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第一章 最早これは呪い? もう呪いとしか思えないでしょうっっ
1 リーナの独白 その1
しおりを挟む初めまして私はこの物語の主人公、つまりはヒロイン的存在のエヴェリーナ・クラーラ・リースベット・アールクヴィスト現在7歳です。
それにしても何時も思うのは、我ながら長ったらしい名前。
そして未だに慣れているようで今一つ慣れない。
日本では山田 ○子……なんて単純明快に言い表せられると言うのは本当に羨ましい限りだ。
まあ私の事は簡単にリーナと親しい人達はそう呼んでくれているし、私もその方がしっくりくる。
後ろに付いてくる名前は必要時以外私はすっぱりと忘れる事にしているのだっっ。
そしてここ――――私がいるの現在地というのは、とある世界の中に存在する四つの広大な大陸の中の一つ、メヒティルデ大陸の北方の山間に存在する長閑で自然豊かな国として知られるアールグレン王国。
因みに現在の私はこの国の第一王女様だったりする。
そして王女である私の容姿はこのアールグレンに降り注ぐ眩い陽の光に照らされた、キラキラと銀色に輝く真冬のアイスウォールを思わせる様な髪。
また瞳は我が国の至宝と瓜二つと言われる鮮やかな緑色の中に青い星が一際輝きを放ち、美しいも穢れを知る事のない神々しさを纏う翆玉と同じもの。
肌は山深くに積る深雪の様に真っ白で沁み一つない滑らかな―――ってそもそも私の素肌は侍女とお母様以外にはまだ誰にも見せた事はないのだけれどね。
勿論美しい顔立ちであるのは物語のヒロインであるのだから当然???
幼いながらも才色兼備と名高く、民達は私の事をアールグレンの妖精姫と呼んでいるわ。
でもだからと言って美しい容姿に何も酔いしれて等いないわよ。
確にかに綺麗な顔立ちだなぁ~って思うけれどね。
しかしそれはあくまでも今現在の私の外見に過ぎない。
何故って?
うん、普通に見れば私は小学校一年生のお子様。
でもその中身は17歳の高校生○○――――っじゃあなくっ、その前段階に私は薬を誰にも飲まされてなんかいないわよっっ。
そもそも私は極々普通の経過を経て、七年前にお母様のお腹からちゃーんと生まれたのだもの。
従って某アニメみたいじゃあないの!!
じゃあ何がどう違うのかって?
うんうんそう慌てないで。
確かに身体は7歳の子供に過ぎないわ。
それは正解。
でも頭脳は――――いやいや正確に言えば記憶はね、7歳の女の子が持つものとかなり違う。
何故なら私の記憶は今のリーナだけのものではない。
白状致しますと私はこれより過去七回の転生を繰り返した分の記憶を持つ、ちょっと……いやいやかなり変わった女の子だったり……する?
外見はまだまだ幼い女の子。
でもその記憶量を年齢に換算すれば……うーん、皆長く生きても20歳前後で死んだからね。
多く見積もっても約100歳そこそこになるくらいかしら。
その100歳そこそこの記憶を持ったままこの世界へと生まれ落ちた私。
今でこそ多少なりとも人生を達観している……のかもしれないと言うか、この現状を受け入れてはいるけれどやっぱり最初はね、まあ派手に混乱しまくりましたよ。
だって言葉を話す事も出来ない赤ん坊なのに、頭の中は色々な意味合いも含めてぐっちゃぐちゃな記憶がぎっしり詰め込まれているのだもの。
実のお母様にはおろか、私自身マトモな言葉を発する事も出来ないのだもの。
だから当然誰にも相談出来なくて、毎日大きな声で泣いてばかりいたわ。
まあそれが赤ん坊である事の最初の意思伝達の方法なのかもしれないけれどね。
はうぅぅぅ……今思い出しても妙に恥ずかしかったわぁ。
うん、頭の中ではちゃんと理解はしているのよ。
まだ身体が小さ過ぎるから何も出来ないし、何をするにしてもお母様を含め皆に沢山お世話になる事もちゃーんと理解はしているのだけれどね。
だけどお母様よりおっぱいを飲ませて頂くのもっ、おむつを替えて頂くのもっ、お風呂は――――今も然程変わらない……かぁ。
でもっ、でもねっ、そのどれも頭の中は大人な自分もいるのだからこそっ、私は声を大にして叫びたい!!
これは一体何の公開処刑なのぉぉぉぉ――――っっ!?
えーっと、私の独白はまだまだ続きます。
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