上 下
14 / 19

幼女暮らしの高校生

しおりを挟む
俺はテレビをみていた。
動物番組だ。
「かわいいーー」
まるが言う。
「まるのほうがかわいいよ」
俺は言った。
「そんなことないのじゃ!だんなしゃまのほうがかわいいのじゃ!」
まる。
か、かわいいーー。
そんなこというところがかわいいーーー!!
俺はまるをだきしめた。
ぎゅっ。
「だんなしゃまー」
まるがだきしめてくる。
「あいしてるよ、まる」
「わらわもじゃ」
まるはかわいい。
うん。
「くすくす」
笑うてん。
「ふん」
るたはまだ拗ねている。
俺はまるたちとホットケーキを食べた。
「シロップあまいのう」
まる。
「固くないか?」
「大丈夫じゃ」
まるは言う。
「………」
俺の作ったホットケーキを食べたるたが、意外そうな顔をした。
「どうだ?るた、おいしいか?」
「…べ…べつに」
照れる、るた。
明らかに動揺している。
「ほら、おかわりもありますよー」
てんが言う。
「やったー」
まる。



俺は縁側でまるとパズルをして遊んだ。
「有無。むずかしいのう」
険しい顔をする、まる。
「ここはこれだよ」
教えてあげる。
「ほう」
まる。
「はい、お茶です」
てんが茶を出す。
「ありがとね」
俺。
「はい」
てん。
「………」
るたは隅で本を読んでいる。
四人での生活。
平和な日々。
「ふにゃー」
にこにこ笑うまる。
「散歩にでもいくか」
俺は言う。
「ええ」
てん。



四人で散歩に行った。
「るんるん♪」
まる。
「よしよし」
まるの頭を撫でる。
「ふん」
るたはまだ拗ねている。
公園で遊んだ。
「あははは」
「きゃー」
まるとブランコをする。
「………」
るたは本を読んでいる。
「うう…」
すると、まるが急にお腹を抑えた。
「どうした、まる?」
俺は訊く。
「うんち」
まるが言う。
「トイレ行かないと」
俺はまるをトイレに連れていった。
「あーすっきりしたのじゃ」
まるが言う。
「よかったな」
俺。
「ねえ」
すると、るたがそそくさと寄ってきた。
「なんだ?」
俺。
「私も、うんちなんだけど」
るた。
「…自分でできないの?」
俺。
「うん」
不甲斐ない顔をする、るた。
「わかったよ」
俺はるたの頭を撫でる。
公園から家に帰った。
「あーお風呂はいるのじゃ」
まる。
「そうだな」
俺。
「ほら、るたも」
「…うん」
るたは言う。
「あのさ」
「なに?」
俺は言う。
「またホットケーキ、作ってよ」
苦々しげにいう、るた。
「わかったよ」
微笑む、俺。
しおりを挟む

処理中です...