を傾けるカルメン。
「あの、ティブルシオという少年は相当先を進んだ少年だぞ。感覚がこの時代の人よりも、私のいた世界の人間に近い」
「そうですか。それくらい彼が近代的な人間だという事ですね」
カルメンは感心したように言った。
「彼の頭脳と発想には、並々ならぬものがある。もしかしたら、私のいた世界を超えるかもしれない」
俺は改めてティブルシオに脅威を覚えた。
中世的な時代の人なのに、その感覚は未来的だ。
現代からやってきた訳でもないのに、次々と努力により未来を読んでいくティブルシオの姿に、俺はチート以上に大切な『なにか』を感じ取っていた………。
その、『なにか』とは………。
「いますぐ彼に護衛をつけさせよう。彼は間違いなくこの国の経済を発展させる宝になるぞ」
「はは」
カルメンは深く頷いた。
カルメンが軍人達に指示を出している間、俺はこの世界の人間もまんざらではないな、と思った。
もしかしたら、異世界から物資を召喚する術などなくても、電気に相見える日もそう遠くない未来ではないのではないかと思った。
俺は、異世界から物を召喚する術ばかりをさがしていたが……。
そんな超人的な他力本願よりも……。
とりあえずティブルシオを吸血鬼の仲間に引き入れたという、グラシエラの師に感謝しつつ、俺は馬車を降りた。
そして俺は、異世界で出会ったふたりの人物に感謝した。
俺はいままで、自分が他力本願だった事をようやく悟った。
そして俺は、多大な勘違いをして、生きていた事を知った。
俺は、なにを勘違いしていたのか。勘違いにさえ気づいていなかったのが、そもそもの勘違いだということに気がついた。
ないものねだりで、ただ与えられたものを闇雲に貪るだけのニートとしての俺の生活は、いつも孤独で、ひとりであった。
そして、本だけではなく、言葉の力だけではなく、出会いの力も大切だと知った。
漆黒の魔城で、無数の知恵の獣達に囲まれて得た知識からは、手に入らなかったもの……。
それは、未だ、書かれたことのない、書く事では表せない新しい価値観の息吹。
言葉の力は確かに偉大だ。
しかし、それ以上に、大事なのは、人を知る事。
………このふたりが俺の指針を定めてくれたのだ。
このふたりは、本では得られぬ、新しい息吹を、俺に与えてくれた………。
言葉ではない、目には見えぬ心の触れ合いによって………。
もうひとりは、ティブルシオ。
俺は、密かに現代からきた自分が、なんの根拠もなくこの時代の人より偉いと思っていたのかもしれない。
だが、ティブルシオは、2016年を生きていた俺よりも、遥かに未来を生きていた……。
そして、もうひとりは………。
□
この国には12の軍基地が存在しており、それぞれエリア1、エリア2と呼ばれている。ここはそのエリア1、国の首都リベルテにある軍基地だった。
ティブルシオ以外の科学者によって発明された、有刺鉄線が基地の周りを囲っている。これも、新たな未来の息吹といっていいだろう。
俺は木の扉を開け、中に入った。
軍の上品かつ権威ある黒の装束に身を包んだ衛兵達が、畏怖の意思を込めた眼差しで俺をみる。
俺は出来る限り自信たっぷりに、しかし下品に見えぬよう烏滸がましくなりすぎないように垢抜けた歩き方をした。
少女らしく民に親しまれやすい可憐さを忘れずに、しかし帝国の君主らしく気高さを忘れずに、清く正しく美しく歩くのは精神力がいるが、今の俺はもう我儘なニートではなく一国の秩序ある主。その背中に何百万人もの亜人種の民の責任を背負っているのだ。女王としての風格を乱すわけにはいかない。
俺はその重圧を改めて感じた。
俺は、もう、ひとりを守る人間ではない。
アスワド五百万人の民を率い守る、責任ある者なのだ。
その責任とは、なんの為の責任なのか。
自分を守るため、自分の国を守るため、なによりそれはみんなを守る為。
俺はもはやひとりで自分なのではなかった。五百万人を背負う自分なのであった。
もはや、ひとりでは、ひとりではない。
全ての人間を幸福にはできぬことくらいは、わかっている。
だが、俺は五百万人の、様々な夢を…様々な自由の形状を背負って生きている。
そして、いま俺は個性豊かな多様なる世界を、守りたいと思っている。
俺は、最初ひとりだった。
だが、アデリナとして生きていく内に、アデリナだけが全てではないと悟った。
無論、アデリナがいたから、いまここにいる人達と出会えたのではあるが………。
俺は最初、金の力でゲーム世界を制しようと思っていた。
だが、今は………。
「カルメンよ、いま、俺は気づいたぞ」
俺はカルメンに話しかけた。
「何をですか」
カルメンは不思議そうに訊く。軍の砂塵が視界を乱す。
千年の孤独から覚めたような目で俺はカルメンをみた。
俺は、俺を生きることにした。
堂園想として。アデリナとして。
いま、ふたつの人格が、ひとつの回答を出す。
「俺はこれまでカップヌードルを食べるという自分ひとりだけの自由を謳歌しようとしていたが…」
俺は瞬きをする。
「これからは、自分ひとりだけの自由ではなく、カップヌードルだけではなく、様々な自由を、皆に謳歌させたいと思う」
「それは素晴らしいお考えですね」
「ああ、これからはひとりだけの自由ではない。確かにそれも自由だし、ひとりでいる時間も大切な事だが、その先にあるものを知った。これは俺の考えで、誰に強制するつもりもない。だが、ないよりはましだ。みんな強制してる自覚もなく強制するけれども……それはみんな自由に対して、本当は無関心だからだ。誰も、こんなこと、考えないんだ。自由なんて、本当はなくても生きていけるからね。でも俺は君と出会って、自由について真摯に考えた。はじめて考えたんだ。はじめて自由ってぼんやりしたものが、形をもって俺の前に現れた。君がいたから。結果、出た答えがひとつ………。
それは自由も大事だが、それ以上に、謳歌する事の方が大事だと。これからは、カルメンらとともにある自由だ。自由を得るよりも、謳歌する事の方が、今の俺には大事だ。そして、自由を謳歌する為には、カルメン、君がいる。ひとりでは、自由までは得られても、謳歌する事はできない」
自由なんてなくてもよかったものが、必要なものに変わった。
どっちでもよかったものが、確定したのだ。
これからも、変わっていく自由の形。
それは、決して無理矢理に歪めるものじゃなく………。
ひとりで食べるのが、最初は楽しかった。
だが、カップヌードルが手に入ったことよりも、俺は……カルメン、君がカップヌードルを持ってきたことの方が………。
俺は言った。
「俺は、自由を謳歌しようとした。ところが、カップヌードルというものがないから、俺はいままで自由を謳歌できなかったんだ。いや、カップヌードル、じゃないな。夢、目標、物欲………生きがいだな」
「生きがい、ですか」
「生まれた理由はないかもしれないが、生きる理由はある。カップヌードルがある。ただそれだけで自由になれるんだ………そして、気づいたんだ。千の言葉より、大事なキミがいることに」
「なら、自由を謳歌する為には、もっと民に生きがいが必要ですね」
「ああ、そして、生きがいを得る為に必要なもの……それは努力だ。責任ともいうがな」
俺は100億円の金で今の地位を手に入れたが、俺を自由にしたのは100億円の資金ではなく、たったひとつのカップヌードルだった………。
「やはり、なんでも手に入れば自由なのではなかったんだ。自由は楽しい事ばかりじゃない。自由が楽しいと思えるのは、カルメン……お前と自由を謳歌してるからだよ。自由だけではない、生きがいが…仲間がいるから、自由がようやく楽しくなるんだ。自由だけあっても意味がないんだ、少なくとも、俺にとっては」
「アデリナ様………」
カルメンが、さりげなく手を差し伸べてきた。
俺は迷わずそれを握る。
友情とも恋愛ともつかぬその強い掌の熱さが、いまは頼もしい。
カルメンの心はみえない。
だが、カルメンが何も言わなくても、カルメンの目指しているもののそばに俺がいる事は明白である。
お互い違う存在だけれども。
これは、カルメンと俺、ふたりだけの問題であり、ひとつの回答。真剣に考えた結果。
「いくら自由でも、キミがいない自由なんて、意味がない。キミがいたから、いまようやく、俺は自分が欲しい自由がなんなのか、わかったんだ。俺の欲しい自由。それは、君といたいってことに」
「はい」
「私が自由を謳歌するためには、キミもまた自由を謳歌する必要があるんだ。これは万人の正論ではない。しかし俺と、君らしい答えではある筈だ。そして、自由ってのは他人から渡されるものじゃない。自分で努力して掴むものだ。
俺は棚から牡丹餅でいまの地位とカップヌードルを手に入れたが、もうそれは終わりだ。これからは、金や偶然に頼らず、自分の力で新たな自由を開拓しよう。そしてその新しい自由の傍には、必ず君がいてほしい。ひとりで自由を謳歌しても、空虚なだけだと気づいたからな。他人の自由に無関心な自由なんて、自由に対してあまりにも失礼だろう?
自由ってのはさ、好き勝手にする事じゃない。自由は、真摯さの中にこそ宿ると思うんだよ。これは俺個人の考えだけど、少なくとも俺は真摯さの中に自由を見出した。奔放な中に自由をみいだせなかったんだ。世の中には奔放さに自由を見出す人もいるかもしれないけど……俺の自由はなんでも手に入る力の中にはなかった。だってその自由は、他人には自由でも、俺らしい自由ではないもの。まあ、他の人からすれば、俺の自由なんかどうでもいいんだろうけどさ。
でも、俺は、自由について考えるとき、どうしても、万人の自由に対して無関心ではいられなかったのさ。
そこで俺は、無関心も大事だけど、目に見える自由だけじゃなく、目に見えない新しい自由も大事なんだよって思ったんだ。知っている価値観だけではなく、知らない価値観も大事だ。
だから俺は、無関心ではなく、自由について考えることにしたんだ。
無論、無関心なのも自由さ。ただ、俺はどうしても自由が欲しかった。
君とカップヌードルを食べる事で、はじめて本当の自由なんだから。俺が欲しい自由、それは君たちと謳歌する自由だ。ようやく、その事に気づいた。正論よりも、自分と仲間がどう思うかが、大事だってことに。正論はないんだ。自分らしい生き方が、自分らしい自由がそれぞれあるってわかったよ」
「ええ、わたしもひとりの自由はいやです。また、自分らしくない、他力本願な自由もいやです」
「そこが、好き勝手と自由の違いだな」
「はい。これからは100億円で自由を謳歌するより、100億倍の努力で自由を謳歌しましょう」
「ああ、自由な生活にチート能力はいらない。自由な生活に必要なもの、それは生きがいだ」
俺はようやく、チートと自由が違うものであることに本格的に気づいた。敗北がないことと自由は違った。
最強になれば自由が手に入るんじゃない。
自由に必要なのは………カルメンとの間にある、不思議な絆だった。
そして、カップヌードルが食べたいという、生きる為の意思だった。
なんでカップヌードルを食べたいのか。
そりゃ、生きていたいからだ。
まだみぬ、未来の人との自由の可能性の為に。
これからもどんどん誤解を生むだろう。
勘違いされるだろう。
だが…カルメンがわかってくれさえすればそれでいい。
カルメンが、やっと、俺に俺なりの俺だけの、そして、そこにカルメンがいる自由を教えてくれたんだから。
他人から与えられた自由じゃないんだ。
俺が手に入れた自由だ。
誰のものでもない、俺らしい自由。
それは、みんなのそれぞれの自由を、守りたいという自由。
それが俺とカルメンの、自由。
いままで、自由とは何なのか探してきたが、自由に最初から意味などなかったのだ。
自由の意味。それは他ならぬ俺自身が決めるもの。
そして、カルメンの自由も、カルメンが決めるもの……。
いま、ふたりの違う自由は、謳歌する為に繋がった。
これは、ふたりにしかわからないのかもしれない。
だが、俺の人生において、大切な、唯一無二の経験………。
ふたりは、他人同士だ。だが、一心同体だ。ふたりは、自由を探す旅の途中で、自由を手に入れる為には、自由について関心を持つ事が大事だと悟った。そしてそれは多くの人達が忘れている事だとわかった。
自由とは、なにか。
それ自体を考える事が、自由なのかもしれない。
自由とは無敵ではなく、生きがいだということ。
己の力で拓くもの。
それが、目下のところ、ふたりらしい自由だ。
他の人は違うかもしれないが。
正論がないように、自由にも、答えがない。
討論するより、今は、ふたりの自由を生きること。
他人は関係ない。
自分の人生だから、自分で守る。
自分は他人のものである時もある。
だが、結局のところ、他人は、自分を最終的には守ってくれない。現に、誰も俺をニートから脱せられなかった。
自分を守れるのは、自分。
自分を守る意思のあるものが、最後に勝つ。
だが、いま、俺は………。
自分を形成してくれたかけがえのない他人を守ろうとしている。
それはキミが、俺に新しい自由を、新しい自分を与えてくれたから。
それも、侵略という形ではなく。
俺は自由を金で買おうとしたが、君は自由を絆で与えてくれた。
他人の自由というのは、決して強制するものではなく、お互いの絆によって示されるものなんだ。
それでやっと、俺は自由を得たんだ。
うん。
これは、俺が得たひとつの回答。
俺の目指す目標。
他人に強制されたものじゃない。
正論ではない。
だが、ひとつの回答だ。
少し、汚いかもしれないが。
自由と真摯に向き合った結果。
ニートの頃の俺は、ただ闇雲に自由を追い求めていた。しかしそれは自由ではなかった。自由にも指針は必要だった。自由って、難しかったけど。
回答はないんだ。
それより、俺らしく生きること。
回答なんかいらない。
俺はカルメンと生きたい。
カルメンも、それを望んでいる。
それが世界一の幸せだった。
勝利も、友情も、努力も。
単独では成立しない。
勝利する自由ではなく。
自由の為の勝利を。
「よし、これからも様々な自由を謳歌する為に、努力して千年の平和を築くぞ」
俺は言った。
「ええ、理想論ばかり語ってはいられません。君主は、現実主義である必要もあるのです」
気合いを入れるカルメン。
「俺は、ただ自由を手に入れたいんじゃない。自由を謳歌したいんだ。自由を謳歌するためには……自分の人生を生きる意思が必要なんだ。
………よし、そのためには現実的資本がいる。我についてきてくれるか?」
「はいっっ」
この時、ふたりははじめて、ようやく互いが真の友人だと理解したのである。
こうして、アデリナとカルメンの、自由を求める旅が本格的に幕を開けたのであった………。
果てのない旅になるが……。
(もう、神様の事を言うのはよそう)
カルメンは心の片隅で固く誓うのであった。
他人にもらってばかりの自由だったが、これからは金ではなく、自分で自由を手にするんだ。他人に流されず、自分らしく自由に………。
そう、胸に誓って………。
ガタゴトと揺れる馬車の中で、俺はティブルシオの革新的な考えについて思索していた………。
「しかしだな…」
「はい」
俺の話に耳を傾けるカルメン。
「あの、ティブルシオという少年は相当先を進んだ少年だぞ。感覚がこの時代の人よりも、私のいた世界の人間に近い」
「そうですか。それくらい彼が近代的な人間だという事ですね」
カルメンは感心したように言った。
「彼の頭脳と発想には、並々ならぬものがある。もしかしたら、私のいた世界を超えるかもしれない」
俺は改めてティブルシオに脅威を覚えた。
中世的な時代の人なのに、その感覚は未来的だ。
現代からやってきた訳でもないのに、次々と努力により未来を読んでいくティブルシオの姿に、俺はチート以上に大切な『なにか』を感じ取っていた………。
その、『なにか』とは………。
「いますぐ彼に護衛をつけさせよう。彼は間違いなくこの国の経済を発展させる宝になるぞ」
「はは」
カルメンは深く頷いた。
カルメンが軍人達に指示を出している間、俺はこの世界の人間もまんざらではないな、と思った。
もしかしたら、異世界から物資を召喚する術などなくても、電気に相見える日もそう遠くない未来ではないのではないかと思った。
俺は、異世界から物を召喚する術ばかりをさがしていたが……。
そんな超人的な他力本願よりも……。
とりあえずティブルシオを吸血鬼の仲間に引き入れたという、グラシエラの師に感謝しつつ、俺は馬車を降りた。
そして俺は、異世界で出会ったふたりの人物に感謝した。
俺はいままで、自分が他力本願だった事をようやく悟った。
そして俺は、多大な勘違いをして、生きていた事を知った。
俺は、なにを勘違いしていたのか。勘違いにさえ気づいていなかったのが、そもそもの勘違いだということに気がついた。
ないものねだりで、ただ与えられたものを闇雲に貪るだけのニートとしての俺の生活は、いつも孤独で、ひとりであった。
そして、本だけではなく、言葉の力だけではなく、出会いの力も大切だと知った。
漆黒の魔城で、無数の知恵の獣達に囲まれて得た知識からは、手に入らなかったもの……。
それは、未だ、書かれたことのない、書く事では表せない新しい価値観の息吹。
言葉の力は確かに偉大だ。
しかし、それ以上に、大事なのは、人を知る事。
………このふたりが俺の指針を定めてくれたのだ。
このふたりは、本では得られぬ、新しい息吹を、俺に与えてくれた………。
言葉ではない、目には見えぬ心の触れ合いによって………。
もうひとりは、ティブルシオ。
俺は、密かに現代からきた自分が、なんの根拠もなくこの時代の人より偉いと思っていたのかもしれない。
だが、ティブルシオは、2016年を生きていた俺よりも、遥かに未来を生きていた……。
そして、もうひとりは………。
□
この国には12の軍基地が存在しており、それぞれエリア1、エリア2と呼ばれている。ここはそのエリア1、国の首都リベルテにある軍基地だった。
ティブルシオ以外の科学者によって発明された、有刺鉄線が基地の周りを囲っている。これも、新たな未来の息吹といっていいだろう。
俺は木の扉を開け、中に入った。
軍の上品かつ権威ある黒の装束に身を包んだ衛兵達が、畏怖の意思を込めた眼差しで俺をみる。
俺は出来る限り自信たっぷりに、しかし下品に見えぬよう烏滸がましくなりすぎないように垢抜けた歩き方をした。
少女らしく民に親しまれやすい可憐さを忘れずに、しかし帝国の君主らしく気高さを忘れずに、清く正しく美しく歩くのは精神力がいるが、今の俺はもう我儘なニートではなく一国の秩序ある主。その背中に何百万人もの亜人種の民の責任を背負っているのだ。女王としての風格を乱すわけにはいかない。
俺はその重圧を改めて感じた。
俺は、もう、ひとりを守る人間ではない。
アスワド五百万人の民を率い守る、責任ある者なのだ。
その責任とは、なんの為の責任なのか。
自分を守るため、自分の国を守るため、なによりそれはみんなを守る為。
俺はもはやひとりで自分なのではなかった。五百万人を背負う自分なのであった。
もはや、ひとりでは、ひとりではない。
全ての人間を幸福にはできぬことくらいは、わかっている。
だが、俺は五百万人の、様々な夢を…様々な自由の形状を背負って生きている。
そして、いま俺は個性豊かな多様なる世界を、守りたいと思っている。
俺は、最初ひとりだった。
だが、アデリナとして生きていく内に、アデリナだけが全てではないと悟った。
無論、アデリナがいたから、いまここにいる人達と出会えたのではあるが………。
俺は最初、金の力でゲーム世界を制しようと思っていた。
だが、今は………。
「カルメンよ、いま、俺は気づいたぞ」
俺はカルメンに話しかけた。
「何をですか」
カルメンは不思議そうに訊く。軍の砂塵が視界を乱す。
千年の孤独から覚めたような目で俺はカルメンをみた。
俺は、俺を生きることにした。
堂園想として。アデリナとして。
いま、ふたつの人格が、ひとつの回答を出す。
「俺はこれまでカップヌードルを食べるという自分ひとりだけの自由を謳歌しようとしていたが…」
俺は瞬きをする。
「これからは、自分ひとりだけの自由ではなく、カップヌードルだけではなく、様々な自由を、皆に謳歌させたいと思う」
「それは素晴らしいお考えですね」
「ああ、これからはひとりだけの自由ではない。確かにそれも自由だし、ひとりでいる時間も大切な事だが、その先にあるものを知った。これは俺の考えで、誰に強制するつもりもない。だが、ないよりはましだ。みんな強制してる自覚もなく強制するけれども……それはみんな自由に対して、本当は無関心だからだ。誰も、こんなこと、考えないんだ。自由なんて、本当はなくても生きていけるからね。でも俺は君と出会って、自由について真摯に考えた。はじめて考えたんだ。はじめて自由ってぼんやりしたものが、形をもって俺の前に現れた。君がいたから。結果、出た答えがひとつ………。
それは自由も大事だが、それ以上に、謳歌する事の方が大事だと。これからは、カルメンらとともにある自由だ。自由を得るよりも、謳歌する事の方が、今の俺には大事だ。そして、自由を謳歌する為には、カルメン、君がいる。ひとりでは、自由までは得られても、謳歌する事はできない」
自由なんてなくてもよかったものが、必要なものに変わった。
どっちでもよかったものが、確定したのだ。
これからも、変わっていく自由の形。
それは、決して無理矢理に歪めるものじゃなく………。
ひとりで食べるのが、最初は楽しかった。
だが、カップヌードルが手に入ったことよりも、俺は……カルメン、君がカップヌードルを持ってきたことの方が………。
俺は言った。
「俺は、自由を謳歌しようとした。ところが、カップヌードルというものがないから、俺はいままで自由を謳歌できなかったんだ。いや、カップヌードル、じゃないな。夢、目標、物欲………生きがいだな」
「生きがい、ですか」
「生まれた理由はないかもしれないが、生きる理由はある。カップヌードルがある。ただそれだけで自由になれるんだ………そして、気づいたんだ。千の言葉より、大事なキミがいることに」
「なら、自由を謳歌する為には、もっと民に生きがいが必要ですね」
「ああ、そして、生きがいを得る為に必要なもの……それは努力だ。責任ともいうがな」
俺は100億円の金で今の地位を手に入れたが、俺を自由にしたのは100億円の資金ではなく、たったひとつのカップヌードルだった………。
「やはり、なんでも手に入れば自由なのではなかったんだ。自由は楽しい事ばかりじゃない。自由が楽しいと思えるのは、カルメン……お前と自由を謳歌してるからだよ。自由だけではない、生きがいが…仲間がいるから、自由がようやく楽しくなるんだ。自由だけあっても意味がないんだ、少なくとも、俺にとっては」
「アデリナ様………」
カルメンが、さりげなく手を差し伸べてきた。
俺は迷わずそれを握る。
友情とも恋愛ともつかぬその強い掌の熱さが、いまは頼もしい。
カルメンの心はみえない。
だが、カルメンが何も言わなくても、カルメンの目指しているもののそばに俺がいる事は明白である。
お互い違う存在だけれども。
これは、カルメンと俺、ふたりだけの問題であり、ひとつの回答。真剣に考えた結果。
「いくら自由でも、キミがいない自由なんて、意味がない。キミがいたから、いまようやく、俺は自分が欲しい自由がなんなのか、わかったんだ。俺の欲しい自由。それは、君といたいってことに」
「はい」
「私が自由を謳歌するためには、キミもまた自由を謳歌する必要があるんだ。これは万人の正論ではない。しかし俺と、君らしい答えではある筈だ。そして、自由ってのは他人から渡されるものじゃない。自分で努力して掴むものだ。
俺は棚から牡丹餅でいまの地位とカップヌードルを手に入れたが、もうそれは終わりだ。これからは、金や偶然に頼らず、自分の力で新たな自由を開拓しよう。そしてその新しい自由の傍には、必ず君がいてほしい。ひとりで自由を謳歌しても、空虚なだけだと気づいたからな。他人の自由に無関心な自由なんて、自由に対してあまりにも失礼だろう?
自由ってのはさ、好き勝手にする事じゃない。自由は、真摯さの中にこそ宿ると思うんだよ。これは俺個人の考えだけど、少なくとも俺は真摯さの中に自由を見出した。奔放な中に自由をみいだせなかったんだ。世の中には奔放さに自由を見出す人もいるかもしれないけど……俺の自由はなんでも手に入る力の中にはなかった。だってその自由は、他人には自由でも、俺らしい自由ではないもの。まあ、他の人からすれば、俺の自由なんかどうでもいいんだろうけどさ。
でも、俺は、自由について考えるとき、どうしても、万人の自由に対して無関心ではいられなかったのさ。
そこで俺は、無関心も大事だけど、目に見える自由だけじゃなく、目に見えない新しい自由も大事なんだよって思ったんだ。知っている価値観だけではなく、知らない価値観も大事だ。
だから俺は、無関心ではなく、自由について考えることにしたんだ。
無論、無関心なのも自由さ。ただ、俺はどうしても自由が欲しかった。
君とカップヌードルを食べる事で、はじめて本当の自由なんだから。俺が欲しい自由、それは君たちと謳歌する自由だ。ようやく、その事に気づいた。正論よりも、自分と仲間がどう思うかが、大事だってことに。正論はないんだ。自分らしい生き方が、自分らしい自由がそれぞれあるってわかったよ」
「ええ、わたしもひとりの自由はいやです。また、自分らしくない、他力本願な自由もいやです」
「そこが、好き勝手と自由の違いだな」
「はい。これからは100億円で自由を謳歌するより、100億倍の努力で自由を謳歌しましょう」
「ああ、自由な生活にチート能力はいらない。自由な生活に必要なもの、それは生きがいだ」
俺はようやく、チートと自由が違うものであることに本格的に気づいた。敗北がないことと自由は違った。
最強になれば自由が手に入るんじゃない。
自由に必要なのは………カルメンとの間にある、不思議な絆だった。
そして、カップヌードルが食べたいという、生きる為の意思だった。
なんでカップヌードルを食べたいのか。
そりゃ、生きていたいからだ。
まだみぬ、未来の人との自由の可能性の為に。
これからもどんどん誤解を生むだろう。
勘違いされるだろう。
だが…カルメンがわかってくれさえすればそれでいい。
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他人から与えられた自由じゃないんだ。
俺が手に入れた自由だ。
誰のものでもない、俺らしい自由。
それは、みんなのそれぞれの自由を、守りたいという自由。
それが俺とカルメンの、自由。
いままで、自由とは何なのか探してきたが、自由に最初から意味などなかったのだ。
自由の意味。それは他ならぬ俺自身が決めるもの。
そして、カルメンの自由も、カルメンが決めるもの……。
いま、ふたりの違う自由は、謳歌する為に繋がった。
これは、ふたりにしかわからないのかもしれない。
だが、俺の人生において、大切な、唯一無二の経験………。
ふたりは、他人同士だ。だが、一心同体だ。ふたりは、自由を探す旅の途中で、自由を手に入れる為には、自由について関心を持つ事が大事だと悟った。そしてそれは多くの人達が忘れている事だとわかった。
自由とは、なにか。
それ自体を考える事が、自由なのかもしれない。
自由とは無敵ではなく、生きがいだということ。
己の力で拓くもの。
それが、目下のところ、ふたりらしい自由だ。
他の人は違うかもしれないが。
正論がないように、自由にも、答えがない。
討論するより、今は、ふたりの自由を生きること。
他人は関係ない。
自分の人生だから、自分で守る。
自分は他人のものである時もある。
だが、結局のところ、他人は、自分を最終的には守ってくれない。現に、誰も俺をニートから脱せられなかった。
自分を守れるのは、自分。
自分を守る意思のあるものが、最後に勝つ。
だが、いま、俺は………。
自分を形成してくれたかけがえのない他人を守ろうとしている。
それはキミが、俺に新しい自由を、新しい自分を与えてくれたから。
それも、侵略という形ではなく。
俺は自由を金で買おうとしたが、君は自由を絆で与えてくれた。
他人の自由というのは、決して強制するものではなく、お互いの絆によって示されるものなんだ。
それでやっと、俺は自由を得たんだ。
うん。
これは、俺が得たひとつの回答。
俺の目指す目標。
他人に強制されたものじゃない。
正論ではない。
だが、ひとつの回答だ。
少し、汚いかもしれないが。
自由と真摯に向き合った結果。
ニートの頃の俺は、ただ闇雲に自由を追い求めていた。しかしそれは自由ではなかった。自由にも指針は必要だった。自由って、難しかったけど。
回答はないんだ。
それより、俺らしく生きること。
回答なんかいらない。
俺はカルメンと生きたい。
カルメンも、それを望んでいる。
それが世界一の幸せだった。
勝利も、友情も、努力も。
単独では成立しない。
勝利する自由ではなく。
自由の為の勝利を。
「よし、これからも様々な自由を謳歌する為に、努力して千年の平和を築くぞ」
俺は言った。
「ええ、理想論ばかり語ってはいられません。君主は、現実主義である必要もあるのです」
気合いを入れるカルメン。
「俺は、ただ自由を手に入れたいんじゃない。自由を謳歌したいんだ。自由を謳歌するためには……自分の人生を生きる意思が必要なんだ。
………よし、そのためには現実的資本がいる。我についてきてくれるか?」
「はいっっ」
この時、ふたりははじめて、ようやく互いが真の友人だと理解したのである。
こうして、アデリナとカルメンの、自由を求める旅が本格的に幕を開けたのであった………。
果てのない旅になるが……。
(もう、神様の事を言うのはよそう)
カルメンは心の片隅で固く誓うのであった。
他人にもらってばかりの自由だったが、これからは金ではなく、自分で自由を手にするんだ。他人に流されず、自分らしく自由に………。
そう、胸に誓って………。
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でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
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何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
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どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
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ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
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・・
・
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