行き遅れの王女様は年下イケメン公爵と恋に落ちる?

雪乃

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外堀から埋められていく?

彼女を知れば知る程に

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 昨夜は勢いに任せて白い結婚と言ってしまった事を俺はかなり反省して、いや…後悔していたのだ。




 姫の言う通り王室会議では異議をとなえる者等なく、結婚は問題なく行われる筈。




 ところが…だ、姫はこの結婚に納得していないばかりか、幾ら勢い余ったとしても…まだ結婚もしていない間に離婚を望んでいるとまで言われてしまったのだ。




 まぁ…お互い…昨夕に初めてしっかりと認識したくらいだから…かな、彼女は私の事も噂程度にしか知らないだろう…。




 私も昨日まで姫のうわつらな噂しか知らなかったのだからお互い様…しかし私は姫のお人柄をしっかりと見てしまったし、彼女にかれている。




 年齢こそは確かに…だが、心はうら若き乙女の様に無垢で…異性をまるで知らないし、まして男と言うモノの理解も全く出来てない。



 普通あんな事を言ったり行動すれば、男がどうなるか…等ときっと思いもしないのだろう。




 そしてそれにもまして素晴らしいあの身体…1度手にすれば、彼女へずぶずぶにおぼれてしまいそうなあの肌。



 結婚してしまえば無理にでも…いやいやあのタイプは無理にじ開ければ一生関係がこじれてしまいかねない。



 それよりも彼女を私に夢中にさせればいいだけの事だ。




 無垢な乙女程…少し突けば落ちやすい…しかしそれも無理かもしれないと思えてくるのは何故…だろう。




 彼女には王女としての矜持きょうじも持ち合わせている、色事だけは何も分からない乙女だが…それ以外は洗練された貴婦人であり、女性でありながら政務への助言など的確にこなされている…1個人としても素晴らしい女性なのだ。



 よく…恋は先に落ちてしまった方が負け…今回は私の方が先に彼女へ惹かれているのだから、が悪い。


 今までこの様な事等なかったのに…数多あまたいる貴婦人達と適当に恋をして楽しんでいたツケ…なのだろうか、かく彼女にもっと私と言う男を知って貰いたい。




 そうして今日…彼女の予定を知り、共に孤児院へとおもむいたのだが…私も以前より領内に孤児院を運営している、だがそれは一般的に貴族のノブレス・オブリージュで寄付や慰問いもん…と言って、見学等が関の山だ。



 なのに彼女は寄付だけでなく、子供と一緒に絵本を読んだり遊んでみたり…している。



 しかも子供と接している彼女の表情かおはとても宮廷で見る表情ものとは全く違う。




 何と言うか…とても生き生きとして、慈愛溢じあいあふれる女神の様…だ。




 俺は思わず見入みいってしまったのだ。



 そんな時だった…ここの院長がお礼を言ってきたのは…。



「アン様を見ておられたのですね、あの御方は他の貴族と全く違う御方ですの。この施設の子供達を我が子の様に愛して下さっていますの…ご自分もお子様が欲しいわ…と申されておられましたが、良きお相手にめぐり合われなくて…最近は諦めておいでのようです。ですが私はきっとアン様には相応しい立派な殿方と巡り合われる事と信じていますのよ」



 元宮廷侍女だと言っていたあの院長は、俺よりも姫の事を良く理解していた…な。




 そして俺が姫を狙っている事も…。



 遊びで近づいたのではない…と知ってか、色々と姫の幼い頃の思い出等も聞かせて貰っていた。



 この施設を立ち上げた時も…反対する王太子を打ち負かして許可を取り、かなり尽力じんりょくされた事も…だ。



 私は彼女を知るごと益々ますます心が惹かれていくのを痛感する。



 如何どうすれば彼女が私に…あの子供達の様な優しい笑顔を見せて貰えるのだろう…か。



 そして出来れば公爵ではなく…ウィリアムと呼んで欲しい。



 そんな事を馬車の中で悶々もんもんと考えふけっていた時だった―――――彼女が眠っている事に気がついたのは!!




 余程よほど子供達と遊んで疲れたのだろう…穏やかで、満ち足りた表情かおで眠っているではないか。



 そして俺はこの機会をのがさなかった。



 素早く…そして起こさないよう揺れる馬車の中、細心の注意を払って彼女を自身の膝の上に抱き抱えた。



 功を奏してか…彼女は目覚めない。



 彼女の甘くかぐわしい身体から発する匂いと、寝息が俺の鼻腔を何とも言えずくすぐってくれるではないか。



 彼女の頬を優しく指の腹ででてみる。



 そしてその指は…少し開いた唇をそっとその輪郭に沿って撫でていた。



 柔らかい…。




 その柔らかな唇を心ゆくまで堪能たんのうしたい想いがけ巡るが、これ以上の事をすればきっと彼女は目覚めて怒り狂うのは必須だ。



 幾ら恋しいと思いをつのらせても、そんな地雷は踏みたくはない。




 こうして…出来れば城へ着くまでの間…彼女の甘い芳しい香りを堪能し、この柔らかで心地の良い重みを身体中で感じる事が出来ればしとしよう。




 まずは彼女と出来るだけ…まぁ仕事もあるからそうそう毎日とはいかなくとも、それでもなるべく時間を作り彼女とこうしていたい。



 ふ…、初めてだな…それにしても女性にこんな感情を抱いたのは…。



 何時もなら適度に…そして簡単に頂くのだが、俺は身体だけでなく…彼女の心も全てが欲しい。




 その為ならば…男として多少の我慢は何でもない。




 この至福な時を味わえるのならば…な。










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