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第6話『トリガー』
しおりを挟む高梨をリビングに通し、ジュースを出した。
高梨は意外にも普通に「ありがとう」と感謝を述べた。
うちのソファに高梨が座ってる‥
こんなことにならなければ有り得ない光景のはず。
「‥‥さすがに、男で生理ってやばくね」
「ま、まぁそうだね」
「仮にも万が一それを受け入れるとして、ナプキンどうのこうのの処理だとか、うまくできる自信ねぇし」
確かにそれはそうだ。
高梨に女の兄弟はいないし、突然自宅のトイレの汚物入れに見知らぬ使用済みナプキンが入ってたら高梨のお母さんは発狂するだろうし、外出先の男子トイレでもナプキンを捨てることなんてできない。
中身の見えないポリ袋でうまくナプキンを処理したとしても、生理初心者の高梨がシーツに血を漏らしたりすれば、それはそれでまた大問題だ。
高梨の焦りと不安が痛い程に分かって、私もさすがに眉を落とした。
「ナ、ナプキンは私が処理するとかでもいいし、夜用ナプキンの使い方とか、寝てる時に漏れない裏技も教えてあげられるよ」
「裏技‥?」
「寝る前にね、お尻の谷間にトイレットペーパーを丸めて詰めるの!そうすると伝え漏れは防げるんだよ!」
「‥‥」
なんで高梨にこんな秘話を暴露してるんだって自分にツッコミを入れてしまったけど致し方あるまい。
意図せず周囲にバレてしまうかもしれない要因の1つなんだから。
あ、あと‥
「私ね、生理くる前からお腹めっちゃ痛かったんだよね。月経前症候群ってやつで、薬ないと耐えられないの。だから高梨いまかなりしんどいよね。はい、これ飲んで」
そう言って、痛み止めを差し出す。
「‥ありがと」
「食後に飲んでね」
「昼飯食ってきたばっかだから今飲むわ」
「あ、そうなんだ。水持ってくるよ」
立ち上がり、水を用意した私の脳内にふとハテナが浮かんだ。
ーーーなんかいつもの雰囲気と違う‥?
口を開けばすぐにしょうもない喧嘩ばっかしてたのに‥
高梨が体調悪いからかな‥?
あ、あれか‥。いまの私、高梨のことを思い遣れているんだ。
その痛みや症状がどんなにキツいか、一番の理解者は私だから‥
だから高梨も素直なんだ。
‥‥そう考えるとちょっと小っ恥ずかしい。
「お前は大丈夫なのかよ」
薬を飲み終えた高梨と目が合う。
髪色と同じ真っ黒な瞳が私を射抜いている。
仏頂面で冷たい印象を受けるような瞳なのに、なんだか目ヂカラは強いのよね。
「なにが?」
「それだよ」
なんで気付かないんだよと言いたげに、高梨はため息を吐きながら私の股を指差した。
「あ、あーこれね‥困ってるよ正直。
突然大きくなるから出歩けないし、大きくなると全然収まってくれないし、ぬ、ぬ、抜き‥方?とかよく分からないし、そんなことしたくもないし」
カーッと顔が紅潮していくのが分かった。耳が熱い。
高梨なんかになんちゅう暴露してるんだろ。でも高梨にしか言えないことだから仕方ないよね。元々こいつの持ち物なんだし。
突然こんな暴露したせいか、高梨の仏頂面にもほんの少しの照れが見える。
「‥‥今みたいに?」
「え?」
気まずそうに目を逸らす高梨に、私はサーっと青くなった。
高梨を家にあげることになったもんだから、部屋着だった私は大慌てでTシャツワンピースに着替えを済ませていた。
そのTシャツワンピースの股の部分が大きく盛り上がっている。
「‥なぁ、当たってるかわかんねーけど‥
てか言いたくなかったから言わなかったけど‥交換されるきっかけは多分それだと思う」
「そ、それって‥?え、これ?
何回も大きくなったけど、元に戻ってないじゃん」
「‥‥射精だろ、たぶん」
「‥‥‥」
「だから、お前が抜けば体は戻ると思う」
ーーう、嘘でしょ‥。
‥お風呂で体が元に戻ったのは、頭が真っ白になったあの時にイッてたから?
そのあと家に帰ってすぐまた取り替えっこされたのは、高梨が1人でしたから‥てこと?
それからずっと抜いてない状態のままだから‥取り替えっこされてないってことなの‥?
「え!い、嫌だよ!無理!無理無理無理!
これ触るとか無理!!!」
‥散々触ったけどさ、そりゃあ高梨を前にして「分かった!じゃあ抜くね!」とか絶対言えるわけないし、もう顔が火を吹きそうなほど熱くて死んでしまいそうだ。
「‥じゃあ夢精するまで待つしかねーな。
‥‥まぁ俺だってそろそろ抜きたくてもう我慢の限界なんだけど。俺の体の方で試してみる?それでも戻るかもしんねーし」
俺の方って、つまり私のムスメで逝くってこと‥?
「い、嫌だってそれは本当‥!!」
ーーでも正直な話、高梨はとっくに私のムスメ弄ってるんだと思ってた‥。いや、見たり触ったりしたかもしれないけど、少なくともまだ逝っていないってだけかな?でもそんなお預け的な状態で我慢できるほどの理性が高梨にあるとは思えない‥
もしかして、ムスメに全然ちょっかい出してない‥?
わ、私は結構触っちゃってたけど。
ついさっきまでだって‥。
でも全然逝けなくて、高梨のあの時の手と同じように出来なくて‥‥
無意識のうちに高梨の手が視界に入る。
ーードクン。と心臓が急に跳ね上がった。
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