【実話】高1の夏休み、海の家のアルバイトはイケメンパラダイスでした☆

Rua*°

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■36.彼氏出来たよ

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「星吾、いい加減にしろよ。」


詠太が自転車から降りてこちらに近づく。


「お前先家に帰ってろよ。
俺は後で行くから邪魔すんなよ。」


星吾は私を玄関のドアに押し付けながら、詠太に帰るよう促す。


「そういう訳にはいかないよ。るーちゃん困ってるじゃん。」


詠太は半ば呆れた様にそう言うと、強引に間に割って入り、私から星吾を離した。


はー/////
星吾、夜に家に乱入はマジ勘弁して(汗)
父上にぶっ飛ばされる!
 

「もう、いつまでもふざけてないで帰りなよ!
あーあ。外いたから足、蚊に刺されちゃったしー。」 

ブツブツ星吾に向かって文句を言った。



「ホラ、帰るぞ!」

「わかったよ。」


今度こそ帰る素振りを見せる星吾。


「るあ。携帯買ったら番号教えろよ?」

振り返り私に釘を刺した。


「ハイハイわかりました。
あ、もう家電に電話しちゃダメだよ?
今日は私が出たから良かったけど、男からの電話はお父さん繋いでくれないから。」


私がそう言うと、星吾は不満有りげな顔をしてこちらを見た。


「お前………。何その言い方。 
態度もなんか適当だし。
新しい男でも出来た?」


え……………。
え…………!?
何故わかった………!?
私、そんなにいつもと態度違ってた!?鋭ッ!!


「ウン。出来たよ…。」


今更隠す必要もないと思って、彼氏がいる事を素直に認めた。


「…………は?マジで言ってんの?」


星吾は目を大きくした。



「ウン。マジだよ…。」


「…………最近?」


「ウン。そう。
まだ付き合って二週間も経ってない……。」




シ​───ン。




沈黙…………。


気まずい。


チラリと星吾を見ると、私の視線にハッとしてまた質問をし始めた。



「………相手何高?」


「K高の3年。」


「はぁ?K高!?都内!?なんでそんな遠くのヤツと!?
どーやって知り合ったんだよ。
メル友?出会い系!?
大丈夫かよそんな男!」


「違うよ!
つか携帯持ってないじゃん、私。
メール出来ないし!
バイト先で知り合ったの!」


「ふぅん………。」


ジローッっと私を見据えると


「……じゃあ俺もそろそろ女作ろうかな。」


そう言うものだから


「そうだよ!そうしなよ!
彼女出来たら私に紹介して!」


ちょっと冗談混じりに笑いながら肩をバシバシ叩くと


「お前ふざけんな…。クソッ!」


星吾に手を払われた。




だって…。
星吾は私の事振り回すだけで、ハッキリした事何も言ってくれないんだもん…。


だから、真っ直ぐ私と向き合ってくれる、拓真くんと付き合ったの。
後悔なんてしてないよ。
今、幸せだもん。


「星吾、行こう。
るーちゃん、遅くにゴメンね。またね。」




詠太は無理矢理星吾を連れて帰った。




星吾………。
私たちは付き合う事が出来ない運命なんだよ。
きっと。


これでいいんだよね。


星吾がどんな思いで私に会いに来たのか、私に新しい恋人が出来たと聞いて
どんな気持ちになったのか…。


考えてしまうとなんだかモヤモヤして。
そんな思いを振り払いたくて、気付けば彼氏の携帯に電話をかけていた。
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