【実話】高1の夏休み、海の家のアルバイトはイケメンパラダイスでした☆

Rua*°

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■12.花火大会②

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屋台でたこ焼きを買い、打ち上げ時間が近づくと通りは揉みくちゃになるくらい混雑してきた。


気を抜くとはぐれてしまいそう。



いや……
既にはぐれたっぽい。←


人混みに呑まれながら、焦ってキョロキョロ見渡すも、星吾と智がどこにいるのかわからなくなった。
完全なる迷子…………。


どうしよう…と思いながらも、人の流れに逆らえず、そのまま引き返さずに進んで行く。
オロオロしていると、グイッと後ろから手を引かれる。


「なんで離れるの?」

「あっ!星吾!良かったぁ…!」

「迷子とか…小学生かよ」

わーん!!
本気で焦った!!


「ちゃんと掴まってろ!」

力強く握られた手。
星吾のその顔見てホッとした。


「ウン、ゴメン!」


星吾に手を取られながら、屋台と屋台の間をすり抜けて人混みから抜け出した。

「智は……?はぐれちゃった?」

「はぐれてねーよ。
子どもじゃねーんだから。
お前くらいだよ、迷子になるの。
智は玲奈から連絡あってそっち行ったよ。」


「あ、そうなんだ……。」


あ………。
てことは、星吾と二人きりですか!?
え、これは仕組んではないよね?


「あ…そうだ。たこ焼き食べる?どっか座って食べよっか。」

「食うことばっかりかw」

「お腹空いちゃって…w」


二人が座れる程の空いているスペースを探し、歩道の縁石部分に腰掛けた。


たこ焼きを頬張りながら星吾と話す。



「このまま花火見てくよな?」

「ウン。見たい…けど、親が心配するから……。」

「じゃあ、連絡すれば?」

「携帯持ってないんだ、私。」

「ウソ、マジで?今時?」

星吾が目を丸くする。

「マジだよ…。」

親恨む…。

「………なら、これ使えよ。」


そう言って、星吾は自分の携帯電話を
私に差し出した。


「ありがと」


星吾の携帯を手に取り、家の番号を指先で辿る。


花火大会を友達と見てから帰るので、少し帰宅が遅くなると伝え許しを得た。


「オーケー出た?」

「ウン。なんとか。
終わったら直ぐ帰んなきゃだけど。」

「良かったな。」

「ウン。ありがとー。」


星吾に借りた携帯を返す。



「なぁ、紙とペンない?」

「え。ない。なんで?」

「じゃあ、俺の番号一回だけ言うから
暗記しろ。」

「え…」

「お前、暗記得意だろ?
090-……」

「え、待って」


星吾が流れるようにサラッと言った数字を私は頭の中で復唱した。


ペンくらい持ち歩いとくべきだった!!


「ねぇ、もう一回言って?」

「駄目ー。」


星吾はスカした顔して携帯を手に持ち、はぐれた私を見つけられた事を
智に知らせる為、メールを打っていた。

もう一回言ってよ~!意地悪ッ!
正しい番号覚えてられるか自信ないけど…

星吾の番号ゲットだぜ!!!
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