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B37号卒業
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B37号、つまりご三家の水戸クンがステージから下がりC20号が新メンバー・水戸クンとしてステージに立つ。これでC20号の指名客も増えることであろう
B37号はC20号の卒業もそう遠くないことを確信して紀伊大納言やリゾートの職員が待つ応接室に向かった
同行の調教師・大輝が、
「おめでとうさん!!」
と、言ってくれた
大輝は奴隷ボーイの門出を喜んでくれる。調教師としての仕事柄、奴隷ボーイに厳しい対応をすることも多いが本心からしている訳ではない
施設内での拘束も要らないと本当は思っている
ただ今のB37号はゴールドなので拘束はされていない。大輝と並んで歩いた
「C20号が卒業したら会うんか?」
大輝が聞いた
「そのつもりです。弟みたいなものなんで」
この2人には友情以上の感情が芽生えたが愛情には発展しなかった。弟のように思っている。またC20号も兄のように慕っていた
珍しいことだと大輝はB37号に話した。この環境だと恋愛関係に発展することの方が断然多いのだ
「連れて来ました」
B37号も途中、舞台衣装は脱いで私服である
「紀伊大納言さまもお待ちかねだぞ」
ボスの声に大輝も少し緊張した
まずはB37号とだけ手続きがある
ここでのことは他言無用など厳しく伝えられる
万一、それを破った場合は拉致グループが捕らえ、一生、奴隷ボーイとして島に監禁することになると念を押された
その代わり約束を守る限りリゾートは元奴隷ボーイをサポートする
卒業者1人の卒業式である
ステージにいたので貞操帯も装着されていない。ステージ衣装に貞操帯が出てこないようにステージに立つ時は貞操帯は外される
ゴールドだから私服であるし、B37号はそのまま紀伊大納言の元に飛び込んだ
「ありがとう」
B37号は紀伊大納言に抱かれながら礼を言った
紀伊大納言はB37号の頭をポンポンと叩きながら、
「叶夢(きょうむ)、いい子だ」
紀伊大納言こと徳田陽(あきら)が言う。これよりはB37号のことは叶夢。紀伊大納言のことは徳田陽と呼びたい
リゾートから叶夢に支払いがあった
陽から叶夢の借入金支払い後に稼いだ分や金のプレートの下取り、小遣いとして保有していた奴隷マネー、三代目水戸クンの肖像権や著作権などである
若者にはかなりの額である
「これはパパに」
叶夢は端数の数千円と硬貨を財布に取り残りは陽に渡した
叶夢を身請けするのにずいぶん負担させているはずだ。その一部に充当して貰えばと思った
陽は叶夢の気持ちがすごく嬉しかった。しかし、
「嬉しい。気持ちだけ貰っておくよ。自分を苛めて作った大切なお金だ。大事にしなさい」
と言った
叶夢の血と涙からなるお金を受け取れない
優しさに飢えていた叶夢は泣いてしまった。涙が止まらない
「優しくて、嬉しくて……。ごめんなさい」
叶夢は陽の肩に寄り添った
B37号こと叶夢はこうして卒業していったのだった
B37号はC20号の卒業もそう遠くないことを確信して紀伊大納言やリゾートの職員が待つ応接室に向かった
同行の調教師・大輝が、
「おめでとうさん!!」
と、言ってくれた
大輝は奴隷ボーイの門出を喜んでくれる。調教師としての仕事柄、奴隷ボーイに厳しい対応をすることも多いが本心からしている訳ではない
施設内での拘束も要らないと本当は思っている
ただ今のB37号はゴールドなので拘束はされていない。大輝と並んで歩いた
「C20号が卒業したら会うんか?」
大輝が聞いた
「そのつもりです。弟みたいなものなんで」
この2人には友情以上の感情が芽生えたが愛情には発展しなかった。弟のように思っている。またC20号も兄のように慕っていた
珍しいことだと大輝はB37号に話した。この環境だと恋愛関係に発展することの方が断然多いのだ
「連れて来ました」
B37号も途中、舞台衣装は脱いで私服である
「紀伊大納言さまもお待ちかねだぞ」
ボスの声に大輝も少し緊張した
まずはB37号とだけ手続きがある
ここでのことは他言無用など厳しく伝えられる
万一、それを破った場合は拉致グループが捕らえ、一生、奴隷ボーイとして島に監禁することになると念を押された
その代わり約束を守る限りリゾートは元奴隷ボーイをサポートする
卒業者1人の卒業式である
ステージにいたので貞操帯も装着されていない。ステージ衣装に貞操帯が出てこないようにステージに立つ時は貞操帯は外される
ゴールドだから私服であるし、B37号はそのまま紀伊大納言の元に飛び込んだ
「ありがとう」
B37号は紀伊大納言に抱かれながら礼を言った
紀伊大納言はB37号の頭をポンポンと叩きながら、
「叶夢(きょうむ)、いい子だ」
紀伊大納言こと徳田陽(あきら)が言う。これよりはB37号のことは叶夢。紀伊大納言のことは徳田陽と呼びたい
リゾートから叶夢に支払いがあった
陽から叶夢の借入金支払い後に稼いだ分や金のプレートの下取り、小遣いとして保有していた奴隷マネー、三代目水戸クンの肖像権や著作権などである
若者にはかなりの額である
「これはパパに」
叶夢は端数の数千円と硬貨を財布に取り残りは陽に渡した
叶夢を身請けするのにずいぶん負担させているはずだ。その一部に充当して貰えばと思った
陽は叶夢の気持ちがすごく嬉しかった。しかし、
「嬉しい。気持ちだけ貰っておくよ。自分を苛めて作った大切なお金だ。大事にしなさい」
と言った
叶夢の血と涙からなるお金を受け取れない
優しさに飢えていた叶夢は泣いてしまった。涙が止まらない
「優しくて、嬉しくて……。ごめんなさい」
叶夢は陽の肩に寄り添った
B37号こと叶夢はこうして卒業していったのだった
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