奴隷島の青年たち

KEYちゃん

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晃一と純也の嵐山

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船を降りると晃一は純也を連れて旅館に向かった
「今日は嵐山で泊まろう」
晃一が言うと純也は黙ってうなずいた
晃一は普段、近場での泊まりは本来は嫌がる。泊まり料金は遠方でこそ効率が良いと思うからである。近場なら日帰りで良いではないかと思う
投資家の生命のお金を如何に効率良く使うか?を考えてしまうからだ。本当に美味しい食事で雰囲気の良いお店でなら大金も惜しまない。が、納得のいかない場合は500円の定食にも使いたくない
が、今日は特別だ。純也の案内で京都に来た。奮発したい
純和風旅館である。食事もお風呂もサービスも最高だ。その代わり費用もそれに応じた設定である
中居さんに連れられて部屋に到着する
「高島と申します。何かあれば何なりとお申し付け下さい」
近場で1泊なので少ない荷物を運びながら中居の高島が言う
「これで皆さんでお茶でもして下さい」
ポチ袋を晃一が渡した
チップとは言わない。心付けと言う
「そのようなことはお断りしております。お気持ちだけ頂戴しておきます」
などと言う。京都では2回断らないと好意は受けてはならないらしい
「まぁ気持ちだけしか入ってないし、高島さんにでなく皆さんでなんで」
晃一は京都人のことを良く知っている。無粋の代名詞にされてる大阪人だからだ
「そう言う訳にはいかんのどす。お客様にはようさん(沢山)サービス料やら頂いとりますんで、これ以上頂戴することはでけへんのどす」
晃一はほらほら2回目断ってきた。と、内心笑う
「せっかくの気持ちやし、まぁ今回だけ貰って貰えたらありがたいんやわ。あんまり無粋なことでけへんし」
と、言う
「そうどすか?ほならお預かりしときますわ」
と、言って取った。面倒臭い
入口が開いたままだ。最後に入った純也が閉めるのだが。普通の家とかなら
「まだ、誰かお越しどすか?」
などと嫌味を言うのが京都人だ。誰かまだ来るから開けてるんか?(最後なら閉めんかい) などと婉曲な言い回しをする。流石に旅館で客には言わないが
そんな顔で見ている。これが京都のぶぶ漬けである

中居の高島が去ると純也は晃一に抱きついた。涙を流している
「ありがとう。兄さん」
人前や外では兄さんと呼ぶ
晃一に奴隷島リゾートで知り合わなかったら、晃一が純也を助けてくれなかったらまだ純也は奴隷ボーイ37号のままで今日もお客様に指名されて性を売っているはずだ
晃一は純也にキスで返した
しかし、
「今日は汗をかいたしお風呂に行こう」
と、言った。これから先は夜のお楽しみだと

お風呂は嵐山の紅葉が一望できた。露天風呂では桂川がすぐそこに見える。足を伸ばせは届きそうだ
拉致されて奴隷ボーイになる前から貧しい家庭で育った純也にこのような体験はない。贅沢なお風呂と言えば年に1回か2回、スーパー銭湯に行けるかどうかである
晩御飯も京料理が並んだ。上品と言えるが少し若者には少な目でしかし芸術的な料理が並ぶ
「ありがとう。晃一君、俺、今が一番幸せ!!」
箸を取りながら涙を浮かべた
「俺、奴隷ボーイになれて良かった。でないと晃一君に会えなかった!!」

食事の後は
2人のお楽しみタイムだ
純也は泣きながら晃一に抱かれた
元奴隷ボーイ37号の幸せは始まったばかり。もっともっと幸せになると思う

後記
ちょっと奴隷島のことも心配なので戻りたいと思います
現役の奴隷ボーイたちも負けずに幸せになって欲しい
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